全25条からなるコンパクトな法律である。
が、今の政府、お役所の認識がまあ、露骨に出た法律だと思う。
何より、重点が早期診断、早期の発達支援におかれている点。
一応十条に就労支援について記載があるが、ここがちょっと問題だ。
十条の2より引用
2 都道府県及び市町村は、必要に応じ、発達障害者が就労のための準備を適切に行えるようにするための支援が学校において行われるよう必要な措置を講じるものとする。
これでは、成人になってから発達障害がわかった人間への就労準備支援はないことになる。
もちろん、第十一条に次の文言があるので、全くないと言うわけではない…
第十一条 市町村は、発達障害者が、その希望に応じて、地域において自立した生活を営むことができるようにするため、発達障害者に対し、社会生活への適応のために必要な訓練を受ける機会の確保、共同生活を営むべき住居その他の地域において生活を営むべき住居の確保その他必要な支援に努めなければならない。
では、社会生活への適応のために必要な訓練はどこで行われるべきか?
このあたり、具体的な指定がないので、まだ努力目標といったところなのだろうが、さしあたって、発達障害者が診断後もコンタクトをとり続ける可能性のあるところといったら医療機関である。
法律には記載がろくすっぽないが、医療機関をもっと活用できないものなのだろうか?
集団精神療法(グループワーク)など、医療機関でぜひやって欲しいもののひとつである。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)もできれば医療機関でやって欲しい。
なぜなら、医療機関というのは成人発達障害者のニーズが一番わかるはずのところだからだ。
が、現実としては、医療機関は二次障害がなければ、ほとんど何もすることがないといった感じで、
二次障害に対する投薬治療がほとんどではないだろうか。
私が自助会をやってみて思うことは、もっと水面下には支援を必要とする人がいるということ。
二次障害が重すぎて自助会に出てこられない人もいるだろうということ。
孤独感を深めがちな成人当事者には、「同じような性質の人間がいる」ということを知るだけでも価値がある。
医師・心理士はそんな当事者を一番身近に見ているはずの職種である。
今現在、発達障害を診察できる医療機関は限られている。
まずもって「当事者」を知らない医師がまだまだ存在するだろう。
それは今後の施策、社会的ニーズで必的に増えていくだろうが、その段階で、ひとつやって欲しいことがある。
それは、前述のSSTなどの実施やグループワークなどの実施もとうぜんあるが、
もう一つ、末端の発達障害者のニーズの拾い上げと類型化である。
末端のニーズの拾い上げ、これは医療機関、医師の役割だろう。
その上で学会等、医療機関の集まりがどんどこそれを類型化していって、役立つ形にして欲しい。
それを政策とつなげれば必ずや成人発達障害への対応もうまくいくと思うのだ。
さて次のの改正はいつか?そしてどうなるか?
精神科医師・精神科医療機関の努力義務や、施策としてのニーズの吸い上げに言及されるものになって欲しいと考えた。

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条文は比較的
わかりやすかった
…
っと、それは
ともかく
ぼちっとね。