厚生労働省が自閉者の雇用にダメだししている?!(2)

お盆だ。
仏壇飾りも完了、大掃除もした(上っ面だけ)?
ま、とりあえずいつ来客があっても大丈夫なようにはなっている。
あとは料理くらいだ。
ああ、久しぶりに主婦したぞ。


申し訳ないが、コメントの返事は当分保留とさせていただきます、ご了承のほどを。


さて、


前回の記事は単発で終わらせようと思ったのだが、ちょいと調べてみると、さらに書きたいことが増えてしまったので、(2)を書いてしまうことにする。

厚生省のYesプログラム(若年者就職基礎能力支援事業)は平成21年度で一応事業が終了したようである。
経緯については不明。
ただ、平成16年から運用されてきた若年者就職基礎能力の目安の影響は残るだろう。

Yesプログラムは終了したが
職業能力評価基準については現在も依然、策定・整備が続けられている。


さて、この「職業能力評価基準」なぜ策定されるに至ったのか、かいつまんで説明しておこう。


はじめはなんと小泉政権にさかのぼる。

平成13年の閣議決定による総合雇用対策が発端になっている。

この中間とりまとめとして、、民間活力を活かした多様な職業能力開発機会の確保・創出に向けた環境整備の一貫として、民間活力を活かした多様な職業能力開発のための基盤整備の目的で、「職務の明確化や能力評価基準の策定に対する支援を推進する。 」

というのが出てくる。

この時点では、あくまで民間事業といった印象である。
そして、「職務の明確化」とセットになっている。


だが、法制化された時点でどうなっていたかというと、概略図はこうなっている。

どう見ても国が社会基盤整備としてやるような印象だ。
はて?と思って雇用対策法(改正)を見てみると…


第十七条  国は、技術の進歩の状況、円滑な再就職のために必要な職業能力の水準その他の事情を考慮して、事業主団体その他の関係者の協力の下に、職業能力の評価のための適正な基準を設定し、これに準拠して労働者の有する職業能力の程度を検定する制度を確立し、及びその充実を図ることにより、労働者の職業能力の開発及び向上、職業の安定並びに経済的社会的地位の向上を図るように努めるものとする。



いつの間にかが社会基盤の整備の一貫として評価基準を設定する事になっている!

さらに「職務の明確化」の文言はこの法律には入っていない

どういう経緯かはわからないが「民間」の仕事を国(厚生労働省能力開発局)が横取りした形だ。


ともあれ、評価基準はさまざまな企業で利用されているし、厚生労働省も中央職業能力開発協会(一応民間
大企業の重役が理事に名前を連ねている)を通じて、普及を促進している。


どうも「職務の明確化」の1項目がはずれたことで、どの職種にもまたがって「意欲」とか「コミュニケーション能力」が出張ることになったのではないかということではないかと思える。


確かに、近年、若者のコミュニケーション能力の低下ということが言われている。
企業が問題にしているのも確かだ。

だからといって厚生労働省がそれをやれば、国家が率先して自閉者排除をしているという誹りは逃れられないだろう。

これでは排除構造の二重化の問題もはらんでくる。

ただでさえ、集団から排除されやすいのが自閉者である。
それを、職能的にも排除すべきとしてしまうのは、いかがなものか?(いいわけない!!)


これが厚生労働省=国のやり方か!

と思うと腹も立ってくる。

ただ、それに対するセーフティネットがしっかりあるのなら話は別だ。


「排除するなら金(年金)を出せ」
「自閉者の雇用枠を他の障害とは独立して確保しろ」
「自閉者にもできるスキルアップの方法を提示しろ」



だったりする。


「可能なスキルアップ」で対処できるのが一番だ。


しかし、「職務の明確化」なしに、基礎能力として「コミュニケーション能力」「チームワーク能力」が求められるのであれば、それはほとんど無理難題であると言えよう。


答申では「職能型職場」を目指したはずが、いつの間にか従前通りの「仲間型職場」を前提としたシステムができあがっている。


(これが法制の官僚による骨抜き化なんだろうなあ)


実際、国立職業リハビリテーションセンターのサイトを見てみても、適応支援の具体的なプログラムには触れられていない。

職業生活に求められる知識や技能の学習を通して、精神的な耐性や適応力の向上を図ると
ともに、長期にわたる職業訓練の受講を支えるための、相談や環境調整を図ります。



という案内のみだ。

「精神的な耐性の向上」にはもう笑うしかない!

「精神的な耐性」で済まないから障害なのだから!。



このように、セーフティネットのない中で、高機能の自閉圏者は生きて行かざるを得ない。

寄り集まるのが難しいのが自閉者の特徴である。

しかし、こと、この件に関しては、ある面、なんとか力を合わせて政府に働きかけていく必要があるのではないだろうか。

また、支援者にもこういったことを考えてみて欲しいと思う。



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コメント

少し本題とはそれますが、「うつ病」は会社側に打ち明けた場合、配慮してもらえる時代になりました。

しかし、「実は高機能自閉症と診断されまして...」などと、人事部に相談しようものなら、次の日から居場所が無くなることでしょう。

もちろん、そのような事はしませんが...。

確定診断されても、(今のところ)メリットが無いです。

情報提供??
労働法制と発達障害者
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-c5e5.html
>発達障害者支援法法はほとんど発達障害「児」が対象で、大人の就労する発達障害者は対象になっていません。
一方で、労働局の個別労働関係紛争の実態を見ていくと、これは発達障害が原因ではなかろうかと思われる事案が結構見られます。
このあたり、労働研究者と精神医学とのつながりがあまりないこともあり、きちんと突っ込んだ検討はあまりされていないように思われます。

綾屋紗月さんの提起される疑問
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/05/post-85e7.html
>別の文章などで述べたメンバーシップ型の縮小と凝縮が、それまではそれほどでもなかった「人間力」の要求をそれまで以上に高まらせたことが、その背景にあるのかも知れません。
もちろん、発達障害の社会的「発見」と時代背景とのつながりなど、考えておくべきポイントは山のようにあります。
このあたりは、わたくしも一知半解でものを言ってしまう危険性を常に意識しながら慎重に考えをめぐらせる必要があると思っていますが、切り込むことに値打ちのある分野であることだけは間違いないと感じています。いろいろと勉強しながら、少しずつ考えを深めていければと思っています。

ヒゲ達磨の私見
雇用される側だけでなく、雇用する側、管理職側にも目をやる、見ておいたほうが良いのではないか?

業務内容を確化しているジョブ型の雇用は、変化に応じた業務の割当、組み立てやモチベーション維持などにメンバーシップ型よりも高度な管理能力、「人間力」を要すると思います。

メンバーシップ型がうまくまわらなくなり、ジョブ型に変化しなければならないとして、管理側・雇用側に高度な管理能力をもった人がどれ位いるでしょうか?管理側に要求される「人間力」の向上への取組みは
こんにちは。
厚生省のYesプログラム参加していました。
私が参加したプログラム(大阪労働協会主催)では、コーディネーターの方が良く理解されている方でしたので、プログラムの意義や疑問点を聞けば答えてくれる。という、かなりお得な環境でした。
今は、労働協会の別のプログラムに参加しています。
疑問点に答えてくれる方がいる環境は、ストレスが低くてすみます。
(しかも理解できるように話してくれるのです!)
で、狸穴猫さんの疑問。Yesプログラム終了の経緯について聞いてみました。
大元は厚生省から委託を受けた外郭団体が行っていたそうです。(実施機関は公募)
そこでしていた別のプログラムが、経費はかかる・結果は出てない・金の使い道が不明瞭・ついでに仕事は他に丸投げ。というよくある仕事ぶりi-195
で、案の定事業仕訳けされたのですが、何故かついでに一定の効果が出ていたYesプログラムも廃止。という経緯だそうです。(しかし外郭団体は残っている)
【厚生省のYesプログラム】という縛りがなくなったので、就職支援プログラムのカリキュラムの組み方の自由度は上がった。しかし、補助金等が少なくなり、カリキュラムを減らさなくてはいけなくなった。と言っていました。
今現在は支援する団体やコーディネーターさんの努力に寄っかかっている部分が多いので、レベルもまちまちなのが実情なのだとか。
(実際参加したプログラムによっても、実感しました)
参加していてフィードバックできることも多いのも確かです。
ナートさんへ
メリットといえば手帳が取得できれば障害者控除をうけられるくらいですねえ。
確かに、今はまだ、会社に言ったら引かれるのは間違いないし。

オープンで就職できる程度に、認知が広まって(妙な排除なしに)くれればいいですねえ。
Re: 情報提供??
読みました。

あきまへん、「人間力」でつまってしまいました。わたしには概念が広すぎですぅ。

要は今の社会には職場内リスクマネジメントの概念がたらんということでしょうかね。

がんもさんへ
Yesプログラム自体は自閉者の役にも立ったということですね。

廃止にはそんな経緯があったとは…。
なんか事業仕分けくさいなとはおもっていましたが…。

情報提供ありがとうございました。

欧州技能・職能・職業分類 こういうのが有ると良いのでは?
欧州技能・職能・職業分類
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/post-20bf.html

(European Skills, Competences and Occupations taxonomy (ESCO))

>何千もの職業に必要な技能、職能、資格を示すESCO
>ESCOの職務記述は、自分の技能を示し、訓練やキャリアガイダンスにも使えるので、求職者、求人企業双方に有益だ。
>ヨーロッパの場合、各国レベルでは企業を超えた職業や技能の定義が確立していますが、国境を越えると共通性が必ずしもないので、それを共通化しようという取り組みですね。その目的は「労働力の自由移動」の障壁をなくするということにあります。日本の場合、職能の定義が各企業ごとになっているので、それをどうするかが先ですが、キャリアマトリックスに対する冷たい視線からも窺われるように、そういうことにはあまり関心はなさそうです。

ヒゲ達磨の私見

ASDが就労する一つの方法は、自分に適した、適合できる職場に出会えるまで「移動」を続けることだと思います。適合できないと思ったら、その会社を辞めて、別の会社に移っていくのです。

その「労働力の自由移動」を実現するためには、日本でも技能・職能・職業分類があると良いと思います。

また就労を志しても、どのような職能を持っていれば良いのか、不明確で困っています。特に職能の定義が各企業ごとに異なるため、困難が増しています。
この分類のように必要とされる技能、職能、資格が明示されていると、到達すべき山の頂がわかっていると、意欲も出ます。

>日本の正社員の雇用契約とは、「職」を定めない「空白の石版」<>従って、正社員になることは就「職」ではなく、入「社」(会社のメンバーになること)<なので、そうした職務無限定・メンバーシップ型のメリットを享受してきた雇用・企業と企業内労組の両者に、こうした技能・職能・職業分類への取組み、熱意を求めるのは、木に魚を求めるようなものなのでしょうか?

その必要とされる技能、職能、資格の曖昧化が、不採用や解雇になると、>会社の中に存在するあらゆる職務を、命じられれば的確にこなせる「能力」<>職務能力「ではなく」人間としての性能<を査定されて、人間が劣っていると判断されたと受け取られ、定型発達者でも人格が蝕まれていく。ASDは、そう診断された時点で、半人前、二級市民扱いされるから、余計に堪えます。先天的な脳の発達障害と言う「自分では何ともならない要因によってそもそも選抜されない不条理」の底に沈んでしまいます。

必要とされる技能、職能、資格が明確なジョブ型就労・雇用は、ASDには向いていると思いますが、いかんせん、雇用・企業も同僚(企業内労組)も、職務無限定・メンバーシップ型に馴れきっている。

EUの全言語で利用できるようにする意図されている欧州技能・職能・職業分類は、求人企業側にもEUの全言語とまで行かないまでも多言語でのコミュニケーション能力や、必要とされる技能、職能、資格はあるが様々な経歴をもった文化的背景の違う、いわば一癖も二癖もある人と上手にコミュニケーションをとって仕事を回していく管理能力を求めると思います。「労働力の自由移動」とジョブ型就労・雇用はセットであり、そうなると、様々な経歴をもった文化的背景の違う人を相手にしなければならないのは同じだと思います。

職務無限定・メンバーシップ型は同質性が前提ですから、このような全く異質な人を相手に上手にコミュニケーションをとって仕事を回していく管理能力は、鍛えられません。>外国人「労働者」政策を否定する20年の帰結<の一つが、こうした異言語で文化的背景の違う人と共に働く能力の未形成だと思います。

また、ジョブ型は>個人のノルマや職務の厳格な遂行に<こだわる事をもとめると思います。その一方、その職務は「社内分業」の一環であり、意味・効用をもつのは「顧客を満足させる」といった全社的な、会社の社会的機能に繋がるという共同性が必要です。>個人のノルマや職務の厳格な遂行<というタコツボに引き篭もりやすい労働者を、そういった共同性に立ち戻らすコミュニケーション能力が雇用・管理者には必要だと思います。

従来の日本の職務無限定・メンバーシップ型では、この共同性、職場の共同性は>共同を拒絶するような労働者が「ヤツラ」として排除の対象<>みんなが長時間労働しているのに一人だけ抜け駆け的に先に帰るヤツを憎む<といった同僚による、時には管理者が主導する私的制裁=いじめによって担保されていたと思います。

ASDは、タコツボに引き篭もりやすく、>個人間の自律的な共同<は感じにくいし、>一人だけ先に帰る<ことをやりやすい、そのうえコミュニケーションの障害を持つので周囲の空気が解らないので、排除の対象になりやすいのです。メンバーシップ型の管理者に親分肌というパーターナイズム(父権)的温情が求められていた頃は、そうしたASDは親分の教育・説教によって”悪気はない変人”というポジションにいられたのですが、今や、管理者には>ノルマや職務の厳格な遂行<が第一で、そんな余裕はありません。

話に纏まりがないものになりましたが、日本でもEUのような技能・職能・職業分類があると良いと思います。
Re: 欧州技能・職能・職業分類 こういうのが有ると良いのでは?
ヒゲ達磨さん、こんにちは。


> 欧州技能・職能・職業分類

こういうものがあるんですね。
徹底していますねえ。

ジョブ型雇用に管理側…確かになれてないでしょうねえ。
特にホワイトカラーでは間違いなく、なれていない。

それと、日本では、職業の移動自体に×マークがつくようなところがありますよねえ。
そこをまず何とかしないといけないのかな。
>廃止にはそんな経緯があったとは…。
>なんか事業仕分けくさいなとはおもっていましたが…。

すみません、私の書き方が悪かったかも。
事業仕分けされたのは、別のプログラムだけです。
「Yesプログラムは、とってもいいプログラムなので、別のプログラムをやめてその分Yesプログラムを充実させなさい」
というのが事業仕分けの言い分でした。
しかし、なぜか両方廃止したのでした。v-19
つまり、実施機関(と厚生省)が勝手にやめてしまったのです。
理由は…なんなのでしょうねぇ。
がんもさんへ
補足説明ありがとうございます。

うーん、事業仕分けのついでに「なぜか」切られちゃった事業というものがあるんですね。
良いプログラムがなくなってしまったのは残念ですねえ。

こういった「ついで切り」みたいなものがいろいろあるのかなあ。
お役所のやることってほんとわかりませんね。

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