昨日、二度目の当事者講演をしてきました。
大阪府下の某自治体の教育委員会主催の講演会。
前回の関係者が紹介してくれてのご縁であった。
90分一本勝負、聴衆は約100名。
内容はというと、サマリーは以下のようなもの。
対象が学校教職員・幼稚園・保育園職員がほとんどであるので、こんな感じになった。
<講演資料 2008/08/27>
◆アスペルガー症候群に関して一般的なこと。
最近KYということばを耳にする
「空気を読め」だが、「空気を読めない人」をさすことも多い。
アスペルガー症候群の人間はこの「KY」の代表とされるが、それだけが障害ではない。
「コミュニケーション障害」 「想像力の障害」 「社会性の障害」
この三つが主な障害と言われるが、本人にとってつらいものの1つに「感覚過敏」がある。
そして「集中力の適切な分散」が苦手であること「音声理解が悪い」ことも結構実生活上では問題になる。
・感覚過敏の種類…
音声過敏、臭覚過敏、触覚過敏、味覚過敏
普段の生活で不便なこと。
音声過敏がひどい時は、テレビがついていると集中して仕事ができない。
予想外の事態に弱い。(献立の急な変更要請でパニックを起こす。)
行事等で非常に疲れる(葬式の手伝い、お祭りの手伝い等、)
適度な集中ができないため、非難を受けやすい。
ことばを字面通り受け取ってしまい、コミュニケーションが上手くとれない。
反面・いいこともある。
好きなことに関しては集中力が続く(私の場合、ホームページ作成など)
見えない障害であること。
・家の中で1人だけアスペルガー症候群のケースはかなり辛いものがあるだろう。
→早期の診断で二次障害を防ぐことができる。
・診断が遅れがちになること。
◆学校の中でのアスペルガー症候群児
学校という場所…勉強する場所という固定観念。
・休み時間の過ごし方がわからない。
・コミュニケーションの場であることが理解できない。
・集中できない環境であることが多い。
ASの子にとって学校は地雷原
・何かと騒々しい環境…苦手とする子が多い。
・他人の悪意がわからない…いじめのターゲットになりやすい。
・冗談がわからない…わからないだけではすまない…適切な返し方を知らないのでさまざまな問題を生む
・協力して何かをすることが理解できない。
運動会は苦手
運動会のピストルの音が苦手な子もいる。
私の場合は「前の人の肩につかまって」が苦手…くすぐったさが我慢できない。
運動会に限らず行事について、定型発達の子どもにとっては楽しみでもアスペルガー症候群や高機能自閉症の子どもには「つまらない」「苦手な」ものの事が多い。
例・運動会・文化祭(学芸会)・お楽しみ会など
・学校で学習以外のことを何故やらなくてはいけないのか理解できない。
・突発的に授業の予定が変わることが嫌い。
・練習自体なぜするのかわからない。(特に入場行進の練習など)
学校の先生にぜひお願いしたいこと。
・授業変更などはできるだけ前もって言って欲しい。
・感覚過敏に配慮して欲しい
・いじめが起こらないようにして欲しい。
→いじめは二次障害の原因になりやすい。
90分は結構長い…というわけで、実例を交えて膨らませたわけだが、今回の講演は私にとって結構ギャンブルであった。
なにが…というと、サマリーのほうには出てこないが、私の受けてきた「いじめ」の話しを実例として多く盛り込んだところである。
このブログでも、小学校時代のいじめに関しては今までほとんど書いてきていない。
本邦初公開(大げさか…)でいじめの話しをしてきたわけだ。
フラッシュバックのリスクもある。
しかし、教育関係者対象の講演会でコレをはずすわけにはいかない。
人前で話すこと自体は結構好きなのでそのことに対する不安はないのだが。
いじめの話しをすることに関しては若干の不安があった。
確かに話し始めるとその時、その場の状況がありありと浮かんでくる。
パニックこそ起こさないものの、フラッシュバック状態だ。それなりに感情も蘇ってくる。
が、なんとか無事にしゃべりきることができた。
実にめでたい。
なにせアスペルガー児のいじめの問題は深刻だ。
成人アスペルガー当事者で、いじめが原因での二次障害をかかえている人も少なくない。
(っつうか、結構多い気がする)
誰かが語らねばならない問題なのだろう。
だが、語るには当事者にとってはフラッシュバックを起こすリスクが大きい代物である。
一応クリアできたことで若干の自信がついた。
というわけで、このブログでも追々、いじめの話しも書いてみようかと思う。
と、同時に、また機会があればこの手の講演をやってみたいとも思う。
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そんなわけで、ご依頼歓迎ですぅ。
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都合が合えばどこなりと参上いたします。
ちなみに狸穴猫は大阪府の南河内に住んでおります。