ありえねぇ!

アスペルガー症候群者は往々にしてとんでもない聞き間違いをする。


久々の息子のヒットである。




夕食前の一幕

テレビのかかった茶の間から、台所へとくすくす笑いながら息子がお盆をはこんできた。

「ありえねぇ!」

なんだと思いながら食事の準備を続けると、息子がぼそっと


「のーやくぜりー」


と言う。


くすくす笑いながら息子は続ける。


「いや、すぐにわかったんだけど…それでも…ありえねぇ!」


なるほど、ローヤルゼリーのCMをやっていたか…


脳内ですぐに修正したらしいが…


あまりの意味の落差にこちらも腹を抱えて笑ったことは言うまでもない。




にしても…


…記念すべき300本目の記事はこれかよ…




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笑ったあなたも
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ま、おひとつ
ぼちっと↑。






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発達障害者支援法を読んでみて~成人の支援、医療機関の役割は?~

この4月に施行された発達障害者支援法を読んでみた。

全25条からなるコンパクトな法律である。

が、今の政府、お役所の認識がまあ、露骨に出た法律だと思う。

何より、重点が早期診断、早期の発達支援におかれている点。

一応十条に就労支援について記載があるが、ここがちょっと問題だ。

十条の2より引用

2  都道府県及び市町村は、必要に応じ、発達障害者が就労のための準備を適切に行えるようにするための支援が学校において行われるよう必要な措置を講じるものとする。



これでは、成人になってから発達障害がわかった人間への就労準備支援はないことになる。

もちろん、第十一条に次の文言があるので、全くないと言うわけではない…


第十一条  市町村は、発達障害者が、その希望に応じて、地域において自立した生活を営むことができるようにするため、発達障害者に対し、社会生活への適応のために必要な訓練を受ける機会の確保、共同生活を営むべき住居その他の地域において生活を営むべき住居の確保その他必要な支援に努めなければならない。




では、社会生活への適応のために必要な訓練はどこで行われるべきか?
このあたり、具体的な指定がないので、まだ努力目標といったところなのだろうが、さしあたって、発達障害者が診断後もコンタクトをとり続ける可能性のあるところといったら医療機関である。

法律には記載がろくすっぽないが、医療機関をもっと活用できないものなのだろうか?

集団精神療法(グループワーク)など、医療機関でぜひやって欲しいもののひとつである。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)もできれば医療機関でやって欲しい。

なぜなら、医療機関というのは成人発達障害者のニーズが一番わかるはずのところだからだ。

が、現実としては、医療機関は二次障害がなければ、ほとんど何もすることがないといった感じで、
二次障害に対する投薬治療がほとんどではないだろうか。


私が自助会をやってみて思うことは、もっと水面下には支援を必要とする人がいるということ。
二次障害が重すぎて自助会に出てこられない人もいるだろうということ。

孤独感を深めがちな成人当事者には、「同じような性質の人間がいる」ということを知るだけでも価値がある。


医師・心理士はそんな当事者を一番身近に見ているはずの職種である。


今現在、発達障害を診察できる医療機関は限られている。
まずもって「当事者」を知らない医師がまだまだ存在するだろう。

それは今後の施策、社会的ニーズで必的に増えていくだろうが、その段階で、ひとつやって欲しいことがある。

それは、前述のSSTなどの実施やグループワークなどの実施もとうぜんあるが、
もう一つ、末端の発達障害者のニーズの拾い上げと類型化である。

末端のニーズの拾い上げ、これは医療機関、医師の役割だろう。
その上で学会等、医療機関の集まりがどんどこそれを類型化していって、役立つ形にして欲しい。


それを政策とつなげれば必ずや成人発達障害への対応もうまくいくと思うのだ。


さて次のの改正はいつか?そしてどうなるか?


精神科医師・精神科医療機関の努力義務や、施策としてのニーズの吸い上げに言及されるものになって欲しいと考えた。




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条文は比較的
わかりやすかった

っと、それは
ともかく
ぼちっとね。







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昼下がりの憂鬱~献立が決まらない~

自閉さんはいつも同じが好きである。
私もそうだ。


療養日記でちらと書いたが、近所の商店、ストアー○×が閉店した。


ま、跡継ぎがいないということで、高齢の商店主が閉店を決意したというありがちなパターンの個人商店の閉店なのであるが、これがかなり私のパニックと鬱を誘ってくれた。


個人商店とはいえ、肉・魚・野菜・総菜・乾物・日用品・菓子・パンを扱っていたからプチスーパーといった感じ。


閉店の発表があったのが6月半ば。

うちの食卓は相当度にその店に依存していた。


魚類の90%
肉類の20%
野菜類の50%
総菜類の90%


なにせ徒歩30秒でいける距離だ。


それに特に魚の品質と総菜の味はピカイチであった。
(当たり前だ、魚と総菜の担当のおっちゃんは元有名料亭の板前さんだったのだ)


なにせ、変化が嫌いなのが自閉さんの特徴。


閉店発表から、「どうしよう」「どうしよう」ということばが頭を渦巻く。

想像がつかない。

どのくらいの買い物負荷が増えるのか…、
そして我が家の献立がどうなるのか?

だいたいその店に何があるかで結構献立が決まっていったところはある。


いざというときのストアー○×頼みといって、
とにかくスーパーに行く気力がないときに夕方押し迫っても、
そこに行けば何とか献立が作れる。


という便利さを享受していた身には、閉店は堪えた。


閉店発表からしばらくは鬱や不安発作がひどくなる。
閉店してからは、昼下がりになると夕食の献立を考えると憂鬱になってくる。


果ては、4時頃までぼーっとして凍りついてしまうフリーズ現象が…。

おかげで頓服薬が減る減る…。


さらに「買い忘れ帝王」の私は何かにつけて買い忘れをする。


大手スーパーへは自転車で3分。
決して遠い距離ではない。


が、行ってもなかなか献立が思いつかない。

特に魚を買う気がしない。

買い物のペースもなかなかつかめない。

果てはスーパーに流れる音声が気になって買い物ができなくなる。


おかげで、閉店から2週間、夏の定番、麺類を食べることが増えた。

素麺、そば、冷やしうどん、冷やし中華…

おかげで米が減らないこと…

しかし、そう麺類頼みばっかりしていると夏ばてする。


何とかしないといけない。


が、策はない。
根本的にストアー○×頼みだった献立を改造しなくてはいけない。



やっと献立改造にのりだそうという気にまでなったところでこの記事を書いている。
変化に弱い自閉症スペクトラムの特徴が噴出した感じだった。



しかし昼下がりの憂鬱が完全に晴れるのはいつの日か…。




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明日の献立が
決まりますように

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自助会すんで夜があけて…

昨日夕方、第二回アスパラガスの会無事終了。


…例によって、終わってから柏原駅近辺のスーパーに買い物に行く。

肉が安かった…のも災いしたが、タヌキを買い物に連れて行くとろくなことがない…

帰ってからから焼き肉…という、(この暑いさなかに…まあ、スタミナ食か?)というメニューに相成った。

で、例によって例のごとくデザートにかき氷まで食べたら、

もう9時 ぎぇ~


===========================

失礼しました、自助会の報告でした。


昨日はスタッフ含めて総勢19名(うち、非当事者5名)と前回よりだいぶ人数も増え、賑やかな会になりました。

ご参加の皆様、お疲れさまでした。


いや、本当に疲れたでしょう。音声過敏タイプの人は特に疲れてぐったりになっているのではと心配しております。


というのは、前回と違い、ちょっと部屋の天井が低かったせいか反響がすごくて、音が大きく聞こえること…。部屋の定員の半分くらいの充足率だったのですが、やはり音声過敏もちの私はとっても話を聞くのがしんどかったです、はい。


次回はやっぱり別の反響の少ない部屋を取ります。


今回、非当事者の方(=定型発達者?)が5名来てくださっていたんですが、この比率、定型者との感じ方、考え方の対比ができて、なかなかいいなあ…などと勝手なことを考えていました。


とにかく、音声が気になるくらいですから、賑やかになったわけで、話が弾んで耳がしんどいこと以外はいい会になったのではと思います。


詳細報告はまた、ちょっとお時間をいただいてから改めてしたいと思います。


次回開催はまだ正式決定ではないですが9月末(第4土曜)予定です。


というわけで、簡単な報告でした。



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ローカル報告で
恐縮ですが
ひとつ
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というわけには







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「アスペルガー症候群かも」と思ったら…

昨日、日テレの「ザ!世界仰天ニュース」でアスペルガー症候群の特集をやっていた。

そんな関係で「自分はアスペルガー症候群かも」と思った人もいるかもしれない。

そういった人が、実際診察をうけていくにはどうしたらいいかといった情報をまとめておこう。


いきなり近所の精神科のクリニックに飛び込むのは現状おすすめではない
なぜなら、まだまだ発達障害を診断できる医療機関は限られているからだ。


まずは発達障害者支援センターに相談する。


発達障害者支援センターは法律で各都道府県、政令指定都市に設置が義務づけられている機関で、発達障害に関わる支援・相談などの事業を行っている。
(民間への委託事業となっている例が多いが利用は無料だ。)


まず、そこで相談すれば、発達障害の検査・診断が可能な医療機関を教えてくれる。
(当然、相談は無料である)


そこではじめて電話で医療機関に予約し、診察日を決める訳だが、診察前にケースワーカーとの面談などが入るケースもある。これは医療機関による。

この段階で、待ち期間が結構はいる場合もあるので、覚悟しておこう。
(これは地域にもよる)


診察は、問診のほか、知能検査や、家族(親)への聴取が必要になるケースもある。


診察に当たっては、現在困っていること、幼少期からの記録、(エピソード等)をまとめておくと便利。



全国の発達障害者支援センターの連絡先一覧は下記
http://www.autism.or.jp/relation05/siencenter2008.htm
(自閉症協会のHPにジャンプします)








とりあえず、受診までは考えていないが…気になる、と言う人は


AQ(自閉症スペクトラム指数)日本語版 で、セルフチェックしてみるのもいいかもしれない。

千葉大の若林氏による自閉症スペクトラム(アスペルガー症候群、高機能自閉症など)のスクリーニング用のテストの日本語版である。


ただ、上記はpdfファイル印刷せねばならず、論文つきなのでちょっと敷居が高いかも。
(詳しく知りたい人にはいいだろうが)


AQがアンケート形式になっていて、結果計算が自動化されているサイトはこちら。↓
http://www.the-fortuneteller.com/asperger/aq-j.html
原典(千葉大バージョン)に忠実に作られている。


これで閾値(33)を越えたら受診を考えるとかってのもいいかもしれない。
(ちなみに狸穴猫は44~46あたりをたたき出しますぅ)



以上まとめておきました。



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とりあえず、
情報まとめておきます。

ま、それは
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「ザ!世界仰天ニュース」のアスペルガー症候群特集を見たら…

はいみなさま、こんにちは。

たったいま、見ましたよ日テレ「ザ!世界仰天ニュース」のアスペルガー症候群特集

泉流星さんの物語という感じですねえ。
「地球生まれの異星人」に書いてあることを映像化したって感じ。
あ、この本ね。




で、泉さんの空気の読めなさに関して、小学校時代まではくわしいけど、思春期以降のエピソードでもあったらなあと思いましたねえ。


感覚過敏、想像力の障害についてはある程度リアルに表現されていましたねえ。
映像の力というか演出力ですね



さて、番組全体ですが、

「アスペルガー症候群」が脳の障害であることにはちゃんと焦点が当たっていたのは評価できると思いますね。

「脳の障害」ということばがかなりの回数連呼されてましたから。

にもかかわらず「いまだ正確には解明されていない」ですますのはなあ、ちょっと期待はずれ。

それにしても、自治医大の脳外科の先生はどうして出てきたんだろ。
何も専門的なコメントなしでしたね。

今だったら、もうちょっと脳の特定部分の障害があることがわかっているのだから、この辺はもうちょっとつっこんで欲しかったな。

よこはま発達クリニックの内山登起夫医師のコメントはまあ、概論的だったな。
もうちょっと時間を割いて欲しかった。


最後の泉さんのコメント「表情について」

は、まあ、アスペルガー症候群の人間の表情はあてにならないというものでしたが、
それで定型発達者側に努力を求めるのはどうかなと。

だって、誰がアスペルガー症候群ですってネームプレートに書いてある訳じゃないもんね。

ま、内容が薄いのは仕方ないかなあ。
一人の人間に焦点をあてて「物語」として「映像化しやすい」ように番組作りをすればどうしてもそうなりがちなとは思う。


今度こういった番組を作るときは、もうちょっと違った構成の番組作りをして欲しいと思ったな、


そしてなにより、「苦悩」をあまり強調するのはやめて欲しい。
何せ、今、アスペルガー症候群のお子さんを持って子育てにがんばっている親御さんもおおいのだから。


ま、大人のアスペルガー症候群にはじめてゴールデンタイムの光が当たったと言う意味では、この番組の価値はあったろうと思う。




<おまけ>
それにしてもすごいな、テレビの力は…このブログのアクセスが急に普段の10倍になってるぞ…


★翌日2009/07/23未明追記

そういえば、「こだわり」とか「正義感」の話は出ていなかったな。
泉さんに限ってそういうのがまるでないってことはないと思うんだけど…
結構暮らしていく上では重要なポイントだよねえ。



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ま、一歩踏み出したと
思えるかな。
他局の追随きぼーん

ま、それは
ともかく
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日テレの「ザ!世界仰天ニュース」でアスペルガー症候群の特集が!

日テレの「ザ!世界仰天ニュース」でアスペルガー症候群の特集がある。
脳の不思議シリーズ7「空気が読めない脳」だ。

http://www.ntv.co.jp/gyoten/index1.html
(個別ページがないのでトップページにリンクを張っています。)

7月22日夜9時から。

ゴールデンタイムでのアスペルガー症候群の特集は珍しい。

それも「脳の不思議シリーズ」と言うことなので、脳科学への切り込みがあるのではないかと期待させる…が、それがなくても、アスペルガー症候群について、一般の人が知る機会になるのではないかと期待したい。


それにしても…「仰天」するようなものなのか…



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正しい啓蒙に
なってくれれば
いいですねえ

ま、それは
ともかくぼちっと






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書籍『ササッとわかる「大人のアスペルガー症候群」とのの接し方』



ササッとわかる「大人のアスペルガー症候群」との接し方 (図解 大安心シリーズ)ササッとわかる「大人のアスペルガー症候群」との接し方 (図解 大安心シリーズ)
(2009/01/30)
加藤 進昌

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前記事で紹介した「ササッとわかるアスペルガー症候群との接し方」の大人版である。

同じシリーズではあるが、著者は違う。

著者は日本で唯一成人の発達障害外来を開いている(昭和大附属烏山病院)医師である。



で、評価はまずどうだ?というと、これがなかなかできがいい本だと思う。


第一章「アスペルガー症候群の大人はこんなに困っている」の冒頭、
「私、こんなことで困ってます」というページからして、なかなか的を得ている。



また、脳科学への切り込みも多い。
(現段階でオキシトシンまで持ち出すのはちょっと早計な気もしないでもないが)


脳の使い方に差があること、脳の機能不全が明らかになっていることなどを紹介するのに、ある程度のページを割いている点も、一歩踏み込んだ書籍であることだけは確かであろう。


治療、薬療、集団精神療法、デイケアなどに関する記載もあり、実際的である。(とはいえ、実施できる医療機関は相当限られているのが実情ではあるが)


第三章の「社会で孤立感を深めないためにできること」


ともかく、この章の存在は大きい。
なぜなら、この観点で、かかれた書籍は今まで無かったからである。


ま、内容は多くはないが…なのは多少は仕方ないだろう。過渡期である。
それでも役に立つことは多い。


とにかく、大人のアスペルガー者の社会的問題点を指摘するだけでなく、
「どうすれば良いか」に踏み込んだなかなか画期的な本だと思う。


そういうった感じなので、当事者が読んでも落ち込まない本である。


「接し方」というタイトルとは一致しないが、実は当事者向けの本なのではないかなという印象である。




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書籍「ササッとわかるアスペルガー症候群との接し方」


今日は書籍紹介。
だいぶ前に買った本だけど。


ササッとわかるアスペルガー症候群との接し方 イラスト版 (図解大安心シリーズ)ササッとわかるアスペルガー症候群との接し方 イラスト版 (図解大安心シリーズ)
(2008/01)
榊原 洋一

商品詳細を見る





まじめな人にはこの題名でひいてしまう人も多いかもしれない。

「ササッとわかる」

である。

手に取るとき、私でも

「ササッとわかってたまるかよ」

と、思ったもんなあ。

でも、まあ見てみなければはじまらん…と思って手に取った。


で、どんな本かというと、
基本的には子供のアスペルガー症候群の解説書である。


イラストも多用してあるので、わかりやすい。

行動特性に関する解説が豊富で図解も多く、視覚的にもわかりやすい。


「もしやうちの子発達障害?」と疑念を抱いている親御さんでは、この本は大いに参考になるだろう。



で、実は私の着目したのは第二章の「アスペルガー症候群の子供はどいいう状態なのか」である。

状態像の解析がなかなか的を得ているでなはないか。



特に「顔認知」の部分で、


 アスペルガー症候群の子では通常なら人の顔を見たときに働く上側頭回や紡錘回という部分が働いていないことがわかりました。



というくだり。

おお…私が顔認知ができないということは(人の顔が覚えられないその1 その2参照)、私はこの部分が弱いんだな、と大いに納得してしまった。


ま、このように脳科学にもちょっと踏み込んだ形で解説してある本というのはそう多くはない。

その面で、なかなか新しい切り口の本であると思う。


また、第三章の


「暮らしやすい日常をおくるためにできること」


も、なかなかイラストや図が豊富な仕立てでわかりやすく、かつ家庭で簡単に「できること」が並んでおり、好感が持てるとともに、実際役立つと思う。(大人のアスペルガー者にも役立ちそうである)




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書籍紹介

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アスペルガー者はなぜ「謝り下手」なのか?

この記事は、前回の記事「定型発達者的『謝罪』の分化と文化」に連動しています。

ちょっとのっけから話題がそれるようであるが、謝罪の前には怒りがある。

で、あるからして、なぜ人を怒らせやすいかをまず分析してみよう。

アスペルガー者が意図せずに定型発達者を怒らせるにはいろんなパターンがある。

  1. 相手の風貌・言動に関して否定的なことをストレートに言い、相手に不快感を与える。
  2. ひとつの件に関し、繰り返ししつこく聞き、相手に不快感を与える。
  3. 当事者である事に関し、第三者的ととられる発言をし、無責任な発言だという印象を与え、相手を怒らせる。
  4. すでに相手が怒っていることを認識せずに、単なる疑問を投げかけられたと思って答え、相手を怒らせる。
  5. 状況に合わない行動・言動をとり、周りを怒らせる。

まあ、代表例はこんなところだろう。

さて、アスペルガー者はなぜ謝らないかについて、上記を参考にしながら分析をすすめる。

まずもって、相手を怒らたときの社交的対応(マナー)を知らないことがあるがそれだけでは解釈がつかない。

疑問形の叱責、怒りの表明に無頓着であること、これは確かであるが、これだけでも解釈がつかない。

表情から相手の感情をつかみにくい…これもある。

が、

実は主たるものはアスペルガー者は相手の自分に対する怒りに対して、正当か不当かの価値判断をしがちであることが原因であると考える。

アスペルガー者では、自分にぶつけられた怒りが正当なものか、不当なものかをまず考えてしまう。

そこで不当だと判断してしまったら、頑として謝らない。

「私のどこが悪いの?」

である。

さらに、不当感をつのらせれば、「相手の不当性」にアスペルガー者のほうの腹が立ってくる。

怒りをあらわにすれば「いわゆる逆ギレ」と言われることになる。

である。

相手を怒らせたとき、

定型発達者のパターンは

「相手を怒らせた」
→理由はともかく怒らせたという対応において自分に非がある。
→とりあえず謝る

なのだが、

アスペルガー者のパターンは

「相手を怒らせた」
→相手が怒ったのは自分に非があるor相手の誤認いずれか
→謝るときと謝らない時がある。

となる。

だいたい自分が間違った事を言ったと思っていないことが多いので「謝らない」にいくことが多い。

特に冒頭の2.3、5のケースではより「謝らない」に傾きやすいだろう。

1.4は適応状態がいい場合、学習によってクリアされているケースもあるとは思う。

これを解消するには、

  • 定型発達者は「繰り返し何かを聞かれるとキレてくる」という性質を知っておくこと。
  • 相手の風貌に対し否定的なことは言わない事が常識であると覚えておく。
  • 相手の言動に対し否定的な見解を述べるときはまずはへりくだった表現をとることを覚えておく。
  • 周囲を観察し、ある程度は周りに合わせる事が必要だと言うことを覚えておく。

などの対策があろう。

さらに、

必要とされる「謝罪」の多くが接遇的行為であるため、その場合、正当、不当を判断するのは「お門違い」である場合がほとんど、ということを認識しておくことが必要である。

さて、もう一つ、アスペルガー者が「謝りにくい」理由がある。

これは経験の問題だが、

「とりあえずその場を納めるために謝る」ということをしたことがあるアスペルガー者において起こりうる事だ。

「とりあえず謝った」
 ↓
「謝ったにもかかわらずさらに責められた」
  or
「謝ったのに重い罰を与えられた」

という経験のある場合、それがトラウマになり、

「謝ったらどうされるか分からない」→「恐怖」
 ↓
「出来るだけ謝らないですまそうとする」
 (屁理屈つけてでも)

というのがある。

幼児期・小学校期において親や学校の態度が不適切だと、このパターンをとることも少なくないだろう。

とかく理由の分からないことで怒られる、怒りを買うことが多いのが幼児期・小児期のアスペルガー児である。

かくいう私も小学校5年生時に学校の帰りの会の反省会で「(身に覚えがないことで)とりあえず謝る」をやったあげく。クラス決議により尻をクラスメートに竹ぼうきでしこたま殴られたという、悪い記憶がある。(さすがに、あほらしくなって途中で逃げ出したが。)

おかげで「謝る」ことがしばらくの間はかなりの恐怖であった。 (今でもそのときのフラッシュバックが起こることがある)

こういった場合、理解ある人のもとで、あるいは、定型発達者の性質をよく知った上で、「とにかく謝る」のトレーニングをして、成功体験を積み重ねてはじめて「謝ることが出来るように」なるのではないだろうか。

もちろん、この際にも注意しておかねばならないのは「損害」が絡む場合、みだりに謝ってはならないケースがあるということである。

以上、アスペルガーが「謝り下手」であることに関する考察でした。

 



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