テンプル・グランディン女史の講演から考えたこと(11)-職業or立ち位置を見つけるために-

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毎度になるが、一応、女史の講演の動画のURLを貼り付けておこう
テンプル・グランディン 世界はあらゆる脳を必要としている(動画)


さて、さっそくはじめよう。


アスペルガー症候群者が社会のどこに立って活動するのが適切なのか?
その指針というのが残念ながら出回っていない。

グランディン女史が講演中で挙げた職業というのは、プログラマー、学者、ジャーナリストなど、(少なくとも一部領域において)かなり高知能のアスペルガー者に限局して可能な職業だ。

グランディン女史はこんな本も出している。


アスペルガー症候群・高機能自閉症の人のハローワークアスペルガー症候群・高機能自閉症の人のハローワーク
(2008/06/17)
テンプル グランディンケイト ダフィー

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良くできた本だと思う。(アメリカ社会が前提ならばという限定つきだが)
職業探しの実際などは、とても参考になる。
目から鱗の部分も結構あった。


が、


職業カタログは高知能が要求される職業が並んでいる。
(まあ、女史はギフテッド児を主とした対象にしているんだから当然といえば当然だろうけど)


となると…


これを天才(予備軍)でないアスペルガー当事者が「金科玉条」のように思ってしまうと


「そんなにオレ才能ないよ」
「こんな事、私にはできない~」


ってな具合になってしまいやすいだろう。
二次的鬱の原因にもなりかねない。


年齢がいっていれば「現実的に不可能」と判断せざるを得ない場合も多い。


(アスペルガー児の親にとっては嬉しい本かもしれない…夢が見られますから)


とにかくそのハードルの高さにへこんでしまうアスペルガー当事者も少なくないだろう。


かといって適切な指針となるべき地図がない。

ならば作ってしまえ。

と思ったらこんなんできましたぁ。
(図がうまく書けない…3軸のグラフのつもり)


zu-3.gif



この中でどこに自分が位置するかがすなわち社会的(職業)適性ということになるだろう。
できればこれを計量化して、各種職業と結びつけておけばいい。


現状の位置がある場合(就業等している場合)


「適性の位置→現状の位置」のベクトルが「負荷ベクトル」ということになり、
その逆のベクトルが支援に必要な「支援ベクトル」となる。

(※注:この支援ベクトルには自助努力の分も含まれる)


だが、さすがにこれ以上は私の手に余る。なにせ心理測定法に関しては専門的的知識がない。


計量化された評価システムを専門家が作ってくれるのを期待する。


(ac.jpドメインからお越しの研究者、院生のみなさん、よろしく!)


ま、当座、各職業の専門家の意見を聞きながら、各軸6~10段階程度で、半定量的に順位決めだけして作るってのも一つの手だろう。3次元なので1行3列の行列としてパソコンでの整理が必要かなあ…。(でないとビジュアルに結果を見れないし)


というわけで、立ち位置を見つける為の指針作りの指針?を提案してみたところで本稿終わり。


<でも、まだ続くよん>


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おまけ

ときどき、息子や友人に
「あんたってどういう風にモノを考えてるんだ?」
って聞かれるんですが、だいたい2~3次元のグラフとか、その中の散布図やベクトルとかで考えてます。

統計って大好きです。
正規分布のグラフとか、シグモイドのグラフとかってきれいで好き♪




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コメント

私は…
アスペルガーの人が立ち位置を見つけるには、自分が少しでも興味が持てる分野を探すことから始まるのではと思っています。


私も、今のスーパーに勤めようと思ったのは、元々食べ物に興味があったからです。


そういえば、話はずれるのですが、食玩の発売日がいち早く知りたくてバイトに来た子が過去にいてました。
その子、今では違うスーパーの社員さんになって大活躍してます。


こんなところからでも立ち位置が見つけられるんだなぁって思わされる出来事でした。
RE:私は…
こんにちは。

そう、興味…そこからはいるのがベストでしょうねえ。

できればジャンルが先だと私も思います、んで、あとから適性との相談。


ただ、「興味って言ってもないわな~」ってケースも多々あると思うんですよ。そんなときは逆のアプローチも有りだと思います。

私の場合、「ぜーったい、半隠遁生活を維持しながらできる仕事で」…ってのが先にあって、今の仕事をしています。

(ま、いまはその条件って崩れつつあるんですが、脳みその調子も良くなってきてるので)

いずれにせよ、調整に必要なスケールはあった方が良いかなと思うわけですね、はい。
職業適性としては、自分に合っているのですが、生活していけるだけの収入が得られません(泣

工場、倉庫内作業関係の仕事は今や「ワーキングプア」の代名詞です。

しかも、Wワークをするだけの体力も無い。
(健康な人でも時には過労死につながります)

正社員であれば収入も安定しますが、「管理職」として従業員を指導する立場になるので、コミュニケーションに難点のある、高機能自閉症者には難しいでしょう。

私の見聞きした限りでは、派遣労働者の中には、発達障害者(未診断)がかなりの割合でいるようです。

(不器用・コミュニケーション下手など、「もしかして」と感じさせる人を何人も見ました)

非正規雇用で働く私たちに必要な支援とは、ズバリ「賃金アップ」&「雇用保険加入を認めること」です。
ナートさんへ
うーん、収入の問題は切実ですねえ。

どうしても現状の職業構造そのままでは、軽作業系が多くなるってのは確かに問題としてあると思います。

正規雇用につけない人も多いようですね。

障害者枠で就業すると給料は低め…というのも当たり前化しているようです。

基本的なコミュニケーション力が身についていれば管理職も必ずしも不可能ではないと思うのですが…。

昔なら「偏屈だけど腕のいい職人」で稼げていたタイプのASDの人がはじかれちゃっているってのは問題ですねえ。

うーん、問題だ。…どうやったら雇用創出できるんだろ。

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