人と違うこと…私を助けたもう一つの障害+α

なんだかまわりの大勢の人と違う考え方をする、まわりから浮いてしまう。


アスペルガーの人の中には、こういったことで悩み、自己評価を低くしてしまう人が多いようだ。


ところがどっこい、私は人から浮く、人と物事の見方が違う…そういったことを受容することが比較的容易であった(というか不自然でなかった)。


この要因に私の抱えるもう一つの障害がある。これによって「モノの見方が異なること」「いろんな見方が存在すること」が私にとって「当然のもの」として理解しやすいモノになっていたのだ。

私は幼少期斜視であり、片眼視があった。そのため片眼は弱視である。視能訓練等もし、多少視力の回復は見られたモノの片眼視は治らず、眼位は小学校高学年に手術によって治したが、眼位を治したことにより『複視』となった。

複視とはなにかというと、ぶっちゃけていえば、ものが二つに見えることである。つまり、私には全てのものが二つに見えているのである。従って明らかに「見えるモノ」が他人とは異なるのである。さらに「左右の視界」が異なる画像を捉えていることが「実感」として簡単に理解できる(右視野で見えているモノが左視野には入ってないのだからあたりまえだ)。

健常人は脳で画像が合成されてしまって立体感・遠近感のある画像一つに見えるらしいが私の脳はそういう認知をしてくれない。「普通の立体感・遠近感」というものがどういうモノであるのか私は知らない。たぶんその影響であろう、真正面から湯飲みに急須で茶を注ごうとするとき、ぼーっとしているとこぼしてしまうことが多々ある。(これは実際上困るので予防手段を取っている)。では私が遠近の判断がまるでできないかというとそうではないし、「立体」と平面の区別がつかないわけでもないのだ。


私は思考においても「視点を変える」という芸当が健常人より得意らしい。それはたぶん「視点が変われば見え方が違う」というごく当たり前のこと(但し健常者にはその視機能特性から実感はわきづらい)ことが目の障害のおかげで単純に「実感」として感じられるからであろう。


そしてそれは「人と見方・感じ方が違う」という「アスペルガーの特性」を「特性」として受容することへの心理的抵抗感を相当度に軽減してくれていたのだと思う。

「人となんて違って当たり前、他人と私って見えてるものが
そもそもちがうんだもーん」である。


プラスαの部分は「風邪」である。ガキの頃から体が弱く、小学校入学後もやたら風邪で学校を休んでいた。


この風邪が私にとっては難物で、「扁桃腺」までならまだメジャーだが、私の場合はすぐ「気管支炎」「喉頭炎」に突入する。高熱が数日続くのはザラだ。こうなると学校を休むのも一週間十日はザラで2週間に及ぶこともある。学校に行き始めても1週間や十日はさらに医者がよいが続く。下手すると冬中風邪ひいている。


クラスの他の子は滅多に風邪をひかないし、普通1~2日の休み、長くても数日しか休まないし、それが「普通」らしい。


どう見ても自分は体の方も「普通じゃない」ようだ。
小学校の頃は目医者がよいと風邪のおかげで年間60日以上は学校を休んでいた。

ひっくるめてみて、やっぱり「普通」とはいえそうにないし、視機能のことだって「明らかに珍しいコト」だ(こっちの方がよほど珍しく、○十万人に1人のオーダーらしい)。そして明らかに不可抗力である。そういうわけでアスペの皆さんが「普通」に悩むような「普通でない」とか「周りと同じか」っていうことには、たぶん「普通の?」アスペルガーの人よりは多分にこだわり損ねてしまったのである。


かくして、私は、自己評価を低くなるとかの人格形成上の二次障害とは「普通のアスペルガーの人」の場合よりは縁が遠くなったようである。


ま、私のありのままを受け入れ、私の過ごしやすいような環境に置いてくれた親の影響も少なくはないだろうがこれはまた別の機会に書くことにする。


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