戦略的であるということ-自閉者はまじめすぎる-

久しぶりの記事だ。


このところ新年度にありがちな気力不足だったのか、コメントへのレスも書けない有様。
コメントをくれたみなさま、お返事できなくてごめんなさい。
ちゃんと読んでます。


さて…と、唐突に本題に入ってしまうことにする。


自助会だなんだで、多くの当事者に接しているといろいろ思うところがあるわけだが、アスペルガー症候群など、広汎性発達障害の場合、多くの人で「まじめ」であることからいらぬ苦労をしているように見受けられる。


簡単に言ってしまえば、「要領よく立ち回れない」の一言に尽きるのだが、これは周りにとってもストレスだし、本人にとってもストレスだと思うのだ。


安直に例を挙げよう。



例)無茶な方針を上司が打ち出して…

上司  この方針で企画書を書いてくれ

当事者 で…できません。





「方針」とやらが無理難題であることが明々白々であった場合、最終的に没にせざるを得ないのだが、そこで、いかに明々白々だろうと真っ正直に即座に「できません」と答えることは得策ではない。


まあ、まずは
「おまえ仕事する気あるのか!(怒)」
という反応を生む。



そこで、取りかかったふり、半ばできそうなふりをしつつ、逐一、相談し、できそうな代替案へと誘導しながら話を進めるのが得策というものだ。その間にほかのアイデアだって出てくるかもしれない。


が、はじめの時点で発達障害者は、真っ正直に「できません」と答えたくなってしまう。


その結果、上司との軋轢を生んだり、無茶を言う上司に対する怒りがたまってストレスためたり、逆にできない自分に嫌気がさして鬱などの二次障害になったりと…。いいことはない。


この戦略性のなさというのは発達障害者にとっての一つの大きな課題であるような気がする。


では、この真っ正直さは何故起こるか?


世の中を渡っていく上で戦略的に動くのはごく当たり前の事だが、それが発達障害者には「やってはいけないこと」という枷がかかっているようである。ある意味「バカまじめ」なのである。


定型発達者はごく当たり前に「戦略的に動く」。

これは決して悪い事ではない。ある面周囲との軋轢を生まずに物事やりおおせるための手段なのだ。


ここを学習しそこねてしまった、下手をすると
「やってはいけないこと」と誤学習してしまうこと

がこの戦略性のなさの原因であると私は考える。



戦略的に動けないのなら苦労をするのは目に見えている。


苦労をして…



鬱などの二次障害になるのもバカ臭い。

周囲に対して悶々と怒り狂うだけなら世間的には問題ないようにも思うがエネルギーの無駄だ。

怒りが高じて「逆恨み」などをして他人に迷惑をかけてしまっては大問題だ。




怒り派、迷惑派自閉さんの逆恨みとかの原因の大半は「真面目に対応したのに報われない」だったりするし、落ち込み派の自閉さんの鬱の原因の大半も「真面目に対応したのに報われない」である。


そして、原因がどっちも同じだから、これは可逆だ。


と、いうわけで、ちょっと声を大にしてアスペルガー症候群者諸君に言いたいのは



世の中もうちょっと戦略的に考えてもいいんだよ!
そしてそれは悪い事じゃない。


ということである。


ただ「他人も多かれ少なかれ戦略的に動く」ということを許容する必要はあるということも付け加えておこう。




さて、次回はこの自閉者のバカ真面目さの奥にある根本は何だろう?ということにちょっと突っ込んでみる。


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久しぶりの
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焼き芋売ってるよ

春休みなのでミチャポンとお出かけの機会も増える。


先日、ちょっとした用事で二駅ほど先まで出かけ、用事が終わったあとアイスクリームを食べてご満悦のミチャポンと帰宅の途に。


我が家の最寄り駅はローカル臭ぷんぷんの田舎駅。当然出入り口も片側にしかない。

駅を降りるとすぐそばの踏切をわたって反対側に向かうのだが、その踏切前にはちょっと魅力的なお店がポツンとある。

いわゆる最大手パン屋系列のショップなのだが、何故か店頭に「石焼き芋機」がおいてあり、石焼き芋を販売している。

寒い季節には、そこから漂う石焼き芋の香りが何ともいえず胃の腑をくすぐる。


さて、その店の前を通りかかったミチャポンがこう言う。


「焼き芋売ってるよ」


うーん、焼き芋が食べたいようだ。
「して欲しいこと」を言い出すのが苦手なミチャポン流の表現であることは間違いない。

しかしここですぐに焼き芋をかってあげてはいけないような気がする。
根拠はない、何となくの勘だ。


そのまま歩き、


「うん、焼き芋売ってるね」と答え、脇目を振らず踏切の方に。


「焼き芋売ってる…」ちょっと小声になり繰り替えずミチャポン


踏切をわたりきったところで立ち止まり、ミチャポンに向かって言ってみる。


「ねえ、みーちゃん、焼き芋食べたいなら「焼き芋買って!」って言わなきゃわからないよ」


「…でも、ここまで来ちゃったらダメでしょ。」
(踏切が勝手に設定した関門だったらしい…)


「さあ、どうだろうねえ、とりあえずちゃんとママにいってみて!」


ちょっとの沈黙の後、ミチャポンから声が出た。


「…、焼き芋食べたい、焼き芋買って!」


「よっしゃ、よく言えたね、じゃ、焼き芋買いに行こう」




踵をかえし、踏切をまた反対方向にわたり、ヤ○○キショップへ。



再び踏切へと向かった時にはほかほかの焼き芋を握りしめ、満面の笑顔のミチャポンがいた。

「言ってみてよかった~!!」

河原沿いの道を歩きながらミチャポンが言う。


とりあえずめでたしめでたし。





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