アスペルガーをはじめ?変わり者しかいないのだから仕方がない。
どう変わっているかというと、こういう風に変わっている。
タヌキが自分のブログで曝露してしまったのでもう隠しようもない。
引用する。
●我が家の茶の間には以下の張り紙がしてある。
”明るいアスペルガーライフのために、報・連・相を実践しよう!
些細なことでもすぐ報告。
連絡し合ってチームプレイ。
あれこれ悩まず何でも相談。”
又、小生が出かける時には。
「報・連・相で今日も一日御安全に!」
と狸穴猫に言わすようにしている。
「御安全に」と言って私は出かける。
↑「アスペルガーの母子に捧げる社会順応講座。第6回
アスペルガー星人は報・連・相が苦手!」より引用
まあ、結末はアスペルガーはホウレンソウが苦手でそれを気をつけるべきだというだという話しなのだが、確かに、タヌキがブログで書いているように、アスペルガーな人間はいわゆるホウレンソウ…「報告」「連絡」「相談」が苦手である。
(余談であるがタヌキが自分のブログ「タヌキがゆく」ではじめたアスペ論は怖ろしいことにいつのまにか第九回になっていた。一体何回まで行くんだろう…あなおそろしや)
私自身、言わなければならないことをつい忘れていたりすることは珍しくない。
(…ので、タヌキにあとでしばしば叱られる(爆))
ところで、「つい忘れる」に対しては「張り紙」なども有効であるし、習慣づけ等によって改善できる部分もあるが、実は「ホウレンソウ(報・連・相)」にはもう一つの落とし穴があるのである。
さて、私以外にうちの中にはもう1人アスペルガー症候群確定な奴がいる。
そうだ、息子だ。
こいつがまた、ホウレンソウをすぐ忘れるうつけ者である。
高校生にもなると部活動等でかなり帰りが遅くなる時がある。
「遅くなるときは前もって連絡しなさい」と言ってある。
(もちろん携帯は持って出ているので連絡は可能なはず)
しかしながら、我が息子、なかなこれが定着しなかった。
ずいぶんおそいな~と思っていたら、帰る間際に連絡をよこす。
はたまた、携帯忘れたからといって連絡をしない。
こんな事は日常茶飯事だった。
が、しつこく言って、やっと最近遅くなるときに前もって連絡をするようになってきた。
しかし…
そこからが問題だった。
ごく最近(ひと月ほど前)の事である。
17時、息子からの電話が鳴る
息子「もしもし俺だけど」(ちょっとえらそう)
私「何だ?」(もっとえらそう)
息子「あと30分で帰るから。」
私「今どこさ?」
息子「学校」
私「30分で帰り着くわけないだろ」
息子「30分たったらここを出る」
私「それなら、はじめからそう言え、じゃ、帰り着くのは6時半前だな?」
息子「うん」
なんか会話が真抜けている。
こんな日もあった。
やはり17時頃私の苦手なスーパーにいるとき携帯が鳴った。
息子「もしもし俺だけど」(相変わらずえらそう)
私「はいはい」
息子「今から帰るから」
私「はあ?」
息子「じゃ」
電話が切れる。
電話が切れて気がついた。
「オマエは今どこにいるんじゃああ????」
慌てて息子に電話し直しす。
私「”今から帰る”だけじゃどこにいるかわかんないぞ」
息子「学校に決まっているだろ」
私「そんなのわかるか」
息子「違ったらそう言うだろ」
私「とにかく、現在地を必ず言わなきゃダメ」
息子「何で言わなきゃいけないの。朝、学校行ったのわかっているんだから、学校に決まっているじゃん」
私「どこか他に寄り道しているかもしれないし、とにかく現在地を言わなきゃダメなの」
息子「なんで?必要ないだろ、学校以外に行ったって言ってないし」
私「必要なの、朝からは時間もたっているんだし、確定情報をちゃんと相手に渡すの」
息子「うーん……まあ、わかった」
我が息子がこれだけアホな事をやってくれる奴とは、今まで気がつかなかった…
いや、同様の間抜け連絡を今までもやっていたが、こちらが呆けていなかったため、
「今どこ?」「あと何分くらい」など補足情報を聞き出していたのだ。
なぜこのようなことが起こるかというと、やはりアスペルガーのなせる技だろう。
必要な情報を渡しそこねるのだ。
「自分の行動」をベースに時間の報告をする。
「相手が欲しい情報」という視点が欠けている。
相手が欲しい情報が「帰着時間」なのに「自分の出発時間」を言ってしまう。
さらに「自分が渡した情報から推測可能な結果」については「当然の帰結」なので連絡する必要はないと勝手な判断をしてしまっている。
実にアスペルガー的『自分目線』なのである。
「相手の気持ち(欲しい情報)」
とか、
「相手には現状の自分がどうなっているのか時間がたっていればわからないということ」
に考えが至っていないというわけだ。
ホウレンソウ・ホウレンソウと家の中で連呼していてもこれである。
ここが冒頭で述べた落とし穴である。
この手の現象、当然悪気はない…が、これでそのまま社会に出たら、当然
「連絡の一つもろくにできない奴だ!」
という評価をいただくことになるのは必定だ。
時間がたつにつれ、一緒にいない相手には自分の様子が「不確定なものになっていく」ということがアスペルガー症候群者にとっては理解が難しい…というかそういう想像がつきにくいということから起こる現象だろう。
まさに想像力の障害なのである。
ホウレンソウ…報告・連絡・相談…連呼するだけではダメなのだ。
アスペルガー症候群者に対してホウレンソウを教えるには、想像力の障害があるということを踏まえた上で「何を報告すべきなのか」をはっきり明示的に教えなければいけないということになる。
息子の一件で、アスペルガー症候群者が社会に出てまずつまずくであろう「報・連・相」の落とし穴は実はこんなところにあったのだと言うことがわかった。
これから言えることは次のようなことだ。
アスペルガー症候群者には、「報告・連絡」するときには「自分の持っている情報」を「相手の欲しい情報」に確実に変換して渡さねばならないということを教え、社会に出る前に徹底して訓練しておく必要があるだろうということ。
「何でちゃんと報告しないんだ」
「何でちゃんと言わないの」
と、詰問するだけでは埒があかない。
しかし、これは知識でクリアできるものである。
社会に出る前にしっかりした指導でクリアできていれば、アスペルガー症候群者が、社会に出てから、「わからないのになぜか叱られ」「自信喪失する」…果ては「鬱やその他の不適応を起こす」などという不幸はだいぶ防げるのではないだろうか。


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