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毎度になるが、一応、女史の講演の動画のURLを貼り付けておこう
テンプル・グランディン 世界はあらゆる脳を必要としている(動画)
さて、今シリーズも佳境に入ってきた。
私の今回の脳内パズルの主要なピースである「社会的生存」について考えていくことにする。
「社会的生存」という用語をまず定義しておかねばならないだろう。
私はここで、「社会的生存」=「社会機能の一部を担って生きていくこと」と定義する。
引きこもりや、福祉の手を借りるだけ、または親のすねかじり、財産の食いつぶしだけですなわち、消費的活動のみで生きていくというのは、「社会的生存」にはならないと思う。
だが、仮に稼いでいなくても、主婦として家庭の維持や子育てをするとか、地域活動、ボランティア活動(当事者活動も含む)などで社会の機能の一部を担うならば、それは「社会的生存」をしているといえると考える。
この「社会的生存」が円滑に行えていないアスペルガー当事者は少なくない。
では、どうして円滑に行えないかというと、それが障害の障害たる所以であるともいえるのだが、本来の障害そのものよりも、「鬱」「不安障害」等の「二次障害」によって、円滑さが損なわれているケースも多い。
さて、「社会的生存」のありようについて、経済部分はちょっとおいておくとして、どういうありようがあるのか?。
活動の対象に関していえば「人」←→「物」
活動の性質にかんしていえば「創造」←→「維持」
という分類軸が浮かんできたので、ちょっと図を作ってみた。

個々の障害の質に応じて、適正な位置で活動できるならば、ストレスは少ないだろう。
つまり、それだけで、不適応現象を起こす可能性はかなり減少するだろう。
アスペルガー症候群者では、生来の「社会性の障害」「コミュニケーションの障害」があることから、図の右よりの部分での活動は困難を伴うことが多いし、ストレス度が高いだろう。
逆に、左よりの部分で活動するならば、円滑に活動できる可能性は高くなると思うのだ。(下図)

さらにその能力に応じた活動の複雑性・関心の高い分野などを加味して考えていけば、自閉者がより円滑に「社会的生存」をすることができるのではないだろうかと考える。
実際、社会で活躍している自閉者の多くは、左よりの領域での活躍が多いと思う。
(グランディン女史の立ち位置は、左上の領域とみて間違いないだろう。)
また、万一、図中の右よりの領域での活動を余儀なくされる場合でも、立ち位置の見極めができていれば、あらかじめその負荷を予測し、自閉者に適した方法で(本人なり支援者なりが)対策を打つことができるのではないかとも思うのだ。
<まだつづく>

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