漢字の書き取りと身体感覚と発達障害

母を悩ませる発達障害児の漢字学習



発達障害児を持つお母さん達の声を聞いていると、結構漢字学習に関する悩みをよく耳にする。

漢字がなかなか覚えられないとか手先が不器用なのか字がのたうち回る…とかまあそういった類いの話だが、そういったことに身体感覚というものが結構関わっているのではないか?という疑念を前々から持っていた。

私自身はさほど苦労した部分ではないので「なんでなんだろ?」とは思いながらも放置していた問題だが、こないだふと昔の友人とネット上で話していて、その昔に考えた漢字の学習メカニズムに関するある仮説があったことを思い出した。

20年ほど前、まだ狸穴猫が塾業界と関わりがあった頃、当時パソコンが普及し始めた頃だったか、仕事でデジタル画像をいじる羽目になって「画像の形式」なんてものに出くわし、なんじゃこりゃ?といろいろ情報を漁りながらふと考えたものだ。


漢字を学習するステップをデジタル画像の形式から考えてみる




前もって用語解説しておくと、デジタル画像の形式は大きく分けて2種類あって、
 点の集合として扱うのがラスタ型の画像データ(JPEGとかGIFとか)
 方向をもった線分、曲線として扱うのがベクタ(ベクトル)型の画像データ(EPSとかWMFとか)
である。


漢字を学習する時のステップはこうなんじゃないか?

 初めラスタ型データとして学習。
      (ラスタ型データは大きいために記憶しにくい)
        
 漢字の書き取り練習で手を動かしてベクタ型データに変換して記憶。
      (ベクタ型データは小さいので記憶しやすく、かつ再現しやすい)


「漢字を読めるけど書けない」という場合、解像度の低いラスターデータで記憶を保持していてベクタ化が十分にできてないということなんじゃないのだろうか?

そして、書き順というのは書きやすさの問題もあるだろうが、書き順を固定することでラスターデータを効率よくベクタ化しているのではないだろうか?


とまあそんな事を考えていた。


もし身体の芯がふにゃふにゃだったら?




さて、ここからが最近考えたことの話。


「自閉症児の身体面の問題」というのは結構大きい、粗大運動の問題、微細運動の問題など…まあ不器用なことが多いといった話であるが、このあたり、大阪市内でスポーツ塾のデイサービスをやっている森嶋勉氏も「身体の芯ができているのが重要」と言う。

そこらあたりはこの本に詳しい↓
伸ばそう!コミュニケーション力―不器用でも、体力なくても、友だちいなくても、今日からできるワクワクトレーニング

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私も姿勢の重要性は私も前から感じてはいた。


ところで、身体の芯が曖昧だったりしたらどうなるだろう?

書道で姿勢がグニャグニャしていたらまず書きにくいだろう。
それはなぜだ?


ここで昔の仮説とつながった!


体幹をしっかりさせれば座標と原点がしっかりする。



ラスターデータをベクタデータに変換するためには「座標平面」と「原点」が必要だ。
そして人間において姿勢をしっかりさせるということは「使用する座標平面」と「原点」をはっきりさせるということに他ならない。

身体の芯があいまいな状態(体幹がしっかりしていない状態)だと、当然座標平面も原点も揺れ動いてしまうので
効率よく学習(ベクタデータへの変換)ができないということになりそうである。

再現するとき(つまり書くとき)も座標平面と原点が安定していることは必要だ。
となれば身体の芯(体幹)がしっかりしているかどうかということは当然書字にも影響が及ぶだろう。


実際に書くには記憶に加えて身体の感覚をうまくとらえて筆圧や筆の進む方向のコントロールをしたりだとかいう部分も加わるが、これらもやはりベクタデータに近いものだけに身体の芯(つまり内なる原点)がしっかりしていないと学習は難しい。


まあ、書字や読字の問題は1つの原因だけではないとは思うが、不器用さ全般を抱える発達障害児の場合、身体をしっかりさせること、が書字をはじめとした学習の問題の改善につながる可能性は少なくないだろう。


体幹をしっかりさせるとは内なる座標軸と原点を確立するということなのかもしれない。

やはりまずは身体が基本、そう1人納得する秋の夜長なのであった。



=======================

イベントのご案内(大阪) / 終了しました


身体の芯をしっかりさせる早道は身体と対話すること。
そしてフェルデンクライスボディワークは身体との対話を思い出させてくれます。
仕事に家事に子育てに療育にと忙しくて最近ゆっくりリラックスすることなんてないわ~というお母さま方もぜひどうぞ。

「発達障害児の子育てTips講座+フェルデンクライスボディワークプチレッスン」
2014年11月8日(土)13:50~/クレオ大阪中央

詳しくはこちらの記事をどうぞ



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3度目のフェルデンクライス + イベントの予告

3度目のフェルデンクライス

9月13日に3度目のフェルデンクライスボディワークに行ってきた。

間抜けに遅い記事になったが、理由はまあいろいろある。

9月半ばあたりは予定を詰め込みまくってほっつき歩いていたのだが、その後メインで使っているパソコンの不調という難儀な事態が発生、最低限の用事はノートパソコンでやっていたが、慣れないキーボードに四苦八苦するので意欲もダウン、そして9月25日以降はメールの送受信も難しい状態となり、新しいパソコンの購入からデータの復旧作業、そしてやっと昨日メールが復活したというわけだ。

そして、この記事はメール送受信態勢が整わないと困るといった情報を載せる予定があるだけに押せ押せになっていたのであった。
(メール送受信態勢が必要な理由はこの記事の最後のほうに載っている)

 

フェルデンクライスレッスンの実況

今回は初参加の友人の子の子守もかねて行ってきたので、ハーフ見学ハーフ参加という形であったがそれでもなかなか得るところは大きかった。

毎度おなじみの身体感覚のスキャニングといった、デフォルトの体の状態の確認からレッスンは始まる。立った状態で前後左右に体をほんの少しゆーっくり揺らすといった方法もやったのだが、これがなかなか意外な感触。簡単な動きなのにゆっくり丁寧にやるとなかなかスムースには動けない部分に気がつかされる。

フェルデンクライスボディワークの動きは全般的に非常にゆっくりとしたものばかりだが、こうすることによって、速い動きをするときには気がつかなかった動作の苦手な部分が感覚としてわかりやすくなるのだろう。

速い動きをするときにしっかりスムースでミスのない動きをするために、意識しにくい部分がスムースに動くことが必要だとすれば、これは理にかなったことかもしれない。

さて、メインはというと、フェルデンクライスボディワークの新しい流れというタイプのレッスンと古典的なタイプのレッスンの二本立て。前半は「あべこべ体操」というもので、体の動作と視線を逆転させるというものを中心としたものだ。この部分は子守に励んでいたので見学したが、そもそも私がフェルデンクライスボディワークを知ったきっかけがこの「あべこべ体操」で、その効果が非常に気に入ったのでいろいろ見られて楽しかった。

後半の古典レッスン部分にはほぼフル参加だったが、これもまた視線の移動を利用するといった感じの動き。据わった状態で上体をひねる動きをするのだが、腕の動きと視線の動きを使いながらその動作をしていく、はじめの時点で動かなかった部分がレッスンの最中にほぐれていくのが実感でき、だんだん可動範囲が広がっていく!!人間ってものは単にひねるといった動作だけにも非常にさまざまな筋肉や関節を使っているのだなあとちょっと感動。

しかし、ここで感動しちゃうということは、使えるはずのいろんな部位をそれまでうまく使えていなかったということでもある。あちこち凝った挙句に使えなくなったのか?それともそもそもその部位を使えるということを学習していなかったのかは定かではないが、とにかく体をフルに使う練習をしているのだということは間違いないだろう。

フェルデンクライスとデジタル耳せん

ここしばらく記事を読んでいてくれた方にはすでにご存知のことだが、先月から私は聴覚過敏対策のためにデジタル耳せんを使い始めた。

使い心地はきわめてよく、まあ、その辺はほかの記事にも書いた(こちらの記事→ デジタル耳せん(キングジム製)を買ったのでその感想 デジタル耳せん使用レポート第二弾)のでそちらを読んでいただけたらよいが、ちょっと不可思議な現象があったのだ。

というのはデジタル耳せんを利用しはじめて3日ほどたったころからか、妙に身体がフワフワした感じに見舞われ、どうも足元がおぼつかない感じがする。だが同時に足の裏が以前よりしっかり地に着いた感じもしていたので、デジタル耳せんのおかげで不要な聴覚刺激をカットしたことによってあちこちの緊張がほぐれ、その身体の変化に動作のコントロールがついていかないといった状況だったのではないかと考えた。そしてそのフワフワ感はなかなか抜けない…というか、9月13日のフェルデンクライスのレッスンの日までしっかり持ち越していた。

そして、もしかしたらフェルデンクライスのレッスンでそのコントロールが多少なりともマシになったらいいなあと若干の期待を持ちながらレッスンに望んだのだった。

結果は…、大ヒットである。

ハーフ参加の一回のレッスン以降、身体のフワフワ感とそれに伴う足元のおぼつかない感じはきれいさっぱりなくなった。半月以上たった今もまったく後戻りしていない。

やはり、「不要な緊張のせいでつかってなかった身体部位」の使い方が脳にインプットされたのだと解釈してよさそうだ。

いったいどれだけいらん緊張してたんだよ?>自分

 

ともあれ前回同様の「帰り道で歩くのが楽しい」というおまけももれなくついてきて、終了後一緒に参加した友人と難波で食べたご飯もことのほかおいしかった。

親御さんむけ関連イベントの予告

このところ、感覚面や身体アプローチ関連の記事が多かった。

春先から書いてていた視線関連の話も含めて超ザックリとまとめてしまうと、適応状態を良くするためには、

  1. 視聴覚をはじめとする感覚刺激による脳の負荷を少なくする
  2. 運動機能の土台をかためて楽にすごせる身体をつくる
  3. 身体感覚からくる世界観の問題や対人認知の問題からくる誤学習を防ぐ

というような方向性があるんじゃないかという結論に至ったわけだ。

2次障害の部分をのぞけばこういった方向性はそれなり…いや、かなり役に立ちそうである。

だが、2番目の身体アプローチの重要性については、体験してみないとわからない部分も大きい。

親御さんの立場にたてば、「本よんだだけで自己流でやるのはちょっと心配」とか「せめて体験してみられれば…」という気分になるのもわからないでもない。

さらに子育てに疲れがちな発達障害児の親御さんに、ご自分の身体をいたわる機会を持っていただけたらという思いもある。

そんなわけで、私がここ3回ほどお世話になったフェルデンクライス教室のプラクティショナーの安藤昌博さんにお願いして、親御さん向けの体験レッスンをしていただけることになった。

それにプラスして3番目の誤学習の予防と対処についてため込んでいた話をさせてもらうということでイベントをやってみよういう話である。

日時:2014年11月8日 13:50~16:10

場所:クレオ大阪中央
(大阪市内、天王寺駅から徒歩10分、地下鉄四天王寺前夕陽丘駅から徒歩3分)

参加対象:発達障害児の親御さん

参加費:2500円

2014年10月8日夕刻に受付開始予定、受付開始時に詳細とともに記事をまたアップします。

↑この受付態勢のためにメールのスムースな送受信環境が必要だったのでした。

 

 

 

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フェルデンクライス体験から身体感覚について考えてみる(身体アプローチ体験その3)

一昨日の土曜日の午後、フェルデンクライスボディワークのレッスンに行ってきた。
もう一回体験していろいろな感触を確認しておきたかった。

前回のフェルデンクライスレポートはこちら

2回目のフェルデンクライス



さて実況部分からいこう。

前半は座ったまま足をもちあげて転がる…ちょっと表現しにくいのだがそんな感じのワーク。

寝っ転がって身体の接地状況をまずはモニタリングするところからスタート

その後、指示通りに足を上げたり転がったりとまあいろいろなのだが、
いわゆるストレッチのような「がんばって筋肉を伸ばす」というような動作は皆無。
小休止を入れながらゆっくりペースで続くレッスンは心地いい。

フェルデンクライスでは「がんばらないことが重要」とプラクティショナーの安藤氏は言う。

なぜか途中で背中の奥の方がほわっと温かい感じになってきた。
自律訓練法とか気功とかで身体各部に意識を集中した時に感じる感触にとても似ているのだが、背中に意識を向けてはいないところにふと起こった感触だったのがまるで違う。

しかし…してやられた!

はじめの形で座った段階では多少つっぱり感があた股関節部分や大腿部がとても楽になっている。
同じ形で座ってもつっぱり感がないだけでなく股関節の可動域が広がっている。

いつの間にかあちこちゆるん楽になっているようだ。
どの段階でどこが楽になったのか?

確認したかった謎はまた次回へもちこしとなった。


そして終わってびっくりしたのは、背中の触覚。

実は背中の右半分の真ん中あたりの手のひら大の面積の触覚が20代後半からなくなっていて、なんだろうなとはおもっていたが別に困らないと放置していたのだが、その部分の触覚が復活してしまった。
恐るべしフェルデンクライス。

身体感覚と重力感覚と運動と




後半のワークは首と眼球の運動を組み合わせた動きの少ないものだったが、動かしてないはずの首より下にいろいろな感覚が生じたのがおもしろい。奥の方の筋肉や骨が影響をうけているのが実感できる。
そして今度もほわっと内側が暖かくなる感じ…、今度はお腹に来た。

ワークの仕上げに部屋の中を歩くのだが、やはり今回も足底感覚がずしーんと来た。
身体の重さを足底でしっかり受け止めている感じ。

2回のレッスンを通じて、足底でしっかり体重を受け止められることの重要性を実感するとともに
自分の身体のあちこちの感触を楽しむことができれば、身体を動かすことも楽しみやすいかなと思った。
同時に、身体の感覚をうまくつかめるようにすることによって身体が重力をうまく処理する力が伸びるとも。


身体感覚や運動能力にトラブルを抱えるASD児者は少なくないことを考えると、こういった身体へのアプローチというのは意外に全体状況のの改善につながるものとして試してみる価値はあるかもしれない。


なんにせよ、帰り道、歩くのが楽しいというのはとてもご機嫌である。




プラクティショナーの安藤氏のブログはこちら






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フェルデンクライスボディワークを体験してきた(身体アプローチ体験その2)

フェルデンクライスボディワークに興味津々

5月頃だっただろうか?ストレッチについて調べていてたまたま見つけた「あべこべ体操」というとても簡単なストレッチ体操をやってみて、非常に気に入っていた。気に入っていた理由は肩こりが治ったのでもなんでもない(元々肩こりしないから…)、なぜか「寝付きと寝覚めが良くなった」からである。

で、その出所をと調べていくと、その開発者はどうやらフェルデンクライスボディワークの指導者らしいとわかった。以来フェルデンクライスボディワークにはちょっと関心を持ってはいた。

ところが7月3日、たまたまfaceookで知り合いがフェルデンクライスボディワークのレッスンに行ってきたという話題を書いていたのを見て「いいな~興味あるんだよね~」ってなことを書いたら、「大阪でもあるよ~」と教えてくれた別の方がいた。

「へえ、それはいいかも!」と詳細ページをみたら2日後に近場でレッスンイベントがあるではないか。しかもなんと指導者がアスペルガー絡みでの古い知り合いではないか!!あーびっくり! (指導者まささんのHPはこちら→ http://climbmasa.blog86.fc2.com/ )、これはラッキーというわけで即申し込みをして参加と相成った。

フェルデンクライスボディワークのレッスン体験記

さて、当日会場に開始10分前に到着し、さっそくレッスン。 うーん、なかなか独特のスタイルである。

身体動作の見本を指導者が示すのではなく、指導者の口頭での指示に従い、参加者が自分の感覚を頼りに身体を動かしていく。

口頭での指示も非常にゆっくりとなされるので、超寝不足頭でも特に混乱する事なく理解し動作をすることができたから口頭での指示がかなり苦手な人でも苦にならない範囲だろうと思われる。

非常にゆっくりとした動きをしながら動作させている部分とそれに連なる様々な関節・筋肉等への波及の感触をずずずいーっと確認していくといった感じ。

おもしろいのは意図的に動作させているところ以外への波及が広範囲に及ぶのがわかる事だ。足を動かしているはずなのに肩にテンションがかかっている感じやら。舌を動かしているのに耳に波及感があるというような感じなどである。

そして特に興味深かったのは「接地感」である。 ワークとワークの間に「立つ」「歩く」という動作が入るのだが、はじめのワークが終わってゆっくり立つようにという指示で立つのだが、びっくりした。

足の裏が床面に吸い付く!

あえて言葉にすれば身体のあちこちのバランスが良くなり、結果として足の裏の接地面が広がったのだろうということになるが、足の裏全体で重力を感じるといったその感触が非常に印象的だった。

翌日以降、1人で同様の動作をしてもやはり同じ印象。 畳1枚分のスペースがあれば1人でもやれるのはうれしい。

ちなみにフェルデンクライスボディワークというのはウクライナ出身の物理学者が開発したものだが、開発者のモーシェ・フェルデンクライスは嘉納治五郎の直弟子で柔道で黒帯を取得していたという。

身体の動きと脳みその関係というのは深いなあとあらためて認識。



フェルデンクライスメソッド入門

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操体法のコンディショニング講座を体験してきた(身体アプローチ体験その1)

身体アプローチ体験をしてきた

このところ、ASD児者の適応改善につながる身体からのアプローチについてあれこれ勉強しているのだが、6月と7月にラッキーな体験ができた。

1つは操体法というもの。 もう一つはフェルデンクライスボディワークというもの。

どちらも身体へのアプローチでありながら、身体的負荷が非常に低いものだ。もちろん運動能力なんぞこれっぽっちもの必要としないのもうれしいポイントだ。どちらも自閉症スペクトラム児者だけをターゲットにしたものではないが、身体の荷重バランスを重視したものなので、姿勢や立ち方などにも大いに関係するから自閉症スペクトラム児者にとっても役立つものであろうということで、前々からいつか体験できないものかと狙ってはいた。

ひょんなことからその機会に恵まれたのでこれ幸いと出かけてきたわけだが、せっかくいったのに記録を残しておかないのはもったいないので書くことにした。

この記事は操体法体験についてまで。 フェルデンクライスボディワーク体験の記事はこちら

操体法に興味津々

6月14日、横浜で行われた「栗本さんのコンディショニング講座」というものに参加してきた。 栗本さんというのは、小田原で「からだ指導室あんじん」という操体法の教室を開かれている方で、最近自閉症児者の姿勢の問題にも取り組まれている。

この講座の主催は「自閉っ子シリーズ」の版元の花風社さんで。花風社の浅見社長のブログでこの講座のことを知り、参加してみたいと思ってはいたものの、なにせ開催地が東京だの横浜だのっていう首都圏ときたもんだ。ちょっと大阪から気軽に参加というわけにはいかないなあと指をくわえていた。

そんな折、父の23回忌の法事を6月15日にすると実家の母から電話が。私の実家は埼玉南部、法事は東京谷中のお寺でやる、すなわち当然上京することになる。

おおお、前日ちょっと早めに出かければ栗本さんのコンディショニング講座に参加できる! これはまさしくご先祖様のお導き!ありがたやありがたや!

とまあ、こんな具合で幸いにも参加できる事になった。

操体法コンディショニング講座体験記

6月14日、久しぶりに家を空けるのでその準備やら何やらで忙しく、おまけに新幹線の中でも寝そびれ、へろへろの寝不足状態で新横浜に降り立ち、電車を乗り継いで5分遅刻で会場に到着。

広めの和室に集まっているのは自閉症児の親御さんと成人当事者といった模様。 自閉っ子と姿勢の問題についての概観について、栗本さんと浅見さんのお話の後、実技スタート。

まずは状態の把握からということで、身体のバランスをいろいろ見ながらワークをしていく。 ワーク自体は、

「え、これだけ?」

というような非常に簡単で、動作も運動的な要素(連続的な動作)がほとんど伴わないものが殆どでちょっとびっくり。

そして、短いワークの後で身体の状態を確かめるために動いてみてまたびっくり。一つ一つのワークをしていくごとに確実に身体のバランスや関節の動きが変わってくるではないか。

そしておもしろいのはそれに伴って生じる筋肉が軽くなる感じ。

「今日バタバタ歩いた足の疲れからの筋肉痛にならなくて済むかも、しめしめ」

と密か思っていたのだが、翌日本当に筋肉痛ならなかった。 特にストレッチっぽいことはまるでやっていないので、これはおもしろい。

(今回は主に2人ペアでやるタイプのワークを教えてもらってきたので、翌日の法事→動物園行きとたっぷり歩いた後に母と2人で試してみたが、やはり同じような体感をえられた。)

私自身、肩こりは殆どしないし、立ち仕事苦になるほうではないので、たいして問題はないかと思っていたが、いくつか問題点…というか身体のクセを発見してもらえたし、改善方法も学べたということがラッキー…ということもあるが、ここから考えられるのは自閉症(ASD)児者の身体の負荷というのは予想以上大きい可能性があるということだ。

なにせASD当事者で動きにくそうな人や姿勢の悪い人はいくらでもいる。

自閉症(ASD)児者の身体負荷の問題を再認識してきた日であった。




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アスペルガーな狸穴猫の姿勢なおし遍歴(2)-腰痛解消したら立ちつづけても疲れない身体に-

前回の記事「アスペルガーな狸穴猫の姿勢なおし遍歴(1)」はこちら


腰痛は一筋縄ではいかなかった…




座った時に上体を維持することはそこそこできるようになった。
これだけでもかなり快適である。


だが、中2でぎっくり腰をやって以来、私はしばしば腰痛に悩まされた。

長時間立っていると足が張ってくるし背中も張ってくる。整形外科の医者には筋力つけろといわれたが、高校入った頃の背筋力は女子の標準値を遥かに超え、同年齢の男子の標準程度あったので、「いまさらどうしろっていうんじゃい?」であった。


なすすべもなく、ときおり「プチぎっくり腰」を起こしては治り…を繰り返していた。今思えば立ち歩きの際に足腰に余計な力が入っていたのだろう。


これが解消したのは20歳すぎてから。


1度目の大学に入った頃、特に意味はなかったがそれなりに見てくれを気にするお年頃。
モデルさんのきれいな歩き方に憧れ?一直線上を歩く練習とか、足運びの練習とかもした。
まあ、これも多少の効果はあったのかもしれない。


そして…


寝付きの悪かった私は不眠解消目的で太極拳だの気功だのをはじめたのだが、スローな動きで安定した動きをするというのは結構難しい。試行錯誤でしばらくやっているうちにあることに気がついた。


体重の移動にはまずは腰の安定だ!


そうこうしているうちに、気づいたら腰痛がなくなっていた。
腰を意識したこと、そして丹田呼吸を意識することで自然と力の使い方がうまくなっていったのかもしれない。



だが、話はここで終わらない。




さらに数年後へと話は続く。



出産・育児で腰に負担が…





息子を出産してしばらくした頃、確か息子が2歳くらいの時だったと思うが腰痛が復活!してしまった。産後はやはり骨盤がゆるんだりするらしいし、おんぶや抱っこをしたりもするのでなにかと腰に負担がかかるのかもしれない。(そういや骨盤体操とかってありますねえ)


太極拳やら気功やらをやってみたものの効果が長続きしない。


しかしなんとかせねば死活問題だ。


ド派手に動き回って目の離せない2歳の息子を追いかけ回さざるを得ないので腰痛をほっておく訳にはいかない!
とはいえ、整体や針灸に通う余裕はない。時間的にも金銭的にも無理だった。



手っ取り早く速効でなんとかしたい!



姿勢は足の裏に出ていた!





正直私は横着な人間である。
面倒なことは大きらいだ!
そんなわけで簡単な方法探しに躍起になった。
整体の本だの腰痛体操の本だのを買い込んでいろいろ手軽そうな手を試してはみたがはかばかしくない。


そんなこんなしているうちに、テレビだっただろうか、足腰の問題がある人は靴底の片減りがあるという話を耳にした。


自分の靴の靴底を確認してみてビックリ!


外側ばかり減っている!!


足の外側使って歩いてたんだなあ…、これでは腰に負担がかかって当然かもしれない。
(ま、いわゆるところのO脚ぎみというやつです)



うーん、どうしたもんだと思ったが
じゃ、強制的に外側を上げてみりゃどうなのよ?
と、スリッパの裏の足の外側ににいろんなものを貼り付けてみた。



割り箸 … ちょっと高さが足らないかな?

木ぎれ … 高さは適当になっtけど当たりが堅いなあ。

消しゴム … これ、いいじゃん!


こんな感じでガムテープで貼り付けた。
なあに、外ではくモンじゃなし、ガムテープで充分!


soko.jpg



足の親指の付け根に力がかかりやすいように消しゴムの厚みを調整したり、消しゴムを貼り付ける位置を試行錯誤で変えてみた。(注:当たり前のことだがX脚ぎみの人は高くする位置が違ってくるだろう…たぶん反対側)


そんななわけで、スリッパの裏に消しゴムを貼り付けたのを履いて家事をしてみた。


あれ、腰が楽だわ!!!


1週間程度使っただろうか?
身体が楽な立ち方を覚えてしまったようで、スリッパなしでも親指の付け根に力がかけられるようになった。



信じられないくらいあっけない腰痛との別れであった。



それ以来20年ちょっと経つが、いくら立ち仕事を続けても腰痛になるということがなくなったし、立っていて背中が疲れるということも全くなくなった。


中高生のころから捻挫ぐせがあり、捻挫の上をいく?リスフラン靭帯損傷もやって整形外科がよいをしたこともあったのだが、腰痛が解消してからというもの、ありがたいことに捻挫ぐせもすっかりなりを潜めてくれている。



ちなみに、靴底に傾きを作って腰痛防止やらO脚防止をするアイテムというのは既に市販されてますね。






靴にいれるインソールタイプってのも。










昔こんなのあれば自分でわざわざつくるこたなかった…。



こんなもんで狸穴猫の姿勢矯正遍歴はおしまいです。


ざっくりまとめると、座りかたと立ちかたを直したのがもっとも大きくて、あと、バランス運動をあれこれしていたのもけっこう良かったように思います。





私のとった手は以上ですが、まあほかにもやりようはいろいろあるでしょう。



姿勢の維持を意識しなきゃいけなかったり、姿勢維持に余分な力が入っているということは、それだけ脳みそのリソースもとられている可能性もあるでしょう。

そうなれば、周りに注意を向ける力が低下したり、マルチタスク能力が落ちたり、ひいては社会的学習など、必要な学習が阻害されてしまう可能性も大きいのではのでと狸穴猫はみています。



とりあえず良い姿勢を維持できるようになって悪いことは特にないので、姿勢や歩き方が気になる方はいろいろ試してみても良いかもしれません。



<本稿終わり>




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アスペルガーな狸穴猫の姿勢なおし遍歴(1)-これって結構身体作りだったかも-

前回の記事でも書いたが、


アスペルガー当事者には姿勢のあまりよくない人が少なくない。


その状態はさまざまで、

 上体がキープできなくてすぐ「ぐにゃっ」とする人
 なんとなく斜めに立ってる人
 いわゆるへっぴり腰の人
 一見それなりに姿勢はいいのだが30分立ってるだけで疲れてしまう人
 一直線上を歩けない人
 棒のように歩く人
 膝下だけで歩く人



とにかく、アスペルガー当事者の集まりに行くと、健常者の集まりに比して、姿勢のよくない人の比率は確実に高い。
概して就業が続く人の最低ラインというのは上体がキープできているというあたりかなという感じをうけていた。


どうやら姿勢のキープということが、「生きづらさ」とか「就労の問題」に相当関係しているのではないかと踏んでいたのだが、それでまず間違いなさそうだというのが森嶋勉先生のおかげでわかったので、図々しくこの問題について書いてみることにする。


今現在の狸穴猫ははっきり言って姿勢は悪くないほうである。


丸1日立ち仕事してても腰にくることは全くない。
2.3年前、リウマチが膝にきてしまった時は立ち座りに苦労した時期もあったが(今は平気)、一旦立ってしまえば立ち続けられた。私が台所仕事があまり苦じゃない(寒いのは苦手だけど)のは、平気で立っていられるからかなあとも思う。


だが、私がはじめから姿勢のいい人間だったかというとそういうことはない。

小学校低学年のころは、

 朝礼でぐにゃぐにゃしてると怒られた。
 食卓ですぐ肘をついてしまうのでよく親に叱られていた。
 妙ちきりんな走り方もしてたようで、「走り方が変」といってからかわれた
 机の椅子に座って本を読んでいるとずるずる背中がずれてくる。



というよりな、頼りない姿勢の子どもだったのだ。
(もしかしたら幼児期はもっとひどかったかもしれないが記憶にないので不明)


さらに中2でぎっくり腰を起こして「あんた若いのに…」医者に驚かれるやらあきれられるやら…。
(重いものをもった訳ではない、階段を上がろうと足をあげた瞬間突然なった)



私が姿勢に関心を持ったのは小学校4年生くらいの頃。
近くにできた書道教室に通い始めた頃だった。


その書道教室は教室が和室だったので正座するしかなかった。
正直結構しんどかったが、勝ち気な性格ゆえがんばってはいた。


だが、姿勢が崩れてくる。
だんだん背中が丸まってしまう。
すると字に途端に表れる。


こんな感じで背筋がピンと伸びないと上手な字が書けないというのを体感したわけだ。
それから私は姿勢というものを気にするようになった。


気にするようになってから、あれやこれやと方法を探してみた。


まずは定規を使ってみた、かなり古典的な手法らしい。
背中と頭の間に30センチ定規を突っ込んでおく。
まっすぐな姿勢を保たないと定規が落ちるので姿勢が崩れたことがわかるという仕組み。
ずっとやると疲れるのでときどきしかやれず「意識する」という効果くらいはあったかもだがやはりそれなり。



あとこれは、あまり意識はしていなかったのだが小学校5~6年の頃よく遊びに行っていた児童館で、バランスディスクがあり、それが大好きでよく乗って遊んでいた。

バランスディスクというのは片側が球面に近い形で片側が平らな円盤状の運動器具、身体バランスを養う練習に使うもの。(下記参照)





最終的には雑誌を読みながらバランスディスクに乗っかり、ディスクごと前後に移動してみたりということができるようになっていた。

(他にもどうやら古典的な遊びに凝ったことも良かったようであるということがチットチャットの森嶋先生のおかげでわかった。竹馬、缶馬、独楽回し、けん玉などなど…小学校時代に一通りなめつくした。)



そんなこんなで、小学校6年の段階では、食卓で肘をつくことはなくなっていたし、そこそこ椅子にも座っていられるようになっていた。



そして中学生の頃。

音楽の先生が教えてくれた方法がヒット!
座ったままでも声が出るようにするための方法だそうで、

「ハンケツ」

とその先生は言っていた。

方法は実に簡単である。

椅子の前の端だけに半分お尻を乗っけるだけ。下記の図のような感じ。
足は肩幅程度に開いておく。


(半分だけケツを乗せるのでハンケツなのだそうだ…いつも上品な感じの先生が言うのがなんともミスマッチであった)


これだけで上体の姿勢が妙に安定する。


hannketsu.jpg



ああ、これが背筋を伸ばすってことだったんだ!


と、妙に納得。


身体が気持ちの良い姿勢を覚えると話が早い、そして簡単には忘れない。
一度自転車に乗れるようになったらそう簡単に乗り方を忘れないように、忘れたくても忘れられなくなる。
(これは先日の講演会チットチャットの森嶋先生もおっしゃってた)


それ以来、座り姿勢の維持で困ることはなくなった。


ただ、これは超浅く腰掛けるので場所をとるし回転椅子には向かない。それで小型の座布団を二つ折りにして椅子の座面奧に置き、その上に座るようにしていた。下図のような感じ。



hannketsu2.jpg



いまちょっと楽天市場をみてみたら、最近は二つ折り座布団よりもさらに簡単に姿勢が安定しやすそうな姿勢維持用のクッションが、骨盤クッション坐骨クッション姿勢クッションなどの名前で、たくさん販売されているようである。


椅子を使わずに床に座る場合は座布団を半分折りにしてお尻の背側半分をのせればOK。

もちろん座禅用の座布とか、キノコいす(下記)も同様な役割をしてくれる。










正座は結構膝にきやすいので狸穴猫はキノコいす愛用。
娘も使っているので茶の間には常時派手な色のキノコが2本生えている状態である。




さて、昔の話に戻すと、座っている時の姿勢はほぼ完璧になった。
しかしまだ課題はあった。



腰痛である。



と、ココまで書いたところで次回:腰痛解消編に続く。





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