中学生の頃、自分の脳みそがかわいくなって以来、脳みそを活用する事に執着してきた。
実感としては、脳は無意識も含めて、活用可能であるし、適度な負荷をかけることによって何らかの発達をしていくと思っている。
だから発達障害であったとしても、私は脳みそをあきらめていない。
簡潔に表すと三十一文字でこんな感じ。↓
二次障害 なければただの変な人 できることなら結構あるよ
こういう私にとって「待望」ともいえる本を見つけた。
(といっても去年の6月発売だったが…)
というわけで、本の紹介をするとしよう。
活かそう発達障害脳/長沼睦雄 著
![]() | 活かそう!発達障害脳―「いいところを伸ばす」は治療です。 長沼 睦雄 花風社 2011-06 by G-Tools |
この本はタイトルにもあるように、「発達障害者の脳みそ活用法」の本である。
最新の脳科学・神経科学と発達障害者の脳みそをリンクさせる情報が満載。
ちょっと字が細かいが、対談形式の本なので非常に読みやすい。
会話の流れが自然なためだろうか、難しい内容を扱っているにもかかわらず、ホイホイ読み進む事ができる。
目次をあげておこう。
第1章 「発達障がい」を脳から説明してみよう
第2章 脳汁の話―発達障がいと薬物治療
第3章 「いいところを活かす」のは治療です
第4章 脳の連携プレイを活かそう
第5章 脳みそのかたちを知る―発達援助につなげるためのアセスメント
各章、とても読み応えがあり、脳みそフェチとしては大満足…なのだが、これだけでは書評にならないのでもう少し詳しくいってみる。
特に印象に残ったのが、脳について考える範囲を無意識にまで拡張し、発達障害を「高次脳機能障害」の一種として考えるという切り口。
この切り口を用いる事によって、「特性をどう活かすか」という問題に解決の糸口をつけている。
この視点によって脳の機能向上やコントロールのの手段がさまざまに考え得るといったことが担保されるのだからこれは大きい。
というわけで、当然のことながら、この本のあちらこちらに、脳を適度な活動性にコントロールする身近な手段や、脳の機能を発達させる身近な手段が記述されている。
また、詳細な脳機能のアセスメントからの「支援」+「自己改善」の方向性についても解説しているので、単に脳機能の解説にとどまらず、実地で役立つことに直結している知恵がふんだんに盛り込まれているのも頼もしい。
さらに特筆すべきは、脳と身体の関係について、かなり詳細に触れている事だ。
身体からの発達障害児者の機能改善については感覚統合療法などが有名だが、それを含めてさまざまな方法論があることだけでなしに、身体からのアプローチと脳機能との関係について、新たな知見をふんだんに紹介している。
また、著者は診療上、アセスメントを非常に重要視しているということで、その多岐にわたる分類(それも支援直結の!)も紹介されている。
その一つに、とても役に立ちそうな発達障害理解のための新しい概念がある。
「刺激敏感性(HSP)」と「刺激追求性(HSS)」
この2軸で分類することによって、今までより格段に細かいアセスメントが可能になるというものだ。また、この二軸の性質と自律神経系の関係についての説明もなされている。
ま、とにかく「これでもか」というくらい、脳科学に裏打ちされたいろんなアプローチが飛び出すので、
「発達障害は治らない→打つ手がない」という罠
に落ち込まずに済むという点でも、非常に頼もしい本である。
当事者本人、発達障害児の親御さん、支援者のいずれにとってもとても役立つ本であることだけは間違いないと思う。
…
実はこの本、ちょっとだけ惜しいなあと思うのが表や図が少なめだということ。
視覚優位の発達障害者としては図や表にまとめてあったらもっと脳みそに入りやすいのに~!と思う。
ただ、これはこの本の編集者と私の脳みその脳みそのタイプの差(文字型の継時処理タイプ(編集者)←→イメージ型の同時処理タイプ(私))なのだと思うので、そこは仕方のないところなのかもしれない。(…ということもこの本からわかった!)
…などと思っていたら、長沼氏作成の図表中心のいい資料がWEB上にあるという事をツィッターしてて教えてもらったので紹介しておく↓
http://homepage3.nifty.com/aries/dd-new.pdf
この本を読むときに併用すれば、図表が好きなタイプの人がより理解しやすく、印象に残りやすくなるかもしれない。

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んですよ~!
…
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おひとつ。