ネタがない訳ではない…(ホントだ!!)が、どうしても書評を書きたい本が一冊。
…というわけで、またも書評。
いわゆる「大人のアスペルガー本」である。
主婦の友社の「こころのクスリBOOKS」シリーズの一冊。
よくわかる 大人のアスペルガー症候群
最近、発達障害関係の本がたくさん出版されている。
特に大人の発達障害関係は雨後の竹の子のようにたくさんでている。
解説本しかり、当事者本しかり…。
たくさん出版されれば当然だが、
はっきり言って駄本も多い。
まともな本を選ぶのが大変だ。
そんな中でこれはなかなか役に立つ!と思った本がこれ。
![]() | よくわかる 大人のアスペルガー症候群―自分勝手、わがまま……と思われがちな人たち もしかしたら、アスペルガー? (セレクトBOOKS こころのクスリBOOKS) 梅永 雄二 主婦の友社 2010-09-27 売り上げランキング : 209629 Amazonで詳しく見る by G-Tools |
カバーの見返しにのっけからでかでかと
「大人だからこそ周囲のサポートが必要」
とあるのがなかなか気に入って購入したのだが、
なかなか章立てからして、今までの本とは一線を画している。
1章 こんなとき「生きづらい」と感じるのはなぜ?
2章 アスペルガー症候群に見られる代表的な特性とは
3章 アスペルガー症候群と向き合う[就労編]
4章 アスペルガー症候群と向き合う[職場編]
5章 アスペルガー症候群と向き合う[交友・恋愛編]
6章 トラブル、二次障害を防ぐために
ま、1章とはおきまりの「ありがちな現象」についての例示。
この部分はまたおきまりのようにイラストが豊富。
が、この本の本領は、2章以降にある。
イラストの比率は極端に減少し、突っ込んだ解説となる。
ここがとても実践的なのがまずは画期的といえるが、それだけではない。
この本の読者対象は一体誰なのか?
ここがミソなのだ。
当事者本人はもちろんなのだが、特に、2章、4章、6章に関しては、
「周囲がアスペルガー症候群者をどう理解したら良いのか」
といった書き方になっている。
さらに注目すべきは4章の
職場編。
職場にアスペルガー症候群者がいる場合、雇用者・上司はどういったことに注意すれば良いのかについて、15ページにわたって解説されている。
これは、今までの類書にはなかった特徴である。
こういった特徴の書籍であるからして、
アスペルガー症候群者について理解をしたいと思っている支援者や、雇用者・上司に是非読んで欲しい本となっている。
なかなか親や周囲に障害の特性についての理解が得られないといった場合に、読んでもらっても良いかもしれない。
文章表現についてもかなり気遣いが感じられる本だ。
一例を挙げると
特性の解説で、今までの類書なら
「人の気持ちがわからない」
と、当事者が凹むような書き方が多かったところが、
「人の気持ちを読み取れない」
といったかなり配慮の効いた書き方になっている。
編集方針として、「当事者が凹まないこと」がかなり重視されているように思う。
オマケだが、監修者解説に”「対人スキル」より「生活スキル」を覚えること”
というコーナーもあり、なかなかこれは的をついていると思った。
あちこち不調の多い狸穴猫を抱えながら、狸穴家がなんとか回っているのも、タヌキとヒイロの生活スキルの高さのおかげである。
そんなわけで、今までの「大人のアスペルガー本」とはちょっと違うといった印象を持った。

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これって大事よねえ
…
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