アスペルガー児の療育について考える(6)

 <アスペルガー児の療育について考える>
 前回までの記事はこちら↓
 第1回 第2回 第3回 第4回 第5回




今回の話からちょっと中身が過激化する…。




<療育の目標と現状について再び>



今回は療育の目標ということについて考えてみよう。


親(特に定型発達の)の考えることはいろいろあるようだ。


「何とか他の子と同じようにできるように…」
「あのパニックさえ起こさなければ…」
「もうちょっとガマンのできる子に…」
「お友達との問題がおこらないように…」
「もうちょっと普通の親子をしたい…」
「こんなに振り回されるのはたまらない…」
「お友達と仲良く遊んで欲しい」


まあ、いろいろあるだろうが、特に定型の親御さんが、アスペルガー児の子育て中、余裕をなくしているとつい長期的な目標を見失ってしまいがちなのは想像に難くない。


しかしここでアスペルガー児の生涯のQOL(生活の質)”だけ”を考えて療育の目標を設定するならば次のように設定できるのではないだろうか。




1 自活できるだけの能力・技能を身につけ

2 二次障害を起こさずに生涯を過ごし

3 自分で自分の環境などの調整ができるようにする

4 定型社会から排除されないで生きていけるようにする



これははっきり言って自閉者の側からしか考えていない。
親(特に定型発達者の)の気分は…悪いけどここでは無視だ。


さて、それぞれについて考えていこう。


1はまあ定型発達の子供の場合でも同じである。ただ、これ自体、認知面の問題などもあり、定型発達者のようにはいかないのでフォローが必要だろう。


2はかなり深刻な問題である。アスペルガー者の多くが思春期から青年期にかけて「うつ」や解離性障害などを起こしたりするようだ。またいじめの問題にぶち当たるケースも多く、PTSDやパーソナリティ障害を発症するケースもある。当然ないに越したことはない。


3だが、感覚過敏など自分でなかなか気づかないでイライラしたりしていたりすることも多い。逆に身体の感覚が鈍い場合もある。こだわりという名の「好み」も激しい。これらのコントロールがうまくできないとストレスの元になる。自分の感覚や特性についてしっかり自覚し、自分にフィードバックできるようにしていく必要がある。また、自分の苦手を知って対処法を確立しておく必要もあるだろう。


4もまたかなり深刻だ。社会生活を送るうえでなにかと誤解されやすいアスペルガー者である。単に表情が少ないだけでも誤解される。なにかと敵も作りやすい。なんだかんだで学校社会でいじめにあったり、実社会に出ても職場に居づらくなる例は多いし、リストラのターゲットにもなりやすい。そんなことになっては経済的自立もままならないというわけで、是非とも何とかしなければならない問題だ。


これについて「発達障害に関する理解の輪を広げよう」的な活動はそこここで広がりつつある。しかし、アスペルガー者の周りを全て理解ある人だけで固めるというのはいかにも不自然であるし、そんなことは現実的ではない。世の中善意だけで動いているのではないし、善意がかえって差別に結びつくことも少なくない。


この手の活動に熱心な人からは「そんなに周りが信用できないのか?」という声が聞こえてきそうだが、社会全体隅々までに理解が広がるまで待ってはいられないのだ。


となると、定型社会で無用な排除(と、それに伴う不利益)を受けないようにするための知識と技術(定型発達者の特性を知りそれに配慮する方法)は持っていた方がいいだろう。




このように考えていくと、療育というのは最低限就職するような年齢になるまでは必要ということになるだろう。


現状に目を戻すと、こういったニーズがありながらどれだけに対応できているのだろうかというとあまりに貧弱である。


特別支援教育制度がスタートしたとはいえ、発達障害自体の認知がまだまだの段階である。とても十分な療育をうけて育つ環境ができているとは言い難い。


早急な制度(と、内容!)の拡充を望むが、望んでいる間にも子供は成長していく。悩ましい問題だ。



<つづく>




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アスペルガー児の療育について考える(5)

  これまでの記事はこちら 
  第1回 第2回 第3回 第4回


お待たせしました第5回です。



<幼児期の療育の必要性を考える その4>




今回は母子アスペのケースについて「療育」の必要性を考えてみる。


このブログのプロフィールを見てもらえばおわかりの通り、我が家は息子と私のことを考えただけでも典型的な母子アスペである。


さて、息子が小さい頃のことを思い起こすと、ちょっと周囲とはなじみにくいかなと思うものの、幼稚園時代を何事もなく過ごし、小学校へと入学した。


ことばはかなり遅かったものの、幼児期、学齢期初期(小学校低学年まで)にとりたてて問題となるような行動はなかったのだ。


常同行動やアスペ特有のこだわりも、今思うになかったとは言えないが(ミチャポン程度はこだわりがあった)、私にとってさして不自然に思えなかったので、特に気にならなかった。


また、私がする行動・対応・説明や環境が息子にとってはいたってわかりやすかったのだろうか、パニックを起こすことも少なく(ないとは言えないが、それは元夫のDVがらみなので特殊ケースであるのでここでは論じない)非常におちついていた。(かんしゃくなどはミチャポンの方がずっと激しい…)


もしも当時息子がアスペルガーであることがわかっていたら今あるような「療育」を必要としたろうか?と考えると、私は否定的にならざるを得ない。


「かんたんにはパニックを起こさず」、「がまんすべきところはがまんでき」、「人の話をある程度きくことができる」ことに問題がない以上、そのための療育を受けることは本人にとってメリットがあろうわけもない。


私の側から考えてもやはり療育のメリットはない。障害の受容に関して、何らの感情的な抵抗もなく、定型の親御さんと共感できるわけもなくというのであれば、あとは療育の知識であるが、これとて障害特性上感情の入り込む余地がないので書籍で十分である。


となると、当時診断がつき、「療育というもの」が受けられる環境があったとしても、療育は受ける必要がないと判断し、受けなかっただろうと思うのだ。


話を一般的なものに戻す。


よそ様のブログで親子アスペ(特に母子アスペ)の例を読むことがある。
そこにあるのはやはり比較的安定した姿が多いようである。
特に幼児期にあまり問題を感じない例は多い。
(違和感ないので発見が遅れるということすらあるくらい…うちもか(爆))


生活の構造化などは母親がアスペルガー者である場合、ごく当たり前にやっている事も多いだろう。それはそうでなくては生活が成り立たないことによる生活の知恵であるが、それだけで十分療育的なことも多いだろう。


それで子供の状態が安定している場合、なにも限定性の強い公的あるいは民間の「療育(システム)」をわざわざ利用する必要などないのではないのかと思うのだ。


しかしそれは療育そのものを無用のものとして捨てるというのではない。さらに進んだ療育に家庭で取り組んだ方がいいということに過ぎないと思う。


なにせ幼児期から学童期にかけて、子供には集団生活と集団学習という難物がひかえているのだから。その準備をしておくに越したことはないだろう。


勿論、子供の状態が安定していない場合、また、親の状態が安定していない場合は、「療育」を利用するのも一手だ。


特に子育て期にはアスペ親の側が疲れきってしまうことは十分あり得る。親の側のパニック解消・防止に「療育」の知恵、「療育」という時間が役立つことも十分あり得るのだ。ただ、それは子供の療育の問題というよりは、成人アスペルガーのライフサポートの部分に含まれるものだろうからここで深く突っ込むことはやめておく。


さて、しつこく4回も幼児期の療育の必要性について考えてきたわけであるが、これといって結論はない。強いて言うなら、現在の療育スタイルはTEACCH式の構造化主体なので、それを学ぶことによって子育てが楽になる例は多いだろうということくらいか。

私はTEACCH信奉者ではないがTEACCHの構造化のテクニックは学ぶべきところが多いと思う。



<おまけ>

ミチャポンがクロと出たら、一度「療育」に突っ込んでみたいんだよねえ…って、実は私が療育の現場を見てみたいだけ…かも。


=======


さて、次は療育の目標について考えてみることにする。
話が穏やかななのは今回まで…かもしれない。





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【書籍】本当のTEACCH

番組の途中…と、違った、連載の途中ですが、ちょっと一休みして本の紹介などを。


本当のTEACCH―自分が自分であるために (学研のヒューマンケアブックス)本当のTEACCH―自分が自分であるために (学研のヒューマンケアブックス)
内山 登紀夫

学習研究社 2006-09
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ごく単純に、タイトルに対し、「んじゃあ、偽物のTEACCHって一体?」と突っ込みを入れたくなるというのはあるのだが、それは本筋ではないのでちょっとおいておく。


自閉症のトータルサポートプログラムとして日本でも認知が広がりつつあるTEACCHだが、もともとはアメリカのノースカロライナ州で州をあげて行われている自閉症へのサポートポログラムだ。

この本はTEACCHの成り立ち、そしてノースカロライナ州でのTEACCHがどういう風に展開されているのかを知るために最適の本だと言えるだろう。

日本では構造化の部分だけが取り上げられることの多いTEACCHプログラムであるが、この本を読むと、TEACCHが成人期に至るまでのトータルサポートプログラムであること、そしてTEACCHが実はサポートプログラムであると同時に自閉症サポートに関する「理念・哲学」であることがよくわかる。

同書で挙げられているTEACCHの理念をピックアップする。

1 理論ではなく子供の観察から自閉症の特性を理解する。
2 保護者と専門家の協力。
3 治癒ではなく、子供が自分らしく地域の中で生きていけることがゴールである。
4 正確なアセスメント(評価)。
5 構造化された指導法の利用。
6 認知理論と行動理論を重視する。
7 スキルを伸ばすと同時に弱点を受け入れる。
8 ホーリスティック(全体的)な見方を重視する。
9 生涯におけるコミュニティに基礎をおいたサービス。

これを見るだけで、視覚を利用した構造化のみがTEACCHの本質でないことが理解できるであろう。

州を挙げて取り組んでいるノースカロライナ州の取り組みは日本でそのままできるものでないから、それを追いかけるはあまり意味がないといった意見もあるが、この「理念」について理解するだけでもこの書籍読む価値はあったと私は思う。


そして同時に現在のTEACCHプログラムの弱点も見えてくる。
アスペルガー児者、高機能自閉症児者の思春期から青年期へのサポート体制には、まだまだ発展の余地がありそうだということだ。


この本は特に支援者にはぜひ読んで欲しい一冊だと思う。


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アスペルガー児の療育について考える(4)

 アスペルガー児の療育について考える
 前回までのきじはこちら
 第1回  第2回  第3回


さて、反響がないのを多少気にしつつも、しつこくしつこく話はつづく。



<幼児期の療育の必要性を考える その3>

前回で話を幼児期の療育に絞ったが、さらに親が定型発達の場合に絞って考えることにする。


ミチャポンのアスペルガー疑惑その2でさんざん心理士に「冷静ですね~」と言われた話を書いたが、そのことはとりもなおさず、定型発達の親御さんにとっては、子供がアスペルガー症候群であるということは「冷静ではいられないこと」であるということを示している。


子供の態度に困り果て、悩んでいる親御さんは多い。

「なぜ他の子と同じにできないの」
「パニックにどうしていいかわからない」
「不適切な行動をどうなおせばいいのかわからない」

等々。

さて、こういったケースの場合、アスペルガー児の側から見れば
どうなるだろう。

『わけのわからない状況におかれることが多く』
『頼りにすべき人はおらず』
『情緒的に安定できない』

等々というような状況ではないだろうか?


これは親、子、双方にとって、好ましからざる状況なのは間違いない。


こうした事態を改善するのが療育なわけだが、週1回や2回の短時間の療育だけでこれを改善するのは至難の技である。


子供が生活する場は家庭である。
いかに家庭生活を改善するのかが問題となる。
すなわち、いかに家庭で療育をするのかというのが一番問題なのである。。


では週1回~2回のプログラムというものがまるで価値がないのだろうか?


否であると私は考える。


定型発達の親御さんにとっては「構造化」自体が自然なことではない。認知・行動学的な手法も特に学ばなければ知らないのが当たり前だ。


なんらかの機関での療育を受けることにより、親の側の意識を高め、療育に関する知識を増やすことは即ち家庭での療育に直結するだろう。


さらに、幼児期、療育に通うと言うことは、親御さん同士のネットワークを作ることになる。療育仲間とでも言ったらいいのだろうか、そういった仲間がいて、いろいろ障害について話し合うことができることは定型の親御さんの精神の安定に繋がり、ひいては子供の環境にも好影響を及ぼすだろう。また、親御さんが子供の障害を受容していくうえでもそういった仲間がいることは大きな助けになるだろう。


こういったことを考えていくとたとえ回数の少ない療育であっても、利用できるものは利用していった方がいいのではないかと思うわけだ。


だが現状、きわめて枠が限られていて、希望すれば全ての子が療育を受けられるわけではない。地域にもよるが、診断すらままならない環境に置かれている場合も少なくないはずだ。


これから、そういったことが改善されることを願ってやまない。


…と、これで終わりじゃないですよ。
次は母子アスペのケースについて考えてみようっと。

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アスペルガー児の療育について考える(3)


 アスペルガー児の療育について考える
 前回の記事はこちら
 前々回(第1回)の記事はこちら
 


<幼児期の療育の必要性を考える その2>


話を幼児期の療育に一旦絞ることにする。


現状の、特に幼児期の療育の内容に関しては、こと生活面の改善に絞られたものが殆どであるようだ。



さて、アスペルガー児の療育を親が考えるのはどういうときだろう?


1生活面で困ったことがあり、それを改善したいと思った場合。
2児の将来に関する不安を感じ、それを解消したいと思った場合。


大きく分けてこの2つに分類できるだろう。


1は切実である。今、その時の現実問題、自閉特有のこだわり行動のために親や周囲が振り回されることは十分にあり得るし、コミュニケーションのとれなさに親が参ってしまうこともあるだろう。衝動性の強い子の場合は、他害・自傷といった早急に解決すべき問題もあるかもしれない。


2も少なくないだろう。アスペルガー、高機能自閉症に関する本を読むと、確実に療育の話がペアでくっついてくる。そうなると、療育を受けないことだけでも何となく不安になってしまうものだ。


また「障害」と思えばなんらかの将来的な不安を感じる親が多いだろうことは予想に難くない。特に就学時にどうなるかというのは、不安の大きい部分を占めるだろう。


まあ、実際は、1と2が入り交じっていることが多いと思う。


さて、幼児期の療育に関して、現状では生活の構造化を目標にされることが多い。あとは就学時の集団適応を目標にしている場合も多い。


もうちょっとかみ砕くと

「かんたんにはパニックを起こさず」
「がまんすべきところはがまんでき」
「人の話をある程度きくことができる」


ようにすることが目標となっていることが多いようである。


親が療育を考えるときのニーズに適合していなくはないだろうが、特に前述の2にかんしては非常に弱い面があるのは否めない。


超高額のセラピスト費用を負担できる大金持ち以外では、週に1回~2回の療育をうけるのが精一杯である。


そして、週1~2回の療育で何ができるかと考えた場合、目標を絞らざるを得ないのは言うまでもない。


当然、療育に通ったからと言ってそれだけでは期待することから比したら効果がそこそこなのは言うまでもないことであって、それをどうこう言えるものではないのである。


しかし、基本的にアスペルガー児の療育は必要であると私は考えるのだ。


次回はその理由について書くことにする。


<つづく>

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アスペルガー児の療育について考える(2)

<幼児期の療育の必要性を考える その1>

 前回の記事はこちら 


我が家の息子は17才アスペルガー症候群であることが発覚したのが14才、というわけで幼児期になんらの療育を受けないで育っている。


生活上さして不便もなく、さらに特に重篤な二次障害も起こさず、ここまでやってきてこれたということは療育なんて必要ないんじゃないと言いたくならないでもない。


しかし…療育関連の本を読んだり、Webサイトを調べているうちに、何やらちょっと違うのではと思い始めてきた。


理由は…どういうわけだかうちの中が療育的環境であったようなのだ。


どういうわけだかというのは正確ではない。
実は私がアスペルガーであったことが妙に幸いしたようである。


息子より後に診断がついたわけだが私もまたアスペルガー症候群である。


アスペルガー者は構造化を好む、説明もくどい方がわかりやすい。
私は息子が小さい頃、何かものを説明するとき構造化されたやりかたで示し、くどくど説明してきたようである。


単に自分がわかりにくい説明を息子にしなかっただけの事である。


だがそれは、書籍に示される、構造化の手法そのものだし、ABA的手法も結構使っていたようだ。視覚に訴えるのもけっこうやった覚えがある。


そういうわけで、書籍を見ていると、「おー、これやったぜ」の嵐なのだ。


繰り返すが、「自分ならそのほうがわかりやすい」をやっていただけである。 


ついでに言うと、理屈っぽいくどい説明と生活の構造化は私の父も得意とするところで、私自身もそういった環境で育っていた。



私にとって、TEACCHプログラムの中の構造化というものは特に目新しいものではなく、育つ間において生活の端々で当たり前にされていた工夫であり、だからこそ、私自身が子育てをする時も当たり前に考える工夫であったわけだ。


それだけ構造化というものはアスペルガー者の脳みそに優しい。



では、それらをやらなかったらと考えると「わからないままに叱られ」「混乱を収拾できない」という現象がアスペルガー児の身の上には当然起こりうる事だと言うことになる。


そこにやはり療育の必要性が見えてくる。


<つづく>


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アスペルガー児の療育について考える(1)

<アスペルガー児の療育の現状>

ここしばらく娘の件とは別件で、アスペルガー児(高機能自閉児)の療育というものについて調べている。


で…調べていると主なものだけでも、TEACCH ABA RDI SST 感覚統合訓練 PECSと、さまざまな用語が飛び交っている。


用語には中身がついているわけで、そのそれぞれについて調べていたわけだが、カナータイプ向けとアスペルガータイプ向けで療育の根幹に関わる部分にそう大差はないように思う。


面倒なので個別の用語についての解説は割愛する…が、
それではあまりにも不親切なので、とても親切な解説をしているサイトを見つけたので紹介しておく。


お父さんの【そらまめ式】自閉症療育
http://soramame-shiki.seesaa.net/
なかなかのボリュームで、実に丁寧にまとめてくれている、非常にありがたい。
ここを見ただけで、療育についての一通りの知識を仕入れられるだろう。


さて、現在、自閉児の中でも特に高機能児の療育の主流となっているのがTEACCHという包括的なプログラムの一部である。


TEACCHプログラムの中の認知・行動学的な分析、構造化の手法、そしてソーシャルスキルトレーニングの部分が幼児~学童期の療育の主なものとなっている。


ここで療育の実態だが、


公的療育では1回1時間から2時間、週1回、少なければ隔週のプログラムが多いようである。そして対象は未就学児童という場合が殆ど、費用は補助にもよるが1回あたり無料~1500円程度が多い。


民間では1回90分から2時間で週に1~2回のプログラムが多いようだ。未就学児から小学校低学年を対象にしているものが殆ど。これは1回に6000~8000円程度かかる場合が多い自宅にセラピストを呼んで個別の療育をする場合は1回に6000円~10000円程度に出張費がプラスされる。


公的なものではTEACCHプログラムをベースにしていることが多く、民間のものではTEACCHもしくはABA(応用行動分析)をベースにしているものが多いようである。


いずれも生活面の行動改善を主な目標にしているものが殆どである。


公的療育は人数の枠が狭く、確定診断済みの場合のみ受け入れていたり、希望しても抽選となったりする場合があるようである。
この辺は自治体によるのでなんともいえない。


とまあ、調べた感じ、こんなところである。


さて、ここいらで療育のあれこれに関して書いていこうと思うわけだが、ここから先、やたらと長くなるので10回ほどに分割して連載していく予定。


というわけで今回はこの辺で。


<つづく>

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○焼きうどん

アスペルガー者は往々にして突拍子もない聞き間違いをする。
さて、久々に息子がヒットを飛ばしてくれた。


台所での一幕
ガスコンロの上には土鍋がかかっている。


息子 「なにしてんの」

私 「パパが鍋焼きうどん食べたいんだって」

息子 「丸焼きうどん?!……いや、…鍋焼きうどんか」


すぐ脳みその中で修正したようではあるがあまりにイタイ間違え方である。
それにしても…丸焼きうどんってどんなもんなんだろう?



やはり我が家の聞き間違え大王は息子である。



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発達障害、初診は○ヶ月待ちのうえ…

さて、前回ミチャポンのアスペルガー疑惑を書いた訳だが、子供家庭センター(児童相談所)でみごとグレーの判定をいただいたミチャポン、次なる目標は医療機関の受診にこぎ着ける事である。


どうせ発達障害を見てもらう医療機関に行くんなら、私とヒイロの通っている病院が面倒がなくていい、できれば同じ医師ならもっといい。


というわけで、とりあえず病院に電話をかけ、事情を話すと、


「発達障害の疑いで診断を受けたいということでしたら、○日から来年の1月から3月分の初診の予約を再開するので、○日の朝にお電話いただければ予約をおとりします」


とのこと


紹介状が要らないだけでも助かるのであるが(その病院は表向きは原則紹介状必要となっている)それにしても予約すら常時は受けつけていないというのは難儀なこった。


「あの~、私と息子がかかっているので、できれば○○先生でお願いしたいんですけど」


「電話でおっしゃって下さいね、ただ、○○先生の予約は夕方前に埋まってしまうと思うのでできるだけ早めにお電話下さい」


う…プレッシャーかかるなあ。
朝、確実に電話だなんてできるだろうか…


それはまあともかくも、3ヶ月分の初診予約が一日で埋まる…
うーんである。


そういや、私の時は5ヶ月待ちだった。
相変わらず、受診するだけでも難儀なのねえ~と、感心するやら辟易とするやら。


まあ、うちの場合、病院探しに奔走しなくてもいいぶんまだマシである。


普通の場合、発達障害の専門家のいる医療機関を探すだけでも難儀だろう。その上予約までにンヶ月、予約してからンヶ月というのは、かなり辛いものがある。


そういえば、民間の某医療機関では何年先の予約がつまっていて、予約停止中という話もあったな。


他にも数ヶ月待ちは当たり前~の話は腐るほどある。


こうなると疑いがあってもなかなか受診にこぎ着けられないケースも多々あるのではないかと思う。


特別支援教育の枠組みができても診断を受けられないと必要な支援も受けられないということにもなりかねない。それって制度の片手落ち~だと思ってしまう。


まあ、発達障害に対応できる医師・医療機関の絶対数が足りないのだろう。


もうちょっとお手軽に受診できるように発達障害に対応できる医師・医療機関が増えることを願ってしまうのであった。





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ミチャポンのアスペルガー疑惑 その2

前回の記事で書いたように怪しさ満載のミチャポンだが、最近は保育所から帰るのにひと苦労する。


一定の手順を踏んで遊びまくらないと帰らないのだ。


迎えに行くとまず廊下の屋根を支えるポールを上り棒がわりに登ろうとする。さらにそれが済むとジャングルジムに登る。

もっと小さいときから高いところへ登るのが好きだったので、ジャングルジムは格好の遊び道具なわけだ。


が、これが登ったらなかなか降りてこない


日の暮れかかった園庭で他にジャングルジムを登っている子供などいないなか、10~15分は独りで登ったり降りたりを繰り返す。いくら声をかけようが、「帰っちゃうよ」といおうが、耳に入らない。


こっちが登ってミチャポンの身柄確保をするのもかえって危ないので気が済むまで待つしかない。



ジャングルジムがやっとの事で済むとようやく門に到達、ここからがまた問題だ。


保育所のフェンスにつかまりながら土台のブロックに足をおいてフェンスが終わるまで横歩きして進む。


そのあと…もうめんどうなので以下省略。とにかく3ステップは固定的にやるものがある。


とにかくたった100メートルしかない道のりを30分から40分かけて帰ってくる。


強引に連れ帰ろうとしようものならかんしゃくを起こして泣きわめき続けるから始末が悪い。その時間ときたら泣き疲れて眠くなるまでだから強者である。


==============

さて、こんなミチャポンであるが、一昨日大阪府の子供家庭センター(いわゆる児童相談所である)というところに心理検査に行ってきた。


お昼過ぎに保育所に迎えに行くが、ミチャポンに「電車にのって遊びに行くよ」といってあったためか、この日ばかりはいたって素直に保育所から帰って来られた。


そう、ミチャポンは電車が大好きである。
新幹線サイトが大のお気に入りで、特急の本をこよなく愛する。
(ちなみにぬいぐるみや人形には全く関心がない)


「電車のるの~?」と何度も確認し、電車を楽しみにひと山こえて15分ほど文句も言わずに歩き、ご機嫌で電車に乗って1回乗り換えて到着。


ミチャポンは検査、私は面接である。
母子手帳片手に、質問された基礎情報を伝えていく。


しばらくしてご機嫌のミチャポンが検査からもどってきたが面接はつづく。検査にあたった心理士らしき人が細かい話を聞いてくれるようだ。


部屋の中にあるおもちゃでさらにご機嫌で遊ぶミチャポンを尻目に、記事で書いた怪しげなポイントとなどを説明する。


電話の時と同じ「大変ですね~」を繰り返される。


ひとしきり説明を終わったあとで検査結果の説明。


知的には年齢相応だが、検査の様子などと考え合わせるとバランスが悪い。お母さんの話からもアスペルガーの子などにありがちな様子もあるので今後診断無用とはいえない。知的水準と態度のバランスの悪さが単に未熟なためなのか、発達障害によるものなのか、見ていく必要があるだろう。


とのこと。



やっぱりね…である。


検査中、注意がそれてしまいやすいのと、一旦注意がそれると呼びかけても反応がすこぶる悪くなかなか課題に戻れないというのが大きかったようだ。


まあ、家でもそうだから、想定の範囲内の行動である。


ニュアンス的にはかなり黒に近いグレーのようで…
まあ、当然の結果である。


子供家庭センターは医療機関ではないので検査はここまで。
あとは医療機関にいくことになる。せっかくきたのだからついでにと、療育の資料をもらって、帰途についたわけだが


面接の後半、心理士らしき人が


「お母さん冷静ですね~」


を何度も繰り返すのにはなにやらちょっと笑いがこみ上げそうになってしまった。


あわててどうするんだろう?と思いつつも、定型の人にとっては子供の発達障害ってのはそれなりに冷静ではいられないことなのだろうと思ったのであった。

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