何故か息子:ヒイロの話が連続する。
2010年6月9日水曜日。
いつものように午前1時45分に起き、タヌキの朝食と弁当を作り、午前3時10分にタヌキ送り出した私は、ちょっとだけWEBを閲覧。4時に再び寝床に入った。
そして2時間半後、けたたましい声で起こされた。
「かーさん!腹が痛い~!!」やれやれと、起き出すと、
ヒイロが泣きそうな顔で腹を抱え、座り込んでいる。
「どうにかして、痛い~」
「どこが痛い?」
腹を押して確認すると、どうやら右下腹部が痛むようだ。
「医者、病院、早く~」腹を触ってみるが堅くなっている様子はなし、
わめいている割りには冷や汗や脂汗をかいている様子もない。
そう急ぐほどの事でもなさそうだ。
とはいえ、ゆっくりするほどでもない。
相当痛そうではあるし、痛む場所が場所だけに虫垂炎の可能性があるにはある。
市立病院に電話をかけると、
「今日は救急やってないので…」
と、救急指定医を紹介してくれるサービスの番号を教えてくれる。
3カ所教わった病院をWEBで調べると、どこもかなり遠い。
車がないわが家にとっては、入院した場合のことも問題だ。
この時点で午前7時ちょっとすぎ。
仕方ないのであたりをつけた病院に片端から電話をしていく。
徒歩30分ほどの距離にある病院は2月で救急をやめたという。
「ここは救急砂漠か!!」という怒りはちょっと置いておいて
ヒイロはわめき続ける。
「かーさん、痛いよ~、早く~、病院、タクシー!!」もうすぐ8時ということもあり、隣の市の市立病院に通常診療で行くことにする。
入院も視野に入れておかなくちゃならない。
なにせ持病の多い奴だ。
猫「飲んでる薬とお薬手帳一切合切持っておいで!!」
ヒイロが離れの自室から薬の束を持ってくる。
(ま、まだそれなりに動けるようだな)
問題がもう一つある。
病院にいくにしてもミチャポンをどうするか…。
8時まで待って保育所に頼み込み、いつもより1時間早く登園させた。
(ミチャポンは時間外保育の登録はしていないので、いつもは9時以降登園なのだ)
カバンに薬の袋お薬手帳とティッシュをひと箱放り込み、
タクシーを呼び、8時25分、病院の門を叩く。
8時半の受付開始と同時に受付をしようとしてていると、
長いすに横になってうずくまり
「かーさん、痛い~、まだ~」とわめく
ヒイロの脇を通勤してきてすぐの看護師数人が通りかかる。
看1「大丈夫、一人できたの?」
猫「あ、一緒に来てます。おなか痛いっていっているんですけど何科にかかったら…、」
看2「そうねえ…どこが痛い?」
ヒイロ「ここ、ここ」
看1「うーん、消化器科で」
看2「ちょっとしんどそうだからこっちで寝ててもらおうか」
ストレッチャーのおいてある緊急処置室(かつて救急指定病院だった時使っていた部屋のようだ)に通され、ヒイロはストレッチャーの上に。
「痛い、痛いよ~、早く助けて~」ヒイロはわめき続ける。
予約優先だとかで、9時の診療開始からだいぶ待たされてやっと9時半近くになって消化器科で診察。
あんまり予約優先というのもちと困りものだな~という感想はともかく。
医「虫垂炎の可能性があるにはあるけど、盲腸の場所が堅くないんですよ。とりあえず、血液検査で炎症の値を調べますね、あと、(便が)出てないみたいだから、結果が出るまでに30分くらいかかりますから、一回浣腸して便を出してみましょう」
さて、糞詰まりか、虫垂炎か…
採血後、看護師に伴われて広い多目的トイレに…。
出ない…
そうこうするうち、血液の結果が出て消化器科で呼ばれる。
医「白血球が18600まで上がってますから、炎症がかなり起きてますね。虫垂炎の可能性が高いですねえ、すぐ外科に回しますから、外科の先生にみてもらってください。」
ヒイロは外科に通され、処置用のベッド上で待機
ヒ
「痛い~、早くなんとかしてよ~」猫「少しは静かにしなさい、他の患者さんもいるんだから」
ヒ「かーさん、手、手ぇ握ってて~」
男は痛みに弱いとはよくいうが、とにかく情けない。
外科で15分ほど待たされたろうか?
診察の番が回ってくる。
恰幅の良い外科医は触診をして、自信ありげに言い放った。
「虫垂炎の可能性が高いですね。レントゲンとCT撮って確認しましょう」
早速、ストレッチャーにのって放射線科へ。
とりあえず胸部と腹部の単純レントゲンを撮り、次にCTの撮影室へ。
ところが、なかなかCTの部屋から出てこない。
撮影室の方から、看護師二人が顔を出してきて、
看「お母さん、朝からなにか食べてます?」
猫「ジュースいっぱい飲んだだけですが…。」
放射線科の技師or医師と看護婦二人が、画像を見ながら首をかしげている。
(うまく写ってないのか??)
とりあえず外科に戻り、しばらくストレッチャーの上で待たされた後、私だけが呼ばれた。
医「右の尿路結石です。それと腎臓の出口が炎症起こしてます。」
医師はCT画像を見せながら細かく説明していく
、
虫垂の場所に炎症や肥大像がまるで見えないこと、
それより若干下の位置に結石らしき像がハッキリ映っていること。
腎臓の位置を見ると、腎盂の肥大像がハッキリ見えること。
痛みは結石が詰まっているところで起こっているとみられること。
(なるほど、放射線科で首をひねっていたのはこういうことだったか!)
医「炎症の値が高いのですぐ入院加療が必要です。もう少しで石は膀胱まで落ちると思うので。それまで輸液で強制的に利尿して、あと、炎症には抗生剤を使います。」」
猫「入院期間は?」
医「3日~1週間程度ですね、
尿路結石なら切らずに済むとちょっと胸をなで下ろす。
痛み止めも有りだろう
猫「だいぶ痛がってるんですけど、痛みは何とかならないもんでしょうか。」
医「ああ、痛みは、座薬ですぐ止まります」
(医師は即座に看護師に痛み止めの指示を飛ばす。)
医「結石は前に僕もなりましてねえ、痛いんですよ。」
猫「朝からのたうち回ってました」
医「そうでしょうねえ。じゃ、そういうことで」
猫「よろしくお願いします」
診断がついたのは12時近かった。
処置室のストレッチャーに乗っているヒイロのところに戻り、
結石なので切らなくて良いこと、痛み止めがすぐ来ることを伝えていると
早速看護師が痛み止めを持ってやってきた。
私の元には入院関連の書類と入院案内のパンフがやってきた。
書類の一枚を書き上げて受付に出したところで入院の準備が整い、ヒイロは車いすに乗せられ病棟へ。
病棟でベッドに落ち着く頃には痛み止めが効いてきたのか、だいぶ元気が出てきた。
早速、出された昼食を食べているヒイロを尻目に私は残りの書類書きである。
看護師の入院時の質問に一通り答えると、私は入院の準備をしに家に戻る。
なにせ、ヒイロが小さい頃から喘息で入院慣れしているから、入院準備など慣れたモンだ
さっくり準備をすませて新聞をコンビニで購入して病院に戻ると、点滴につながれたヒイロが暇そうにしている。
猫「おー、久しぶりの留置点滴じゃん」
ヒ「嬉しそうに見るな! そうそう、入院5日くらいだって」
猫「あ、そう」
暇つぶし用の新聞をわたし、ロッカーに入院用品を放り込むと、
「ミチャポンのお迎えあるから、じゃね~。」
といって病院をあとに。
しかし、疲れた。
ここ2週間、ヒイロに家事丸投げして、安静にしていた身には、
きつい一撃だった。
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翌日、6月10日木曜日
問題は私の足の蜂巣炎が完治してないことと、予定が立て込んでいたことだ。
土曜日に予定していた、掌跡膿疱症でわたしが通っている病院への通院を木曜にずらさなくちゃいけなくなった。
普段は土曜日にミチャポンをヒイロに頼んで行っているが、それができそうにないので、保育所のある木曜にずらすしかない。
金曜はミチャポンのための買い物(保育所用の品)のためにあけておく必要がある。
朝、9時にミチャポンを送り出し、急いで吹田の病院へ向かう。
天王寺の駅に着いたとたんに電話が鳴る。ヒイロのいる病院からだ。
看「先生からお話ありますんで、いらしたらナースステーションに声かけてください、何時頃おいでになれますか?」
入院延長か…、それとも別の病気でも見つかったか??
とりあえず急いで戻らなくては。
吹田の病院で薬をゲットして、途中の書店でヒイロのために文芸誌を買い、自宅の最寄り駅到着したのが午後2時。
南河内から吹田は遠い。
というのはまあ、ともかく、自宅へ向かわず、ヒイロのいる病院へ向かうと、携帯が鳴る。
ヒ「喘息の頓服薬持ってきて欲しい」
猫「はあ、もう病院の前だよ」
ヒ「なら、そのまま来てくれ」
えらそうである。
病院に着くと、荷物を一切合切まとめたヒイロがベッドの脇に座っている。
猫「へ、退院?、痛みは?」
ヒ「今朝痛み止め飲み忘れてたけど痛くならなかった。」
猫「石、落ちたんかねぇ??」
ヒ「さあ?、母さん来たらナースステーション寄って欲しいって言ってた」
猫「はいはい、聞いてる。行ってくるわ」
ナースステーションに行くと、
「先生からお話ありますんで、ご本人さんも一緒に談話室の方へどうぞ」
とのこと。
気の早いヒイロは荷物を一切合切もって談話室へ来る。
医師から、
とりあえず結石が膀胱まで落ちた様子だということ
炎症の値が急激に下がっているので、家で加療可能
よって退院許可。
ということを聞き、会計の準備ができるまで部屋で待機。
入院費払うほどの持ち合わせがなかったので、私は近くのコンビニまで預金を下ろしに行く。
戻ったが、まだ会計はできていない模様。
仕方ないので座って待つ。
ヒ「いやあ、暇で暇で」
猫「にしても、あっけなかったな」
ヒ
「本気でションベンしたからな」猫「はぁ??」
ヒ「たくさんオシッコして流すのがいいって医者が言ってたから本気で出した」
猫「へ?」
ヒ
「勢いよく出そうと毎回本気でに気合い入れて出した」ヒイロの顔を見るに、別にギャグをいっているつもりはないようだ。
単にヒイロは真剣に小便に取り組んだということをいっているだけだ。
しかし…
本気?? 気合い??どう考えたらそういう発想になるんじゃ!!!!
「ぐふ…、ぐふ…」
もちろん病室内なので声を押さえはしたが、
私は笑うのをやめられなかった…
(膀胱から勢いよく出るだけだろうが~その上の方には関係ないだろ…とも言いたい。)
ヒイロの本気が効を奏したのかは全くもって不明だ。ま、とりあえず、あっけなく一泊二日でヒイロの入院生活は終わった。

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