発達障害者はなぜ「身勝手」といわれなきゃいけないんだろう?

今朝のNHKの「おはよう日本」で発達障害の特集があった。

取り上げられたのは沖縄の精神科医、後藤健治氏。
後藤氏はADHDで、ネット上で発達障害に関するブログを書いている。また、自らのサイトに「偏屈者宣言」というものを掲載している。

後藤氏のブログはこちら
後藤氏の「偏屈者宣言」はこちら


実は後藤氏のブログはちょっと前からチェックしていた。


さて、放送で私がひっかかったのは後藤氏が「偏屈者宣言」をするきっかけになったという奥さまのひと言。

「発達障害の人は身勝手だ」

というものである。
どうにもこれが私のアタマにひっかかるのだ。

私は後藤氏とは違うアスペルガー症候群である。しかし、私もこの「身勝手」という言葉を浴びせ続けられて生きてきた。

小学校や中学校ではでクラスメイトに、そして教師に年中そういったことを言われてきた。母親にもときどきは言われている。

私にはこの「身勝手」という単語自体がよくわからない。
歳をとるにつれ「こうしておけば身勝手といわれない」というのはおぼろげながらわかってきた部分がある。

しかしながらどうにもピンとこないのが、定型発達者が発達障害者に対し「身勝手」と感じてしまう心理はどういったものなのかということなのである。

私の息子も夫もアスペルガーだが(息子は確定、夫はたぶん)、私自身は彼らに対し「身勝手」と思ったことはないのである。だから尚更謎が深まる。


定型発達者が発達障害者に対し「身勝手」と感じてしまう心理はいかなるものであろう?先だって記事にした定型発達者の「チーム感覚の維持」心理だけでは説明のつかない部分があるような気がするのだ。


しばらくこの謎解きに取り組んでみようかと思うのである。

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アスペルガーと視覚機能の怪しげな関係?つづき

自慢じゃないが私は40すぎてからどぶに足を突っ込んだことのある人間だ。(どぶに水がなくてよかった!)ついでに言うなら私の身体にはいつもどこかに痣がある。

そうなのだ、いつの間にかどっかでどこかにぶつかっているのだ。

どっか私の視機能と周辺認知の関係は変である。

だがしかし…地図は読めるし、そのむかし算数やら数学の図形問題って大好きだった。

で、前の記事がちょっと難解だったかなと反省して、唐突だが視空間認知についてもう少し自分の経験を…。


まず以下のページを見て欲しい。
大阪医大LDセンターのピジョンセラピー案内へとぶ



実は…おいコレ…やったぞやったぞ!なのである。

眼球運動の訓練・両眼視訓練・視知覚訓練・調節訓練
こいつら全部やった。機械によるものもそうでないものもあるが、
やってないのは視覚・運動統合訓練だけだ。


私の小学生時代というのは視能訓練といじめに明け暮れていた。

アスペルガーは周囲から浮くのでいじめのターゲットになりやすい。
正直、森口奈緒美さんの「変光星」に載っているいじめ真っ青のいじめで一時は自殺を考えたくらいひどかったが、それにもめげなかったのは…というより、後に影響をあまり残さなかった。人間不信もないし、自己評価も特に低くならなかった。

アスペルガー症候群者としてはかなりアスペ度高いほうなのに、その割に結構社会適応がいい方だと自分でも思う。(別件でダウン中でだがまあそれはおいておく)

毎日のように眼科に通って視能訓練をし、果ては夏休みに一月入院して夏中視能訓練三昧なんてこともあった。

しっかり見て書くようにと、家でまで利き目を遮蔽して赤鉛筆を使って漢字練習をしたり、赤鉛筆を使って塗り絵のなぞり書き(だから塗り絵なのに塗らなかった)をしたりした。赤いビーズに糸を通す作業療法的なものまでやった。


結構この視能訓練がアスペルガーな私の脳みその視空間認知機能に好影響を与えて情緒を安定させ・認知機能を高め・PTSDにならずに済ませてくれていたのかもしれないと思うのだ。


視機能の訓練やら手作業やらの作業療法的なものでアスペルガー症候群者が多少なりとも適応よく過ごせるのならめっけもんだと思うのだ。


やっぱり結論は同じである。

専門家よ、だれか研究してくれ~


それにしても…前述の訓練の最後の「視覚・運動統合訓練」やってないせいで私はきっとどぶに落ちるのね(轟沈)
うん、きっとそうだ。

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アスペルガーと視覚機能の怪しげな関係?

アスペルガー症候群ではWISCなどの知能検査で言語性IQ>動作性IQであることなどから空間認知に難があると言われている、

詳しくはこちらをどうぞ(大阪医大の鈴木周平氏のコラムへ)


また、LDやADHDもふくめ、発達障害では視機能そのものに問題を抱えているいう説があります。大阪医科大学LDセンターでは実際に視機能のトレーニング(立体視訓練、視線移動訓練など)による発達障害の療育を行っているようだ。

大阪医科大学LDセンターHPはこちら


それから、眼球運動と心理にも結構関係があるようだ。
PTSDの治療の1手法としてEMDRという手法(眼球の左右運動を利用する治療法)がある。

EMDRについて詳しくはこちら


視機能と空間認知や心理はどうやら密接につながっているようだ。
視空間認知と社会性の関係もなにやら怪しげ。


で、肝心の視空間認知機能についてだが、テストする方法があまり確立されていないようだ。


関連するかもしれない、興味深い研究がある。鹿児島大の医学部のものだが、脳損傷によって視空間認知に後天的に問題(片視野無視等)が出た症例で、作業療法(指先をつかった作業等)によって視空間認知が改善したというもの(+視空間認知の定量的テスト法)です。
詳しくはこちらをどうぞ


実はこの研究の結果以外に、上記の前文に興味深い表記がある。
左片麻痺を伴う脳血管障害の患者さんについて、リハビリ前の段階で、

"粗雑かつ不注意な行為や、病識の悪さなど情緒にも著しい障害を及ぼし"
とあるんですね。

これってピンとこないところといい、不注意があったりと、自閉系障害と重なる面があるような気がする。

視空間認知と、対人及び対社会関係認知が脳内の重複する領域で行われている可能性がありそうだ、もしかしたら処理のシステムに類似性があるのではとも思わせる。


++++++

さて、私はどっちかというともともとは二次障害フリーなほうだと自分では思っているし、地図等も問題なく読める、ただ、それに昔やった視能訓練が関わっているのではないかと多少疑っているのだ。

私は斜視で片眼弱視なもんで、子どもの頃、視能訓練をくさるほどやっている。おまけに視能訓練のために立体視訓練や視線移動訓練などの視機能のトレーニングだけでなく、両手を使った細かい手作業を伴う作業療法的なトレーニングまでしている。

立体視は未だできないし(完全に複視状態だし)、視力も大して伸びなかった。しかし、アスペルガーに端を発する二次障害にならなかった理由に上記の視能訓練が何らかの影響を与えているような気がするのだ。


視機能の訓練で情緒の安定性が良くなるのであればアスペルガー症候群者にとって朗報だろう。

専門家の健闘を期待したいところだ。


ついでに…誰か私の脳みそのPETとったりして調べてみてくれないかなあ?
おもしろいと思うんだけど

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生き抜くためのアスペルガー情報が不足している。

アスペルガー症候群の特徴は書籍を読めばある程度わかる。

だがしかし、それはアスペルガー症候群者がアスペルガー症候群者と鑑別されるための知識や、または療育のために掴んでおかねばならない特徴であったりする。アスペルガー症候群者自身が定型発達者社会の中で生きぬいていくためにどう自らの障碍を理解しておいたらいいかの指針になるような知識ではない。

定型発達者と比較して、アスペルガー症候群者がどうであるのかを意識することによってアスペルガー症候群者自身は社会の中でどうたち振る舞えばより定型発達者や彼らを中心とする社会との軋轢を少なくすることができるではないかと思うのだ。

そういった観点からのアスペルガー症候群情報が集積されていくことを期待する

…って、期待するだけじゃしょうがないので、こうかな~と思うのをちょっと列挙してみる。

・定型発達者に比して"群れ"意識が非常に希薄である。
・定型発達者に比して状況依存しない言語を用いたがる傾向がある。
・定型発達者に比して見通しがたつことを非常に重要視する。
・定型発達者に比して興味・関心の対象はは狭く・かつ深い。
・定型発達者に比して感覚が過敏である場合が多い。
・定型発達者にはあまりない「混乱」という現象に見舞われる。

まだまだあるだろう。
とにもかくにも「生き抜いていく」為の知識が欲しい、そう思う。

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掃除機の音が嫌い!

1才頃からだったろうか、michaponは掃除機の音が苦手である。
果ては掃除機自体も怖がる始末である。ま、音声過敏だなってところである。

で、一昨日の出来事。

いつもなら保育所が終わると一目散に母屋のおばちゃんのところに駆け込むのだが(ちなみにウチらが暮らしているのは同じ敷地内の離れである)、一昨日は違った。

なぜなら、おばちゃんが掃除機をかけていたのである。

母屋に行きたい…でも掃除機コワイ。で、「こわいよ~」を言いながら母屋の入り口で立ち往生してうろうろ。しばらくして掃除機の音が止み、やっと母屋にはいれたのでした。


ところで困ったことが起こった。

母屋のトイレは温水便座である。着座センサーが働くと「ブーッ」という若干掃除機に似た音がするのだ。ちょっと肌寒くなってきたので電源がオンになっていたのが災いした。かくして、3日前まで母屋のトイレに行けていたのに、音が怖くてトイレに行けなくなってしまったのだ。

電源を切って「怖くないよ~」といくら言ってもダメ。
トイレットトレーニング中のmichaponにひとつ難関ができてしまった。

あーあ…である。

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