しゃべり続けるアスペルガー者は、「黙っててもいい」を知らないだけ…かも


もう5年前になるだろうか。息子が大阪に来て間もないことのことだった。

中2当時の息子は私に対しては、アスペルガー積極奇異丸出しでとにかく何かれなくしゃべり続ける奴だった。

当然相手が聞いているかは気にしていない…ようだ。


ある日、呼吸器科の病院に出かける道すがら…例によって息子はしゃべり続けていた。


しゃべるネタは凝っているカードゲームの話。
○○というカードがどういう役目があって、どういう風に使って…延々と続く。


いつものことなので、ふんふんと聞いているふりをしていた。
はっきり言って聞いていない。だって中身なんてわかろうはずもない。
第一カードゲームに興味があるわけない。


10分くらい聞いていたが、さすがに”ふんふんうなずくのに”飽きてきた。



飽きてきたところで、ちょっとむくむくと疑問がわいてきた。


?私がカードゲームに興味がないのわかって話しているんだろうか?
?私が聞いていると思っているのだろうか??
?なんでしゃべり続けるんだろう?
?黙っててもいいと言うことを知っているのだろうか??


歩きながら、「ねえ、ちょっと…」と息子に声をかけ、息子に聞いてみた。


猫:「ねえ、私がカードゲームに興味ないのわかってる?」

息子:「うん、そりゃ当然だろ」

猫:「んじゃ、聞いてると思っている?」

息子:「あまり思ってない」

猫:「じゃ、なんでしゃべり続けてるの」

息子:「何となく間があくから…」

猫:「はっきり言って飽きてきたんだけど」

息子:「…はぁ…」

猫:「そういうとき、別に無理してしゃべる必要ないんだけど…黙っててもいいって知らなかった?」

息子:「知らなかった。ふーん、そうだったのか」


かくして、カードゲームの話は中断と相成った。

めでたしめでたし…である。

============
それ以来だろうか、
息子はとうとうとしゃべるときも偶にはあるが、
しゃべらずにいることも増え、
多少やりとりというのを気にするようになった気がする。

(親の欲目だろうか)

============

人と見ると、自分の話や自分の得意分野の話をとうとうとしゃべり続けるアスペルガー者というのはたまにいる。

が、もしかしたらうちの息子のように、「黙っていてもいい」を知らないだけということもあるのではないか…と思ったりする。




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コメント

耳の痛いお話ですねぇ…
あ~、なんだか耳の痛いお話ですねぇ……
私もまぎれもなく積極奇異型のしゃべりまくり型ですが、
息子さんと違って、自分の興味あることを いつまでもしゃべり続けたい衝動をおさえるのに苦労してます。

どんどん喋るくせに、人から嫌われたくない小心者なので、
場をおかしな雰囲気にしてないか、いつも気にして一人ウジウジ悩んでいます。
あーやだやだ(^_^;

この特性は、家庭環境が増長したように思うんですね。
実家の家訓は
「食事の時はできるだけ一緒に食卓を囲む」
「テレビはつけない(というか、そもそもテレビは置かない教育方針の家だった)」
というものでした。
それでも『会話』はありませんでした。
みんな自分の言いたいことを好き勝手に話すだけ。
そこには「自分が話してる最中に他人が喋り出したら、自分の話は中断する」という暗黙のルールがあるだけでした。

それに比べると、狸穴猫さんの対応の素晴らしさ。
息子さんが思っていることを確認した上で
「飽きてきたんだけど」という やんわりした注意。
こういう配慮が自分にも欲しかったなぁと思いました。

いや、今からでも遅くない。自分で自分を教育し続けなくっちゃ。
サポートしてくれる周りの人だっているんだし。
と、前向きなことも思わせてくれる今日のお話しでした。

長文失礼いたしましたm(_ _)m
コメント失礼します。
通りすがりの者です。
私も放って置くとしゃべり続けてしまいます。
「黙っててもいい」と分かって、黙っていることができるようになるのに時間がかかりました。それでも黙り続けてしまうことがあったり、むずかしいです。
みゅー
奈良人さん何処から飛んできました。
私は積極奇異ではないのですが、趣味話になると、話が止まらなく成ります。asdだと自覚する術を(定型を鏡にして、軌道修正する)学んで、なんとか生きてます。
狸穴猫さん一族は、前向きですね。私の家も両親がダークゾーンなのか、奇人変人です。でも今更診断を貰う事で変わる事も無く、鏡を教えてくれたのは、両親なのかなと。
また遊びに来ます
うちの
実家ものほほんさんと同じです。

時々堪え難くてパニックを起こすこともありました。

うちのダンナも気の合う人とこいつにはゴマすっとかなあかんと判断した人の前では積極奇異型の本領を発揮します。

ちなみにお義母さんにもその傾向があります。
Re: 耳の痛いお話ですねぇ…
のほほんさん、こんにちは。

同じ地平にたって理解して欲しくて話が長く細かくなるのかしらん?
私はさしてしゃべる方ではないので、しゃべるタイプの人の心理に興味があります。

それにしても食卓ルール、うーん、すんごいルールですねえ。

っと、「対応」とか「配慮」なんてもんじゃないんですよ。単にカードゲームの話を聞き飽きてきたってだけです。で、むくむくと話し続ける息子の心理に対する興味が…(没)。

Re: コメント失礼します。
こむさん、はじめまして。

しゃべり続けるのは何故なんでしょう?
同じ地平で理解して欲しいから事細かにしゃべるのか?
それとも、単に発想が止まらなくなって周りが見えなくなるのか??
間が空くとまずそうと言うだけなのか???
はたまたまた別の理由があるのか????

結構最初の理由のような気がするんですが…どうなんでしょう?

ああ、疑問がふくらみます。
Re: みゅー
綾織さん、はじめまして。

後ろ向きが好きじゃないだけです、きっと。

それなりに前向きな奇人変人に囲まれて育つ娘がこれからどうなっていくのか、すんごい見ものです。
(…というような興味をもつから奇人変人なのでしょう、きっと)

これからもごひいきに♪

Re: うちの
わーさん、こんにちは。

> うちのダンナも気の合う人とこいつにはゴマすっとかなあかんと判断した人の前では積極奇異型の本領を発揮します。

いいですね。積極奇異的ごますりの達人ですか。
言葉が止めどなく出るのも場合によっては利用価値があると!
みっちゃんの場合
遅くなりました。

言葉を多く発しないと、息ができないからなのです。

静かだと、呼吸が止まってしまうのです。

会話できないと、自分の存在を見出すことができなくなるのです。

要するに、会話=呼吸活動

なのです。
Re: みっちゃんの場合
みっちゃん、こんにちは。

呼吸ですか。そりゃ、つらいな。
しかし…一人でいるときは?という疑問がむくむくと。
一人でいるとき
独り言多い
Re: 一人でいるとき
> 独り言多い

なるほど。
なるほど!
なるほど!
うちの息子と、その会話してみます。
カードゲームの話ばかりしているアスペです。
No title
こんにちは、はじめまして。
こちらのサイト、そして当事者さんたちのコメントを読んで、
アスぺの息子の事がぐんぐん理解できるようになり驚いています。
息子の態度の解釈に苦しんできた私には砂漠を何日も歩いた後の水のごとしです。
あの時の息子の気持ちはこうだったのか!
パズルのピースがはまるように謎が解けて行きます。
今までいろんなサイトを見たり本を読んだりして知識だけはきっと人一倍あったのですが、
「人と感じ方が違う」と言うのがどうしても本質的には理解できずイライラし続けていました。
なる程、うちの子は独り言が多いです。と言うかずっと言ってます。
会話が自分の存在確認だ呼吸と同じだというのは息子を見てると良く解ります。
うちの息子に「黙っててもいいのだよ」と言うと「喋っててもいいだろ」と言われます。
これから息子の事を知るのがもっと楽しみになりました。

happyさんへ
happyさん、はじめまして。

お役に立てたようでうれしいです。
親子でお互い理解できないというのは哀しいですものね。

イライラしないで会話ができればぐぐっと世界が広がります。
いろいろな選択肢があることがわかれば、「黙っていた方がよい」「喋っても大丈夫」などの判別へと展開ができますね。





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