アスペルガー者は会話の裏の意図に気づきにくいと言われる。
特に情動的言動には弱い…と思う。
で、どういった現象が起こるかというと、結構実態はお笑いなのである。
さて、今回の実例はうちのグレーゾーンタヌキ(といってもAQは私と同じ値をたたき出すが)である。
数日前、狸から、「またやっちゃった~」と電話がかかってくる。
何かと聞くと、ちょっとした会話事故らしい。
さて、その様子ご紹介しよう。
タヌキはパンの配送をしている。
ある日の昼頃、雨上がりの積み込みの倉庫での会話
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1)
上司:タヌキさん、晴れてきたでぇ、暑なるデ~
狸:ああ、助かりますわ~、昼から屋根ないとこやから!
上司:…(いぶかしげな顔つき)
狸:(繰り返す)昼から屋根ないんでたすかりますわ~。
上司:…(無言…目が点)
補足説明をしておくと、屋根のない配達先では、雨が降ると、パンの番重(トレー)にカバーをかけたりカッパを着たりと、いろいろ面倒らしい。
で、この会話には伏線がある。
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2)
その前日終業間際、倉庫内で片付けをしていて
上司:暑いなあ、狸さん、大丈夫か…?
狸:暑いですわ~もう熱中症寸前ですわ。
上司:ちゃんと水飲みや!
狸:ありがとうございます。
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はっきりいって2)の会話に問題はない。
問題は、この2)が前提となる1)である。
1)で上司の意図は「暑くなるから気をつけなさい」という意味・意図である。
が、タヌキは、雨のときの面倒さが朝から気になっていて、「昼から晴れないかな」ばかり考えていたらしい。そこで、「晴れて良かった」という自分の思いをしゃべってしまったのだ。
さらに「伝わってないかな?」と思い、自分の思いを繰り返してしまったのである。
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これは相手の発言の裏の意図を見抜けないで間抜けなやりとりになった一件だ。
相手の「気遣い」という「情動」が会話に入っていることに気づかなかったという例である。
特に情動がベースにある会話は「気がつきにくい」のだから困ったもんだ。
タヌキの1)の返し方は、考えようによっては「自分のことしか考えていない」「自己中」な返し方である。
さて、タヌキは普段、外に出たとたんに「ありがとうございますプログラム」を起動している。
会話のあちこちに「ありがとうございます。」を放り込むとうまく会話が成立するという、まことにありがたいプログラムである。
だが、今回の上司の「暑なるな~」は、直後に「ありがとうございます」を入れると会話として変な感じになる。
そこで生来のプログラムが作動してしまい、
「助かりますわ~」という、前日の会話を考えたら定型者ではあり得ない、まこと「自己中」的な返事が出てしまったということなのだ。
さらに、追い打ちをかけたのが「繰り返してしまった」という点でもある。
あああ…。
(いくらなんでも繰り返すなよ…といいたい)
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ま、後になって気がつくところがタヌキなのだが、やはり会社では「変な奴」と見られているに違いない。
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さて、模範解答を作成しておこう
上司:タヌキさん、晴れてきたでぇ、暑なるな~
狸:そうでんな、水分補給に気ぃつけやな あきまへんな…。
上司:気ぃつけてや!
狸:ありがとうございます。
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自己中と見られることが多いアスペルガー者であるが、実は会話で「相手の裏の意図(特に情動的もの)が瞬発的に読めない」「会話の伏線をすぐに思い出せない」
というただけのことも多いのである。
とまあ、そういう会話事故?のお話でした。


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