アスペルガー者はなぜ「謝り下手」なのか?

この記事は、前回の記事「定型発達者的『謝罪』の分化と文化」に連動しています。

ちょっとのっけから話題がそれるようであるが、謝罪の前には怒りがある。

で、あるからして、なぜ人を怒らせやすいかをまず分析してみよう。

アスペルガー者が意図せずに定型発達者を怒らせるにはいろんなパターンがある。

  1. 相手の風貌・言動に関して否定的なことをストレートに言い、相手に不快感を与える。
  2. ひとつの件に関し、繰り返ししつこく聞き、相手に不快感を与える。
  3. 当事者である事に関し、第三者的ととられる発言をし、無責任な発言だという印象を与え、相手を怒らせる。
  4. すでに相手が怒っていることを認識せずに、単なる疑問を投げかけられたと思って答え、相手を怒らせる。
  5. 状況に合わない行動・言動をとり、周りを怒らせる。

まあ、代表例はこんなところだろう。

さて、アスペルガー者はなぜ謝らないかについて、上記を参考にしながら分析をすすめる。

まずもって、相手を怒らたときの社交的対応(マナー)を知らないことがあるがそれだけでは解釈がつかない。

疑問形の叱責、怒りの表明に無頓着であること、これは確かであるが、これだけでも解釈がつかない。

表情から相手の感情をつかみにくい…これもある。

が、

実は主たるものはアスペルガー者は相手の自分に対する怒りに対して、正当か不当かの価値判断をしがちであることが原因であると考える。

アスペルガー者では、自分にぶつけられた怒りが正当なものか、不当なものかをまず考えてしまう。

そこで不当だと判断してしまったら、頑として謝らない。

「私のどこが悪いの?」

である。

さらに、不当感をつのらせれば、「相手の不当性」にアスペルガー者のほうの腹が立ってくる。

怒りをあらわにすれば「いわゆる逆ギレ」と言われることになる。

である。

相手を怒らせたとき、

定型発達者のパターンは

「相手を怒らせた」
→理由はともかく怒らせたという対応において自分に非がある。
→とりあえず謝る

なのだが、

アスペルガー者のパターンは

「相手を怒らせた」
→相手が怒ったのは自分に非があるor相手の誤認いずれか
→謝るときと謝らない時がある。

となる。

だいたい自分が間違った事を言ったと思っていないことが多いので「謝らない」にいくことが多い。

特に冒頭の2.3、5のケースではより「謝らない」に傾きやすいだろう。

1.4は適応状態がいい場合、学習によってクリアされているケースもあるとは思う。

これを解消するには、

  • 定型発達者は「繰り返し何かを聞かれるとキレてくる」という性質を知っておくこと。
  • 相手の風貌に対し否定的なことは言わない事が常識であると覚えておく。
  • 相手の言動に対し否定的な見解を述べるときはまずはへりくだった表現をとることを覚えておく。
  • 周囲を観察し、ある程度は周りに合わせる事が必要だと言うことを覚えておく。

などの対策があろう。

さらに、

必要とされる「謝罪」の多くが接遇的行為であるため、その場合、正当、不当を判断するのは「お門違い」である場合がほとんど、ということを認識しておくことが必要である。

さて、もう一つ、アスペルガー者が「謝りにくい」理由がある。

これは経験の問題だが、

「とりあえずその場を納めるために謝る」ということをしたことがあるアスペルガー者において起こりうる事だ。

「とりあえず謝った」
 ↓
「謝ったにもかかわらずさらに責められた」
  or
「謝ったのに重い罰を与えられた」

という経験のある場合、それがトラウマになり、

「謝ったらどうされるか分からない」→「恐怖」
 ↓
「出来るだけ謝らないですまそうとする」
 (屁理屈つけてでも)

というのがある。

幼児期・小学校期において親や学校の態度が不適切だと、このパターンをとることも少なくないだろう。

とかく理由の分からないことで怒られる、怒りを買うことが多いのが幼児期・小児期のアスペルガー児である。

かくいう私も小学校5年生時に学校の帰りの会の反省会で「(身に覚えがないことで)とりあえず謝る」をやったあげく。クラス決議により尻をクラスメートに竹ぼうきでしこたま殴られたという、悪い記憶がある。(さすがに、あほらしくなって途中で逃げ出したが。)

おかげで「謝る」ことがしばらくの間はかなりの恐怖であった。 (今でもそのときのフラッシュバックが起こることがある)

こういった場合、理解ある人のもとで、あるいは、定型発達者の性質をよく知った上で、「とにかく謝る」のトレーニングをして、成功体験を積み重ねてはじめて「謝ることが出来るように」なるのではないだろうか。

もちろん、この際にも注意しておかねばならないのは「損害」が絡む場合、みだりに謝ってはならないケースがあるということである。

以上、アスペルガーが「謝り下手」であることに関する考察でした。

 



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コメント

はじめまして
はじめまして、小3の広汎性発達障害児の母です。少し前から狸穴猫さんのブログを読ませていただいていました。息子と話していてイライラしたり、なぜ伝わらないのだろうと、悩んでいたことが、理解できたように思います。これからも、のぞきに来させてください。
Re: はじめまして
MYUさん、はじめまして。
お役に立てて何よりです。
これからもごひいきに!
初めまして
初めまして。親子でASという者です。
今回の連作はとても勉強になりました。定型(日本限定なような気もしますが)さんって怒ると感情が先にたつ感じがして話の論点ずれて非合理だなって常日頃思っていたので、なるほどって感嘆してました。

 過去のログと共にまた勉強にこさせていただきます。それでは失礼致します。
Re: 初めまして
鰤野照焼さん、はじめまして。美味しそうなハンドルネームですねぇ。

定型さんは感情がまずおさまらないと済まないようですね。
まあ、その辺で「尊重されている」を実感してエネルギーを得ているのかな。

定型発達者の心的エネルギーの元については近いうちにまた書くつもりです。

これからもごひいきに♪
「ごめん、ごめん」
以前に・・定型は「うんうん」という頷きを無意識にしていることも多く、頷きなしには会話が進まない、ということを書いたら、びっくりされたことがありました。

よく考えたら・・定型者は「ごめん」という言葉を、相手と自分の空気を和らげるクッション代わりに使っているとも思い当たりました。

特に、軽い調子で「ごめん、ごめん」と2回繰り返して言うときは、話の内容より相手の不快感を取り下げるために「ごめん、ごめん」と早口で言って、空気を和らげ、流れの仕切り直しの効果を求めていると言えましょう。
もうほとんど本能的、反射的に言っちゃってると思います。

「ごめん」や「ごめんなさい」・・・感情のクールダウン効果がある言葉として有効かと思いきや・・・ASの方にはそれほど伝わってなかったのでしょうか。

「なぜ、ここでゴメンと言うのか」と疑問に感じる方もいらっしゃるかも知れないのですよね。

「まぁまぁ、そんなに感情的にならないで」
「あっ、ちょっときつい言い方や失礼な言い方になっちゃったかな」

「ごめんごめん」にはそんなニュアンスが含まれており、会話のリスタートのサインとしてとらえていただくと良いかと思うのですが。
Re: 「ごめん、ごめん」
確かに不快感情に対する慰撫の効果=クールダウンと考えれば納得がいきます。

で、それがアスペルガー者に有効かというと、謎ですねえ。

『なんで、この人「ごめん」が多いんだろ?』
『謝るくらいなら最初から言うなよ…』
だってりして…。
私の場合、そう思いつつ、基本的には聞き流してますね。

アスペルガー者の場合、
軽めの「ごめん」「ごめんなさい」がクールダウンにはあまりならないような気が…。

これはアスペルガー者が「不快」や「怒り」をリアルタイムでセルフモニタリングできないことに関連すると思います。

だいたい、後になってから他者の言動に対して、腹が立ってきたり、不快に思えてきたり…しますから。

謝罪される側になるのも難しい問題が…

なるほどです
いつも相手を怒らせてばかりの私ですが
恐ろしいくらいに当てはまってました。
診断は受けてないけど私もASなのかな?
ちなみに今日も怒られました…
理解したい
私の大好きな人はアスペルガーです。
わかりにくいところもあって、不安になることもありますが、あってそばにいるとわかります。もっと理解できたらいいのになぁと思います。
勉強させてもらいます
はじめまして
最近、アスペルガーについて知り、自分がそうではないかと疑っています。あまりにも一致する部分が多いので。

働き始めて三ヶ月目になるのですが職場の上司、先輩達の自分に対するたまりにたまった不満が爆発しました。

先輩達いわく、あまりにも自分勝手すぎる、人の身になって考えていない、礼儀がなってない、とのこと。

先輩達がそのように感じていることを直接言われるまで全く気がつきませんでした。(これがきっかけでいろいろ調べていくうちにアスペルガーにたどりついたんですけどね)

このブログの内容、アスペルの方のコメントを読むと共感する部分がものすごく多いです。

ちょっと遅いですけど職場関係をなんとか改善するためにこのブログで勉強させてもらいます。

Re: なるほどです
いっぴ さん、こんにちは。

とりあえずスクリーニング用のAQ日本語版でもやってみたらいかがですか?

で、閾値超えたら受診してみるとか…

あ、AQ日本語版はこちら、
http://www.nise.go.jp/kenshuka/josa/kankobutsu/pub_f/F-112/05.pdf

AQ日本語版を簡単にテストできるサイトはこちら。
http://www.the-fortuneteller.com/asperger/aq-j.html

Re: 理解したい
そうですか、好きな人がアスペルガーですか。
いろいろとあるでしょうね。

理解者が増えてくれるのは、当事者の一人としてうれしく感じます。
Re: 勉強させてもらいます
二つ前方へのコメントにも書いたのですが、とりあえずAQテストでもやってみるとかってどうでしょうねえ。

それにしても、周囲が爆発とは大変でしたね。

でも、直接ぶつけてくれるだけありがたいですね。
何が問題点なのか、わかりやすくなるから。

何事も遅いってことはないでしょう。
ぜひがんばってください。

定型発達者研究のカテゴリーに割と役に立ちそうな記事が多いかと思います。

周囲との調和を図ろうとするとき、どなたかサポーターになってくれる方がいると
とても助かるんですが、どなたかそういう役割を担ってくれそうな方はいませんかねえ。

なるほどそういう「対策」がありましたか
こちらに非がないのに「誤れ」という奴はぶん殴ってやればいいじゃないですか.それがいちばんの対策だと思ってました.なかなか実行できないのが問題だが.
Re: なるほどそういう「対策」がありましたか
平凡助教授さん、こんにちは。

過激な対策ですねえ…笑わせていただきました。
ま、中間的なところではアサーションあたりがおすすめなんでしょうが、現状日本では通用する相手が少ないのがこれまた問題です。
やってみました
狸穴猫さんありがとうございます(^-^)
会社のお昼休みにやってみました
しきい値越えてましたf^_^;
受診するのって勇気要りますよね?
ちょっと怖いなぁ
自分もAQやってみました
結果、41点とボーダーラインぶっちぎって高かったです・・・。

予想していたとはいえ落ち込むもんですね。

自分は専門機関探してそこで診察してもらおうと思います。


定型社会で一人前になるのはまだまだ遠い道のりになりそう・・・。
Re: やってみました
そうですか越えましたか。

発達障害者支援センターに相談すると診断可能な病院・医院を紹介してくれます。
まずはそちらから。

でも、怖がらなくても。
だって何ヶ月待ちざらだもんね。
Re: 自分もAQやってみました
こちらも閾値越えですか。
診断機関は選んだ方が良いですよ。
発達障害者支援センターに相談すると何カ所か紹介してくれるようです。

まだまだ診断可能な医療機関が少ないのが問題ですね。
はじめまして
はじめまして。しーたと申します。

アスペルガー当事者なのですが、定型社会では"謝罪"が"社交テクニック"だったとは、目からウロコでした。

私自身は、理由もそっちのけに"ごめんごめん"と謝られると、
「理由もわからんのに、口先だけで謝りやがってーーーー!理解しようとせんかーい!」って、逆に腹を立てていました(-_-;)

定型さんの社交術だったんですね。

なまじ、顧客対応の多い仕事なので、表情の筋肉の細かい動き、言葉の間の取り方、発声の微妙なゆれなどから、、(本人は隠しているつもりでも)相手の真意を読む術を身につけているので、"本気でじゃない"のがはっきりと"見て"取れるので…(^_^;)

ちなみに、アスペルガーが謝罪を苦手とする理由のひとつに、「謝られ体験が少ない」こともある,
と、私は思っています。

私自身、自分が本当に傷ついたときに限って(!)謝ってもらった覚えがないのです。

謝ったもらった経験が少ないので、謝るタイミングもよくわからない、と考えることもできると思います。

とはいえ、謝ってもらえないのは、
表情が乏しい、後から怒りや悲しみが沸いてくるなどのアスペルガーの特性が、定型者に謝るタイミングを逸させているからなのでしょうね…(^_^;

傷ついたときも定型にわかりやすく表現しないといけないなんて、めんどーですねw




Re: はじめまして
しーたさん、はじめまして。

確かに、謝られ体験、少ないかも…。

傷ついたとき…ってどっちかっていうとフリーズしませんか?
それもまたわかりにくい元かも。

ついでにいうなら怒ったときって、相手(定型者)が理由をわからないことが多そう。

Re:Re: はじめまして
たしかに、びっくりしすぎて、
どう反応していいかわからず、
固まってますね…(・。・;)←こんな感じw

しかも、こっちが怒ってる理由をわかってもらえないのが、あすぺさんにとっては一番腹が立つんですよね(笑)
んで、
余計に腹が立って→さらに怒る→余計にわからない…(無限ループ)

…第三者的に見ると、かなり笑えますね(^-^;)
ゴメン で疲れた・・
狸穴猫さんが、専門家の方々の前で講演される・・という喜ばしいことになり、ヒト事ながら自分も晴れがましい気分になった日に・・・
謝罪について、感じることがありました。

ASの友人と定型の友人が
「相手が怒ったんなら、まずゴメンと言えば良いのに。とーして素直に言えないんかね」

「自分が悪くないのにゴメンなんて言えるわけないでしょう。言わない方が素直ですよ」

という口論をしていたので、私は定型の友人に、このページを見せて納得してもらい、ASの友人には、それこそ「率直過ぎてとてもキツいストレートな言い方」でガンガン説明しました。その方が理解しやすいと解ったからです。

正直、かざらないストレートな言い方に慣れると、感覚もシンプルになってしまい
・・・つい、気分がゆるんで別の定型の友人との会話でも、言葉のストレートジャブを繰り出してしまいました。

友人「そんな言い方ってないでしょう」
マル「あぁ・・ゴメンゴメン・・」
友人「びっくりしたわよ、もう」
マル「びっくりさせて、ゴメン」
友人「それがあなたの本音だったの?」
マル「いやいや、その、言い方が悪かった。ゴメンね」

言いたい事はひとつでも、言い方にいつものお砂糖まぶし的配慮が欠けると、相手の気分をそこねて、すごく回り道になる・・
結局、言いたい事より、言い方で揉めた感情をおさめる事に労力をついやし、何を言いたかったかなんてどーでも良くなる脱線ぶり。

ふと・・・「ASの友人とのストレートな会話の方がとラクかも」と、思ったりしたことでした。
Re: Re:Re: はじめまして
あはは、やはり…。

無限ループも確かに笑えます。
怒りどころが定型さんとあすぺさんで違うのが無限ループの元ですね。
Re: ゴメン で疲れた・・
マルマルさん、こんにちは。

おやおや…お疲れさまでした。
甘いものでも食べて疲労回復を…って、砂糖まぶしはかえって疲れるかな(^o^)

つい気が緩んで…は怖いですね。

外に行った後など、モード切替がうまくいかず、
家で間違って砂糖まぶしをやると
息子は気味悪がり、タヌキは切れます。
凄すぎる
まるで、息子と父親の親子喧嘩を見て理論的に文書化しているよう。衝撃的!
なるほど
なるほど、僕はそこまで悲惨な体験はありませんが、納得です。
仕事できない人には難しそうですね
怒られる原因が仕事できないことにあるからどんなに謝っても済む問題じゃなく、さらに障害があるためにミスを犯してしまうから謝っても言葉だけの謝罪としかならない。
仕事が絡むと何の取り柄もない発達障害の場合は難しいです。
さくらもちさんへ
仕事もコミュニケーションも、どこを限界点と考えるかというのは難しい問題です。
本当にできないことってのもありますが、コミュニケーションの問題からスキルアップしにくい状態になっている可能性もあります。
ミスをしないに越したことはないですが、あまり重く考えすぎず、ミスから学ぶ姿勢があればいいのではないでしょうか?
No title
狸穴猫さん、コメントありがとうございます。
同じ失敗を繰り返さない。失敗から学ぶ。その通りなんですよね。
しかし、有り得ないと絶句されるくらいの不器用さ、とっさの行動ができない、優先順位が分からないなど、知的障害に近いくらいの能力のなさなので、スキルアップが出来ないんですよね…。
同僚も悩みながら何とか指導方法変えて教えてくれたんですが、それでも出来ないとなると…。
仕事が出来る方ならコミュニケーションを学ぶことで改善はあるかもしれませんが、どこの職場でも仕事も出来ない人だと厳しいですね…。
気をつけましょう
自分が悪いか悪くないかを判断するとか、謝らないって単なる性格じゃないですか?アスペじゃない人でも頑固な人めちゃめちゃ多いじゃないですか。傲慢な人は絶対謝らないし。
単なる性格によるものでも、個人個人の独自見解や判断で書き込まれてるパターンが多いので、勘違いや誤解が広まってしまい判断がとても厄介になります。気をつけましょう。
その通りです
ADD+アスペルガー当事者、30代独身
障碍者施設勤務+グループホーム在住女です。

「謝れない」の理由の分析、まさにこの通りです!

私の場合、30年来の幼馴染が韓国旅行に行ってきたさい
「お土産に対して「いらないから捨てる」発言をして、
謝りなさいと言われたが意味がわからなくて、縁が切れた」という経験があります。

なぜなら私は歴史を学ぶうちに
韓国に対して「最悪な歴史を持つストーカー+ヤクザ国家」というイメージがついてしまったため、韓国製品が一切買えない・使えないからです。

そこに歴史には割と「そんなこともあるよ」程度にしか考えない
健常者の幼馴染Aとその友人B。

彼女たちはお土産を買ってきてくれましたが、韓国の化粧品でした。
(布とか、毒性が低そうなものならまだよかった)

私はBにブチ切れ「なんで韓国製品なんか買ってきたの!?捨てるけんねこれ!」
とメールし、BがAに相談。
Aが緊急に家に来て、車の中でさんざん
「人がくれたものに対して、文句をつけるのは悪いこと。謝らないとダメ」
といわれたのですが

「トラウマ並みのこだわり(韓国嫌い)」と「謝らなければならない常識」
にはさまれた私は、どういう心理で謝ったらいいのかわからず

「理由はよくわからんけど、とりあえず謝るね。これでいいよね?」
とAに言うと
「それじゃ謝罪になってない」
とまた同じ所に戻ってくる。。 意味がわからない。

例えば、津波に親を殺され、海がトラウマになった子に
「海に行ってきたから、海の置物買ってきたよ~」
と渡したら、素直に喜べるか?

きっと見るたびに親を思い出して、泣いてしまうんじゃないの?

発達の「こだわり」というのはそれくらい強く、嫌な感情として発露します。

でも、それが健常者にはわからない。
「せっかくお土産買ってきたのに。ひどいこと言われた」
そう思われます。

彼女が悪いわけじゃないとわかっているのに
特性上、謝る心理が理解できない。
よって、彼女たちとは縁が切れました。。

30年付き合いがあっても、縁が切れるほどひどいのが発達障害の症状です。

今まで何度死にたいと思ったかわかりません。
死のうとすると「そんなに若くて健康で、死ぬ必要ないじゃない」と止められます。

ええ、ええ。
あなた方にも私の目にも見えないことで困ってて、それでも解決方法がどう考えても見えてこないから、苦しんでいるんですよ。と言いたいけど
言っても、どうせ概念的な苦痛なんて、一般人レベル(偏差値50~65レベル)の人間は理解できないだろうなと思って、言えずじまい。

結局、理解してくれたのは、福祉精神が豊かな人と、偏差値65以上の天才クラスの友人や家族だけでした。

世の中の70%を占める「偏差値50~65レベル」の人が理解できないレベルの状況なので高度な抽象概念を理解できる頭脳を持つ人以外、
ただの「ワガママ」にしか見えないという状況です。

普通のバイトでつぶしが効かないため、特殊能力で稼げない場合
死亡フラグ立ちまくりです。

私ももう若くもないのに独身で、高齢出産年齢にかかるので
結婚も出産も諦めてますし、もしできたとしても
育児ができる自信がないので、私はきっと孤独死することでしょう。

ちなみに、発達の大人の就労状況をわかりやすく表した資料はこちら。
読んでて「そうそう!」と納得しました。



NAVERまとめ
「発達障害者の就職は人類で最も困難」

発達障害者の新卒は、4人に1人しか就職できません。失業率は75~97%。知能の凹凸が激しいと、幅広い知能を要する普通の仕事が困難になります。その一方で、得意分野を活かせた一握りは圧倒的な実力で社会に適応します

http://matome.naver.jp/odai/2140043249124503501
Re: その通りです
どっちにも責任がないことってのが世の中には多いですからねえ。
定型者的謝罪マナーについてはこちらで考察しています。
http://maminyan.blog5.fc2.com/blog-entry-287.html


ありがとうございます。
「アスペルガー 腹立つ」で検索していて辿り着きました。
アスペルガーの方にも、こういう方もいるのかと、正直、少し癒されました。
あなたの分析に、ほぼぴったりと当てはまる人が、つい最近まで職場に居ました。
正直、とてもきつかったですよ。
こちらは怒りを抑えて、なるべく平静を保って。
もう呆れるほどなんだけれども、それでもまた、何事もなかった事にして迎え入れ、私より目上の、同じ様にカチンと来ている上長にも申し入れをしてバランスを取ってと。
あなたのように一旦謙虚になって学ぼうという気概の窺える方なら、互いの関係性においてまだ明るい道も観えようというものですが、なまじ仕事が出来たり(そのつもりになってるだけ。実際はそれ程でもない。そういう事にも気付けない。)、プライドが高かったりという事もあり、余計にやっかいでした。
まるで今までの行いは全てこちらが悪いかの様な言い分。こういう人とは、その身勝手なペースに嵌らない様にするだけでかなり消耗するという事を学びました。

仕事がそれなりに出来れば、能力だけあれば、性格はどうでもいいんだよという風潮は、私は認めません。ふざけるなと言いたい。私はもう古い日本人でしょうか。否、私はこういう事に古いも新しいも無いと考えます。これは人の営みの本質的な問題に思います。

書き出したら止まらなくなってしまいました。ここを捌け口にしてしまってすみません。何はともあれ、あなたのこの記事には癒されました。

有難うございました。
No title
全然アスペと関係なくて草
わかった気になって理解出来ない系勘違いクズ乙^^
疑問です
かなり昔の記事へのコメントですいません。

疑問に思っているのですが、アスペルガーの人は人に失礼なことを言うことがありますよね?
例えば「あなたはくさいですね」等。

真実だから言ったのだし謝らないという理屈は分かりますが、アスペルガーの人が他者から「あなたはくさいですね」と言われたら傷つきますよね?

そこまでストレートな物言いでなくても、アスペルガーの人は定型からしたら何故傷つくのが分からないような些細なことに容易に傷ついて、傷つけた相手を責めたりしますよね?

自分が言われたら「傷ついた、謝れ」という割に、自分は「人を傷つけたらしい、でも謝らなくて良い」というのはどういう理屈なのでしょう?

自分は人を傷つけても良いけど、人は自分を傷つけるのは許さない、ということでしょうか?

結局、定型は自分は傷つけられても謝ってもらえない、傷つけるような発言はしていないと思っても、謝り続けるような構図になって、非常に疲弊します。

これからもアスペルガーの人たちに関わっていくにあたって、どういう風に気持ちに落とし所をつけてよいのか分からず、かなり昔の記事に対してコメントをつけさせていただきました。
No title
それだったら定型の人もアスペルガーには何を言っても良いと思って傷つけてくる人はたくさんいますよ。
アスペばかりが謝って、定型の人は悪いとも微塵に感じないとか。
なぜアスペばかりが悪者?定型だって同じです。

No title
>こういった場合、理解ある人のもとで、あるいは、定型発達者の性質をよく知った上で、「とにかく謝る」のトレーニングをして、成功体験を積み重ねてはじめて「謝ることが出来るように」なるのではないだろうか。

>もちろん、この際にも注意しておかねばならないのは「損害」が絡む場合、みだりに謝ってはならないケースがあるということである。

ここをもっと掘り下げるべきで、その前段の長々と書いている記事など
本人の性格の問題でしかなく、こういうところを見ている人には意味がありません。

あなたが最初のほうで仰っている「とりあえず謝っておけ」というのは
根本的な解決策になっておらず、さらに相手を怒らせる原因になりえます。
とりあえず謝るというのはとりわけ日本の悪習であり、
曖昧に済ませることで次回への進歩を放り投げているようなもので、
決して推奨できる行動ではありません。
怒る人も(まともな人間であれば)次回は解決しているように望むものですし、
叱られる側も次からは怒られないようにしたいと思うはずです。
ですがそこに具体的な指摘がなければ、考える姿勢と正しい方策がなければ
次回からの改善は望むべくもなく、負のスパイラルに陥るだけ。
とりわけ路頭に迷っている人は指針が見出せないものです。

そして、相手に強く何かを主張できない人は、よほど優秀でもない限り
社会に出てからまともな扱いを受けることはできません。
適当に受け流せるような姿勢を身に着けているならともかく、
それこそアスペルガーの人にとっては割と難しい問題です。
ですので、怒られるような環境にあっては、
謝罪するかどうか、はさして重要な問題ではないのです。
アスペルガーの方が生来思うような「どうして」を解決することこそが重要です。

あなたはそれを経験しているはずなのに、どうしてこのような短絡な記事を書いてしまったのでしょうか?
最後の段落をもっと掘り下げて、充実させていただきたいと思いコメントした次第です。
正当性を考えること
狸穴猫 様

 初めまして、Asura-oと申します。50歳代半ばにしてアスペルガーと診断された女です。
 貴文の

>>アスペルガー者では、自分にぶつけられた怒りが正当なものか、不当なものかをまず
考えてしまう。
>>そこで不当だと判断してしまったら、頑として謝らない。

に、やっとアスペルガー者のその特性に関して一般論として言及されている記事を見つ
けた!と感極まってしまいました(私の調べ方が下手で今まで見たことがなかったもの
で)。「謝らない」裏にある思考経路が、アスペルガー者全体の話として書かれていて、自分だけではないのだと安堵しました。
 昨日も、またしても会社で、ミスを指摘されると「一応謝るが、すぐ被せて事情を言
うので謝っているように感じられない→謝らない」と言われ、馘首寸前を示唆されたと
ころです。注意を受けると間髪を入れずに反論する、という点も散々指摘されてきまし
た(その反論時私は、『濡れ衣だ! 言いがかりだ! 抗議する!』と激怒しています。私にとっては正当な怒りなのですが、定型発達の世界では『逆ギレ』と見做されることも貴文で初めて知りました)。

 この歳にしてやっと、客先にはこちらが悪くなくとも取り敢えず慰撫の為に謝ること
をするようになりましたが、社内で責められるとやはり正当性を考えます。それは、私
にとって息をするように自然で、未来永劫当然なことです(定型発達者がそう考えない
ことが理解できません、信じられません)。
 だって、認めてしまったら、無能者の烙印を捺され、後輩に対してみっともない・ざ
まあ見ろ、いい気味と思われることですから。
 20年近く携わってきた業務をこのコミュニケーション能力不足が理由(と言われて)ど
んどん取り上げられ、昨日は「これからは新人にやるように1つ1つ指示する」と年下
に言われました。多分、程なく屈辱にまみれて退職する結果になるでしょう。
 それでも尚、正当性無しで謝ることがどうしてもできません。思い起こせば、小学生
時代、日記(というか腹立ち事件簿)の扉に「悪くなければ謝らない」というような1文
をモットーのように書いていました。昔のことですので、発達障害などというものは夢
にも思いつかれなかった時代です。
 これから会社でどうしたら良いでしょうか。これまでの累積がありますので、今更謝
っても(できる気はしませんが)、改善を評価されるのではなく、蔑まれ(現に今日は目の前で冷笑しながらヒソヒソ話をされました)、これ幸いとおおっぴらに責任を取らされるようになるだけだと思います。
 どうしたら良いでしょう。
No title
一般社会ではミスをしている時点で怒られるのは等是?なので、そこで謝り、事情は話さずに次の失敗を二度としないようにすることが求められます(もちろん自分がミスをしていない場合は自分のミスでないことは言うべきですが)。
一般社会ではどんな事情があってもミスしたことが全てであり、二度と失敗をしない、それ以上の結果を出すことです。

>昨日は「これからは新人にやるように1つ1つ指示する」と年下に言われました
余程仕事ができていなかったり、同じミスを繰り返す、もしくは色んなミスを連発しているのかなと思います。

またこれは理不尽な話ですが、どんなに仕事ができてもコミュニケーションが取れなかったり、協調性がなかったりすると不当な扱いを受けたり、仕事を辞めさせられたりするといった当事者も少なくないようです。
不当な扱いを受けた場合は記録する、録音して証拠を残しておく、会社から詰め寄られても自ら退職届を書かない、サインしないことです。

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