(1)があるからには最低限(2)もあるわけで、会話事故?の話はつづく。
暑いさなかに暑苦しい話で申し訳ないが「防寒着」にまつわる話である。
前にも書いたがタヌキは去年の秋、紙の配送の大型トラックから足を洗い、パンの配送(4トンロング)へと転職した。
で、今の会社の社長はというと結構社員思いの社長だ。
車の装備も大型車並みで乗り心地重視。
制服もちゃんと洗い替え分まできっちり支給されるし、質も結構いい。
そのあたり、社長がしっかりしているのが表れている。
で、秋に転職して、しばらくたった頃、防寒着の支給があった。
なかなか暖かそうな防寒着で、作業性も良さそうだ。
結構いい素材の防寒着であることは見た目にも明らか。
で、問題は…この防寒着で起こった。
厳寒の頃、夕方、帰って来るなりタヌキが言う。
「社長相手に…やってもたわ!」
会話事故だ。
本物の交通事故でないからいいが、かなりひどいらしい。
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帰り際の出来事である。
社長:狸さん、その防寒着あったかいやろ!
狸:はぁ、僕暑がりなもんで、作業するのはこのくらいの
気候がちょうどええんですわ!
僕ぅ、通勤のときしか防寒着 着ないんですわ。
社長:(無言…目が点、口あんぐり)
狸:それじゃ、失礼します~。
(家に向かって自転車をこぎ出す)
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社長としては、社員に冬場の作業中暖かくして 快適に作業して欲しいと、奮発した防寒着である。
いわば社長自慢の防寒着…。
社長の「その防寒着あったかいやろ?」には多少の自慢と、寒い中がんばっている社員への気遣い、そしてそれを認めて欲しいといった気持ちが織り混ざっている。
なのに、作業中の暖かさを意図して支給された防寒着をタヌキは通勤のときしか着ていない(…それはまあ、個人の勝手としても、)それを言ってしまっては…社長としてはなんて言っていいのかわからないだろう。
で、二の句が継げない社長は目が点に…というわけだ。
タヌキ曰く、
「社長の顔つきが信楽焼のタヌキそっくりになった」

…そうだ。
(タヌキはおぬしだろうが…)
自転車をこぎながら、社長の顔を思い出し、徐々に
「事故っちゃった」
ことに気がついたらしい。
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この話を聞いて私が腹を抱えて笑ったのは言うまでもない。
社長の気持ち(情動)にうまく反応できず、話を自分に引き寄せて、防寒着に関連する自分の状況を語り出してしまったという例である。
終業間際で疲れていたんだろう
”ありがとうございますプログラム”がうまく作動しなかったようだ。
うーん、残念!
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さて、アスペルガー者はこの手の会話事故が多い。
で、会話事故を防ぐことは難しい。
となると、被害を最小限に食い止めることに精力を費やす方が効率がいい。
そこで「ありがとうございますプログラム」なのである。
とりあえずこれをインストール、機会があるごとに使用しておけば
万一上記のような会話事故を起こしたときでも。
だいたいは、
「なんか変わっているけどいい人」
で評価をおさめることができるからだ。
このほかにタヌキがが常時装備しているプログラムがいくつかある。
「せわしく動くプログラム」(一生懸命に見えやすい)
「申し訳ありませんプログラム」(殊勝に見えやすい)
「とにかく笑顔プログラム」(いい奴に見えやすい)
などである。
確かに、会話事故をおそれるより、ある面、”激怒される”という被害を食い止める方が効率がいい。
情動的言動にうまく反応することを考えるのはある面アスペルガー者には無理があるもんなあ。
会話で、「自分に引き寄せすぎない」ことに注意するのも重要だが、普段のイメージ作りも重要だ。
とまあ、こんなところで今回のお話は終わり。
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7/4追記
タヌキによると「すぐ気がつく」のだそうだが、覆水盆に返らずなので素知らぬ顔をするしかないらしい。
それと私の記憶違いで、厳寒ではなく初冬のの出来事だったようだ。
後日談はタヌキブログに本人談が掲載された。


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