今月の書評1発目である。
のっけからなんだが、
前記事からの続き記事でもあるので、できれば前記事からお読みいただきたい。
前の記事「表情…このあつかいにくいもの」はこちら
さて、問題の書籍であるが、
ヒゲ達磨さんからコメント欄でご紹介いただいたこの本だ。
一瞬の出会いでチャンスをつかんでいる人の 顔グセの法則 | |
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何かちょっと惹かれるところがあって、ご紹介いただいて即、アマゾンで注文。
2日ほど前だったかな、届いてから一気に読んだ。
この本、「~の法則」なんて言うタイトルから、なにやらうさんくさい「成功論」の本っぽいにおいがしないでもない。
が、アスペルガー症候群者の表情トレーニングに、かなり役立ちそうな本なのである。
内容の概要というと
「好感を持たれる笑顔とは」
「顔グセの直し方・笑顔のトレーニング方法」
「好感を与える立ち居振る舞い」
「顔グセのセルフチェックリスト」
「顔グセを直した人のサクセスストーリー」
「笑顔がいかに重要であるか」
「顔グセを直すための心得」
(必ずしも書かれている順番ではないので念のため)
などである。
最初の4つについてははっきり言って役に立つ!
どこをどうすれば「感じのいい笑顔になるのか?」、とてもシンプルにポイントを書いていてくれるので、アスペルガー症候群者にもわかりやすい。
練習方法も具体的に図解してある。
ただ、この本、アスペルガー症候群者にとっては若干の危険がある。
「顔グセを直すための心得」が説かれている部分だ。
「悪い顔グセをしていて申し訳なかったと思い真摯に反省しよう」
ってなことが書いてある。
この部分を真顔にとるとウツまっしぐらになりかねないので注意が必要。
特に既にウツを煩っている人には気をつけて欲しい。
この部分だけは華麗にスルーする必要がある!!
そして、アスペルガー者はスルーすべきなのだ!
ちと考えて見よう。
アスペルガー症候群は他者の表情が読むのが苦手であるという障害でもある。
だから、他者の表情の模倣もしにくいし、他者の反応からフィードバックして表情がどうあったらいいのかを自然に学ぶことはほぼ不可能。
そう、そこが障害なのだ。
ということは、反省する必要なんかさらさらないのである。
ここだけ注意して読めばこの本はイケる!
活用すれば表情で損をしないようにできる可能性はかなり高いと思う。
さて、この本、もう一つおいしいところがある。
「こういう顔はこういう風に解釈されがち」
という事例が多数載っているというところである。
巻末のセルフチェックリストの解説部分、それから本文のそこここに
「定型者はこういう表情をこう理解しやすい」
という具体的な例が多数記述されているのだ。
正直言って、私も驚いた。
「定型さんはこんなに表情からいろいろ判断するんかい?!」
である。
そして、これをちょっと反転させれば、他者の表情の読み方マニュアルにもなるというわけだ。
というわけで、この本は「人に表情を誤解されやすいな~」「他人の表情ってわからないな~」と思っているアスペルガー症候群当事者諸氏に是非読んでみて欲しい対策本である。

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