定型発達者の会話では気遣いや感情が他のものに優先する

先月は定型発達者について考えることが多かった。
というわけで、年が明けてもしつこく定型発達者研究シリーズを続けてしまおう。




普通に会話しているつもりでも、訳のわからないうちに定型発達者の機嫌を損ねてしまったという経験のあるアスペルガー者は多いだろう。


そこには言語というものの根幹に関する理解の違いが関わってくる。


アスペルガー者は言語を事実や用事の単なる伝達手段として使っているが、定型発達者は言語を感情のやりとりに非常に多用しているのである。


さて、10日ほど前だっただろうか、息子から、とある質問をうけた。


 ○○を断るときに定型発達者的にはどういう回答になる?


というものだった。


飯を作っている最中にいきなり言われても急には出てこない。
当たり前だ、この辺は頭脳にデータベース化して普段、定型さん対応しているのだ。
で、家の中ではデータベースを起動していない!
急いで起動し頭の中を検索し答えるが、結構焦る。


どんな内容かというと下を参照して欲しい。
「アスペルガーの為の一般人用語翻訳」
http://blog.livedoor.jp/terazuhurido/archives/50994502.html



上記の例以外にもアスペルガー者がはまりやすい落とし穴は沢山ある。
とりあえずメジャーな落とし穴で考えていきたい。


さて、ここからは例を出して話を進めていこう。


==========================
【例1】


A「大変そうだね、手伝おうか?」


B「珈琲もう一杯どう?」



これは定型発達者的には単にそのもの(こと)が必要かどうかを問うているのではない
相手の事を気遣っての発言でもある。

==========================


もう一つ例をあげておく。
なんだかんだとトラブルのネタになるこれだ。


【例2】======================


「どうして君はそう何度も遅刻するんだ!」


「なんど同じ事を言わせれば気が済むんだ!」



これは定型発達射的には怒りの表現である。基本的に叱責がメインである。(理由を問うているのではない。まして回数を答えさせようというのでもない。)

===========================



さて、【例1】で問題になるのは断る場合なので断る場合で考えてみる。


アスペ的断り方は、「内容が伝わればいい」ので


Aに対しては
「いや、いいよ」
Bに対しては
「いらない」


であるが、定型発達者相手だとそうはいかない。
なんて素っ気ない答え方だと思われることうけあいである。
下手をすると怒りを買いかねない。


そうならないためには、つまり…相手が自分を気遣ってくれたことに対し、礼をいう部分が必要である。


だから、模範回答例は


Aに対しては
「ありがとう、でも、もう少しでおわるからいいわ」

Bに対しては
「ありがとう、でももう結構です」


となる。



さて、【例2】のケース。


表面的に疑問形になっているので、アスペルガー者は「反射的に」理由を答えようとしてしまう。または回数をカウントしてしまう。


そしてそれを答えてしまい、さらに相手の怒りを増大させてしまう。というパターンを取りがちである。


しかし、この手の表現は「怒り」の表現だから、まず相手としては「怒りを収めさせて欲しい」のであるからして、正しい回答は


「申し訳ありませんでした」


理由をのべるなら相手の怒りがおさまってからである。



ここで疑問に思うことがある。
「謝られると気が収まる」という現象だ。定型発達者は謝られると怒りの度合いが比較的簡単に減少するようである。それと何故「謝って欲しい」と思うのか…(頻度もけっこう高そうだ)これも疑問である。なぜなら、私は人に「謝って欲しい」と思うことはまずないからだ。
ま、これはまたの機会にしておこう、追求し始めると長くなりそうだ。




さて安直にまとめてみるが、定型発達者は「感情や気遣いのやりとり」をできるものとして、相手に接するので、アスペルガー者がそこに配慮しないやりとりを繰り返していると、次第にアスペルガー者に対し不快感を蓄積して嫌ったり、「心の交流ができない」というようなストレスを感じてくる。



定型発達者の会話は「感情指向」なのである。


アスペルガー者が実際に「人の気持ちがわからない」といわれるのは、実はこういったところが大半であると私は考える。


さて、いったいどうしたらこれを解決できるのか…



定型発達者側に理解や配慮を求めるのは実は現実的でない。アスペルガー者の方が定型発達者の「感情や気遣いのやりとりがないとストレスに感じる」という特性に配慮してあげる方が手っ取り早い。




次回は具体的なかつ簡単な対処法に踏み込んでみたい。





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いや、あのですね…
年始早々のお願いというのも
なんではありますが…
一つ、ぼちっと…





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コメント

子供の頃に知りたかった
 あけましておめでとうございます!

 子供の頃、よく例2の言い方で先生に怒られたとき、理由を言うと「それはいい訳だ」とより怒られたことを思い出します。
 あれは「反省しています」という感情の表現がほしかったための言葉だったんですね。それに対し、自分としては言われたとおり真摯に理由を言ったのにもかかわらず「言い訳であり理由ではない」と言われ…ではどういったことであれば「理由」になるのか?と、表現を変え原因と思しきことを次々答える僕は「言い逃れをしようとしている」と思われたのかもしれません。

 が、僕なら「なんでこんなことをしたんだ!」という問いは、"理由を知り対策を立てる"、あるいは"理由を知り感情を落ち着ける"ための問いであり、それに対しただただ謝る態度こそ「言い逃れ」に映ります。それを自分自身が行うことは、謝らなければいけないにも関わらず、とても不義理なことをやっていることに思え抵抗感があります。演技すればいいのでしょうが、自分では気分が晴れず相手の気分が晴れるのは不思議な現象です。
あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

言葉の使い方が違う事、私も早く知りたかったです。狸穴猫さんの記事、ズンドさんのコメント、私も経験済みです、診断後に「あれ?」と気付きました。
定型の人にとって言葉って何?と疑問に思います。理解できなくても、そういうもんだと知っておくほうがいいですよね。

こういう対処法を子供に残してやりたいです。
狸穴猫さんは息子さんといい関係ですね。私もそういう風になりたいです。


RE:子供の頃に知りたかった
明けましておめでとうございます。

私も小学生の頃、同様の体験をよくしています。

もっとも私はカッと来やすいクチなもので、なぜ理由を説明してはいけないのかがそのうち不満になり、逆ギレ?して教師の前を勝手に後にしてしまったり…(さらに問題が大きく…(汗))

でもほんとに不思議です。謝られるとなぜ気が収まるのか???
ゆうゆうさんへ
あけましておめでとうございます。

ことばの使い方は類義語的に似たような意味で多義性をもつ使いかたならまだわかるんですが、「理由を問う」=「謝れ」はどう考えてもピンと来ません。

定型発達者は個々のことばの意味よりも「言い回し」の方に重きを置いて使っているようには思うんですが…いまだ研究中です。

あけましておめでとう
狸穴猫さん、ことしもよろしくね。
定型発達者のひつじとしてはなかなか微妙な内容の書き込みですが「言い回し」に苦労しているのは事実です。
他方で判断の基準は形式を捨象した内実に置く客観性は持っているつもりです。
で、定型発達者はみな嘘吐きになります。

あ、フラッシュ拝見しています。
はじめてお邪魔します。
 初めまして。通りすがりの"ぱるぷんて"と申します。

 私には長らく交流機会を持たせてもらっているアスペの知り合いがいまして、興味があったので覗かせてもらいました。

 すごく、ためになります。
 
 障がい関係、障碍者雇用問題について自身の問題としても興味・関心があります。

 またよらせて、勉強させてください。

 まずはご挨拶まで。よろしくお願いします。
RE:あけましておめでとう
ひつじさん、あけましておめでとうございます。

うふふ、微妙ね。

「言い回し」自体に意味を持たせちゃうって高度な技を定型発達者は使ってくれるから、それを読み取るのに苦労するわけだ。

しかし、わたしには結構みなさん正直に見えるぞ。反応に出るというか何というか…ふふ。
RE:はじめてお邪魔します。
ぱるぷんてさん、はじめまして、コメントありがとうございます。

アスペルガーについて興味を持っていただけてうれしいです。

またいつでもお越し下さいね。
いつも参考にさせていただいてます
コメント初めてですが、狸穴猫さんのテキストは論理的で分かりやすく、さらに定形についての分析が体系的になっていくのでは、と期待してます。

私はASDっぽいけれどAQ値31で未診断です。
メールの返事一つも、定形ならこういう場合なんと答えるのだろうか、と翻訳してやってます。
疲れますが仕方ありません。

例2のケースは目上の者から目下の者に言う時の台詞のパターンですから、私の場合は自動的に謝りますね。
パターンとか分類、記憶のファイルが脳内にあって、その場に一番適しているものを選択します。
RE:いつも参考にさせていただいてます
瑠果さん、はじめまして、ようこそ。

お褒めいただき恐縮です。

定型発達者分析は、なかなか事例を集めるのがむずかしくて、歩みは遅くなりがちですが続けていきたいと思っています。

ほんと、もっと事例をふやして体系化できればいいんですけど…

またいらして下さいね。
楽しみぃ、ですぅ~(^―^)
「何度言ったらわかるんだ!」的会話は・・・
ヤバイっす、よぉ~っ!
様々な方向から、一晩中でも語れる(^^;;;
 
まるで、なますのように、唾液が・・・(爆)

続きが、すげー、楽しみなわたしですぅ(^―^)
 
RE:楽しみぃ、ですぅ~(^―^)
ぴーまんさん、こんにちは。

次はそっち方向にはいかないのであまり楽しみにしないようにしてくり。

ま、そのうちやるけどね、定型発達者の怒り特集、いま脳内構成中。
狸穴猫さん、はじめまして。
田舎猫と申します。

この記事はとても参考になりますね。

仕事をしていて良く感じるのは、会議で横道に逸れた話をすると周囲から白い目で見られるのに、ストレートに言わず微妙な言い回しを使ってお互いに解読し合っているんですよ。
後者の方が横道に逸れた話より余計時間が掛かると思うんですけどね。

感情優先のやり方が、仕事における問題解決を遅らせる原因の一つのような気もしてます。
田舎猫さん。はじめまして
はじめまして「成人サポート事業サイト」でもスレ立ててます。
精神保険福祉士の当事者ブログ拝見しました。

これは「阿吽の呼吸」という世界です。
「つーかー」の仲にならなくても裏読み出来ればトラブル回避できる。
字面通りに受け止めると定型発達者は不快になるでしょう。

ASであるが何故か相手に感情行動を求める性格なので定型発達者が求めているものが何か推測できます。

日本は単一民族、単一言語で群れやすく付和雷同する。出る杭は打たれる。(ことわざや慣用句の意味がASに理解出来るか?)
ルール(道理)より感情優先する。

昨年の夏の高校野球で決勝で負けた学校の監督が審判に抗議しました。
ルールでは「塁審、線審、主審の目視で判定を下す」なのにベンチで見て「ビデオで確認してくれ」とクレームをつけてます。相撲ではビデオも判定の参考にすることになってます。野球では「ビデオ」で判定することはルールになくルールに従って参加しているので筋違いです。

日本人が如何に「無理を通せば道理が引っ込む」世界かわかるはずです。
多民族国家のアメリカは全て契約社会です。ルールが正しくないとしても捻じ曲げて慣習に従うと世渡りできません。

日本で生活するなら「郷に入ったら郷に従え」と考えてマジョリティである定型発達者に合わせるのが現段階では無難です。
田舎猫さんへ
はじめまして、ようこそ。
どこかでニアミスしていたような気もするけどどこでしたか忘れました。

こと組織が大きくなると暗黙のはかり合いによる意志決定は時間がかかりますね、ストレートな方が早いような気がしてしまいます。

ビジネスにはもう少しストレートなやり方が取り入れられてもいいような気もしますが、違う意見=攻撃ととっちゃうんでしょうね、それを避けるためでしょう。

定型発達の人は「意見=人格」の度合いがとても強いように思いますから。

そのとおりです!!
あなたの意見はわかりましたので。が用心。
定型がソウ取って、顔が笑ってたら、もう危い事があります。
意見,→見解などと受け取って返して来た時は、ほとんど場外と疑わねばならn..

なんでぇ なんてオモテも遅いッ、、、え”-っ
要するに。「意見」、にならぬようにするために!
言い回しを言い回さねばならぬ・・・
でもではであって、ここで言い訳封じもあります
前もって見込んで。おり込み済み。etc
真に事情が汲(組)まれているときには、助けの
要る苦しい立場の人人も楽なはずなのだが、
事情に暗い場が決定権を振るう時、マズイことになる。
そこに、言葉が使えないハンディのある人の事情と、言葉でまず把握しなければならぬ人の事情が、同時におり込み済みならばベストなのだろう。。。
RE:そのとおりです!!
確かに…なんで感想には抵抗がなくて「意見」には抵抗があるのか…意味不明ですね。
何でもほんわかした感想のままで意志決定子葉とするのは全くもって意味不明です。
とんとんシングルタスク?
>飯を作っている最中にいきなり言われても急には出てこない。
>当たり前だ、この辺は頭脳にデータベース化して普段、定型さん対応しているのだ。
>で、家の中ではデータベースを起動していない!
>急いで起動し頭の中を検索し答えるが、結構焦る。

なんか田舎猫さんの「とことんシングルタスク」みたいですね。
http://blog.livedoor.jp/inakaneko_psw/archives/2006-10.html
http://blog.livedoor.jp/inakaneko_psw/archives/51023557.html
RE:とんとんシングルタスク?
これはシングルタスクの問題ではないと、はい。
起動していないものは起動していない、それだけですよ。

なにせうちの中はアスペだらけでボヨヨヨーンとしていられるのでね。
それは質問なの?謝罪を求めているの?
私は、このブログを見てから、もしかしたら自分にもアスペルガーの要素があるのではないかと思い始めました。

多分、病院に行っても認定はされないでしょうけど。
会社勤めをしてるとしょっちゅうあります。

「何で、○○したんだ!?」

でも、私がアスペルガーでない証拠にこれは質問ではなく、怒りの表現であり謝罪を求めているとわかるからです。
この意味は、「私は○○をして欲しくなかった」「○○はしてはいけないことだ」「君が○○をしたことで私は腹を立てている」「でも、○○したことはもう元には戻らない」であり、何も返答も理由の説明も求めてはいない。

「どうしてくれるんだ!?」

困りました。これも質問ではなく怒りです。
ある方法を提示したら納得することなど100%ありません。相手は解決法などはなから求めてはいません。

わかっているけど、こういう時、私は正当な理由があれば許してくれるのかと、いい解決方法があれば納得してくれるのかと考えてしまうのです。
自分だって馬鹿じゃない。何も考えずにやったのではなく、自分なりに考えて自分では良かれと思ってしたことなのです。
そこで、理由がわかれば相手の怒りもいくらかでも和らぐのかと、

「こうこう、こういう理由でこうしたら良いと考えてしました」

などというと上司はもっとお怒りになられます。

「何で、○○したんだ!?」というならいくらかでも相手の言い分を聞いてやろうという気持ちがあるみたいですよね。
そのつもりが全くないなら、「○○はするな」といって、何で○○をしたらいけないのか理由を説明してほしいです。
やっぱり、私はアスペルガーなんでしょうか?
答えを求めていない質問=単なる怒りの表現、謝罪の要求
「何でこんなことをしたんだ!」=「こんなことするな!謝れ」を使うのは、定型人であっても、立場が上のものが、立場が下のものに使う場合に限られるのがポイントです。
上司が部下に。これが一番多い。先生が生徒に。親が子供に。
部下が上司に「何でこんなことをしたんだ」はもちろんありえないし、「なぜこんなことをおやりになったのですか」もたとえ、丁寧な言葉でもありえない。
つまり、この答えを求めていない質問の形をとった、怒りの表現は、立場の強いものが立場の弱いものにしか使えないのです。

じゃあなぜ、「こんなことするんじゃねえ。この馬鹿たれが」といわないのでしょう。

決して、相手に気遣いをしてるわけではありません。
それは、一応質問の形をとることで、自分は頭ごなしに権力を振るって他人を踏みにじっているのではないという偽善に浸れるからです。

もし、そうでないという方がいらっしゃるなら、相手がなぜそれをしたか言い分をちゃんと聞いてあげてください。
それを聞いた上でそれはこういう理由で違うよというなら、言われたほうも聞く気になれるものですが。
はじめまして。長文失礼いたします。
定型発達者研究、大変ためになりました。
ありがとうございました。

私はここ4年ほど、人間関係で苦労し最近ピークに達し、10月くらいからASではないかと思い病院に通うようになったものです。
NHKのキラキラ40を見ていた父が、いい話があったよと教えてくれ、いろいろネット検索している内にここにたどり着きました。定型発達者(周囲の人々がいう”みんな”)のことを分かりたいけどわからない、という私の気持ちが、おかげで、かなりすっきりしました。私が見たどの本にも書いてないことばかり、というか、私にわかりやすい言葉でした。(みんなに合わせられるかは、別問題なのですが。。。)
狸穴猫さんの研究を突破口にいろいろと理解を進めることができました。
ありがとうございました。ここまで研究されるのは相当な紆余曲折を乗り越えられてきたことだろうと想像します。すごいです。

まだ、いろいろなポイントについて定型発達者のことが知りたいのですが、ここに私の意見を書いてもいいものなのでしょうか?

さしあたり、よく私がトラブルになる、定型発達者の「なんで○○なの?」という表現について、狸穴猫さんのブログをみて、いろいろな本を読んで、周りの人に聞いて、私の考えたことがあります。それをここに書いてみて、みなさまのご意見を聞いてみたいです。

まず最近意識するようにしたのが、「定型発達者の発言は、内容と感情がセットになっている」ということです。私は発言の「内容」ばかりに対して対応していたためこれまでトラブルを抱えていたのだと、最近考えるようになりました。(瞬間の対応にかぎらず、長期的な対応でも同様で、定型発達者の発言の「感情」まで覚えておかない(気づきもしないのですが)せいでしばらくたってからの対応を間違え、あとあと「わかってくれていなかった」(というより、そう言うことになってしまったの発言者の気持ちや状況を分かっていなかった、という意味)という怒りを買うことが多いです。)


みなさんの書き込みでは、定型発達者の「なんで○○なの?」は質問の形式をとってはいるが、質問ではない、というようなご意見が多いように思うのですが、私には「言葉では質問なのになんで質問でないの?」という点が、いまいちしっくりこなかったのです。それで、「内容と感情がセット」という考え方をもとに周囲の人々にいろいろ聞いてみて、わたしなりにしっくりきたかな、と思ったのは、これは定型発達者にとってもきっとやっぱり質問でもあるのではないか、ということでした。

これは、「なんで○○なの?私の納得のいく理由を聞かせてよ。そうしたら私の怒りが収まるから。」という意味なのではないか思うのです。言葉で省略されている感情部分は、「納得のいく」「そうしたら私の怒りが収まるから」という部分です。この省略部分に気づかず応えないと、求めている納得のできる答えではないわけだから、「いいわけをしている」「だだをこねている」と判断されることになる、という理屈です。(謝ってほしい、という定型発達者の気持ちには、「失礼」という概念がかかわってくると思い、最近はそれについて考えています。)

こう考えるとわかりやすいと思うのですが、どう思われますか?

怒りをもたずにこんな議論ができる定型発達者が周りにはいないので、ご意見いただけると嬉しいです。(そんなことは当然わかっていた、とか、それは全然ちがう、というお返事でもうれしいです。)

もしかして、ここにこういうことを書いてはいけない場でしたら、すみませんm(_ _)m
なんで○○なの
「なんで○○なの!!」と、定型さんが怒って言う場合は、
「私の納得のいく理由がもしもあるものなら聞かせてよ。
どうせ私が納得するような立派な理由なんてあるはずも無いから
聞く必要もないけれど」

という気持ちだと私は思います。
決まり文句として質問形を取っているだけではないでしょうか。
感情的になっている(パニックに近い状態)ので、
その場で理由を説明されても受け入れる余裕もないでしょう。

こんな時は、
その場はとりあえず反省したふり(うつむいて、しおらしい態度をとる)をして謝っておいて、
どうしても正当な理由があり、説明の必要がある場合は、
その後時間がたって相手の怒りが収まってから説明すると、
理由を受け入れてもらえる場合もあるかもしれません。
(さらに怒りをかう場合もあるので慎重に)

定型さんがこういった怒り方をするときは、
・同様の失敗が繰り返されている
・起こりえない失敗
・やる気が無い、さぼっている、悪気があるように見える
(すべて、あくまで定型さんから見て、の話です)

という場合が多いでしょうから、
怒られている理由がわからなければ、聞けそうな周囲の人に教えてもらう、
失敗を繰り返さない対策をたてる、
などができれば人間関係が円滑に行くかな、と思います。
(この辺、皆さん理論としてはお分かりかもしれませんが)

アスペさんのなかには、
感情的に怒りを伝える「なんで○○なの!!」と、
冷静に理由を問う「なんで○○なの?」の
ニュアンスの違いを区別するのが難しい方もいるでしょうか?
上手なしかり方
育児書や部下のしかり方、といった本に書いてある
「上手なしかり方」には、
・感情的にならない
・なぜそれをやったのか相手の言い分を、まず聞く
・それをやってはいけない理由を、わかる言葉で説明する
・そのときどうするべきだったかを教える
などとあります。


これは相手が定型、当事者を問わず有効で、
「なんで○○なの!!」などと言って怒るのは、
悪いしかり方でしょう。

でも、人間つい感情的にもなるし、
そもそも、
アスペさんは「なんで○○なの!!」と言われると
質問されていると感じる

ということを、世の中の大半の人は知らないでしょう。 


こういった双方の特性の理解に、ブログはとても
有効だなあ、と思う最近です。


補足
日本人には、
「理由を言う=言い訳」
「言い訳しないのが美徳」という考えもまだまだありますよね。
間違いを指摘するのは失礼
「なんで○○なの」について、先ほど

「決まり文句として質問形を取っているだけではないでしょうか」と
書きましたが補足です。

「なんで○○なの!!」は、
その後に続く
「なんでしたか理由なんてない」
といったことが省略されている「反語」表現ではないでしょうか。
反語表現であれば答えは要求されませんよね。

アスペさんの認知や感覚がわからない定型さんには、
アスペさんの言動が理解できずに
「なんで○○なの」と疑問形になるのかもしれませんが、
説明されて納得できるような理由など無いと信じているので怒るのでしょう。

もし理由を知って理解したいと考えるならば、ちゃんと
「なんで○○なの?」と質問すると思います。

また、「なんで○○なの!!」と怒っている人に対して
理由を説明する、つまり、怒られる理由は無いと主張する、
ということは、「あなたが怒っているのは間違いです」と、
人の間違いを指摘することになります。

特に、目上の人の間違いを指摘するのは
日本の文化では失礼なこととされますから、
通常、「なんで○○なの!!」に対して理由を説明すると、
怒りの火に油をそそぐことになってしまいます。

ちなみに、定型同士でも誤解から
「なんで○○なの!!」と怒られることはよくあって、
下手に理由を言って反感を買うのは得策でないので、
その場は反省をするふりをして
不当にしかられたくやしさを我慢することも多いと思います。

つい「なんで○○なの!!」と言ってしまう私、
反省しております。
Re: はじめまして。長文失礼いたします。
あーぼーさん、はじめまして。

ご意見歓迎ですよ、長文もOK。

そうですねえ、感情と論理は定型者では不分離な場合がおおいですね。

理由…求めているかは謎ですが…、
説明には納得はしないことが多いですね。

むしろ「説明なんかするな、とにかく怒っているのだから謝って!」の反語+省略表現のような。

きゃるびんさんが詳しく書いていてくれますのでそちらも読んでみてくださいな。
Re: 上手なしかり方
きゃるびんさん、こんにちは。

確かに「理由説明」を言い訳と捉える人は多いかも

まず第一声に「謝罪の文言」という定番パターンはありますね。
まあ、文化といえば文化なんですが、定型者アスペを問わず、それってちょっと窮屈だと思いますね。

割と感情的に叱ることが多いということなのかしらん。
Re: 間違いを指摘するのは失礼
なるほど!

理由の説明を「間違いの指摘」と捉えることは確かに可能ですね。

とすれば、定型発達者にとっては「感情」という「人格から発するもの」を
「間違い」として否定されたということになりますね。

アスペルガー者が質問に対し、理由を説明した場合、「人をバカにしているのか」
という台詞が飛び出してもおかしくないということにやっと納得がいきました。

ありがとうございます。

なぜ謝られると気が治まるか
定型さんがアスペさんに対して怒るとき、
定型の常識とアスペの常識がぶつかっていることが
多々あると思います。

定型さんは、
自分の常識では全く理解不能なことに遭遇して、
驚いて、
「なんで○○なの!!」
と叫んでしまうのかもしれません。
もしかすると、
自分の常識が崩される恐怖もあるかもしれません。

そこで
「申し訳ありません」と言われると、
「やっぱり自分の常識が正しかった、
自分が否定されたわけではなかった」
ということで安心するのかも。

自分の常識が絶対ではない、
という認識があって初めて、
「相手の言動の理由を聞いて理解しよう」
という意欲につながるように思います。
初めまして
未診断ですがほぼ確実にアスペルガー症候群であろう女子大生です。昔の記事へのコメントになってしまいますが、狸穴猫さんの定型発達者研究の記事をもう一度読みたくなって、読みに来ました。私は狸穴猫さんのブログから学んだことをはじめとして、定型発達者の感じ方や、失礼にあたらない対応の仕方など、かなり勉強して実践してきた結果、コミュニケーションにおける失敗やトラブルはかなり減ってきました。しかし、今日久しぶりに自分の先生相手にやらかしてしまって凹んでいます…苦笑
愚痴みたいになってしまいますが、考えて考えて最善の方法をとったつもりでも、世の中的には非常識で、何も考えずに行動する人だと思われたり、自分の良心に従って最大の敬意を払った結果の言動が逆に相手の神経を逆撫でしていたり、私は結構繊細なので(自分でこんなこと言ってすみません)そういうことを起こしてしまうと半端なく落ち込み、情けなくて悔しいです。気を付けているつもりでも思わぬところに落とし穴があったりするんですよねぇ。今回のは、相手が相手なだけに(私がいる業界では、先生と生徒というのが親子並に近い関係なのです)落ち込み度合いが半端なく、周りにアスペルガーの友達などもいないのでこの気持ちはわかってもらえないでしょうし、狸穴猫さんのブログにお邪魔したくなってしまいました。突然すみませんでした。狸穴猫さんの洞察力と分析力が光るこのブログ、また読みに来ます。
Re: 初めまして
Monikaさん、はじめまして。

どんまいです!
私も試行錯誤の毎日ですよ~。

口語表現ってのは発達障害者にとって学びにくいですね。
言い回しのストックつくるためにだいぶ本読みましたもん。

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