【書籍】自閉っ子の心身をラクにしよう! 栗本啓司著

今日は書評、しかもかなりおすすめ度の高い本だ。


自閉っ子の心身をラクにしよう!

栗本啓司 花風社 2014-08-28
売り上げランキング : 14971
by ヨメレバ



操体法をベースにした自閉っ子向けの心身のコンディショニングの本


著者の栗本氏は小田原でからだ指導室あんじんを開いておられる方。今年の6月に開かれたこの本の版元である花風社主催のコンディショニング講座に参加した際にお目にかかったが、細身の好中年といった感じで作務衣がよく似合う方。



この本の末尾に栗本氏の読んできた本ということで様々な書籍が挙がっているが、その書籍名からも、氏が洋の東西を問わず、様々な手法や理論を柔軟に取り入れ、現代人の心身を癒す方法を構築しようされている方だというのがうかがえる。





簡単に試せるボディワークのハウツーがぎっしり


実はこの本は花風社の自閉っ子シリーズの中ではかなり異色である。


ニキ・リンコさん、藤家寛子さんの体験談や変化などから自閉症児者の不思議に迫っていくタイプや、治療者、支援者として成果をあげげられている方のノウハウや考え方を探ったり、そこから問題提起をしていくといった感じの本が多いのだがこの本はまるで異なる。


読んですぐに使える本である。


難しいことはとことん抜きにしてあるといった印象すらある。


説明部分もとても簡潔かつ感覚的に理解でき、うんうんなるほどと思いながらサクッと読み終えられる。この強烈にサクッと読める感は対談本だからというわけではないと感じる。たぶん編集方針なんだろうと勝手に納得。




棒人間からの脱却は関節から


自閉症児者の姿勢の悪さや歩き方の問題は私も前に書いたことがあるが、栗本氏も同様の現象に着目していたようである。


この本では姿勢の問題に関するアプローチとして、操体法の手法をベースにした手法が紹介されている。その要が「関節から」という視点だ。


確かに接触にたいする過敏がある自閉症児者には身体の末端部分へのアプローチのほうが容易だ。また身体各部はつながっているのだから、末端に近い部分へのアプローチが全身に波及するというのは東洋的な考え方から言えばごく自然なものでもある。


体幹部への身体接触を嫌がる自閉症児へもアプローチが可能な方法というのは非常にありがたいものだ。



紹介されているワークのほとんどが「体力」とか「がんばり」を必要としないところもやってみる事への敷居を低くしてくれるポイントだろう。



睡眠障害、多動や自傷を身体の使い方という視点から見る



何かで緊張していて睡眠に問題が出るというのは別に自閉症児者でなくてもあるだろう。


この本は、自閉症児者の様々な行動の問題をそういった誰にでもある現象の延長線上にあるものとして捉え、さまざまな解決方法を提案してくれる。


睡眠、排泄、自傷、多動の問題は自閉症児者のQOL(生活の質って訳すことが多い)に大きく影響する問題だし、できるなら何とかしたいと思う部分ではあるが、ほとんど投薬での対処しかなかったものだし、その対処がためらわれる部分でもある。


栗本氏はここに姿勢との関連を見いだし、身体全体のバランスといった東洋的な視点と操体法という手法を持ち込むことによって対処方法を編み出してきたわけだ。いろいろな場面でしっかりした姿勢が大事とも言われるし、良い姿勢で無駄のない動きをする人には余裕があるようにも思える。感覚的には非常に納得がいく話だ。



あまりこういった視点での対処法を提供してくれる本は多くないし、あっても取り組むのに高額な費用がかかったり現実的でないのだが、この本で紹介される身体ワークは身体ひとつあればいいので気軽にやってみることができる。それなら試してみても損はないだろう。



自閉症スペクトラムの理解の助けになるだけでなく、使える方法の引き出しを増やすといった意味合いからも、自閉症スペクトラム児の親御さん、自閉症スペクトラム当事者、そして支援者といった自閉症に関わるすべての人におすすめできる本だと思う。




自閉症児の親御さんも楽にという思想



自閉症スペクトラム児をもつ親御さんは大変だ。多動などがある幼児では親はその対処だけでもへとへとになる。さらに親御さんが定型発達者の場合だと、児の行動・言動が親の想像の範囲から大きく飛び出してしまうのでなかなか理解しにくい上に予測もつかず右往左往することになる。疲れるのはむしろ当然だと思う。


子どもに優しく接したい、理解したい、できるだけ良いアプローチをと思っていてもエネルギー切れになりやすい由縁である。親御さんのエネルギー切れをなんとかすることも重要な課題だ・


この本では数々の身体アセスメントと身体ワークが紹介されているが、その大半は子どもだけでなく大人もできるものだ。親子でやるものもある。



高価な機材を必要とするものは何一つないのでお財布にももちろん優しい(どのくらい優しいかというと、4000円のデジタル耳せん買うのに数ヶ月呻吟する程度しみったれた狸穴猫が全く気にならない程度である)。


身体ワークの紹介がはじまる9章の冒頭は親御さん向けの身体ワークがでんと構えているのだ。


毎日子育てにがんばっている親御さんにも楽になって欲しいという著者と版元の願いが感じられる部分である。


私もやってみたが、とても簡単なワークだが非常にリラックスできるものだった。


 


※おまけ  身体ワークというのは合う合わないが多いとも言われるが、この9章冒頭のワークはかなりヒット率が高いものだと私は考えている。というのは、狸穴猫が最近ときどき出かけているフェルデンクライスボディワークのレッスンの冒頭にやるワークがこのワークとの類似性が高いものだというのがある。手法の理論面の違いを超えて採用されるアプローチというのは本質に迫ったものである可能性が高いと考えられるからだ。








言葉にこだわるASD者の皆さん向けの注意書き



この本の内容の厚さとその語り方の平易さは特筆に値すると思うのだが、読みやすい反面、成人のASD者などで言葉の意味にこだわってしまう癖のある人には辞書的意味から遠い感覚的表現が多用されることによって若干読みにくさが生じてしまうかもしれない。



ちょっとだけ引用




今見てきたとおり関節の可動域の少ない人もいて、それが実は「じへいっこ」の姿勢のつま先立ち等につながるのですが、一方で関節がつながっていない人もいます。

自閉っ子の心身をラクにしよう! p31より引用




この「関節がつながっていない」という言葉に「関節はつながってるよ」とポンと浮かんでしまい拒否反応を示してしまう人もいると思う。だがちょっと待って欲しい。



「関節がつながっていない」を「関節の前後がうまく連動していない状態」に


「関節をつなげる」を「関節の前後が連動できることを脳に学習させる」に、それぞれ読み替えるだけで拒否反応は消えるはずだ。



こういった読みかえは基本、個々人が勝手にやるものだと私は思っているのだが、この本の内容は成人当事者にもあてはまることが多いし、身体ワーク部分もすぐ試せることが多い。もし上記のような表現の問題だけで毛嫌いしてしまってはあまりにもったいないと思い、今回はあえて読みかえ例を書いておく事にした。




勇気をもって道を開くということ


本の内容からはちょっと離れるが、この本が出版されたということに私はとても勇気づけられた。


自閉症スペクトラムの療育や適応改善で、身体へのアプローチといえば感覚統合療法が有名ではあるが、それとて効果に関する充分なエビデンスが無いと批判されることもある。ということはどういうことかといえば、この本の出版には「個別性が強すぎる」とか「エビデンスがない」などの批判の声が出る可能性がつきまとうということである。


自閉症児者の姿勢をはじめとする身体面の問題は支援の現場では認知されていたことだろうが、その理由にまで触れたものはいままで無かったのであるから尚更だ。



こういった背景を考えるに、この本は著者と版元の勇気の結晶であり、それは自閉症児者とその親御さんへの力強いエールである…と、勝手に解釈して勝手に感謝しておくことにする。



ついでだから書いておくが、そもそも、自閉症スペクトラムというものが感覚面の問題をのぞけば「社会性」に関連する生活行動レベルの事象で定義され、その原因が「脳の器質的障害」とされている状態でEBA(「エビデンスに基づく治療」と訳される)に準ずる療育が適切に選択できるのか?といえば否だ。


自閉症児者の身体面の問題すらろくすっぽ障害の定義に取り込まれていない状態では「どこからどこまでが療育で変わる可能性がある問題なのか?」が判別できるわけがないだろう。「表面的なできること」を増やせるかどうかしか判定材料にできない現状で、心身の全体に及ぶような療育法を、エビデンスを元に判定できるわけはないというわけだ。


それだけに親御さんは療育の選択に悩むだろう。かなり有望そうな方法からどう見ても怪しい方法まで、そしてタダに近い方法からめいっぱい高額な費用がかかるものまでと、療育法自体玉石混淆であるのだから尚更である。


親は我が子をじっくりと観察し、害がなさそうで良さそうな方法を、自分の目で勇気をもって選ぶしかないわけだ。




ただまあ、そんなややこしい話はさておいて、まあ、まずは9章の身体ワークでスーパーリラックス体験をしてみてもいいかもしれない。



身体が欲するものはきっと身体が教えてくれるさ
…というちょっと東洋的な身体観を振りまいて本稿は終わることにする。






自閉っ子の心身をラクにしよう!

栗本啓司 花風社 2014-08-28
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10年目の自閉っ子、こういう風にできてます!―「幸せになる力」発見の日々

ニキ リンコ,藤家 寛子 花風社 2014-06
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↑この本もなかなか興味い深い本だった。










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第48回アスパラガスの会参加登録開始のお知らせ

そろそろ夏も終わりでしょうか?
空の色が秋の気配を感じさせます。


さて、次回のアスパラガスの会のご案内です。
次回のテーマはアスパラガスの会では初めての恋愛談義となります。

恋愛・結婚という人生の一大テーマ。ASD者ならではの話もあるかもしれません。
パートナーのいる人・いない人、未婚・既婚を問わずパートナーを持つということに関する話をしてみませんか?


第48回アスパラガスの会開催概要

とき:2014年月9月27日(土) 午後2時~午後3時45分

ところ:JR大和路線・近鉄道明寺線 柏原駅徒歩数分の公共施設

参加費:100円(通信費・資料代等)

申込期間 2014年8月25日(月)~2014年月9月14日(日)

テーマ:自慢歓迎!みんなの恋愛談義

定員:25名(先着順)


参加登録はこちら↓からお願いします。

PC・スマホ用エントリーフォームはこちらから
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デジタル耳せん(キングジム製)を買ったのでその感想 【聴覚過敏対策グッズ】

前から気になっていたキングジムのデジタル耳せん

デジタル耳栓…聞き慣れない名前のものだが、数ヶ月前に発売予告が出て以来気になってはいた。

仕組みはノイズキャンセリングヘッドホンとほぼ同じ仕組みで、騒音と逆位相の音を流す事によってチャラにし、いわゆる騒音にありがちな特定の周波数帯の音がカットされて聞こえなくなるというもの。

聴覚(音声)過敏もちの狸穴猫としては試してみたさはあった。しかし5000円ほどするので、レビュー等がある程度出てからにしようかと、ちょっと様子見を決め込んでいた。そしてここひと月くらいはコロッと忘れていた。

しかし、先週から寝不足が続き、聴覚過敏がいよいよ派手になってきた。イライラするのはまあ定番だが、物忘れが激しくてかなわない。いまやろうとしていた事を振り向くと忘れているといった具合。何かに取りかかろうと思ってもすぐに注意がそれてしまい、取りかかること自体が難しい。

これでは仕事にならん!!!

4日ほど前、ツイッターでそのことをつぶやいたら、ある人が「デジタル耳せんためした?」と返してくれた。

そうか、その手があった!

別ウィンドウで楽天とアマゾンの画面を開いてデジタル耳せんを探して速攻で注文した。

↓これだ。

キングジム デジタル耳せん MM1000 ホワイト

キングジム 2014-03-07
売り上げランキング : 319
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デジタル耳せんが届いた。

買ったのは最安値だったアマゾン。購入した翌々日の朝にはいつものクロネコのにーちゃんが届けてくれた。

見慣れたアマゾンの段ボール箱をあけると、箱ではなくプラスチックのパックという簡単ないでたちで登場。まあ、そんなのはどうでもよい(どうでもよいので撮影してない)、問題は中身だ。

キングジム製デジタル耳せんの写真

中身は上記の写真にあるものと取扱説明書で全部。

けっこう軽い、仕様書によると33g(電池除く)だそうだ。イヤーピースはXS,S,M,Lの4組ついている。持ちはこび用だろうか?グレーの布製のポーチがついている(関係ないがふかふかでさわり心地がいい生地だ)。

↓大きさ比較のために洗濯ばさみと一緒にしたり、いくつか写真をとってみた(スマホと並べてみようかとも思ったがスマホで撮影できないとデジカメ引っ張り出さなきゃいけないのでやめた)。

キングジム製デジタル耳せん各部の写真

大きさはiphon5sの半分くらい、厚みは1.5倍という感じ(仕様書にはW64×H14×D64mmとあった)。けっこう小さい。

これで騒音問題(私にとっては騒音なのだ)がなんとかなるなら悪くない。

宿敵、換気扇と扇風機の音が消えた。

狸穴猫の聴覚過敏の9割は機械の動作音と大音量の生演奏でない音楽。大音量の音楽は頻度は高くないのと今回のターゲットでないのでまあ置いておく。大人数の人の声が響くのもかなり苦手ではあるが、そういった場に行く機会はそうそうないのと、そういった場所で集中を必要するということも少ないので、たいした問題にはならない(飲食店は静かそうなところを選べばいいだけだからあまり問題はない)。

そんなわけで家の中での宿敵は主にファンの音である。扇風機、換気扇、エアコン、デスクトップパソコンなど、モーター音と風きり音がまずい。エアコンとパソコンはまあなんとかなるが換気扇と扇風機はかなり苦痛である。そして複数のファンを動作させると音が重なるせいか轟音に聞こえてくるといった感じ。

さて、いそいそと単4電池を放り込み、耳にイヤーピースを突っ込んでスイッチオン!

お~!!扇風機の音が消える!!!

なんだかスコーンと身体全体が楽になった感じまでしてくるではないか。

脳みそ楽だわ~

おもしろがって扇風機と換気扇をつけまくって試してみたが大丈夫だ。完全な静寂というわけではないが、十二分に問題ない程度に抑えられる感じ。

そして人の声は…聞こえる。娘が話しかけてきても問題なく聞こえるし、テレビの音も多少小さく聞こえるというった程度。

はじめついていたイヤーピースがちょっときつい感じだったが、附属していたSサイズのものに付け替えたら耳の違和感もあまり気にならなくなった。

デジタル耳せんをあれこれいじってみる。

Youtubeに周波数サンプル↓があったのでいろいろ試してみた。

  

どうやら300Hzより低い周波数の部分を主にカットしているようであるが、150Hz越えたあたりからは多少聞こえはじめる感じだ。

体感としてはこんな感じ↓

ファンやモーターの回転音…気にならなくなる

テレビの音…それなりに小さくなる

人の声…結構聞こえる。印象として8割くらいという感じ

まあ、このあたりはあくまで印象なので人によって差はあるだろう。

イヤーピースの交換は他のイヤホン類と大差ないが、結構きつめといった感触だったので、ちょっと手こずったが、その分はずれにくそうではある。 

キングジムのデジタル耳せんに感じたあれこれ

まあ、書いておけばメーカーさんが見に来ることもあるかもしれないので、こうだったらいいなとかいうポイントを書いておくことにする。

イヤホンコードは直出しではなく抜き差しできるタイプのほうがうれしい…
万一引っぱったり踏んづけたりとかでイヤホンコードをダメにした時に本体ごと買い換えではとても悲しいと思う。メーカー側では補修部品として用意しておかなきゃいけなかったりという大変さはあると思うのだが、ここはぜひともなんとかして欲しい。
持ち運びが容易になる工夫があったら
男性なら胸ポケットに入れるという手が使いやすいかもしれないが、女性はそうはいかないことも多い。となると、ポーチのひもを長くして肩掛けできるようにするとか、クリップでウェストに挟めるようにとかの工夫があると楽だろうなあ。
スイッチはもうちょっと大きめでも…
発達障害者を使用者として想定するなら不器用な人が結構おおいのでスイッチは大きめ目がいいと思う。
かっこいい表示ステッカーがあれば…
デジタル耳せんがデジタル耳せんであることがわかるステッカーとかあると職場などで使いやすいかも。貼ってはがせる素材希望。
電池はテスト用でいいから付けておいてほしい。
たまたま単4電池があったから私は買いに走らずにすんだけど、いざ使おうとしたとき電池がない…なんてテスト用電池をつけておいてくれたらアワ食わなくてすむと思う。
補聴器のようなコードレスタイプがあっても
寝る時に音が聞こえるのが気になるときに使えないのはちょっと残念。そこまで欲しい人はどのくらいいるのかわからないけど、あっても良いかもしれない。

デジタル耳せんまとめ

正直なところ、デジタル耳せんがここまで効果があるとは思わなかった。

ノイズキャンセリングヘッドホンとなると結構高いので二の足をふんでしまうが、この価格なら試せるとおもったわけだが、予想以上の効果を発揮してくれたで私としては万々歳である。

と、同時に「これまでこんなに音声のによる負荷が脳みそかかってたのか!!」という点にも驚きを感じた。

感覚というのは主観的なものなだけに伝えにくいものだが、伝える伝えないという問題以前に「自分の感じ方がデフォルトなので問題があるかどうか意識しにくい」ということは大きい。

聴覚や視覚などの外部からの刺激の引き起こす問題について、もっと注目されて良いのではと思った次第である。


2014/08/30追記
デジタル耳せんについてツイッターでも結構盛り上がったので関連ツイートをまとめてみたのがこちら。このまとめのアクセスがすごいことになったのでまとめた私がビックリした。く




キングジム デジタル耳せん をアマゾンで見てみる

楽天でデジタル耳せんを見る




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2014年夏までの読書記録-活字中毒が復活したかも-

最近やたらと本を読み散らかしている。



books2014_1-8.jpg



ふと思い立って今年購入した本をテーブルの上に並べて積み上げてみた(2~3冊は抜けてるかもしれないがそれはご愛嬌)。しみったれた狸穴猫のことなので大体半分は中古である。図書館で借りて読んだ本もあるので読んだ本となるともうちょっと増える。



どうみても多すぎ…だが昔にもどったとも言える



子供のころから本は好きで、中学に入った頃(当時は埼玉に住んでいた)から新宿の紀伊国屋や神田の神保町などに入り浸っていた。八重洲ブックセンターができた時は小躍りしたもんだというくらいで、本のおき場所に困るというのが常だった。



大阪に来てから心身の調子がイマイチだったことや老眼鏡を作り損ねていたことなどがあいまって、本を読む量(そうだ、「量」扱いなのである)が少なくなっていたのだが、ここに来て活字中毒が復活してしまったのかもしれない。



レビューを書きたいものもいくつかあるのだがなかなか追っつかないのと備忘録がてら、発達障害に関連するもののみ一文だけ添えて画像をアップしておくことにする。



(リンクは当然アフィリエイトリンクにしてあるので、ここからのリンク先から購入すれば価格の1~3%程度が狸穴猫の収入になる→そしてまた本代にというjサイクル。こういうのがどうしても嫌な人はリンクを踏まないでくれればいいので念のため)




2014年年始から夏までに買った本





伸ばそう!コミュニケーション力―不器用でも、体力なくても、友だちいなくても、今日からできるワクワクトレーニング

森嶋 勉 花風社 2014-01
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身体運動がコミュニケーションに繋がるというのがなかなかおもしろい視点。




プロチチ(2) (イブニングKC)

逢坂 みえこ 講談社 2012-10-23
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数年前、この漫画の連載前に狸穴猫も取材協力したのだが2巻は読んでなかったので購入。




特別講義 コミュニケーション学

藤巻 幸夫 実業之日本社 2010-01-08
売り上げランキング : 16311
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コミュニケーションとはなんぞやといったところに突っ込んでいく本。とてもいい本なのだが無防備に当事者が読むとちょっと危険かも




読む目・読まれる目―視線理解の進化と発達の心理学

遠藤 利彦 東京大学出版会 2005-12
売り上げランキング : 367766
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>

惚れ込むほどオイシイ本。これはすでにレビューを書いたのでそちらを見てね。




人を傷つける話し方、人に喜ばれる話し方 (WAC BUNKO)

渋谷 昌三 ワック 2007-02-02
売り上げランキング : 83821
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とりあえず参考資料



人を傷つける「言い方」元気にする「言い方」 (新講社ワイド新書)

渋谷 昌三 新講社 2011-07-01
売り上げランキング : 318484
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とりあえず参考資料



望む人生を手に入れよう―NLPの生みの親バンドラーが語る 今すぐ人生を好転させ真の成功者になる25の秘訣

リチャード バンドラー エル書房 2011-06
売り上げランキング : 63422
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NLP創始者の本。表紙のイメージに反して自己啓発臭は全くしないのだ。



人を動かす力 (アスカビジネス)

椎名 規夫 明日香出版社 2011-07-24
売り上げランキング : 178277
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これもNLPがらみの本、リーダー論では実はない。



できる人の教え方

安河内 哲也 中経出版 2007-07-11
売り上げランキング : 76170
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学校の先生方、支援者の皆さま、ぜひどうぞ! 



なぜ、だれも私を認めないのか (講談社プラスアルファ文庫)

勢古 浩爾 講談社 2005-03
売り上げランキング : 183195
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とりあえず参考資料。真逆の思考を見てみたくなった。



心配しないで、自閉症は治せる

谷 美智士 世界文化社 2013-06-27
売り上げランキング : 175228
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とりあえず参考資料。まあ、こういう人もいるんですねえってところ。




脳はバカ、腸はかしこい

藤田 紘一郎 三五館 2012-10-20
売り上げランキング : 2793
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腸内環境の本。自閉症と腸内環境の話をいろいろウェブで見つけたので一応腸内環境の本を一冊くらい読んでみようかなとおもって購入。なかなかおもしろい。



整体入門 (ちくま文庫)

野口 晴哉 筑摩書房 2002-06
売り上げランキング : 2560
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野口整体の祖、野口晴哉氏の本。簡単にできるものも結構のっている。



心を読みすぎる: 心の理論を支えるワーキングメモリの心理学 (プリミエ・コレクション)

前原 由喜夫 京都大学学術出版会 2014-04-04
売り上げランキング : 148193
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ワーキングメモリと心の理論の話。じっくり読むとかなり興味深い話だが、いかんせん論文をあまり加工せずそのまま本にしたという感じなので読むのに体力が必要だった。



身体のホームポジション

藤本靖 BABジャパン 2010-08-09
売り上げランキング : 47533
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ロルフィングという一種の整体?ボディワーク?系の人の本、簡単に自分でできるようなセルフメンテナンスが紹介されているだけでなく、感覚器官との関連についても触れられているのが興味深い。



あぁ、残念な話し方! (青春新書インテリジェンス)

梶原 しげる 青春出版社 2011-01-06
売り上げランキング : 299610
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言葉遣いの本。この辺の重要性ってのはなかなか具体的に理由つきで書いてある本が少ないのでおもしろかった。



ドナの結婚―自閉症だったわたしへ

ドナ ウィリアムズ 新潮社 2002-03
売り上げランキング : 134515
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邦題を見てスルーしてて今頃購入…原題は「LIKE COLORS TO THE BLIND」である。アーレンシンドローム(アーレン症候群)についてのエピソードも。



脳の中の身体地図―ボディ・マップのおかげで、たいていのことがうまくいくわけ

サンドラ ブレイクスリー,マシュー ブレイクスリー インターシフト 2009-04
売り上げランキング : 21595
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身体感覚の不思議の話。これはいろいろ参考になるだけでなく読み物としてもおもしろいかった。



「気づき」と「できる」から始めるフレームワークを活用した自閉症支援―すぐに使えるワークシート用CD‐ROM付

水野 敦之 エンパワメント研究所 2014-01
売り上げランキング : 107261
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合理的な支援の効率よい作り方といった感じの本。著者のサイトの自閉症カルタがおもしろいんですがそれはのってなかったな。




ギフテッドー天才の育て方 (学研のヒューマンケアブックス)

岡 南,小倉 正義,杉山 登志郎 学習研究社 2009-12-09
売り上げランキング : 5309
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能力に凸凹があるがある種の知能は高いといった子供の能力をどう伸ばすかといった話が主。どうすれば天才に育てられるかといった話ではないので念のため。



ずっと生きづらかった私だからこそわかる アスペルガーの子の「本当の気持ち」

アズ直子 大和出版 2014-05-16
売り上げランキング : 180035
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とりあえず参考資料。ありがちな悩みというものを知るために。



フェルデンクライス身体訓練法―からだからこころをひらく

M. フェルデンクライス 大和書房 1993-03
売り上げランキング : 12096
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フェルデンクライスのボディワークの理論面にも触れている本。理屈っぽさがとても好み。



Newton (ニュートン) 2014年 09月号 [雑誌]

髙森みどり ニュートンプレス 2014-07-26
売り上げランキング :
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これは半分息抜き。ベクトルがわかりにくいという理由をちょっと知りたかった。



発達障害の子どもを伸ばす魔法の言葉かけ (健康ライブラリー)

shizu 講談社 2013-12-11
売り上げランキング : 148
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あくまで参考資料。



動く骨(コツ)―動きが劇的に変わる体幹内操法

栢野 忠夫 スキージャーナル 2004-12
売り上げランキング : 63147
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身体動作には骨と関節が重要なのだという話。体幹の問題、そして眼筋との関係についても触れていておもしろい。



物理学で合気に迫る 身体「崩し」の構造

保江邦夫 BABジャパン 2011-03-10
売り上げランキング : 43489
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身体動作…、もしかしたら理屈っぽい人にはこの手の説明もいいかもしれない…。身体の動きをベクトルで捉えるといったとても興味深い話。著者は物理屋さん。



アレクサンダー・テクニークにできること―痛みに負けない「からだの使い方」を学ぶ

デボラ キャプラン 誠信書房 1999-04-10
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音楽などパフォーマーに人気のアレクサンダーテクニークというボディワークの本。



姿勢のふしぎ―しなやかな体と心が健康をつくる (ブルーバックス)

成瀬 悟策 講談社 1998-07-17
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臨床動作法というあまり有名でない心理療法の開発者さんの姿勢に関する本。実例も豊富で平易なので読みやすい。



障害児のための動作法―自閉する心を開く (障害児の治療と教育シリーズ)

成瀬 悟策 東京書籍 1984-07
売り上げランキング : 310949
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前述の臨床動作法の専門書。この本の発行されたのは1984年。この年代に自閉症の療育として身体へのアプローチが提唱されていたというだけでもかなり驚きだが、自己理解と身体把握の関連を指摘するなど非常に興味深い内容。



発達障害の原因と発症メカニズム: 脳神経科学の視点から

黒田 洋一郎,木村- 黒田純子 河出書房新社 2014-05-19
売り上げランキング : 843
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自閉症の発生メカニズムについての包括的かつかなり意欲的な本。意欲的なだけに賛否は分かれる部分もあるとは思うが読む価値はあると思う。かなりおすすめ。






▼これは今一番欲しい本…うーん、読みたい、でも本の買いすぎで予算が…。図書館の使い勝手が悪いと本代がかさむわ~。


ワーキングメモリの脳内表現

苧阪 直行 京都大学学術出版会 2008-02
売り上げランキング : 446364
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言葉が消える-音声過敏という現象から自閉症スペクトラム考える

音が突き刺さり、言葉が消えた

私が音声に対して過敏をもっているということはしばしば書いてきた。

換気扇や扇風機のファンの音で頭がぼーっとしたりイライラしたり、特定の音楽をある程度以上の音量で聞くと思考がストップするなど多いのだが、今回は音楽だった。

それだけならまあ、「またか」の領域なのだが、たまたま運良く興味深い現象を把握できたので記事にしてみる

音量、音質、タイミング

最近タヌキ(亭主)が玄関の土間で音楽を聴くのにはまっている。約6畳の空間だが、あまりものを置いていないのと天井が高いのがあいまって、かなり音の響きが良い感じになるからだが、これが結構私にとっては迷惑なことがある。

玄関の土間と台所の間には音を遮るような戸がない。戸はあるのだが格子戸だし天井の空間は繋がっている。そしてタヌキと私では音量に対する耐性が思い切り違うため、タヌキがついうっかり気分良く音量を上げるのと夕飯の準備状況と私の寝不足などのタイミングがバチッと合ってしまうと極めてまずいことになる。

最近は耳栓は常備なのでアブナイ曲だとわかった瞬間に耳栓を装着する。ストラヴィンスキーやマーラーなど音の重なりが多い曲やヴァイオリンの響きが強い曲は要注意で、すかさず警戒体制をひくのが常である。

ドヴォルザークの6番は盲点だった

しかし今回はドヴォルザークだったので警戒が甘かった

夕方帰ってきたタヌキが土間に陣取り、ドヴォルザークの6番をかけ始める。私も結構好きな曲なのではじめフンフンと気持ちよく聞いていたのがまずかった。夕方の台所仕事中だったのでタヌキが途中で音量を上げたのに気が付き損ねたのだ。

夕食の準備も終わろうとする頃、曲の方もクライマックスだった。夕食のことについて何かタヌキに話しかけようとしたのだが、どうも言葉がうまく出ないのだ(何を話そうとしたのかはすっ飛んだので憶えていない)。

何度かトライしようとしたが、あっという間に「音が突き刺さる感覚」に飲み込まれた。

こっちをむいたタヌキが「何か用か?」と言ってきたのは憶えている。

だが、音楽とともに次々に入力される「音が突き刺さる感覚」が浮かんだ言葉を片っ端から消していく。

声が出ない!

口を動かそうとはするが喉は動かず、その間に言葉が飛んでいってしまい、頭が真っ白。

身体が固まっていくというか無くなっていくというか、とにかく身動きがとれない

その後30秒くらいたっただろうか?タヌキが私の異変に気が付き、傍らにあったイヤーマフを私の頭部にセットした。

音が突き刺さる感覚が瞬時に消え、ちょっとヘナヘナとなる。そして数秒で話せるようにもなった。

「言葉が消える」

音が突き刺さってと動作にまで響くいうのは頻繁にではないが以前からあった。

体調があまりよくない時に混雑したカフェや居酒屋に行った時、大音響の苦手な音楽に曝露したとき、そして最近ではないが、(時系列の順序を無視した)人の指示的な話を聞く時などである。

こういうことが起こっても、たいていの場合、その場を離れて事なきを得るか、もしくは収拾不能状態(いわゆる自閉症者のパニック)まで進行してヘロヘロになって布団の中に駆け込むかなので、今回のように現象の最中のことを詳細に記憶も意識もしたことはなかった。

今回たまたまタヌキが私の異変を察知して対処してくれたおかげで、完全なパニックになる前に通常モードに戻れたことから、現象をある程度把握することができたわけだ。

(ちなみにその時の様子だが、タヌキによると目がおどり、無言で半開きの口をもごもごとさせて立ちすくんでいたらしい)

ともかく今回の件、私の感覚的な理解は「音が突き刺ささり、その音が浮かんだはずの言葉がどんどん消し飛ばしてしまい頭が真っ白」であったのだが、ここから1つの考えがうかんでくる。

感覚情報過剰と発話やパニック

今回の件、概略では「音声刺激の過多」→「発話困難」なのだが、音声刺激が過多といってもタヌキは発話できているわけで、そうなると私の脳みそが音声刺激を適切に処理しそこね、音声の知覚情報が処理能力を越えて過剰になり、その結果、音声以外の情報処理、発話前の言語の一時記憶や、発話のための筋肉動作に影響を及ぼしたという見方ができないだろうか。

今回の件は音声過敏という現象に伴うものだが、それに限らず自閉症児者の「頭が真っ白」現象はよく聞く話である。

次々とものを言われると頭が真っ白で話せなくなるといったことは普段話すことができる自閉症者でよくきく話だし、 「自閉症の僕が跳びはねる理由 」という本で有名な東田直樹氏もインタビューの中で「話そうとしたときに頭の中が真っ白になります」と語っている。

これらはもしや同じような現象なのではないだろうか?

自閉症者の感覚・知覚面の問題に関しては、感覚統合療法が療育の手段として定着しつつあるものの、DSM5でやっと感覚過敏が症状として認知された段階で、まだまだ研究が進んでいない領域だ。まあ、感覚というものは問題があっても当事者からすれば自分の感覚はデフォルトなので自覚されにくくもあるし、他覚的に捉えにくいものでもある。さらに言語コミュニケーションの難しいカナータイプの自閉症児者の場合などは感覚・知覚面の問題を当事者本人が訴えることも難しいといったことも問題を見えにくくする要因だ。

だが、感覚過敏の問題が実は知覚・感覚の情報処理の障害のごく一部、つまり氷山の一角であると考えるなら、そこに対する対策を考えていくことは自閉症者のQOL全体に影響を及ぼしかねない。

感覚面の問題を単に「症状」として見るにとどまらず、それを他の症状を引き起こす「原因」として見ていくことによって自閉症のまた違った側面が見いだせるのではないだろうか?

とまあ、そんなことをフラフラと考えたのであった。

最後に、ac.jpドメインからこのブログを見に来てる研究者のみなさん、ガンバ! …と、無責任に丸投げして本稿を終えることにする。




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フェルデンクライス体験から身体感覚について考えてみる(身体アプローチ体験その3)

一昨日の土曜日の午後、フェルデンクライスボディワークのレッスンに行ってきた。
もう一回体験していろいろな感触を確認しておきたかった。

前回のフェルデンクライスレポートはこちら

2回目のフェルデンクライス



さて実況部分からいこう。

前半は座ったまま足をもちあげて転がる…ちょっと表現しにくいのだがそんな感じのワーク。

寝っ転がって身体の接地状況をまずはモニタリングするところからスタート

その後、指示通りに足を上げたり転がったりとまあいろいろなのだが、
いわゆるストレッチのような「がんばって筋肉を伸ばす」というような動作は皆無。
小休止を入れながらゆっくりペースで続くレッスンは心地いい。

フェルデンクライスでは「がんばらないことが重要」とプラクティショナーの安藤氏は言う。

なぜか途中で背中の奥の方がほわっと温かい感じになってきた。
自律訓練法とか気功とかで身体各部に意識を集中した時に感じる感触にとても似ているのだが、背中に意識を向けてはいないところにふと起こった感触だったのがまるで違う。

しかし…してやられた!

はじめの形で座った段階では多少つっぱり感があた股関節部分や大腿部がとても楽になっている。
同じ形で座ってもつっぱり感がないだけでなく股関節の可動域が広がっている。

いつの間にかあちこちゆるん楽になっているようだ。
どの段階でどこが楽になったのか?

確認したかった謎はまた次回へもちこしとなった。


そして終わってびっくりしたのは、背中の触覚。

実は背中の右半分の真ん中あたりの手のひら大の面積の触覚が20代後半からなくなっていて、なんだろうなとはおもっていたが別に困らないと放置していたのだが、その部分の触覚が復活してしまった。
恐るべしフェルデンクライス。

身体感覚と重力感覚と運動と




後半のワークは首と眼球の運動を組み合わせた動きの少ないものだったが、動かしてないはずの首より下にいろいろな感覚が生じたのがおもしろい。奥の方の筋肉や骨が影響をうけているのが実感できる。
そして今度もほわっと内側が暖かくなる感じ…、今度はお腹に来た。

ワークの仕上げに部屋の中を歩くのだが、やはり今回も足底感覚がずしーんと来た。
身体の重さを足底でしっかり受け止めている感じ。

2回のレッスンを通じて、足底でしっかり体重を受け止められることの重要性を実感するとともに
自分の身体のあちこちの感触を楽しむことができれば、身体を動かすことも楽しみやすいかなと思った。
同時に、身体の感覚をうまくつかめるようにすることによって身体が重力をうまく処理する力が伸びるとも。


身体感覚や運動能力にトラブルを抱えるASD児者は少なくないことを考えると、こういった身体へのアプローチというのは意外に全体状況のの改善につながるものとして試してみる価値はあるかもしれない。


なんにせよ、帰り道、歩くのが楽しいというのはとてもご機嫌である。




プラクティショナーの安藤氏のブログはこちら






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認知や考えが変わったら自己はどうなる?という発達障害当事者からよくきく不安に対して答えてみる

成人の発達障害当事者からときおり聞く不安に

出来ることが増えたりや認知や考え方が変わったら自分が自分でなくなってしまうのではないか?

というものがある。

直接聞かれた場合は

「別にそんなことないと私は思うねえ」

と私のもっている印象を答えておくことが多いのだが、結構深刻に悩んでいる場合もあるのかなあと感じたことも少なからずある。

「ありのままでいいんだよ」

などいわれれば、自分が変化してしまっては「ありのまま」ではなくなる気がするのかもしれない。
だが、「ありのまま」にこだわって、楽に過ごせる可能性を見落としてしまうのもまたもったいない気がする。

この疑問への説明をふと思いついたので書いてみることにしよう。

小さい頃自転車に乗る練習をした人は多いだろう。
その前後のことを思い出して欲しい。

自転車の練習をする前は

 「自転車に乗れるようになりたい」

と思っていたはずだ。

練習をはじめた段階で、自転車をうまくとり回せないことで

 「果たして自分は本当に自転車にのれるようになるんだろうか?」

という不安を覚えた人も多いかもしれない。

(そこを周囲の指導や励ましやら、乗りたいという思い、乗れるようになるはずだという信念等々で乗り越えていくわけだがその過程については今日の本題ではないのでちょっとおいておく)

さて、自転車に乗れるようになった後の考え方はどうだろう。

 「自分が自転車に乗れるのは当たり前」

と思ってはいないだろうか?

「自転車に乗れない自分」なんてのは記憶の彼方遠くにすっ飛んでしまってるだろう。

ここでちょっと考えてみて欲しい。

自転車に乗れなかった時点と、自転車に乗れるようになった時点の比較。 自分が自分であることに何か変化はあっただろうか?

殆どの人がないと答えると思う。

自己認知は変化する。
 自転車にのれない自分→自転車にのれる自分

出来ることも変化する。
 自転車に乗れない→自転車に乗れる

考えも変化する。
 自転車に乗りたい→自転車に乗れるようになるかか不安→自転車に乗れるのは当然

だが、自分が自分であることには変化がないはずだ。
行動の変化も認知の変化も考えの変化も自分が自分であることを何も変化させてはいない。

自分が自分でなくなるなんてことはないわけだ。
(考えやできることが変わるたびに自己が変化してたら人間やってけないだろうとも思うし、それは病態だ。)

「いわゆる自分を変える」というのは「自分が自分でなくなること」ではないのだ。

特性と呼ばれているような性質が薄れたら自分が自分でなくなってしまうのでは?

とか

自分が変わってしまったらいままでの考え方を形成してきた過去を否定することになるのでは?

なーんて不安になる必要はさらさらない。

一皮むけるだけのことだ。

エビ・カニだって脱皮して成長する。
人間も素直にそれを見習ったほうが成長できるのでは思う。

もちろん自分が気に入っている自分の性質・状態・行動はあえて変える必要はないだろうが、変えたいもので変えられる可能性のあるものは威勢良く変えてしまってもなにも問題はないということである。

成長期以降、あまり変化が目立たなくなるしのでいろんなことに「慣れ」が生じる。
「慣れ」は安心にも繋がることから、人間、定型・発達障害を問わず、年をとるにつれ段々変化に抵抗が生じ、、「変わること」への抵抗や不安を抱える場合があるのだと思う。

ちょいとおまけで、支援者の皆さまに。
発達障害者に「ありのまま」を強調すると、そこにこだわりを持ってしまう可能性もありますんでそこんとこよろしく。

こんなところで本稿おしまい。



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