しかしながら、なぜ相手と視線をあわせるのが苦手かという事についてはあまり話がない。
で、ちょっと考えてみたのだが、表情理解ということと関わりがあるのではないだろうか?
先だって書いた書評(表情分析入門)でもちょっと触れたが、定型発達者はとんでもなく多くの事(感情や意志といった類であるが)を他者の表情から読み取っているようである。
で、その情報と言語情報をあわせて相手の本心を推し量り、本当に言いたいことを読み取って会話をしていく。
しかしながら、表情に関して、繊細な読み取り能力は少なくとも私にはないし、多くのアスペルガー症候群者で他人の表情が読めない(少なくとも読み取りにくい)ようである。
何も読み取れないから、さして重要とも思わず、相手の顔を見ずに話したりしがちでもある。
(現に総員アスペルガーの我が家では、人の目を見て話さない事の方が多いし、それで何も問題は起こらない。)
となると、相手と視線が合う…これはちょっと一大事なのである。
見ても何も読み取れないからこそ、見るところに困るのだ。
さらに…、
小さい頃から教師等に、
「人と話すときは目を見なさい!」
とか言われてきたが、実際目を見ると、
「その反抗的な目は何?」
と言われたりという災難が起こる。
逆に、ぼーっとしていて、
「何睨んでるの?」
と苦情を言われたり…という災難も起こる。
(上記は筆者の実体験だ。)
こうなるとさらに他人の顔を見る時どうしていいかわからない。
相手の目を見るのが怖くすらなってくる。
そうはいっても、そうとばかりもいっておれない時がある。
はてさて…話すときに相手のどこを見たらいいのか?
結局、パターン的に目を見たり見なかったり、鼻や眉間や口のあたりを見てみたり…
と適当にお茶を濁すように視線を移動させていくくらいしかできないのである。
また、視線や表情から情報が入ってこないから、視線や表情のアウトプットもまた苦手である。
定型発達者なら、他者の表情を自らの表情にフィードバックして、学習していくのであろうが、アスペルガー症候群者の場合、
読み取れない
→ 学習されない
→ 一般的な視線・表情表出ができない
(→ 何考えてるのかわからないと言われる)
のコースをたどる事になるのだろうと思う。
これで、他人と顔つきあわせているのが億劫にならないはずはないと思ってしまう。
が、これといって解決策はない。
定型者と話すときは定型者に違和感を与えないようにするために
「適当に見ているふりをする」
以外にないのではあるが、果たしてそれが良いことなのか?
…私には正直いってわからない。

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