アスペルガー児の療育について考える(10)

  <アスペルガー児の療育について考える シリーズ>
  前回までの記事はこちら
  第1回 第2回 第3回 第4回 第5回
  第6回 第7回 第8回 第9回 



さて反響の少なさにめげずにシリーズを続けてきたが(しつこい>自分)、やっと今日で終わりである。




<まとめ>



これまでしつこく9回も療育について書いてきたわけだが、そろそろネタも尽きてきたので、ここらで一旦まとめてみることにする。


はじめに立ち戻ると、この記事を書くきっかけになったのはriemitさんの「幼児期の療育は必要か」という問題提起であった。



数多くの書籍には確かに「早期の療育開始が大事である」と書いてある。
「ミチャポンのアスペルガー疑惑その2」のコメントでいただいた、riemitさんの指摘、

『「幼児期に診断して療育を開始しないと大変なことになる」的な表現を良く見かける』

は確かにその通りであろう。


そして書籍中には療育機関での療育の姿のみがクローズアップされているのも確かである。


だが、現実問題として、療育機関で適切な療育を受けられる環境にある場合は少ない。
生活する中、書籍等を頼りに家庭を中心として手探りで療育をする以外に道はない。


そんな中で、書籍中で療育機関によらねばできないような療育の例ばかりを出されても、それは療育する側の傲慢ではないだろうか思えてくる。


しかし本を書く側(即ち療育機関で療育する側)にとっては療育機関に来る子供の姿を主に見ているのだからそれはそれで仕方のない部分でもあるのだ。
それを批判していてもはじまらない。


書籍も含め、発達障害に関する環境は過渡期である。あちらこちらに齟齬はいくらもある。
そういった枝葉の問題にとらわれて大事な問題を見失ってはならないと私は思う。


それは、

「療育」というものが本当に必要であるか?
どういった「療育」が本当に必要とされるのか?



という問題である。


それも、アスペルガー者側の論理で必要であるかが重要だ。
アスペルガー児が大人になってアスペルガー者として生き抜いていくのに必要であるかどうかの実がところ問題なのだ。


よくありがちな親の側の「普通であって欲しい」という願いのために必要であるかどうかはこの際どうでもいいことだ。


(悪いが断言させてもらう、それだけ生きるのに必死こかなきゃならないのだ)



一貫してそうういった観点からこのシリーズを書いてきたが、私の結論を言うのであれば、前までの記事でさんざ書いたように「必要」である。


生き抜いていくための技術は必要だ!



しかしここでさらに難問にぶつかる。


現状、アスペルガー児の療育プログラムの殆どが定型発達の支援者によって作られている。


これではよかれと思ってした「療育」がアスペルガー児にとって「過剰な負担」や「余計なお世話」にしかならないことも十分あり得るのだ。


なにしろ定型発達者とアスペルガー者ではかなり感じ方も考え方も違う。


そこで今後の療育のあり方を考える上で是非取り入れて欲しいのが、成人アスペルガー者の感じ方や考え方を聴取しての療育方法へのフィードバックである。


定型発達の支援者とアスペルガー当事者が手を携えて療育というものを作っていけたら、今後、育ち続ける、そして生まれ続けるであろうアスペルガー児にとって大きな福音とはなりはしないだろうか。



と、遠大なのぞみを描いたところで、このシリーズ、終わりにさせていただきます。



なお、今回のシリーズ、徹底してアスペルガー者の立場から書きたかったので、定型発達の親御さんへのへの配慮は殆どゼロになっております。この点、批判・非難等々あるかと思いますが、そういったものも是非どんどんコメント下さい。
またそのご意見から何か見つかるかもしれません!



<おまけ>
分割して出してましたが、実は10記事書くのに要した時間は約10時間でした。これをアスペルガーの過集中っつうのね。







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コメント

連載、お疲れ様でした!

>現状、アスペルガー児の療育プログラムの殆どが定型発達の支援者によって作られている。

これが問題ですよね~
「自分は理解している」と勘違いしている支援者の方、多いですもん。
支援者、助ける側のプライドが邪魔をして、成人当事者の意見を聞き入れられないようで…

我が家の目標は、自己肯定感を大事に育てて
「自分を理解しアスペルガーの特徴に振り回されず、アスペルガーらしく生きつつ、周りに合わせてあげてる技術を身につけさせる事」です。
「合わせてあげる」そのくらい強気でもいいと思ってます。








こんばんは
10時間お疲れ様でした!

<「療育」というものが本当に必要であるか?
どういった「療育」が本当に必要とされるのか?

これは ホントに最近考えてしまいました。

アスペでも 個性でいいんじゃあないか??
『そんなの関係ね~』的なマイペースで 
迷惑や攻撃をしなければ・・・
それも経験しなきゃ解んないですし。


主治医もカウンセラーも同じ人間ですが
ゆう に関わる先生達、みんな考え方が180度違います。

カウンセラーは 特別支援教室(特殊学級)も可能な中学にいくべき!
だし
チックの主治医(アスペ診断した先生とは別です)は ゆう は成長してるしKYしないように自分で調整してるわ ホントは、診断も本人が変だと思ったらすればよかったと思うよ・・・本人使命感や、プライドあるから普通学級で 良いところを伸ばせるよ!

といわれ、意見違うし

もうだんだん解らなくなってきました。診断出ても変わらない。
本人は 『私は変ではない』とも言いますから 本人告知なしの、月2のカウンセリング一時間(中30分は、先生の世間話ですから)は必要性ないのでは?と最近疑問です。 

<これではよかれと思ってした「療育」がアスペルガー児にとって「過剰な負担」や「余計なお世話」にしかならないことも十分あり得るのだ。

狸穴猫 さんの仰るとおり、十分あり得る と思います。

アスペグレーの娘も これヮ個性よ

と 自分を大切に、胸張って強気でまっすぐ育ていけたらナ・・・理想ですが。

長くなって申し訳ないです(--;

地元の荒れた中学(6クラス)orとなりの田舎中学(3クラス) 
 まだ、迷っている愚母の 乱文で ごめんなさい。

また ヒントを頂きに参ります。


お言葉に甘えまして…(^^;
>そして生まれ続けるであろうアスペルガー児にとって大きな福音
 
 
先行く我々が、自信を持ち、胸を張り、まずは我が子を、

我の人生を、その与えられたモノを、心から喜ぶこと出来るように、

育てて生きたいですね(^-^)
 
 
わたしには計り知れない
【当事者としての想いと願い】を持っての、この連載。
 
 
心から感謝致します m(__)m
 

ステキな先輩に負けないように、明日も立ち上がります(^-^)
ゆうゆうさんへ
ま、ものを言う当事者が少ないってことも問題なんでしょう。今成人の当事者は二次障害でアップアップの人が多いので、人のことまでてが回らないのではということをふと思います。
konohanaさんへ
先生達で方針が違っちゃうのは困りものですね。

個性であり障害というところが難しいところだと思います。

大事にしてあげたいのは本人のプライドですよね。なんてったってここが二次障害になるかの境目ですから。
ぴーまんさんへ
そんなたいそうなものはないですよ。

なんかね、療育についていろいろ調べていたら、頭にもやもやがいろいろたまってきちゃって、気がついたらとんでもない量の文章を書いてしまっていたんです。

で、ブログにアップしようと思って後からちょこっと整理したってわけですわ。

確かに成人は自分の事でアップアップです~
先日、地元にある親の会が主催の勉強会でお話させてもらいましたが、
終わって2~3日は脳ミソオーバーヒートでした…
でも地道にアスペルガーの生存権を訴えようと思います。
それにしても、ご主人も息子さんもステキ、漫画の柳沢教授を思い出しました。

ありがとう
画期的な連載でしたね。
アスペ当事者、教育のプロ
アスペ保護者としての目線での
お話ですから、説得力あります。

生き抜いていく技術は
私達親子のテーマです!!

興味深い記事をありがとうございました。
ゆうゆうさんへ
よろしければ当事者講演の概要など教えていただけないでしょうか。私も年明けに1つ当事者講演の予定かかえているので参考にしたいんです。
すみれさんへ
お褒めいただき恐縮です。

あと、実は足りないのが1つあるんですよ。

「定型発達の親御さんに対する支援を療育にどうつなげるか」

さすがに定型の親御さんの気持ちは私には分かりにくいですから、このあたりはまだ勉強中です。
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