「みんなそうなんだから…」
「世間一般ではそうなの」
という主張の仕方をしばしばする。
アスペルガー症候群者では、それに対し「???」と思った経験がある人は少なくないだろう。
特に親が定型発達者の場合、
「みんなそうなんだからそうしなさい」
的なことを言われて、「みんなって誰?」「世間って誰」と疑問に思い、
「みんなって誰のこと?」
とか、
「あなた(かーさん)がそう思うんでしょ」
とか
「それはあなた(かーさん)の押しつけでしょ」
などと口にして、
「減らず口をたたくんじゃない!」(怒)
とか、
「話題をそらさないの!!」(怒)
ってな目に遭遇することもままあるようだ。
(学校で教師も多用するような気がする。)
さて…
社会に出てもこれに類することは多々あるので、
「みんな」「世間」を根拠とする主張で不愉快な思いをした人は少なくないと思う。
しかし、定型発達者は、
アスペルガー症候群者が、「世間さま」とか「みんな」という主張の根拠がわからないということが「わからない」ようである。
結果、こういった「世間さま」を持ち出した論議になるとアスペルガー症候群者も不愉快、定型発達者も不愉快という、ドツボにはまる。
これは両方にとって得なことは何もない。
さて、なぜこんなことになるか考えてみる。
定型発達者の場合、他者と共感するシステムが脳に備わっているが為に、ある種「錯覚(あるいは幻想)」として「共通認識」が自動的に「想定」されてしまうようである。
まあ、とどのつまり、そういった「認知」の仕組みがあるとしか言いようがないのだが、
定型発達者は「世間さま=共通認識」という発想から自由ではないのだ。
それゆえ、
「世間一般」「みんな」に疑問をはさまれると、
定型発達者にとっては、それが
「”あるもの”と認知されてしまっている」
ものなだけに、
「減らず口」
とか
「話題のすり替え」
などと、悪いようにとってしまうのだ。
共同感という「心地よい錯覚」が崩されるので不安になるというのもあるかもしれない。
だから、アスペルガー症候群者のとれる対策としては、「世間では…」「みんな」という意見に対しては、少なくとも表面的には逆らわない方がいい。
定型発達者にとってはそれは「あるもの」なのだ。否定されて嬉しいはずがない。
そこんとこは理解してあげよう。
だからここは、面従腹背大いに結構!ということで、乗り切るべきだろう。
ただ、とりあえず、服装や言葉遣いなどのTPOに関しては、乗っかっておいた方が無難である…ということも覚えておいたほうがいい。なぜなら、この世は定型発達者主導の社会なのだから。
それをわかった上で、外れるかどうかを選択をする方がアスペルガー症候群者にとっては精神衛生上いいだろう。
もちろん、法律の許す範囲内でということは言うまでもないが。
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ちなみに、定型発達者の共感のシステムに関しては、「ミラーニューロン」の発見を発端に、脳科学がかなり解き明かしつつあるようだ。
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最後に定型発達者の皆さんに向けて…
極力「世間」とか「みんな」を根拠にした主張はしないで欲しいと思うし、それを無理にわからせようとしないで欲しいと思う。
アスペルガー症候群者の方は理不尽と感じるだけなのだから。
「私は…」で主張してくれた方が、よっぽど分かりやすいのだ。
どうしても「多数派の考え」を理解して欲しい時には、
「こうやったら、こう思われることが多いと”私”は思う。」
とでも言ってくれた方がアスペルガー症候群者の反発が少ないだろう。
<その2はこちら>

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