ミチャポンのその後(4) WISCの結果が出たが…

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最近のミチャポンはなかなか機嫌が良い。


ラッパの練習を口実に?保育所から早めに引き上げてくる毎日のせいかもしれぬ。


ラッパが楽しいのか、はたまた、保育所では早くお迎えが来るのが一種のステータスなんだろうか?とも思える反応である。


で、件のラッパのほうはというと、昨日とうとう1オクターブ(下のソから真ん中のソまで)をクリアしたミチャポンである。


ここまで来るにはタヌキのアスペルガー的工夫があった。(よくもまあ、あそこまで凝るぜ…ほんと)


まずは吹奏姿勢を良くするためにラッパのバランサーを作り、さらに、夜でもラッパで遊べるようにと、プラスチック製ラッパもどきを製作するという力の入れようである。


詳しくはタヌキブログに写真付きで載っけてある。


まあ、そんなタヌキとこの私の娘であるからして、当然ミチャポンのWISCの結果にはMの字かWの字のグラフが登場することは予想に難くない。


さて、実際どうだったかというと…


N小児科に結果を聞きに行った私の前に一枚の用紙が差し出された。


で…、実は…、その~


見た瞬間、私は笑い出してしまった。


何が笑えたか…というと、予想を遙かに上回る個人内差があることである。


ある程度のでこぼこ(個人内差)は予想していたが、それを遙かに上回るでこぼこである。

WISCの素点は各項目0~20であるが、


なんと!



1点


という項目と


19点


という項目が混在するのだ。


ほとんど


「あり得るのか!?」


の差である。
(数値の詳細解説からは、確かに現実にその差はありそうだったが…)



まあ、その差を筆頭に、あちこちでこぼこの嵐。



私自身のWAIS-Rの結果も相当でこぼこがひどいが、それを遙かに凌駕するミチャポンのWISCの結果には笑うしかないといったところなのである。


ちなみに、言語性と動作性の差はほとんどなかった。このあたり、タヌキゆずりなのだろう(タヌキも言語性と動作性の差は少なかった)。


ま、とにもかくにも癖のある娘であることは判明。


個人内差が大きいため、学齢期に入って周囲との間に誤解を生みやすいのが問題かもということであった。


自己評価も高く、心理状態はまずまず良好ということで一安心。



さて、療育をどういう方向性で行くかは、病院側から、


「ちょっとプログラムを考えるまで時間をください」

と、言われることに…。




確かに…普段の生活困っていることはあまりない。

多少気になることは、過集中時の返事のなさや、予定外パニックなどの他は、挨拶がちょい不自然、子供同士の会話がちょいと苦手等、「ちょっとだけ気になる」…といった感じのことばかり。


つまりは既存のアスペルガー児用プログラムが適用できそうにないようだ。


やはり一筋縄ではいかないミチャポンなのであった。


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コメント

ぶっ
自分の子の評価点に、5点と19点がある時にも笑ったけど、
さらにすごいですね(^^;)

まだ小さいから、成長したら多少差は縮まるのかな。
1点なのは多少上がっていくんじゃないか…という気がしますが。

どの項目だったのか気になります(^^;)
イヤハヤ、親として様々な苦労とあの笑顔のような大きな喜びを与えてくれる事を予感させる結果ですね。ミチャポン、宝の子ですね。

ASは我流で育つから、タヌキさんと狸穴猫さんの明るく楽しいアスペルガーライフが、何よりの療育環境だと思いますけどね。
ちょっとWISCは早かったんじゃないかなぁというのが正直な感想です。

あと、猫さんのおっしゃる通りミチャポンちゃんの過集中と集中切れの落差が大きく影響してると思います。

何はともあれミチャポンちゃんが今の明るさを失わないようにサポートすることが彼女に対する最良の療育なのではないのではないでしょうか。

どちらかというと療より育にウェイトを置いた援助がミチャポンちゃんには合ってるかもしれませんね。

猫さんとタヌさんなら大丈夫ですよ。
桃里さんへ
やっぱ笑えてしまうよね~。

知識が19で単語が1…って、ミチャポンはどんな思考してんだか…

とっても謎な娘です。
ヒゲ達磨さんへ
あは…、ミチャポンと遊んでると楽しいですよ~
毎日何度も笑わせてもらいます。

多少多動なのがこっちに余裕のないときにはきついですが(^^;)
わーさんへ
なるほろ…そういう見方もあるのですね。

でこぼこ見て、親子だな~と思ってしまいます。
突出するところが同じなんですよ。
ご参考までに
★ 多動・不注意傾向が遺伝的に高い子の場合、親のネガティヴな養育行動が教諭運環境(共有環境の誤植?)としての引き金となって子どもの問題行動をもたしていることが示された。★

「脳科学と教育」タイプⅡ RISTEX(社会技術研究開発センター)の「双生児法による乳児・幼児の発育縦断研究」(安藤寿康)の研究終了報告の予稿集より(入手は下記より)
http://www.ristex.jp/eventinfo/pasrelative/brain_20091209.html

心身の発育に及ぼす遺伝要因と環境要因が、実際にどのように働いているか・・これを明らかにすることができるのが、双生児法による発育の縦断研究である。すべての遺伝子を共有する一卵性双生児と、生育環境は一卵性と等しいにもかかわらず遺伝的には50%しか共有しない二卵性双生児の類似性を比較すると、心身の発達に及ぼす遺伝の影響、家族が共有する環境の影響(共有環境)、そして一人一人に固有な環境の影響(非共有環境)がそれぞれどの程度関与しているかがわかる。それのみならず、双生児の発育データを長期間にわたって組織的に収集し続けることによって、成長とともに遺伝要因と環境要因の影響がどのように変化するか、また環境要因が遺伝要因の発現をどのように変化させるかを知ることができる。

 「首都圏ふたごプロジェクト(ToTCoP)」では、1600組を超す乳児双生児の縦断研究を2005年から4年半にわたって行ってきた。これは双生児研究としてわが国でこれまでで最大規模であるのみならず、乳児・幼児の縦断コホート研究としても比類のない規模の研究である。

(生後) 36ケ月から48ケ月にかけての、問題行動の一側面である「情緒的問題」(SDQにより測定)の変化量と、親の養育態度との関係をみると、親が冷たい態度や強い身体的・心理的統制や厳しいしつけなど、ネガティヴな養育行動をとるほど、情緒的問題におよぼす遺伝的影響の個人差が大きく反映されることが示された。逆に、暖かく柔軟なポジティヴな養育行動のもとでは、情緒的問題の遺伝分散は小さく、その結果、個人差も余り大きくない。トルストイが『アンナ・カレーニナ』の有名な冒頭で表した「幸福な家庭は皆同じように似ているが、不幸な家庭はそれぞれにその不幸の様を異にしている」の様相を遺伝的に呈しているかのようである。このことは、厳しすぎるしつけが、ある種の遺伝的な傾向を待つ子ども(eg.引っ込み思案だったり不安傾向が高かったりする子ども)に対しては必ずしも有効ではないことを示唆する。

 子どもの問題行動と親の養育態度との関連は、子ども自身の多動・不注意傾向とも関連があることが指摘されている。すなわち多動・不注意な子どもは親から厳しい態度でしつけられ、そのために問題行動を引き起こすというような関連である。しかし、もともと問題行動を引き起こす遺伝的傾向がある子どもは、多動・不注意傾向とは無関係に、そもそも親から厳しいしつけを受けやすいのかもしれない。

ここで、およそ6歳の時点での親を対象とした調査から、子ども自身の多動・不注意傾向(SDQにより測定)の遺伝的な差異が親のネガティブな養育行動と子どもの問題行動(やはりSDQにより測定)との間の因果関係にどのような影響を及ぼしているかを調べた。その結果、多動・不注意傾向が遺伝的に低い子の場合、子どもの問題行動の遺伝的性向が親のネガティブな養育行動を引き出しているのに対して、多動・不注意傾向が遺伝的に高い子の場合、親のネガティヴな養育行動が教諭運環境(共有環境の誤植?)としての引き金となって子どもの問題行動をもたしていることが示された。

 初めに述べたように、人間の心身の発育・成長に及ぼす影響は、単純に遺伝か環境かと二分できるものではないことが、これらの研究から具体的に明らかになってきたであろう。その様相は多様性に富み、ダイナミックで複雑である。私たちが明らかにしていることは、それぞれが育児や教育への実践的示唆を待つものである。しかしそれらはこの複雑で多様な自然の有様の前では、群盲撫象にすぎないかもしれない。従って、ここに安易な一般化やモデル化をすることを敢えて避け、複雑なものを複雑なまま素直に受け止めることにとどまる勇気を持たなければならない。ここで示した現象も、年齢が変わると変化してしまうかもしれず、ましてや異なる文化、異なる社会では異なる様相を呈するかもしれないのである。

 このように、遺伝要因と環境要因の発達に及ぼす影響のあり方はしばしばたいへん複雑である。それは行動の種類によっても、環境条件によっても、また性別や発達段階によっても異なり、そして何よりも遺伝的な固有な存在である人ごとに異なる。遺伝要因を考慮せず、単純な環境神話に則った安易な一般化や法則化による育児方針・教育政策の設計が、現実から遊離してしまう危険性に気づかねばならないだろう。

 とはいえ、遺伝要因と環境要因が、このように時間とともにダイナミックに変化し、互いに交互作用し、しかもそのなかで環境要因が独白の効果を持って、子どもの心身の形成に寄与している様子を具体的に知ることは、子どもの健やかな成長のための教育環境の設計に対し、ある意味で謙虚に、そしてまたある意味で大胆に、取り組むための科学的根拠を与えてくれることになるだろう。

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