しかし先週二つの会で勉強してきて気づいたことをまとめ挙げたい欲求に駆られて脳みそだけは活動意欲満々。
さて、いってみよう。
先週「伝わるように伝えること」という記事を書いた。これで扱ったのはは「当事者→定型者」への「伝える」の流れについてだった。
今日取り上げる「伝える」は、「定型者→発達障害児者」への流れについて。それも「定型の親御さん→発達障害児」の部分をクローズアップしてみる。
土曜日の会で特に思ったのは、「言語が通じていない!」ということ。
つまり定型保護者の発する言葉はこと自閉圏の当事者児には伝わりにくいのだなあということだ。
その「伝わらない」は生活会話レベルで多々発生しているということにもかなり衝撃を受けた。
そして、親御さんは伝わらないことにいら立ち、落胆し、つい声を荒げてしまうご自身を責めてしまう。
保護者の方の話を聞いていて「こう言えば伝わりますよ」ということを伝えたくなってうずうずしたが、残念ながら時間がなくて話すことはできなかった。
だが、いろんなことを考えさせられた。
定型の親と発達障害の子の親子関係がぎくしゃくする例はしばしば見受けられるが、その原因の多くが、日常会話レベルからの、親側の「伝わらない」と子側の「わかってくれない」のループが起こっているのではないかと思うに至った。
これはなんと悲しいことだろう。
人間誰しも「伝わる」が信頼関係の基礎だと思う。
となれば、日常伝わらないことが多くなればなるほど相互の信頼関係が成立しにくくなる。
そして、幼児期~学童期までは「伝わらない生活」でもそれなりにやり過ごせるが、込み入った意思疎通が必要になってくる思春期以降問題になってくるのだろう。
親側は「子供がわけもなく反発ばかりする」ととらえ、
子側は「わかってくれずに押しつける」ととらえてしまいがちになるのは当然といえば当然だ。
ここまで来るとなかなか修復も困難になる。
そうならないためにも日常の「伝える」が重要だと思うわけだが、
さて、日常会話ですれ違いの発生する場面を考えてみよう。
親「早くお風呂に入りなさい」
子「え~、なんで~?」
(早くっていつ?理由もよくわからないし…)
親「いいから早く入りなさい!」
(この子はたかがお風呂くらいで口答えして~(怒))
(あとがつかえてることくらい言わなくてもわかるでしょ(怒))
(続けて入らないとお湯が冷めるじゃない!(怒))
子「…」
(何でもってわけわからないし(不信)、押しつけるなよ~(怒)、怒るなよ~(怖))
とまあこんな感じである。
心当たりのある方もいるのではないだろうか?
こんな簡単な会話でもすれ違いは大量に発生するのだ。
込み入ったことならなおのことだろう。
だが、働きかけの初っぱなを変えてみるとだいぶ違う。
「後がつかえているから15分以内にお風呂に入りはじめてちょうだい」
疑問が生じても聞きやすいし、交渉の余地もわかりやすい。
さらに丁寧にしてみよう。
「お父さんがお風呂から出たらすぐにお風呂に入れるように用意しておきなさいね」
「お風呂空いたよ、10分以内に入って、早くしないとお湯さめるよ」
こんな風に二段構えにするのもわかりやすい。
正直言って、言い換えのテクニックひとつで解決する問題は多い。
我が家では「通じてないかな」と思ったらどんどんこの手の言い換えをしていく。
このような言い換えをするのは少々回りくどくて面倒くさい、「家庭内の平穏」と「信頼」の対価だと思えば大した労力ではないだろう。
だが、ここで問題が2つある。
一つには多くの親御さんにとってこの手の言い換えが非常に難しいものだということ。
二つ目は、「言い換えなしでもわかるようにならないと将来困る」と親御さんが思ってしまい言い換え作戦に踏み切れないこと。
ひとつ目の問題、これは成人当事者の知恵を生かせるのではないかと私は考えている。次世代のために親御さんと成人当事者が連携をとっていくことが重要になってくるだろう。
二つ目の問題、はっきり言って杞憂だ。
適切な言い換えコミュニケーションで信頼をはぐくみつつ、言い換えの比率を調節したりしていけば省略のある会話にもかなりついていけるように成長するものだ(多少疲れるけど)。だからここは子の成長を信じて欲しいところだ。
さて、長々と書いてきたが、親子間でコミュニケーションがとれないと色々不便であるし、信頼関係を築くにも問題が生じるしお互いにストレスもたまりかねない。
そこで親御さんには積極的に「自閉語」の習得をして欲しいと思うわけだ。初めの段階で子供から親に歩み寄ることはできないのだから。
その為に当事者の知恵が必要なのであれば、私はできる限り協力したいと思っている。

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