今年も残すところあと12日となってしまった。
クリスマスなんて嫌いよ!正月準備の邪魔じゃない!
ケーキだけ買ってきて済まそうよ~!!
という私の主張があっけなく退けられた今年は、忙しさが倍増している。
タヌキはといえばクリスマスソングを新しく買ったトランペットで吹く準備に余念がない。
結果、私が移調譜作りをやらされる…トホホ。
さらに、どういうわけか病院がよい等々、年末準備以外の予定も妙に混み合っている。
障害者手帳の更新手続きまであった…(すっかり忘れていた)
しかし年末はなぜか更新したいものが増えるのだ!
というわけで、なんと本日2本目のエントリだ。
さて、続けよう。
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今回は次の三つについて…
4.相手の気持ちが推測できるか?
5.相手の気持ちに配慮した発言・会話が可能か?
6.相手の気持ちに配慮した行動が可能か?
このあたり、どこまでできてどこまでできないのか…、けっこう支援者であってももわからないから、アスペルガー症候群者が誤解を受けやすいのではないかと思う。
4.相手の気持ちが推測できるか?
感覚的に判りにくいという事については前稿で述べたが、さて、感覚的に判りにくいものを感覚以外の手段を用いて判ることができるかということが問題になる。
私の場合は…というと。
「気持ち」「意図」に関する情報が感覚的にはまるで伝わってこないから、とにかく知識と思考を経由していろいろ判別するしかない。「相手の持つ背景等を加味してのの推測」や「ボディランゲージの”知識”」を意図的に総動員して推測し、擬似的に「判る」に近い状態を作り出している。
ま、結論から言えば、「推測は可能」だが思考に負荷が思い切りかかる
といったところだろう。
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さて次、
5.相手の気持ちに配慮した発言・会話が可能か?
6.相手の気持ちに配慮した行動が可能か?
この二つは一緒に語ってしまおう。
実は…、難しいが実現は不可能ではないだろうという考えだ。
この作業をアスペルガー症候群者がやろうとすれば、
a感覚的に判らないものを思考に負荷をかけて「判別」する。
にプラスして
b感覚的にあまり持たない「会話パターン」「行動パターン」を覚え込み
c得られたデータから「当たり障りのないようなパターンを」会話や行動の際に適用していく
ということになるのではないだろうか。
結局、人と会って会話するなんてことをする場合は、相当むりやり集中力を投下しておいてはじめて最低限の情報処理と「当たり障りのないパターン対応」をするのに速度がぎりぎり追っつくか?(いや、それでも何歩ずれるかもしれないが…)という感じである。
正直…やり続けるのはかなり疲れる。
難易度としては 会話<行動 だが、いずれにせよ簡単ではない。
が、定型発達者が多い場で、この作業に手抜きをすると「排除」「ダメだしの嵐」の危険が常につきまとうので、けっこう負荷が高い。
過剰適応になりやすいのもこのあたりだ。
さらに…
「自然でない…正直でない…嘘をついているようだ」という後ろめたさも持ちやすい。
私自身、20代半ばまでは、そういった感覚でいた。
ついでに言えば、正直、何故か笑いたくなる。
どういう事かというと…ある日の我が家の会話を例にあげよう。
ヒイロ: 風邪引いたかも…。
狸穴猫: 年末に風邪なんか引かないでよね、うつったら大変じゃない。
ヒイロ: はいはい。
ヒイロ: …でも、普通はこういう会話にならないでしょうが。(笑)
狸穴猫: じゃ、もう一度やるかぁ(笑)
大丈夫?早めにクスリ飲んで暖かくして寝るのよ!
ヒイロ: やめろ~、気持ち悪い~。それにやるのはこっちだ!!
狸穴猫: そうか、じゃ、もう一度やろう。
狸穴猫: 年末に風邪なんか引かないでよね、うつったら大変じゃない!
ヒイロ: なんてひどいこと言うんだ!少しは心配くらいしたらどうだ!
狸穴猫: だめだ、やめよう!腹がよじれる。(笑)
ヒイロ: 了解(笑)。(…既に腹がよじれている)
どうも定型さん的配慮ある会話?は「わざとらしい」ように感じてしまい、
わが家では笑いののネタになってしまう。
ついでに言うなら、ここに悪気の介在しようがないのは明らかだろう。
と言うことである。
「後ろめたさ」が吹っ切れて、なおかつ適切な訓練を積めば、5も6も「ある程度…最低限」は可能になるアスペルガー症候群者はいるだろう。
(わらいたさをこらえる必要はあるだろうが…)
定型発達者社会にある程度適応しながら社会生活を送るには、その疲れる作業をやっていくことがある程度求められる。
それはまあ、必要なんだろうが、障害の程度に応じては、ある程度その作業を軽減する必要はあるのかもしれない。
とにもかくにも、一瞬の親子漫才ならともかく、
一日中、それも真顔でやっているのはめちゃくちゃ「疲れる」のだ。
(私の場合はまずは半日でダウンだ…)
どこかでそのストレスを解消する必要がある。
負荷ばかりが高くなりすぎれば、心理的に追い詰められる。
そう、二次障害の原因にもなるということだ。
そこで必要なのが「理解者」の存在だ。
定型発達者に「配慮」した行動をとろうとするときにアスペルガー症候群者にかかる「負荷」について、もっと多くの人に理解して欲しいと思ったりする。
特に家族や支援者には是非理解して欲しいところである。
そして家庭内、あるいは支援を受ける際には、あまりその手の負荷のかかる作業が少なくできればベストだろう。
(その点、うちみたいに家族みんなが自閉系というのは楽は楽である、家の中ではストレスフリーなのだから。)
さて、ちょっと散漫になったが、結局言いたいことは何か…といえば、
アスペルガー症候群者にだって「人の気持ちはある」!
だが、定型者とは感覚がおおいに違うために、定型者には「人の気持ちに対し配慮がない」ように見えやすい
ということである。
また、
「定型者の気持ちがわかるように見える」という面でアスペルガー症候群者が社会適応をよくすることは、「心理的、また思考上の負荷の増大との微妙なバランス」の上で成り立っているということを、家族も含めた支援者の皆さんに理解していただければなあと思うのである。
さらに言ってしまえば、
アスペルガー症候群者には「定型発達者にはわかりにくいであろう」感情・感覚もある。
それについて
素直に表現をすればぶつかる。
主張を避ければ当たり前と思われる
だけでは、ちょっと寂しいものがあるなあと思うのである。
<本稿終わり>
★さて、ちょっと宣伝
狸穴家の面々がテレビに登場します、見てね!
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◆NHK総合テレビ 2010年12月22日(水)08時15分~
あさイチ キラキラ40コーナー内
(狸穴猫が出る部分の放映は9時頃の予定…こっちはちょこっとだけ)
◆NHK教育テレビ 2010年12月22日(水)20時~
福祉ネットワーク キラキラ40
人づきあいクライシス-大人の発達障害(1)-
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