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毎度になるが、一応、女史の講演の動画のURLを貼り付けておこう
テンプル・グランディン 世界はあらゆる脳を必要としている(動画)
ではさっそく、話を進めよう。
全IQにおいてアスペルガー症候群者が特に高知能であるというデータは私は見たことがない。
上記をくつがえすデータがなければ、全IQで70を超え、自閉症スペクトラムの特質を明らかに持っていれば、アスペルガー症候群や高機能自閉症(あるいは特定不能の高機能広汎性発達障害)と診断されうるということになる。
(全IQで70以下は知的障害領域と分類されるので、ここでは触れない)
さて、手元に一冊の書籍がある。
「軽度発達障害の心理アセスメント」
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心理アセスメントに関する利用事例集なので、アスペルガー当事者が読んでもおもしろい本ではないので、心理の専門家、教師やよっぽどアセスメントに興味のある向き以外にはおすすめはできない本であることを断っておく。
ただ、この書籍にはアスペルガー症候群のかなりの数の事例が載っている。
いろんな事例があるが、特段、アスペルガー症候群者が優れているという話は載っていない。
むしろマイナス面をどうするかの方が問題となっている。
特にコミュニケーション面でのマイナス部分は生存上大問題である。
グランディン女史は自閉症児には「天才予備軍」が多数いて、その才能を開発することが本人と社会のために非常に有用であると主張するが、果たしてそれが自閉症児の育成に関して最優先事項だろうかと考えると、ちょっと違うような気がする。
確かに、数値に表れない「画像型記憶」とか「画像思考」という特徴を持つ者も居るだろう。パターン思考に優れている場合もあろう。それはそれで思考に特異な傾向を与える可能性はあるにはある。
しかし、才能開発のための「関心に対する知的刺激や芸術的刺激」よりも先ずせねばならないのは、「社会性やコミュニケーション能力の落ち込み部分のフォロー」であったり「過剰な感覚のコントロールの補助」等なのではないだろうか。
一次不安を自身の知力で解消するほど高知能な部分がある場合をのぞき(まあ、あってとても特殊なケースだろう)、全般的な能力が標準的で(すなわち全IQで85~115程度)かなりの個人内差がある場合は、能力を生かすのに必要なことは、「一次不安」の解消や、「社会的スキルの獲得」なのではないだろうかと私は考える。
仮に伸びる可能性の高い才能の芽を持っていたにせよ、二次障害を起こしては、それは使い物にならなくなる。
さらに、一次不安がうまく解消され、二次障害を防止できれば、伸びるべき才能というものは、身近に材料さえあれば、かなりの確率で自発的に伸びていくものだと思うのだ。
(そう、脳は勝手に働きたがる…)
まとめると、
「天才(予備軍)」以外のほうが多いことと、仮に天才(予備軍)であっても、その才能の発揮を阻害する要因が大きいこと推定されるならば、支援の主軸は「才能開発」ではなく「弱い部分」を支えることにあるのではないかと私は考えるのだ。
<まだまだつづく>
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おまけ
しかし一体、なんて時間に更新しているんだ!
と、自分でも思う。
この時間って、タヌキ送り出して、睡眠薬飲んで眠くなるまでの時間なんですよ。

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