ライフスキルから「配偶者がアスペルガー問題」を考える

この間紹介した本「アスペルガーのパートナーがいる女性が知っておくべき22の心得」(書評はこちら

4902082101アスペルガーのパートナーのいる女性が知っておくべき22の心得
ルディ・シモン エマ・リオス
スペクトラム出版社 2010-11-26

by G-Tools



に唯一ふれられていなかったポイントに気がついた。

それはライフスキルである。


 自分で役所に行けないとか
 銀行の手続きができないとか
 ちょっとした日曜大工ができないとか
 料理ができないとか
 皿洗いができないとか
 買い物ができないとか…
 子守ができないとか…
 …




こういった問題のないことが、結婚して生活していく上ではどうしても必要なことだ。


アスペルガーのパートナーにそれができるか否か、それもうまくやっていけるかの非常に重要なキーポイントなのではないだろうかと考える。

そして、この手のライフスキルを身につける機会を逸しやすいのもアスペルガー者の一つの特徴ではある。


実は…苦い思い出がある。

前の亭主(やはり自閉圏)は、ことごとくこれらができなかった。



風邪で私が寝込んでも、ひたすら食事が出されるのを待っている。

あげくの果てに「まだ治らないの」と言ったりもする。

当然、皿洗いもしない。

「治ってからでいいよ」と優しい顔でのたまう。


おい、やってくれよ!とぶち切れる気力もうせる。



何度か、なぜ料理や片付けをしないのか聞いたことがある。

そうしたら、

「俺がやると失敗するから」


という答えが返ってくるばかり。


はっきり言って自己肯定感が低い男だった。

とにかく仕事以外のことは何でも私に全面的に押しつけた。

(実をいうと仕事も半分は押しつけてきたのだが詳細は省く)

風邪をこじらせて気管支炎を起こした時も、料理、買い物をし、雨の中、私は息子を幼稚園まで送ったりしていたものだ。


まだ息子も小さかったのでなすすべもなく動かざるを得ない。


さらに…釘一本打てない、電球一つ取り替えられないのだった。

電球を取り替えたり、ちょっとした棚を吊ったり、耐震金具をつけるなども全部私が自分でやった。

嫌がる理由を聞くと、


「失敗するから」


ここで思うのは、前の亭主には


「失敗を恐れる」→「何もやらない」→「できるようにならない」→「さらに自己肯定感が下がり失敗を恐れるようになる」


という悪循環回路があっただろうということだ。


歴史の話に限ってはおもしろい男だった…が、いざ生活するとなると支障だらけ。


ま、うまくいくはずもない。
私も何度もぶち切れた。
そして…(理由はこれだけではないが)…離婚にまで至った。



さて、タヌキ(今の亭主)はというと、何でも自分でやりたがるクチ。

今の仕事は時間的にも体力的にも余裕がないので家事はあまりやらない状態だが、
かつて別の仕事をしていたときは時間と体力にさえ余力があればなんでもやっていた。

料理(チャーハンと鯖の塩焼き定食が得意メニューである)から、日曜大工、パソコンのメンテナンスまで一通りの家事は任せられる。

同じ自閉圏でもえらい違いなのだ。



何でも自分でやらなきゃいけないと思うとうっとうしさ倍増というものだ。



とするならば、アスペルガーのパートナーのライフスキル。これは結婚生活をうまくやっていくための必須項目なのである。


そして自己肯定感が低ければライフスキルが学びにくくなっていく。


ライフスキルを身につけるのに必要なだけ、自己肯定感が高いことは、アスペルガー症候群者が結婚生活を送る上で必要不可欠なことなのだと思うのである。







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コメント

はじめまして
こんにちは。はじめてコメントさせていただきます。hakaseと申します。HPいつも興味深く読ませていただいてます(頑張って遡って全部読みましたー。ぜーはー)。

今回話題の「ライフスキル」。ものすごくすっきり、かつ適切な言葉遣いで思わず納得してしまいました。同じ内容の事を私はこの20年ぐらい「実務処理」と要約していました。

私、頭はよく回るのですが、ものすごく限定的な回り方で、家事とか事務手続きとか電話とかの生活の上での実務処理が苦手だったんです(今はだいぶ適応してますけど)。なのでHNもhakaseと。半分揶揄してです(笑)。

ま、私も自分の脳みそ大好きなので、悩んだりはしてませんけどね。長く生きている間にそれなりに世の中の人々の動きや考え方にも馴染んできました。

どうぞこれからもお見知りおきくださいませ。
狸穴猫さんそんけーしてます。
自己評価
「失敗するから」と自己責任を認めて家事をやらない人は可愛いと思う。私の夫は「責任ある仕事を任されていて、家事する体力が残っていない。家事する男は責任ある仕事をしていない。」と言い張る。
 家事が出来ない→出来ない理由を正当化する→自己評価を高める…こんな人もいるのを分かって下さい。私の場合は、親に否定されて育ったので自己評価が低い→家事が出来る様になりたい→少しは家事が上達→もう少し上達したい…となります。
 家事が出来ないのを正当化する配偶者ならば、家事を担当する配偶者を、馬鹿にするので精神的に辛くなります。
はじめまして。
いつも興味深く拝見をさせて頂いておりますが、コメントをさせて頂くのはお初です~。m(__)m
自身を自閉症スペクトラムなのではないか?と感じているtttと申します。m(__)m(未診断ですが、今月の18日に専門医を受診予定です)

今回の日記を拝見して一つ疑問に思ったのですが、前の亭主さんは「失敗するから」という理由でライフスキルを獲得出来ていなかったとのことですが、狸穴猫さんが前の亭主さんに「教えてあげる」ということは試みたのですか?
「わかりやすく教えて」あげて、「失敗しても責めない」姿勢で接していたら、前の亭主さんもライフスキルを少しづつ獲得していけたのではないかな?と、感じまして・・・(そんな余裕が無かったのかな・・・)
それとも、「教えてあげるからやってみて」とお願いをしても、前の亭主さんが受け付けなかったのでしょうか?
後者なら埒が明かないですが、前者ならうまく工夫をしていくことが出来そうな気がしたので・・・
何より、「失敗するのが怖くて出来ない」ことで自尊心が低下し、前の亭主さんご自身が一番ツライ状態にあったのではないか?と心配になったのです。(--)
でも、もし違ってたらゴメンナサイ。m(__)m
Re: はじめまして
hakaseさん、はじめまして。

記事全部…お読みいただいたんですか!?
ありがとうございます。

私も実行速度が遅いクチなんですよ。
実は洗濯した物の山にはいつもおびえています。
Re: 自己評価
世田谷花子さん、はじめまして。

そのタイプの方はより大変かもですね。

表現と内面的な自己評価が一致しているのか…
どうなんでしょうね。


Re: はじめまして。
tttさん、はじめまして。

何度も教えようと手を変え品を変えトライしましたがだめでしたねえ。
結果、息子は家事万能に育っちゃったんですが…元夫に関しては大失敗。

元夫がつらい状態にあったのは確かでしょうが拒否感があまりに強く、
言い出すたびに毎回大騒動になってしまうので、
こっちの根気がさすがにもちませんでした。

で、生育段階で得る基礎的な自己肯定感というのが大事だと感じた次第です。

なるほど~
なるほど~、それでは埒があかないですね~(--)
実はワタシもライフスキルが低くて悩んでいるのですが、誰に相談をしたら良いのかわからず困っています!(>_<)
思えば母もライフスキルが低かったような・・・(母も何らかの発達障害なんだろうな~)
こういう家庭で育つと、基本的なライフスキルが身に付ついていない場合もあるんですよね・・・どう解決したら良いものか・・・(>_<)
納得~
わたしにとっては実にタイムリーな記事です。
今回話題の「ライフスキル」。ものすごくすっきり、かつ適切な言葉遣いでわたしもすっかり納得してしまいました。
自己肯定感が低い(低すぎる)とライフスキルを身につけるどころじゃなくなる。そのように実感してます。自己肯定感がどれほど大切なのかを身につまされています。
>「失敗を恐れる」→「何もやらない」→「できるようにならない」→「さらに自己肯定感が下がり失敗を恐れるようになる」
>そして自己肯定感が低ければライフスキルが学びにくくなっていく。

うわ、これ耳が痛いですね。
ついでに、「失敗の水準」が違うので、定型はOKでも「自分の中では失敗」なので、成功が自己肯定に結び付きにくく、あまり褒められると“逆に馬鹿にしてるんじゃね?”って思ってしまうほど不信感が強いというオマケ付きです。
不信感が強いのは、自分はOKでも定型から見ればNGでこき下ろされて自尊心を散々傷付けられた経験から来ています。
こんなんじゃ、何かを学ぶモチベーションなんて保ちようがありませんね。

現代社会には、ASの『自尊心』を必要以上に傷付けない環境、社会的リハビリティーは最低限必要ですよ。
現状では、このタイプの人間をピンポイントで国(厚労省)が(職から)排斥してるんですからね。
現代社会の構造に「人権擁護(救済)法」なんて必要ないけど「アスペルガーの人権擁護(救済)法」は思い切り必要です。
Re: 納得~
たっつんさん、こんにちは。

あら…タイムリーでしたか。
ほんと自己肯定感は重要だと思いますねえ。
で、なくしやすいのもこれと…。
通りすがりさんへ
はじめまして…かな?

確かに厚労省がコミュ力重視、暗黙知重視でいってますからねえ。
そこんとこは何とかしないといけない部分だと思いますが産業構造がこうも第三次産業に偏っているとどういった解決策があるのか…悩ましいです。
枯れ果てそうです
ライフスキル...内容を読んで愕然としました。これもアスペの一端なのですね..。
夫は多分、間違いなくアスペです。それにやっと気付いてこの本を読んで、頭が真っ白になって、自助会を探していてここを見つけました。
今まで必死で向き合って戦ってきたのに、単にアスペで、仕方のないことでこれから一生私が全て悪者で、怒鳴り続けられ、全てを私一人が丸抱えで生活していかなければならないことに絶望感ばかりで呆然としています。これまでの12年。返して欲しいというのが本音です。もう取り返しがつきません、これからどうしたいのかも考えられません
こんばんわ。

書きこんだ人の事情も詳しく知らないし、立場もまったく違うので
わかったようなこと書くと、不愉快に思われるかも知れませんが・・・
通りすがりの、まったくの他人が、たまたま読んだ感想だと思ってください。


だんな様がアスぺだからって、そんなに絶望されると
ちょっとショックです・・・。

だんな様がアスぺだったからって、
奥さんが悪いということはないですし。

アスペルガーとか、名前が知られるようになった一方で
どうも 悪いイメージが一般の人たちに広がり過ぎてる気がします。
まぁ それはそれとして・・・

だんな様はずいぶん乱暴な方のようですが
原因がそうだったとしても、その人はその人なわけだし。
奥さんが悪者ってことではないと思いますよ。
障害者(相手側)がわるい。ということも多々あると思います。

ASD者やPDD者といってもいろいろな性格の人がいますし。
奥さんを怒鳴るような人は、障害者だろうがなんだろうが悪いものは悪いです。
もちろんルールに反すれば障害者でも犯罪になります。

たしかに本には
「障害だから仕方ない」とか「悪意があるわけではない」と書いてあるんですよね。
でもそれは あくまで行動とか症状のことです。
どっちが悪いとか、間違ってるとか、
そういう心の善悪の問題について書いてあるわけではないと思いますよ。
そもそも障害者の対処本は、あくまでマニュアルにすぎず、
人の気持ちを理解してくれるものではありませんから。

ちなみに
今まで、原因がわからなかった人が
発達障害の 対策本を読んで
「ああ、こうすればいいのか!」と原因がわかって、納得する人もいます。
本来、そこまでできる立場の人が読むような本ですので・・・
まったく障害者とか支援とかに縁がなかった人が 本だけ読んだら そりゃ絶望するわな。と思いました。
たいていの人は
本人の気持ちや、考え方の問題だと思ってるだろうし、
そういう意味で納得できる答えを求めているのでしょうから。



ゆんさんの 事情はわからないので恐縮ですが・・・
あなたが自分を責める必要はないし、ひとりで抱え込む必要もないんじゃないかな?
と読んでいて勝手に思いました。

なんでもかんでも「障害者だからわるくない」
ということはないですし、
もしだんな様がそうだったとして
あなたの生き方や人間性を否定されたわけではないと思いますよ。

もちろん手に負えなければ、
たとえば投げ出すような行動をとっても
あなたが責められるような理由はないと思います。
障害者は専門の支援施設とか、訓練所にまかせたほうがいいですし。

・・・言うだけ言って
具体的にどうしたらいいか?っていわれても言葉もないんですが。
もうしわけありません。

わたし自身、障害もあるのですが支援の仕事もしているので
(ほかの障害者に仕事おしえたりしてます)
あまり絶望っていわれと
当事者や支援してる人たちも、絶望的な気分になってしまうので。

あくまで感想文です。






配偶者がアスペルガーの苦しみを聞いてもらえる場所をずっと探していました。アスペルガーの人を決して差別、軽蔑している訳ではありません。ただ、自覚のないアスペルガーの人(主人)が距離の近い人::配偶者とか仕事仲間::にどれだけ迷惑をかけ、いゃな思いをさせてしまっているか、と言うことを解って頂きたいのです。私の場合、結婚して暫くして「何か変だな?」と思っていました。堂々とトンチンカンなことを言い、自分の間違い、失敗を認めず、それは全て他人のせいだと思っていること等、色々です。子供が産まれてからも全く変わりませんでした。一から百まで指示をしないと何もできません。しかも、同じ状況であってもまた一から百まで言わないとダメなんです。それに疲れて、もう頼らなくなりました。下の子が中学生の時、不登校になりました。その時にアスペルガーの冊子をもらったのです。子供用の物でしたが、まさしく、主人そのものでした。その頃は大人のアスペルガーについて、殆ど注目されてなく、相談できる所はありませんでした。それに、子供の事で精一杯でした。下の子が成人したら、家を出ようと真剣に考えていました。ところが、その直前、突然倒れ、仕事ができない状態になってしまいました。今は地獄の日々を過ごしています。そこまで追い込まれてしまっている人がいることを解って欲しいです。

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