親子アスペルガー―ちょっと脳のタイプが違います 兼田絢未著
実はこの本はかねてからネット上でのおつきあいのある方の著書だったので、安心して予約していた。ま、簡単な話、駄本であるはずはないというわけだ。
読んでみて、駄本で無いどころか、大当たり!というわけで、これは紹介するっきゃない!というわけだ。
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さて、スタート。
この本の著者はアスペルガー症候群当事者だ。そして息子さん二人も。
そんな家庭の中で日常どういった工夫をしているのか?
どうやってアスペルガー症候群という障害と向き合って生きているのかの実録である。
この実録が実に生き生きと描かれている。
障害と向き合うというと、「がんばって立ち向かって」というイメージになりやすいが、そういったイメージからはかなり遠く、息子さん達とのエピソードの一つ一つは実はほほえましく感じられる。
ちょっとした言葉の言い方一つでトラブルになってしまう。
ちょっとした思いこみで自分を縛ってしまう。
なにかと自己評価が下がりがち…
そういったことに関して、著者が「アスペルガー症候群である」という診断を一つの光明として、いろいろ工夫をし、なかばふらふらしながらも、子ども達の健全な精神を守ろうと奮闘している姿が印象的だ。
兼田さん自身の子ども時代を振り返る部分もとても興味深い。
ぶっちゃけ、この本、感動の一冊であるのだが、感動しただけで終わりにして欲しくはない本だ。
ちょっとえげつない表現をとるならば、この本は
「アスペルガー症候群児者の自己評価の下がっていくしくみ」
が実録として明解に描かれ、かつ
「すんでのところでそこから脱出していく」過程を
具体的にとったスキルやツールとともに描いている書籍であるとも捉えられる。
幼児~学童期のアスペルガー症候群児をお持ちの親御さん、そして幼保・学校教員の皆さんには是非読んで欲しい本である。
※著者の兼田絢未さんのブログ「にじいろ家族の小さな幸せ」はこちら。
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さて、書評というよりもうちょっと砕けたところで…
実はこの本を手にとって読み始めて、まず「がーん!」となった。
「私ってガキの頃なんて脳天気で何も考えてなかったの?」
である。
どうやら、私はかなりアスペルガーが多い家系(つまりは怪しい人の多い)のなかで生まれたためか?そうでなければ自己評価を落としやすいポイントから巧妙にそれて育っていたようである。
こんな風に、ありありと「自己評価」が下がりそうになる様を見せつけられると「そうか…、家庭環境によってはASD者の自己評価は簡単に下がる訳だ」というのが「ぞ~っ」と伝わってくる。
これがかなりショックで「がびーん!」である。
アスペルガー症候群者の二次障害…これは私が思っていた以上に深刻だ…。
家系という子育ての伝統に支えられていない場合、自己評価が下がるポイントは生活の随所に転がっているということになる。これは、定型者を親に持つ場合だけでなく、アスペルガー者を親に持つ場合も生じうる…。
アスペ児をもつということは、親にとっても場合によっちゃ相当な負担となりうるということが、片鱗でも理解できた気がする。

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