なじむ・なじめる・なじめない・なじまない

アスペルガー症候群のもののうちいったいどの程度が「周囲となじむ」という感覚を有しているのだろうか?


おそらくはアスペルガー症候群者諸氏においては「周囲から浮く」という感覚を「周囲となじまない」と置き換えて理解しているだけで、「周囲となじむ」という感覚を持つものは少ないであろうと思われる。


今回はこの「なじむ」という感覚について考えてみる。


多数派の世界には「周囲となじむ」という感覚があるらしく、これは非常に好ましいものとして受け取られているようである。


これはこの「周囲となじむ」という感覚が、すなわち「あいまいな集団への帰属感覚」として捉えられていることにより、帰属感覚による安心感ともつながる事によるものであろう。


このため、多数派に於いては「周囲となじめるか」という問題は非常に大きな集団対人関係上の課題と捉えられることになる。「周囲となじめない」はすなわち、「集団のなかで不安感をもったまま過ごさなくてはならない」ということになり、非常なるストレスを多数派の人々にもたらすのだ。


つまるところ多数派の人々は常に「周囲となじみ違っている」ということになる。


「周囲となじめない」ことにより、不安・うつ等を引き起こすことも多くあるようである。これはアスペルガー症候群者における「周囲から浮いてしまう」ストレスとは明らかに別なものである。アスペルガー症候群者のそれは「なじまない」であって「なじめない」


また、多数派の集団は「周囲になじんでいない」とおぼしき人物に対し、「なじむ」ようにといろいろと働きかけをしたくなるようである。「いっしょにいるよう声かけをする」「共同の行動に誘う」、こどもであれば「ちょっかいを出す」ということもあろう。


それはアスペルガー症候群の人間にとって大抵は迷惑以外のなにものでもない働きかけである場合が多いが、彼ら多数派が「なじむ」ことに多大なる(アスペルガー症候群者から見れば過剰にしかみえないかもしれない)価値を見出しているために生じる現象なのである。


我々アスペルガー症候群者にとって問題なのは「その働きかけ」にどう対応するかであるが、その働きかけに対しては適当に同調行動をとる・微笑む等、「なじんでいる」感をアピールした方が無難である。


そうしなかった場合「帰属への拒否」と解釈されかねないのである。


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