テンプル・グランディン女史の講演から考えたこと(4)-アスペルガー者の知能の偏り、体力の差はとても多様だ-

第8回アスパラガスの会参加登録受付中(~7/16)

=======================

プロローグはこちら  (1)はこちら  (2)はこちら   (3)はこちら

=======================
毎度になるが、一応、女史の講演の動画のURLを貼り付けておこう
テンプル・グランディン 世界はあらゆる脳を必要としている(動画)



さて、再びこの書籍を引っ張り出す。


「軽度発達障害の心理アセスメント」

軽度発達障害の心理アセスメント―WISC‐3の上手な利用と事例軽度発達障害の心理アセスメント―WISC‐3の上手な利用と事例
上野 一彦

日本文化科学社 2005-02
売り上げランキング : 9181

Amazonで詳しく見る
by G-Tools



前回も述べたが、専門家向けなので、一般にはおすすめできない本である。


この中に出てくるアスペルガー症候群の症例データからと、わが家の持っているデータのいくつかからちょいとグラフを6つほどこしらえてみた。

(例1)
sample1.gif

(例2)
sample2.gif

(例3)
sample3.gif

(例4)
sample4.gif

(例5)
sample5.gif

(例6)
sample6.gif


普通折れ線グラフを使うが、あえてここではレーダーチャートを用いてみた。
(WISCとWAISを併記する都合上、WISCの記号、迷路は割愛した)


どれが狸穴家のメンバーのデータかはご想像にお任せするとして(訊かれても答えないよん)まあ、見てみて欲しい。


 例1は全般的に知能がかなり高い例であるが、一部落ち込み部分がある。

 例2は積み木の突出がある反面、処理速度の落ち込みが激しい。

 例3は言語性知能と動作性知能の差が著しい。

 例4は個人内差がとても大きい。

 例5は突出部分はあるものの総IQは標準値をかなり下回る。

 例6は言語性知能と動作性知能の差が著しい上に同分野での個人内差も大きい。


WISC・WAISという知能テストで測れる知能だけとっても、このように実にさまざまである。

さらに感覚過敏の特性とか、コミュニケーション能力、想像力、社会性など、さまざまな差異が加わるのだから、同じ自閉症者でも、能力の差異はとんでもなく大きい。


まあ、知能テストの標準偏差はアスペルガー症候群者では確実に定形発達者を上回るのだからして、知能の「突出部分」が大きくなる可能性は定形発達者よりも大きい。これが何かの役にたつ能力たり得る可能性はないとはいえないだろう。


ただ、再度ふれるが、自閉症児者の全知能分布が定型者と同じように正規分布によるのであれば、自閉症児者の多くが「天才=ギフテッド」であるとまでは言えないだろう。


また、とにかく多様であるがゆえに、画一的な支援というのは役に立たないのは目に見えている。
ところが、診断に使われる知能テストが弱点のカバーに直結していないから、個別プログラムを組むのもまた現状では難しい。(指導者当たり外れ、指導者のさじ加減次第だ)




さて、ちょっと方向性を変えて体力差について考えてみる。


これも当事者間で差が大きいだろうと思われる。。アレルギーの何らかの問題を持つ自閉症者が多いということは、グランディン女史の著書「自閉症の才能開発」の中で書かれている事である。


ネット上でも免疫系に問題を持つ自閉症者の話は多い。
実際に、私も息子も免疫系に問題がある。


それに加え、私などはとっても風邪を引きやすい。
6時間睡眠を5日続けたら6日目には確実に風邪を引くか体調を崩す自信がある。
(つまり睡眠不足厳禁のロングスリーパーだ)

ちなみにミチャポンとタヌキは「医者いらず」というくらいからだが丈夫だし、かなりのショートスリーパーだ。狸穴家の家の中という狭い範囲でこの差異である。


もっと広い範囲では、もっとさまざまな差異が生じていることは想像に難くない。


ここで一旦まとめると、


アスペルガー症候群者(群)が「社会的生存」をするために与えられたリソースの差異というのは、定形発達者(群)と比較して、大きいことはあっても小さい事はないだろうということだ。

そして、リソースを生かすための指導は画一的なものではとうてい間に合わないとも言えるだろう。



==============
<おまけ>

進行状況ですが(11)まで書き上げました。
ここで参考書籍の到着待ちでちょっとストップ。

三日に一度程度アクセスする方がとても多いので、
そのペースでアップしていく予定。
全部アップし終わる頃には、梅雨…明けちゃうだろな。


梅干しのつけ込みとか、
 保育所の先生との面談予定とか、
  ボーナスシーズン前のアフィリサイトのお手入れとか…
結構リアルも色々あります。



にほんブログ村 メンタルヘルスブログ 発達障害・自閉症へ
にほんブログ村
発達障害ランキング


↑ブログランキング参加してます。↑
応援の1日1クリックを



すいません
今日も亀の歩みです。

ですがその~
ぼちっと↑
お一つ






関連記事

このエントリーをはてなブックマークに追加

にほんブログ村 トラコミュ それぞれの*発達障害と共に*へ それぞれの*発達障害と共に*
にほんブログ村 トラコミュ 発達障害児を育てていますへ 発達障害児を育てています

 


コメント

脳に刺激を与えることは必要です。
作業療法や理学療法。
神経系です。
からだはヨガや筋トレで変わります。
体質も食の好みも生活習慣も。
もちろん専属のコーチが付く必要がありますが。
障害や病気が重いとそれが必要になります。
でもピアヘルパーだけでなくピアサポーターピアカウンセラーも仕事のうちです。
同じような経験をした人なら話を聴き問題を分析することができます。
そして記録をとりほかの人と連携します。
ピアは仲間なので同じく困難を抱えそれでも改善していかなければクライアントの信用を得られません。
akienさんへ
akienさん、こんには。
脳への刺激、うーん、重要なんだろうなあ。
歩くだけでも脳血流量が増えるらしいですね。
ああ、体力維持も考えないと…。

と、ピアサポートかあ、自閉のピアサポートはその多様性から運用に工夫がいりそうですね。
ってか、その辺を自助会の度に考えさせられます。
ちょっと驚いた
WAISやWISCのグラフが興味深いですね。
一般論としては、例3以降のような各下位検査の結果に大きなバラつきがあるということになっていますが、例1や例2を見る限りでは必ずしもそうとはいえないようですね。例1や2は、下位項目の違いはありますが、自分の検査結果のグラフとほぼ変わらない感じのグラフです(自分は数唱と符号が平均値以下でした)。
もちろん、判断材料のひとつでしかないので、WAIS等の検査結果だけでは何も言えないのだと思いますが、例1や例2は何が判断(診断)の決め手となったのか、興味がありますね。

続きを期待しております。
Re: ちょっと驚いた
まう?さん、おひさです。

ほんと、驚くくらい多様ですよね。
知能テストは参考程度という話を聞いたことがあります。

そういえば、私の診断時の事前聞き取り調査(心理職によるもの)は2時間×5回でした。
アスペルガー症候群者のWAISやWISCの結果が、本当に多様なので驚きました。
できれば、その結果を弱点のフォローなどにうまく繋げられたらよいのですが...。なかなか難しいようですね。
私事で恐縮ですが、私自身も下位検査の数値のばらつきが大きいことを指摘されました。
思い出せば、小学生の頃、学校で受けた知能検査(クラス全員で受ける)で、時間内に全部解けてしまう問題と、難しくて半分も解けない問題があったので、当時のほうが個人内差は大きかったはずです。
しかし、悲しいかな、当時は知的障害がなければ問題があるとはみなされなかったので...。
今の時代に診断を受けた子供たちには、適切なフォローを望みたいです。
はじめまして。自閉症者に免疫系、アレルギーに問題をもつ人もいるということですが、どんな問題か゛あるのか具体的に知りたいと思いました。

私は自閉と診断をはっきりされてませんが、かなり要素があると思っています。

そしてアレルギー体質、自己免疫疾患をもっており、かなり強い治療をしております。
そうだったのか!
お久しぶりです。
グラフを見て、出来るトコとできないトコの差を見て
自分は数学がダメだったなあ・・と。
私は検査結果を見せてくれなかったので
推測でしかないのですが数字的なものは全滅だったなと。

身体的なものも、自分は沢山寝ないとダメな事は、
身体が眠りを欲しているからなんですね。
障碍に関わらず、人間を枠に入れる事の浅ましさをかんじました。

我らがASDはオーダーメードの洋服みたいなものですな。
既製品ではダメって事。
それもまた由か。
ナートさんへ
ナートさん、こんにちは。
知能検査自体が、自閉症圏の支援にフィードバックできる形じゃないんでしょうね、
「こうだよ」と結果をもらっても、困っちゃう感じはあります。

支援に結びつくような検査ってのが欲しいですね。

みーたんさんへ
みーたんさん、はじめまして。

私も詳しいことはわかりません、ごめんなさい。

グランディン女史の著書「自閉症の才能開発」のp174でアレルギーに関して触れられています。
ドナ・ウィリアムズが、食事療法(グルテン除去食)によって感覚過敏症状の改善をみたという事は有名です。

検索すると、自閉症と免疫系の問題についてはいろいろ断片的な情報が出てきます。
関与を示唆する学術調査もいくつかあるようですが、完全に解明・証明されているという段階ではないようです。
Re: そうだったのか!
綾織さん、お久しぶりです。

綾織さんもロングスリーパーでしたか。

若い頃は私も悩みました。
で、こんな寝てばっかの怠け者ではいけない!とがんばると風邪引く…の繰り返し。

睡眠の専門医に一度相談したことがあるんですが、
「ああ、あなたはロングスリーパーなんですよ、たっぷり寝てください」と言われました。


そうそう、うちのタヌキが面白い事をいってました。

「アスペルガー者は金平糖みたいなもんだ。一つ一つのでこぼこはぜんぜん違う。でも、金平糖であることは同じだ」

とね。
はじめまして
テンプル・グランディンさんの演説に感動した発達障害者としてはかなり残念な内容であると共に現実を突き付けられた気分です…。仕方ありませんよね?為になる情報ありがとうございました。

コメントの投稿

非公開コメント


ブログ内検索


サイトマップ(全記事一覧)はこちら

アスパラガスの会のお知らせ

成人ASD(自閉症スペクトラム障害)者のための自助会:アスパラガスの会 ご案内

アスパラガスの会は、大阪南部を拠点に活動する成人自閉症スペクトラム障害者の自助会です。1ヶ月に1回の集いを中心に活動しています。アスパラガスの会ホームページはこちら

第78回アスパラガスの会は2017年7月22日(土)開催です。
テーマ:気分や感情面での困りごとを思考・行動から考える(自閉症スペクトラム者の「あるある」な困りごとシリーズその3) 参加登録受付中 2017年7月10日(月)迄

アスペルガーライフblogの発達障害関連動画

発達障害の常識とやらにツッコミをいれてみる !

発達障害に関するよく言われるセリフってなんか変!

自閉症(ASD)児者の聴こえ方を疑似体験!

自閉症児者の聴こえ方を定型発達の方に疑似体験していただける動画を作ってみました。

この動画に関する詳しい説明はこちらの記事をどうぞ。

うわ!狸穴猫が本に登場してしまった
かなしろにゃんこ。さんの新刊に狸穴猫が登場します。
閲覧ありがとうございます。
にほんブログ村メンタルヘルスブログ 発達障害・自閉症へ
にほんブログ村
発達障害・自閉症
←ランキング参加してます。応援の1クリックをよろしく!

別館 自閉症スペクトラム情報館はこちら

スポンサード リンク
ソーシャルメディア
便利ツール(別館)
狸穴猫のおすすめ
管理人からのお願い

記事に関係ないコメント・個人的な相談にはお返事できない場合があります。あらかじめご了承下さい。
また、できるだけ個人的な相談はご遠慮下さい。

狸穴猫のおすすめ(その2)
RSSフィード

 

こんなページが読まれています