テンプル・グランディン女史の講演から考えたこと(10)-アスペルガー症候群者の困難とは-

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このシリーズも長くなってきた。正直言って疲れて…くるわけない。
なぜなら、もう1週間も前にすべて書き上げているからだ。


ついでに言うと、最近どういう訳だか筆が進むので、
このシリーズ以外にため込んで放出待ちをしている記事が数本ある。


疲れるのは読者の方かもしれない…と、アクセス数を見ると結構最近多いですねえ。

固い記事につきあってくれている読者様に感謝!である。


プロローグはこちら  (1)はこちら  (2)はこちら   (3)はこちら
(4)はこちら  (5)はこちら  (6)はこちら  (7)はこちら  (8)はこちら
(9)はこちら

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毎度になるが、一応、女史の講演の動画のURLを貼り付けておこう
テンプル・グランディン 世界はあらゆる脳を必要としている(動画)



講演ではあまり困難について触れられていないのがちょっと不思議だった。
それなりに女史にも困難はあったはずだ。


なんてことをつらつら考えていて、
アスペルガー者の困難とは何だろう?…というところでまた脳みそが立ち止まった。


 社会性の障害
 コミュニケーションの障害
 想像力の障害


なんてのが診断上はあげられるが、社会生活をしていく上での困難はもうちょっと具体的な形でみていかないと適切な学習や適切な支援には結びつかない。

思いつくまま列挙すると


 予測(見通し)がつかないと不安になる
 対人間の関係構築・維持が苦手
 マルチタスクが苦手
 優先順位をつけるのが苦手
 援助を求めるのが苦手
 感覚過敏(鈍麻)
 過集中による弊害
 処理速度が遅いことがある
 協調運動の困難があることがある
 家庭生活の維持における困難(特に定型発達者の家族との)
 …

併存する場合のあるADHD、ADD的特徴

 多動
 片付けられない
 気が散る
 …


まだあるだろうがこの辺でやめておく。


ちょっとこのあたりを考えるのに役に立ちそうな資料を見つけたので挙げておく。

「職場で使える『虎の巻』発達障がいのある人たちへの八つの支援ポイント」
http://www.city.sapporo.jp/shogaifukushi/tora/
(札幌市)
雇用者側と被雇用者側、双方の視点でトラブルを見ているのが画期的だ。

発達障害のある人の雇用管理マニュアル
http://www.koyoerc.or.jp/dd.html((財)雇用問題研究会)
Q&Aのトラブル例がとても具体的だ。


ともあれ、困難はかなり多岐にわたる…。


職場でその全てに配慮を求めるとしたら人的コストの大幅増大を招くといわれても仕方がない。障害者枠での採用なら雇用者に補助金も出るが、手帳がとれないケースでの一般就労の場合はことは切実である。コストが賃金に響くことあるだろう。


となると、ある程度は、障害当事者本人の自助努力によって困難を軽減あるいは困難を回避していく必要性に迫られる…ということになる。



さて、一旦細かくしたことろで、再度ぎゅーっと集約してみる。


アスペルガー症候群者の困難の大元というのは


「”自分”の使い方をわざわざ習得しなければならないこと」
「”社会(他人)”との接触方法をわざわざ習得しなければならないこと」


なのではないだろうかという考えが浮かんできた。


社会にそこそこ適応して生きていく為には


「自分操縦マニュアル標準版」や「社会・対人学習マニュアル標準版」
がデフォルトで脳内にインプットされている定形発達者よりも、

かなり多くの事を意識的に学ぶ必要性に迫られる

のだ。そして、作るべきマニュアルは、「カスタム版」である!




それこそが、困難の本質なのではないだろうか?


ついでに…


習得する手間だけでも負荷が大きいんだから、
せめて参考書くらい豊富にあって欲しいものだ…



そんなことを考えた。



<つづくよん>



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コメント

さすが、文献探して来られましたねぇ!

これは猫さんが以前書いておられたことですが、体力の比較的乏しめなタイプ人間がいる。

実は私、今日、強烈な眠気と全身の痛みで仕事を休んでしまって自己嫌悪に陥りまくりなんです。こういった体調管理の下手なタイプのAsと雇用側はどこまで妥協点を話し合うかも重要やと思います。私の場合、こんなに職場に迷惑をかけてしまったと後悔してることが、全然職場の皆様に伝わってないことが悔しいです。

デジタヌ様とミチャポン様が羨ましいです。
あ・・・
参考書欲しいです~~~~~
「カスタム版」

発達障害の人が何が困るかって、自分自身の問題を客観視し、整理、分析、更に問題点についての攻略法をつくり、試してみて結果を考察、問題があれば再トライ・・・という過程が個々によって違うことでしょう、しかも人によっては「上記のこと」が出来ないから障害なのに、そのことに対して周りからの支援が得られない。

もっとも後天的にできている部分はあるのですが、それが人によってまちまちなので・・・。

はじめまして。
ブログ村から初めてこさせてもらったのですが、常々首をかしげていた事がスッキリと書いてあって、なんだか霧が晴れたような気がしました。
私は当事者なのですが、成人の発達障害についての情報は少なく、そしてあっても難しくてよく分からず、モヤモヤを抱えてすごしていましたが…自分操縦マニュアルが要る、という表現がとっても分かりやすくて嬉しくなってしまいました。今まで困難やハテナを人に相談しても誰にでもある事と言われたりもして、じゃあなぜみんなは「普通」にやっていけるの?って思っていたんです。
今私の生活の困難さは発達障害より躁うつ病にあるので、病院ではそれにかかりきりですし、私はかなりマニュアルを無意識に作っていたので、病気がなくなればわりかし上手に暮らせるのですが、それでもやはり他の人に説明不可能なハードルが結構あったりもするので、少しずつでも狸穴猫さんのブログなど読んだりして、勉強してナントカしていきたいなって思いました。
ありがとうございます。
参考書、私も欲しいと思います。
今は学童期の子どものフォローでいっぱいいっぱいですけど…
子どもに対する支援や配慮をお願いする時、
ある程度の社会性があるとスムーズに事が進みます。

私は周り(多数派)に合わせた演技でもいいと思うんですよ。
ただし、演技には台本と練習が必要。
自分の為のカスタムマニュアルを
マニュアルを簡素化できたらもっといいのですが、私の場合、広辞苑何冊分かの対人マニュアルを脳みそに抱え込んでしまったもので、疲れきってぶっ倒れてしまいました。


今は、だいぶ簡素化してとりあえずぶっ倒れないようにはなりましたが…。


以前にコメントと似たような考えの記事を書いているのでTBします。
わーさんへ
ありゃ、全身の痛み…それはたいへん!お大事に。

>全然職場の皆様に伝わってないことが悔しいです。

伝えるための技術ってのも課題のひとつだねえ。
最近「伝わる」とか「伝える」とかについて考察中、ちょっとまってね。
Re: あ・・・
> 参考書欲しいです~~~~~

作りましょ、協力してくれ~!
さかいさんへ
資料を見ていると、支援側もがんばってはいると思いますよ。
ただ、個々の問題事象に関して定型者は定型者の見方しかできない。
アスペルガー者の側にたった問題解決の方法にこなれてないんですね。

客観視が結構でかい問題かなと最近考えています。
せめて客観視する為のツールが欲しいところですねえ。

セルフチェックシートがあればいいのかなあ…とふらふら考え中です。
Re: はじめまして。
ウマナリさん、はじめまして。

成人発達障害に関する情報…ホント、不足していますねえ。

特に成人発達障害者が「使える」情報というのが少ない気がします。
偉いさんの本はみーんな外から眺めた特徴を述べるにとどまっていると思いますね。
当事者本は自伝的なものが多いし…。

雇用関係の方はわりと熱心なんだけど、かゆいところに…まではいっていない。

支援側と当事者側がもっと手を携える必要を感じます。
絢未さんへ

> 私は周り(多数派)に合わせた演技でもいいと思うんですよ。
> ただし、演技には台本と練習が必要。

うん、うん。
それと適切な台本を選ぶためのフローチャートが欲しい。
Re: 自分の為のカスタムマニュアルを
広辞苑何冊も…は無茶だよね。

簡素化ツールを考え中っす。
重なるところはそれなりにあるはずだから。

うちは当事者が多いのでサンプル拾いやすい(爆)

それを元にアンケートでもこさえて、精度を上げていくってのを考えてます。
形になったら…このブログでアンケートやってもいいかも。
マニュアル
意識していろんな場面で応用の利くマニュアルを作っていかなければ、分厚いマニュアルになってしまいますね。
私は、進学や就職、新しい人付き合いなどの度にマニュアルが増えてしまい、やはり倒れてしまいました。
普通の人のように過ごすマニュアルじゃなくて、無愛想だが悪い人ではない位を目標にマニュアルを作ってれば良かったと思いました。
Re: マニュアル
コーヒーさん、こんにちは。

ああ、確かに目指すところによってもマニュアルの厚さは異なりますねえ。

私個人は「ちょっと変わった人だけど悪い人じゃない」程度のところに落ち着けてます。
そのあたりだと自己矛盾も少ないので、負荷は少ないです。



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