発達障害児の子育て支援の盲点(フェルデンクライスコラボイベント報告)

2014年11月8日、「発達障害児の子育てTips講座+フェルデンクライスボディワークプチレッスン」と題してこのブログのスピンオフイベントを開催した。

前々から親御さん向けのこういった情報提供はやってみたいという思いはあったのだが、「さほど目新しいこともないしなあ」と思ったり「準備や募集やなにやらの時間をちゃんととれるだろうか」とか、「参加者あつまるかなあ」とかまあいろいろと躊躇するところもあった。そこをフェルデンクライスボディワークとの出会いが後押ししてくれたというところでもある。

イベントでのフェルデンクライスボディワーク指導を引き受けてくださったプラクティショナーの安藤氏には感謝を申し上げたい。
また、参加者の募集には様々な方面の方に告知、拡散のご協力をいただいた。ご協力いただいた各位に深く感謝する次第である。

さて、イベントを終えておもったことを少しまとめておくことにする。

参加者さんは発達障害児の親御さんが中心に一部支援者の方も。
少人数での開催だったので、皆さんの顔が見える。

フェルデンクライスのボディワーク部分では40分ほどの短い時間の間に参加者さんの表情と姿勢が変化していくのが見て取れたので私としてはちょっとほっとした面も。
中には早速終了後にお子さんに体験させたいとプラクティショナーの安藤氏と相談される方もいらした。

私のしゃべる部分は基本的に講義というか授業に近い形式で進めさせていただいた。
(少人数のセミナー形式は久しぶりだが、私はこの形式わりと好きだったりする)

2時間20分、あっという間に過ぎた。
ちょっと盛り込み過ぎて急ぎ足になってしまったかなという反省もあるが、
情報としてはかなり伝えられてのではないかとは思う。


いただいた感想から発達障害児の親御さんの悩みを考えてみる



そしてここからが問題だ。

いただいた感想メールから掲載許可をいただいた一部を紹介する。

今回、誤学習について、いろいろお聞きできて、特に修正が大事だということがわかったのが、大収穫でした。
息子がアスペルガ-と診断されたのは1年前ですが、それから今まで、大雑把にいうと、学び取りにくい特性があるから、間違えないように教えなきゃ、と抱え込んで、でも、自分一人の知識や教え方では限界、と、変に力みや重荷を背負っていたような気がします。




これを読んで私はうーんとうなってしまった。


コケたらどうしようか?という視点




発達障害児の子育て本、最近はけっこうたくさん出ている。
雨後の竹の子状態といっても過言ではない。

障害や特性のとらえ方にはじまり、問題行動への対処のしかた、生活スキルの身につけ方、就学上の問題解決等々、まあ、かなりいろんな方が書いているのでバリエーションもそれなりにある。

だが、
「どう教えたらいい」
は多いが

「ずっこけたらどうしようか」
という観点のものにはお目にかかったことは確かにない。


正直なところ、私は自分の大ボケ、大マヌケを常時修正しながら生きているので「こけたら直す」が当たり前化している。だから当然子育てという場面でもほぼ同様に「ヌケたたら追加」「コケたら修正」としか思ってないのだが


「発達障害児はどう転がってもそこそこ誤学習する…つまりずっこける」


という前提が見えない発達障害児の育児本が多い。
もうちょっとかみ砕くと「特性がありますからあーしないとこーしないと」のオンパレードで、


「マヌケな思い込みしてたときどうしようか?」に触れた本は少ない。



これでは「うまく育てないと」と親御さんがしんどくなるのもわからないでもない。
我が子によりよい人生を歩んで欲しいと願う親御さんほど上記メールの親御さん同様、煮詰まりやすいという面はあるだろう。
そりゃそうだ。

<strong>「困ったことがあったら相談してくださいね」(ニコッ)


という(医療・支援機関定番の)セリフを頂戴したときに


「いや、それより困ったことが起こらようにしたいんですが…」

とか

「困るってほどじゃないけど気になる思い込みしてるみたいな時のどうしたもんでしょうねえ?」


と、しれっと聞いちゃうなんてことは空気を読んじゃう定型発達の親御さんにはたぶん想定外だろう。この辺は空気を読まない発達障害者の方が実は得意なのだが、それはそれで聞く必要が生じにくいのでまあ聞かないだろう。


かくして、定型発達の親御さんは「具体的な困ったこと」とまでは言えない違和感で悩んでいる、という支援ニーズはなかなか支援者には伝わりにくいといったことが起こるのだろう。


ちょっと盲点だった。



「こういう配慮があったら!、あーいう配慮をして欲しい!」と、「ハイリョ!ハイリョ!」のかけ声をいくらかけたところで、現実生活はお祭りじゃないんだから子どもが大きくなればなるほど「配慮のない場面」に遭遇する。


子の将来を現実的に考える親御さんほど、
(必要な工夫や配慮を自らゲットすることも含めて)
将来的に「配慮のない場面」にも対応できるように育てたい

と思うのは至極当然だと思う。


というわけで、そういったことに繋がる話をもうちょっと発信していったほうがいいのかな?と思うと同時に、親御さんが煮詰まらないためにも


「困ったこと」までいかない違和感の段階で、
「うちの子のこーいう行動、なんか気になるけどこれっていったいなんなのかしら?」
ってな感じに気軽に相談できる場というのも必要なのではないか?


とも思ったわけである。


<本稿おわり>




相談場所ではないけどいろんな違和感の正体のヒントがつかめるかも知れない本

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コメント

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No title
かなりわかります。
面倒なのは物事を知らないことじゃなくて、勝手に自分流に解釈してて、しかもその方法が間違っているとかみんなと違うとか露ほど疑わず、他の誰にも確認せずにガンガン突き進む所なのです。
もしかしたら発達障害児がこんな時こんな風に思ってるのかも事例集、とかがあったらいいかもと思います。全員同じではないけど、その独特の思考様式が知りたいです。言葉の少ない子はますます実はこう思ってるんだーというのがわかってもらえないので...
あざこさんへ
亀レスですいません。

確認せずに突っ走る…ありますねえ。
別に聞くのがいやとかそういうわけじゃなくて、ただ単に疑問にも思わないので突っ走っちゃうのだと”やらかした経験上”思います。

事例集は必要だと私も思ってます。
スライド形式の動画を作ってみようかとあれこれ考えてます。

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