ということは秋は近い?
しかし暑いので相変わらず家に籠もって本を読んでいる。
完全に運動不足だ…が、その件は秋になってから解消しよう。
さて、今日紹介する本は、「発達障害チェックシートできました」という本。
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この本はかなり異色な本である。
教員用の発達障害のチェックリストは、文部省の作ったものがある(この本の巻末にも記載されている)、が、7人の養護教諭(高等学校)が文部省配給のチェックリストが「わるいとこ探し」のチェックシートになっているのではという疑問を持ち、本人が長所を自覚できるチェックシートはできないものかと、試行錯誤して作られたものと、その制作過程での議論を書籍化したものである。
構成は
第1部が「発達障害チェックシート」本体と教職員向けのマニュアル(使用上の注意)
第2部がチェックシートの制作に至までのさまざまな議論。
チェックシートは、生徒自身が答えるタイプのもの。
1「あなたのすきときらいをおしえてください」
2「授業中をおもいだしてみよう、あてはまるものはあるかな」
3「日常生活についておしえてください」
の3部構成。
どれも、生徒の「記憶」「感覚」をそのまま答える形になっており、教員の感情バイアスがかかりにくい仕組みになっている。
特に「授業中よく言われることば」「それに対する気持ち」「長所でもあるんだよ」
というあたりのチェック方法は秀逸だ。
チェックシートを「本当はいらないもの」とし、「良いところを自覚できるように」という思想が徹底されている。
このチェックシートだけでも価格以上のの価値があると思うが、
さらに第2部の制作編が読み応え十分なのだ。
障害とは?
差別とは?
普通とは?
診断の意味は?
…
とにかく徹底的に検討されている。
特に学校に存在しがちな「本音と建て前の二重構造」「差別の構造」を明らかにしているという面で他の本とは一線を画す本となっている。
さらに、「生徒と教師のすれちがい」「教師と親のすれちがい」にも焦点があてられ、発達障害児をもつ親御さんの悩みに向き合った実例とともに、どうすればその「すれちがい」を防げるのかにまで言及されている。
学校教員向けの本ではあるが、学校サイドとのすれちがいに悩んでいる親御さんにも十分に参考になる内容だと思うし、発達障害当事者が読んでも、つい、押されがちとなる世間的「障害感」を払拭できてスッキリできる本であると思う。

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