私が離婚するまで 第4話 支え

第3話はこちら


4 支え


ヒイロが幼児だった頃。
いつ喘息の発作が出るのかとヒヤヒヤした毎日。
そして夫の手伝いをする日々だった。


その頃、私の唯一の楽しみは近所の友人達との交流だった。

今思えばちょっと変わった人が多かったがいい人が多かった。


ところで、夫(元)は料理については何も言わない。

…というより、食事をしながら仕事の話やニュースの分析などをはじめるので、食事は食事ではなかった…ただ餌を放り込むような感じだった。

食事の片付けをしながらも夫(元)は私に思考を要求する。

解釈、分析、検討…仕事上の問題と、ニュース等についてのもの。

とにかく私は夫(元)の思考マシーンだった。


日中、夫(元)のいない間、よく近所の子ども達相手におやつを作った。

子ども達におやつを食べさせながら親同士は年中お茶していた。


おかずのやりとりもよくしていた。

「これ作ったから少しどうぞ」

そして後日

「おいしかった~」

そう言われるのが楽しくて料理に没頭した。


ある日私は気がついた。

私を支えてくれているのは、近所の友人の「おいしかった~」の笑顔だと。

それが夫(元)でない事に気づき、愕然とした。

涙が出てきた。

彼女らがアカの他人の私に分けてくれる笑顔を頼りに私はなんとか自分を保っていられたのだ。

とりわけ、隣の隣の部屋に住んでいたSさんの笑顔とあるいて5分ほどのところに住んでいたHさんの笑顔が今でも心に焼き付いている。

彼女らにはいくら感謝してもしたりない。

私は彼女らに支えられてやっとこさ頑張れていた。


が…そんな日々も長くは続かなかった。


Sさんは隣市に引っ越していった。
そして、夫(元)の転職とともに私の自由に使える時間は減ったからだ。



<第5話へつづく>

=================

事情によりこのシリーズの記事のコメントにはお返事できません、ご了承下さい。








にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害・自閉症へ
にほんブログ村
発達障害ランキング


↑ブログランキング参加してます。↑



ひとつぼちっと↑
応援お願いします。




関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

 


コメント

コメントの投稿

非公開コメント


ブログ内検索


サイトマップ(全記事一覧)はこちら

アスパラガスの会のお知らせ

成人ASD(自閉症スペクトラム障害)者のための自助会:アスパラガスの会 ご案内

アスパラガスの会は、大阪南部を拠点に活動する成人自閉症スペクトラム障害者の自助会です。1ヶ月に1回の集いを中心に活動しています。アスパラガスの会ホームページはこちら

アスペルガーライフblogの発達障害関連動画

発達障害の常識とやらにツッコミをいれてみる !

発達障害に関するよく言われるセリフってなんか変!

自閉症(ASD)児者の聴こえ方を疑似体験!

自閉症児者の聴こえ方を定型発達の方に疑似体験していただける動画を作ってみました。

この動画に関する詳しい説明はこちらの記事をどうぞ。

うわ!狸穴猫が本に登場してしまった
かなしろにゃんこ。さんの新刊に狸穴猫が登場します。
スポンサード リンク
便利ツール(別館)
管理人からのお願い

記事に関係ないコメント・個人的な相談にはお返事できない場合があります。あらかじめご了承下さい。
また、できるだけ個人的な相談はご遠慮下さい。

RSSフィード