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毎度になるが、一応、女史の講演の動画のURLを貼り付けておこう
テンプル・グランディン 世界はあらゆる脳を必要としている(動画)
さて、(5)でちらりとふれたが、発信する当事者ばかりではないということに今回はふれてみたい。
主にここを見ている方のうち、go.jp、ac.jp、cty.~、pref.~というドメインからお越しの皆さんに考えてみて欲しいことを綴ってみる。(アクセス解析みたら結構おいでのようで~)
さて、開始。
ある障害に関する理解を社会に訴えるのに、当事者や家族からの発信というものは、ある面必要欠くべからざるものであると考える。
グランディン女史の著作や講演も典型的な、障害当事者の発信である。
さて、その有りようだが、近年いろいろと状況が変わってきている。
ちょっと昔なら、当事者団体をまず作りそこから発信するというのが多かっただろう。
当事者本の出版や、講演などというのもまた発信の手段である。
だが、今の社会、個人が情報発信するのはシステム上は容易である。
そう。ブログやホームページなどを持てばいい。
昔のように団体作りや書籍の出版というハードルをクリアする必要は必ずしもないのだ。
であるからして、障害に関するさまざまなことをWEBで発信するアスペルガー当事者も数多くいる。障害関係専門のブログやホームページを作るというスタイルもあれば、他のジャンルの記事の合間にたまに書くというスタイルもある。
そういった意味では、私もまた「発信するアスペルガー当事者」ではある
また、自分のブログやホームページなどを持たなくても、他者のブログのコメントとして何らかの意見なり見解を述べることもできるし、掲示板等に書き込むこともできる。
だが、ここで着目したいのは発信するアスペルガー当事者よりも発信しないアスペルガー当事者の方がはるかに多いだろうということだ。
実際、自助会を運営していても、ブログなどで自ら発信している参加者は意外と少数派である。
さて、ここから何を言いたいのかというと、「発信しない当事者」の存在を忘れてはならないと言うことだ。
容易になったとはいえ、当事者が障害に関する情報を社会に発信するためにはさまざまな条件をクリアしなくてはいけない。
具体的には、
・書くための時間の確保
・書くネタの確保
・書くことに耐えられる心理状態
・書くための文章作成能力
・場合によっては家族の理解
などである。
もちろん単に発信したり主張したりするのがあまり好きでない当事者もいる。
が、何かを発信したいという思いがあってもこれだけのハードルがあるのだ。
WEBによるアスペルガー当事者の発信が増えてきた現代、当事者の現状や見解などを見聞きする機会は拡大している。
しかし、その多くがアスペルガー当事者個人の現状を伝えるものであり、アスペルガー症候群者の全体像を示すものではないということに留意して、発信された情報を受け取る必要があるだろう。
特に、発信しない当事者のうち、障害のタイプや程度、二次障害の程度によって、発信したくてもできない当事者の存在があることを忘れてはならないと私は思う。
蛇足ながら付け加えると、当事者からの発信を読む上で、アスペルガー症候群という障害では障害の特質上、「認知の偏り」や「こだわり」がある場合もあるのでその点にも留意する必要があるだろう。
(とまあ、アスペルガー当事者から反発を食らいかねないこともあえて書いてしまうのが私自身こだわりなんだろうねえ…とも思う)
Web上にはアスペルガー当事者の現状を理解する上で、参考になる発信も少なくないだろう。だが、特に公的機関の方や支援者の方には、上記のような点について留意した上で、当事者の発信というもの読んで欲しいと思う。
<まだまだ続く>
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ついでに最近疑問に思っている事を一つ。
アスペルガー当事者のWebでの発信っていうのは、他の障害者の発信に比べ、「自伝的」なものがとーっても多いような気がするのは何故かなあ?
と、考えてる。
「幼少期のトラウマを抱えたまま成人した人が多いのかなあ」と考えたのだが、それを
ツイッターでつぶやいていたら、ある方から、「自分の事をかけば攻撃ととられないので安全」という意見も頂いた。
正直、まだコレだ!という結論に至っていない。
そのうち突っ込んで考えてみようと思う。
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そうそう、左のサイドバーに増えたブログパーツで、気がついていた方もいたかもしれませんが、ツイッターはじめました。
というか、ツイッター自体は情報受信用にだいぶ前から使っていたんだけど、ちょっと思うところあって「つぶやき」にトライ中です。
見つけた資料、読んだ書籍の簡単な感想とか、考え中の事などをスローペースでつぶやいています。
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