あるイベント

先月半ば、全くアスペルガー向けでないとあるイベントに突発的に出る羽目に陥った。


正直いってこの手のイベントは人の反応をちらちら見ながらそれに応じて適宜対応するというアスペルガーが最も苦手とする側面が求められ、さらに悪いことに暇な時間帯があり、その間は女性の集団に揉まれて右往左往しながら話に合わせるという高等技術を駆使せねばならない。


もったいぶって何のイベントかというとご町内の


「そーしきの手伝い」


である。


たまたま今回イベントは主役が真向かいの家の爺様だったもんでパスするわけにもいかず、前夜イベントと本イベントの2日間(要するに通夜と告別式だな)、フルに出動することになったわけだ。


この手のイベントは最近は○○セレモニーなどというイベント専用会場で行う家庭も多いのだが、我がご町内は旧態然としたスタイル。「町内会館」に会場を設営し、町内会の隣組のお手伝いフル動員で事が運ぶという奴である。


ちなみに、今回、ここ(亭主の生家)に引っ越してきて初めてのイベント出動であるから最悪度はさらに増す。そう、今までは我が家では亭主の姉のWizerdが全部こなしていたため私にはお呼びがかかっていなかったのだ。


関東から関西に引っ越してきてまだ三年弱、はっきり言ってこの地域の「ソーシキの進行」自体もよくわかっていない有様なので内心そうとう「うぎゃ~」もののパニックである。


アスペルガーはとかく初めての事に弱い。


ただ、アスペルガーもこの年まで生きてくるとお茶くみやお茶だし、後かたづけなんぞの雑用は、何とかこなせるようになっているものだ。一等はじめに集団のボス…仕切り屋が誰かを注意深く観察して見分け、その人物の指示を仰ぎながらなんとか切り抜ける。


問題は暇な時間の世間話である


そう…

アスペルガーの敵は女性の集団!。

である。


当然話題の主たるものはアスペルガーが最も苦手とするジャンル
即ち…ご近所のうわさ話…である。


正直言ってこの時ばかりは女性に生まれてしまったことを後悔する。こういうときはあまり話を振られないように注意しながら当たり障りのない話をするのが常であるのだが、これがアスペルガーにとっては最難関クラスの問題である。


しかし、Wizerdが骨折入院しているとあっては、話はどうしてもその事にいってしまう。さらに悪いことに、同じご町内に住んでいてWizerdと仲の悪い、「義兄の嫁さん」がどうしているのか(Wizerdの見舞いにいったのか等々)にハタの関心はいってしまう…あああ~。


Wizerd骨折の顛末は詳細にしゃべったが、それ以外はどこまで正直にしゃべっていいものか…これまた迷う(うちのご町内は狭い!噂は尾ひれをくっつけてあっという間にご町内に広がるだろう…はい、広まりました)。



ま、しかし、久々にこの手のイベント体験して思うことはずいぶんある。


とにもかくにも定型発達者の集まりの中で浮かないようにするのは疲れる…が第一の感想であるが、自分がこれまたかなり複雑な作業をしながらそういうことに対処していることにちょっと感動である(疲れるが)。


診断を受けてから、こういった定型発達者の集団に揉まれるのは初めてであったのだが、そこでイベント会場裏(つまり台所…女性手伝い陣営)での話運びなどを意識的に考えてみると、定型発達者は集団内で常に序列がついていないと落ち着かないという性質があるように思うこと、さらに「話」は「その時」のボスの好みに大きく左右される。また、一過性の「私たち」という集団を劣位に見なさないで済む話に話が運ぶように思われるということなどなど…新たな発見が多数あった。


何も意識せずに、かつ疲れもせずに定型発達者はこの手のことをこなしているとするなら(そのようであるが)、私から見ると定型発達者はスーパーな体力・気力の持ち主達なのだろうと思えてくる。


私はというと久々にスリリングなイベント体験をしたせいで2日ほど寝こんだのは言うまでもない。


当然であるが、できればこの手のイベントはあまりでたくないので、日本の平均値以上に高齢化が進む我がご町内、隣組の皆さまの健康と長寿を私はひたすら祈るのであった。
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コメント

私も緊張するので、大嫌いです。
葬式の手伝い苦手ですねえ、ADHDには、つらいです、去年は町内の組長なんで、中心にならざるをえなかったが、年長の人にうまくとりいりすりぬけました、今年もおじいちゃんちが組長で、皆さんのご健康をいのるのみです。
RE:私も緊張するので、大嫌いです。
うぉ~!!
そういえば3年後くらいに組長が回ってくる~!!!覚悟しておかないと…。

ADHDもですか…発達障害と葬式の裏方は相性がとことん悪いのかも。
やっと解放
幼稚園では、集団登園でしたから
送迎の際のコミュニケーションは
必須でしたよ。
ただ...私の場合、これが4年近く
続いたので、限界でした。
胃潰瘍に2度なりました。
2度目の胃潰瘍で、個人登園に
切り替えたんですが、やっぱり
楽でしたね~

変にテンション上げ過ぎたり
それに気をつけようとすると
ネクラのレッテルを貼られるし
極端から極端にしか
動けないので、ホンマに疲れます。

狸穴猫さん...お疲れ様でした。
今年、自閉さん向きじゃないイベント決定。
何と今年の4月から自閉さん向きじゃないことを1年間することに決定。

何とヤクでございます。ヤクと言っても自治会の役員でございます。結婚3年目にヤクかいなぁ~(苦笑)。

主治医からはヤク禁止令が出ているので、私は無理で、自閉さん度の軽いダンナがヤクをすることになりました。班当番でコリゴリに近かったけど。

最近、アスペ同士で結婚した夫婦共通の友人夫妻もヤク禁止令が出ていたとか。

今年1年ダンナ大変ですわ。そーしきだけならいいのですが、自治会の役員ですからね。1年間役員ですからね。

そーしきだけでもヨシとしておいた方がいいのかしらね。

ではでは。

RE:やっと解放
う~…幼稚園の集団登園!
息子の時にやりました。アレも難儀ですねえ。
幸い私の場合は変人友(今思うにあの人も自閉っぽい)とつるんでいて(子ども同士も仲がよかった)事なきを得ましたが、つるんでいる2人でもってやっぱり浮きまくってました。
RE:今年、自閉さん向きじゃないイベント決定。
役…ぞっとしますねえ。うちはまだ当分回ってきそうにないけど。

突発的にやってくる葬式と一年間続く「役」、まあどっちも難儀なものです。

地域参加ってのも、必要だとは思うけど、自閉さんにはハードルが高いものですね。

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