発達障害者における過度の関連づけや被害的思考を防ぐには

ここ数日ネットを賑わせているホリエモンこと堀江貴文氏への批判の件について、昨日障害者就労の問題からちと考えてみた記事をアップしたが、今日になってまた関連のおもしろい記事を発見。

 

「批判の9割は被害妄想」という記事に対して発達障害や統合失調症の視点から補足してみた(メンタル発達インフォ)

 

ちょっと引用する。

 

人間には自動思考というものがあります。自動思考とは、「○○であれば、△△である」という思考のことです。先日の堀江氏の「障害者差別問題」を例にすると、 生産性を上げろ、と言っている人物がいる ↓ 生産性を上げろと言っているということは、その人物は障害者を差別する考えを持っているに違いない(太字部分が自動思考によって導き出された考え) と考える人がいると考えられます。従って、発達障害や統合失調症がなくとも、妄想(勘違い)は起こりえます。人には誰にでも勘違いや妄想はありますよね。 (メンタル発達インフォより引用)

 

上記でメンタル発達インフォの荒川氏はの自閉症スペクトラムと統合失調症についての言及と、その他の被害的な勘違いについて述べられているのだが、私は荒川氏が「その他」に分類した「自動思考によるもの」にも自閉症スペクトラムの問題が反映しているのではないかと思うのだ。

 

自他の境界が思考に与える影響

自他の境界(自他の区分)が明確な人とそうでない人では、ある事象の自分への関連づけ方は大きく異なるだろう。

 

自他の境界が不明確になればなるほど、被害的な受け取り方をしやすく、自分と関連ある事象と受け取りやすく、人の言動をチェックせずに真に受けたり(ひいては騙された感も強くなる)しやすいと思うのだ。

このあたり、ちょっと前に記事自閉症スペクトラム児者における自他区分の問題について考えてみる(2)に、図解つきでぐだぐだ書いてあるのでよろしければどうぞ。

 

誤学習が思考に与える影響

もう一つ、被害的な考え方をしやすい理由として、誤学習があると思う。

誤学習はまあ思い込みの一種だが、何かの「やり方、考え方」での不便になりやすい思い込みと言っておこうか。

なかでも面倒なのが「正しいものは必ず1つ」というもので、理系分野などではそれが真理の追究といった方面に花開くこともあるので誤学習といえないのだが、社会的な場面に「正しいモノは1つ」を持ち込むと途端に様相がかわり、コミュニケーショントラブルの原因にすらなるので「誤学習」になってしまう。

本人にとっては「正しいことを主張、指摘した」つもりでも、傍から見るとどうみても「余計なお世話」だったり「関連つけすぎ→被害的」に見えてしまう、という現象が起こる。

このあたり、ちょっと前にツイートしてトゥギャッターでまとめてある。

 

トゥギャッターまとめ 「発達障害者が被害的になりやすい理由とその解決策について考えてみた」

これはもうちょっと詰めてそのうち記事にするつもりでいたのだが、まあまたそれはそのうちということで。

 

「ちょっとまて」の習慣化と自分の身体の明確化

正直いって、上に挙げたような「思い込み」の多発は不幸でしかない。

本人にとってみても怒ったり悲嘆に暮れたりすることが多すぎれば心身疲弊するだろうし、周りにとっても要らん手間がふえるわけで面倒くさい。

ということで、何らかの対策は必要だろう。

誤学習対策の「ちょっとまて」

これは習慣づけという部分が大きい。「ちょっと待て!本当にそう関連づけていいのか?」と立ち止まるクセをつけておく。そして、すぐに結論を出しすぎない。定型児ではほぼ教える必要がないものだが、判断を保留したほうがいい場合があるということは自閉症スペクトラム児には意図的に教えておいたほうがいいところだと思う。

 

自分の身体の明確化

身体感覚と認知は結構結びついていると思う。自分の身体が認識しにくい(コタツに入ると自分の足があるのかわからなくなるとか)状態では自他の境界を思考だけで認識することになり、身体感覚としっかり結びついている場合よりも判断エラーが起きやすくなるだろう。

私がボディワーク類をすすめるのはそういう理由でもある。

 

ってなところで今日はこの辺で。

 

 

勘違い…問題があったりなかったり…いろいろです。

 



にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ
にほんブログ村
↑ブログランキング参加してます。↑
応援の1日1クリックを!
ま、 なにはともあれ
おひとつボチっと



このエントリーをはてなブックマークに追加

にほんブログ村 トラコミュ それぞれの*発達障害と共に*へ それぞれの*発達障害と共に*
にほんブログ村 トラコミュ 発達障害児を育てていますへ 発達障害児を育てています

 

障害者差別発言との指摘のある堀江貴文氏の発言を障害者就労問題から考えてみた

扇情的な批判記事タイトルと内容との乖離から

堀江貴文氏のツイート炎上?の話がなかなかセンセーショナルなタイトルつきでFacebookでいくつか流れてきた。

「ホリエモン「障害者は働いてもプラスにならないよ!時間のムダ」」

記事のタイトルがすでに堀江貴文氏のツイートをかなりねじ曲げてるとしか思えない。

ホリエモンの障害者差別発言に非難殺到!「ついに叩く相手が障がい者になったか」「絶対に許せない」

  

どうやら「許せーん」って感じで怒ってる人が障害者福祉に関わる層や障害当事者の中にそれなりにいるようだというのはわかったのだが

…私の頭の中では、

あれ、堀江貴文氏って確かベーシックインカム賛成派だったよなあ…あれれ???

堀江氏といえば表現がおとなしいほうではないけれどそこまで不用意な発言(ツイート)するかなあ???

というような感じで疑問符がてんこ盛りなった。

で、ちょっと気になり、元を漁ってみた。

批判のきっかけになったツイートは下記の模様

それは勝手にやってくれ。ただその多くは社会的にはプラスにはならないよ。したいならやり方を考えよう RT @tookik_jp: 障碍者の人達にも社会貢献したい人は多いですよ。その場を経済活動/労働に求める人も当然います、作業だろうがなんだろうが。

https://twitter.com/takapon_jp/status/634389152738336768

これを反射的に障害者差別と捉えるのはちょっと早計だと言わざるをえない。

堀江氏は

 「したいならやり方を考えよう」

といっているのだ。

元々アマゾンの自動ピックアップシステムの話からはじまってるようで、そうなるとここで堀江氏の言っている「社会」ってのは生産活動、経済活動の場としての社会だろう。

障害者の就労と生産性、採算性

経済活動としての労働では採算性を無視することはできないのは当然だ。

だが、現在の障害者就労の多くはそれを無視した形ですすめられてしまっている部分が大きい。

法定雇用率達成だけのための雇用、補助金目当ての雇用なども横行する。そんな企業では労働する障害者を戦力化しようなどという方向性に行くことは少ないだろう。

差別解消の名のもとに無闇矢鱈に企業に雇用義務を押しつけても、賃金は低く抑えられるだろうし、生産性を無視して高い賃金を支払ってしまったらこんどは健常者と障害者との間で軋轢が生じる原因になりかねない。

誇りと生きがいを持って働くということを考えたとき、労働生産性というのを考慮しないわけにはいかないのだ。

生産性に貢献できない状態では例え賃金が得られても「飼い殺し」に等しい状態だと私は思う。

ならば、障害者を戦力化できる仕組みをつくればいいし、障害者も戦力になるべく努力すればいい。

できないことではないはずだ。

スワンベーカリー、日本理化学工業…etc.

障害者を戦力化する方向でやっている企業も出てきている

「やり方を考えてきた」企業だ。

もちろん障害者も様々である。どうしても就労が無理という人もいる。そういう人々をどう支えるかという問題は残る。

だが、それは就労問題とは切り離して国の福祉政策として考えるほうがいいだろう。

 

単純労働が機械やロボットにシフトしてきている時代である。人口の大多数が就労する必要があるのか?という問題も出てくるし、そうなれば生産によって得られた富の分配の常識というのも今後急速に変わっていくのかもしれない。

こういった情勢もふまえて考えていくと、堀江氏の発言に取り立てて障害者差別につながるようなところはないと私は思う。

むしろ、堀江氏の発言に対して障害者差別だ障害者排除思想だと声高に叫ぶ人のほうが非現実的であるような気さえする。

「じゃあどういうやり方があるかなあ?」といった方向に話しが展開するのを阻害してしまっているような気がするのだ。

こういう状況こそが、様々な障害者問題の解決を遅らせているような気がする。

障害者問題を考える環境も変わってきた

そんなことをつらつら考えているうちにこの件に関わる様々な記事が出てきた。

【検証】障害者差別発言とされているホリエモンのツイッターを順番に読んでみた(解説付き)

 

乙武洋匡氏が堀江貴文氏を擁護 差別発言との指摘に「悪意ある捏造」

”善良”で無自覚な差別主義者(ひろゆき/西村博之氏)

 

こういった記事が出てくるというあたり、10年前に比べて風通しがよくなってきたのだとは思う。

 

確かに障害者の中には悠長に構えていられないほど困っている人も少なくない。となれば、今回の堀江氏のツイートに接して、自分に結びつくような気がして過剰反応してしまう人もなかにはいるかもしれない。

だが、今、個々人が困っていることに対する対策と、社会全体として将来どうしていったらいいかの方策を考えるのはキチンと切り分けておいた方がいいと思うのだ。

両者には必ずタイムラグが生じるから、社会の変化に期待していたら、いつまでたっても不幸や不満を持ち続けるはめになる。

建設的な議論をしていきたいものだと切に願う。

 



にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害へ
にほんブログ村
↑ブログランキング参加してます。↑
応援の1日1クリックを!
ま、 なにはともあれ
おひとつボチっと



このエントリーをはてなブックマークに追加

にほんブログ村 トラコミュ それぞれの*発達障害と共に*へ それぞれの*発達障害と共に*
にほんブログ村 トラコミュ 発達障害児を育てていますへ 発達障害児を育てています

 

ブログ内検索


サイトマップ(全記事一覧)はこちら

アスパラガスの会のお知らせ

成人ASD(自閉症スペクトラム障害)者のための自助会:アスパラガスの会 ご案内

アスパラガスの会は、大阪南部を拠点に活動する成人自閉症スペクトラム障害者の自助会です。1ヶ月に1回の集いを中心に活動しています。アスパラガスの会ホームページはこちら

アスペルガーライフblogの発達障害関連動画

発達障害の常識とやらにツッコミをいれてみる !

発達障害に関するよく言われるセリフってなんか変!

自閉症(ASD)児者の聴こえ方を疑似体験!

自閉症児者の聴こえ方を定型発達の方に疑似体験していただける動画を作ってみました。

この動画に関する詳しい説明はこちらの記事をどうぞ。

うわ!狸穴猫が本に登場してしまった
かなしろにゃんこ。さんの新刊に狸穴猫が登場します。
閲覧ありがとうございます。
にほんブログ村メンタルヘルスブログ 発達障害・自閉症へ
にほんブログ村
発達障害・自閉症
←ランキング参加してます。応援の1クリックをよろしく!

別館 自閉症スペクトラム情報館はこちら

スポンサード リンク
ソーシャルメディア
便利ツール(別館)
狸穴猫のおすすめ
管理人からのお願い

記事に関係ないコメント・個人的な相談にはお返事できない場合があります。あらかじめご了承下さい。
また、できるだけ個人的な相談はご遠慮下さい。

狸穴猫のおすすめ(その2)
RSSフィード

 

こんなページが読まれています