母を悩ませる発達障害児の漢字学習
発達障害児を持つお母さん達の声を聞いていると、結構漢字学習に関する悩みをよく耳にする。
漢字がなかなか覚えられないとか手先が不器用なのか字がのたうち回る…とかまあそういった類いの話だが、そういったことに身体感覚というものが結構関わっているのではないか?という疑念を前々から持っていた。
私自身はさほど苦労した部分ではないので「なんでなんだろ?」とは思いながらも放置していた問題だが、こないだふと昔の友人とネット上で話していて、その昔に考えた漢字の学習メカニズムに関するある仮説があったことを思い出した。
20年ほど前、まだ狸穴猫が塾業界と関わりがあった頃、当時パソコンが普及し始めた頃だったか、仕事でデジタル画像をいじる羽目になって「画像の形式」なんてものに出くわし、なんじゃこりゃ?といろいろ情報を漁りながらふと考えたものだ。
漢字を学習するステップをデジタル画像の形式から考えてみる
前もって用語解説しておくと、デジタル画像の形式は大きく分けて2種類あって、
点の集合として扱うのがラスタ型の画像データ(JPEGとかGIFとか)
方向をもった線分、曲線として扱うのがベクタ(ベクトル)型の画像データ(EPSとかWMFとか)
である。
漢字を学習する時のステップはこうなんじゃないか?
初めラスタ型データとして学習。
(ラスタ型データは大きいために記憶しにくい)
漢字の書き取り練習で手を動かしてベクタ型データに変換して記憶。
(ベクタ型データは小さいので記憶しやすく、かつ再現しやすい)
「漢字を読めるけど書けない」という場合、解像度の低いラスターデータで記憶を保持していてベクタ化が十分にできてないということなんじゃないのだろうか?
そして、書き順というのは書きやすさの問題もあるだろうが、書き順を固定することでラスターデータを効率よくベクタ化しているのではないだろうか?
とまあそんな事を考えていた。
もし身体の芯がふにゃふにゃだったら?
さて、ここからが最近考えたことの話。
「自閉症児の身体面の問題」というのは結構大きい、粗大運動の問題、微細運動の問題など…まあ不器用なことが多いといった話であるが、このあたり、大阪市内でスポーツ塾のデイサービスをやっている森嶋勉氏も「身体の芯ができているのが重要」と言う。
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私も姿勢の重要性は私も前から感じてはいた。
ところで、身体の芯が曖昧だったりしたらどうなるだろう?
書道で姿勢がグニャグニャしていたらまず書きにくいだろう。
それはなぜだ?
ここで昔の仮説とつながった!
体幹をしっかりさせれば座標と原点がしっかりする。
ラスターデータをベクタデータに変換するためには「座標平面」と「原点」が必要だ。
そして人間において姿勢をしっかりさせるということは「使用する座標平面」と「原点」をはっきりさせるということに他ならない。
身体の芯があいまいな状態(体幹がしっかりしていない状態)だと、当然座標平面も原点も揺れ動いてしまうので
効率よく学習(ベクタデータへの変換)ができないということになりそうである。
再現するとき(つまり書くとき)も座標平面と原点が安定していることは必要だ。
となれば身体の芯(体幹)がしっかりしているかどうかということは当然書字にも影響が及ぶだろう。
実際に書くには記憶に加えて身体の感覚をうまくとらえて筆圧や筆の進む方向のコントロールをしたりだとかいう部分も加わるが、これらもやはりベクタデータに近いものだけに身体の芯(つまり内なる原点)がしっかりしていないと学習は難しい。
まあ、書字や読字の問題は1つの原因だけではないとは思うが、不器用さ全般を抱える発達障害児の場合、身体をしっかりさせること、が書字をはじめとした学習の問題の改善につながる可能性は少なくないだろう。
体幹をしっかりさせるとは内なる座標軸と原点を確立するということなのかもしれない。
やはりまずは身体が基本、そう1人納得する秋の夜長なのであった。
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