AQという数値から「自閉症スペクトラムの逆」を考える

知的障害のない自閉症スペクトラムのスクリーニング用自己回答型テストとして自閉症スペクトラム指数:AQ(日本語版)というものが開発されたという話しは前の記事で書いたが、私はこの数値に関して、ちょっと気になることがある。

上記テストあるのページ(pdf)には千葉大の若林氏による文章(これって論文のサマリーかな?)がくっついているが、読んでいてちょっとした疑問が浮かんだ。

非自閉症スペクトラムの人のスコアの平均が大学生で20.7 社会人で18.5、自閉症スペクトラムでの平均が37.9ということであるが非自閉症スペクトラムとは逆方向の片寄りをもつ「低スコア群」には何らかの特徴はないのだろうか?

逆方向に同じだけ偏ったらやはり何らかの特徴を備えた一群が浮かび上がるのではないだろうか?と思ってしまうのだ。

少し昔になるが、私がちょっと注目した本がある。
以下に上げる書籍だ。

平気でうそをつく人たち
著者:M.スコット・ペック /森英明
出版社:草思社 /発行年月:1996年12月
平気でうそをつく人たち


自閉症スペクトラムの人間にとって、嘘をつくことは非常なる苦痛を伴う。「嘘は方便」とも言われるが、他愛のない小さな無害な嘘、それすらかなりの苦痛である。

よって上記の本で紹介されているような人物は私のような人間にとって思いきり「想定外」なのである。


もしかしたらこの本で紹介されているようなタイプが低スコア群に集中してはいないだろうか?…すなわち、自閉症スペクトラムと全く逆のパターンのコミュニケーション障害が存在しうるのではないだろうかと私はつい考えてしまうのである。


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コメント

こちらのブログ拝見しています。
私はAQ40点@診断済みです。
嘘がつけず、表情をごまかすこともできません。
人びとに合わせることが精神的に非常に疲労する(お世辞も言えない)ので
義理のお付き合いや、(周囲・義理の家族含め)、社交辞令など全て、関わらないようにしています。
(本当に表情に出てしまう)

スペクトラムの人たちと対極の位置にある人たちについて、私も情報が知りたいです。

はじめまして。高機能自閉症の子の親で、アスペルガー障害の桃里といいます。
過去の記事のコメントですみません。

AQですが、ネットのお友達数人(自閉症関係ではない)にやってもらったところ、とても低得点な人がいました。たぶん…4点ぐらい…
音楽療法の先生で、チャレンジ精神があって活動的でアイデア豊富、いろんな人とつきあえる、有能な人でした。
たくさんの人に尊敬され、厳しい一面、気さくなところもあって、お酒を飲んでわいわいするのが好き、という…。
その人しか低得点な人は知りませんが、低得点層が彼女のような人々だとしたら、スーパーなタイプかもなあ…と思います。(『普通の人』の感じからはやはりかけ離れますが。)
桃里さんへ
コメントありがとうございます。

なにやら共感能力がスーパーに高いような気はしますねえ。

うーん、やっぱり謎です、AQ低得点層
トラバさせていただきました
はじめまして
v-20
はじめまして。好きなジャンルのブログを色々と読んでいるうちにたどりつきました。

「平気でうそをつく人たち」私も読みました。この人達は、今よく言われている、「モラルハラスメント」や「パワーハラスメント」の加害者にもなりえる人達かなぁと個人的に思っています。反社会的な宗教団体のカリスマや、主婦グループのボスにも、こんな人いるような・・

ちなみに私は、「モラルハラスメント」関連の書籍を読んでいて、この「平気でうそをつく人たち」の書籍にたどりついた者です。

狸穴猫さんの話しは、どれも興味深いです。これからも読ませていただきますね。
boonyaさんへ
はじめまして。

平気で嘘をつくひとたち…共感性が高いのかなあと思います。

まあ、やっぱり二次障害如何かなとも思いますが。

点数も気になりますが・・・
はじめまして。
私は29点でした。でもこの点数もあてになりません。
なぜなら、質問が曖昧に感じ、意図がよくわからないこともあったからです。いつ、どこで、誰と?という限定がないと分かりづらいのです。これも想像力の障害なのでしょう。
TAMAさんへ
確かに、あいまいな質問ってのがありますね。まあ、スクリーニング用だからこれでいいのかとも思いますが…今後の改良に期待したいですね。
極端な女脳
「アスペルガーは極端に男性的な脳」だという説があります。それに関しては書籍も何冊か出ているそうなのですが、AQスコアの低い人は極端な女脳かもしれません。

それによると、極端な女脳の方はシステムや仕組というものを考えるのが苦手なようです。即ち、対人系のA(GPU)がほぼ自動的に処理をしていることが多く、汎用系のB(CPU)に処理を任せるのが極端に不得手なのではないかと思いました。
また、図やグラフや章立てといったものを利用してパワポでわかりやすく説明する、みたいなことも苦手なことが多いかもしれません。

しかし現代の社会においては、数字に弱くてもコンピューターが多少苦手でも、資料作成が苦手でも、それだけで社会不適応にはなりにくいために、極端な女脳は「障害」と定義されないのだと思います。

極端な女脳と思しき人をたまに見かけますが、ガールズトークでは抜群の共感力を発揮しますが、男性的な組織で評価されやすいか、ということになると、状況によるのだと思います。

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