発達障害者の雇用を拡大するにはどうしたらいいかを考えてみたら…(ちと暴論)

明日はアスパラガスの会、テーマは何かというと「理想の職場ってどういうの?」である。

で、ふと、発達障害者の雇用を拡大するにはどうしたらいいか?ということを考えてみた。

確かに就労に苦労している発達障害者は結構いる。
就労していて様々なトラブルから発達障害がわかったというケースも多い。

当事者や支援者からは、職場の理解や配慮を求める声が多いと思う。
つまり、「発達障害者はこういう配慮があれば能力を発揮して戦力として働けます」という主張が多かった。

昨今は障害者差別禁止法なんてのもできたし、就労においても合理的配慮をすべきであるという論調が多い。

だが、企業でどれだけ理解と配慮ができるのか?

個別的配慮であるほど、継続的配慮であるほど配慮のためのコストは増大する。
そして、今いわれている発達障害者への就労場面での配慮というのはその両方を満たすモノが多い。
長期コストは身体障害者の場合より高くなりやすいかもしれない。


実際問題として、障害者雇用であっても、
人件費+配慮コスト-各種助成金
が、一般の被雇用者の人件費に比べてあまりに大きくなってしまうのであれば、企業の収益力を低下させる。
というわけで、配慮が可能なのはそうならない範囲に限られるだろう。

そこんとこは障害者差別禁止法でもちゃんと許容されることになっていて、合理的配慮の提供義務について、「合理的配慮の提供の義務は、事業主に対して「過重な負担」を及ぼすこととなる場合を除く。」ってのが明記されている(過重な負担かどうかについては、事業活動への影響の程度、 実現困難度、 費用・負担の程度、企業の規模、 企業の財務状況、 公的支援の有無などを総合的にに勘案するのだそうだ)。
詳しくは厚労省「改正障害者雇用促進法に基づく「障害者差別禁止指針」と「合理的配慮指針」の別添1参照。


極論すれば、収益向上の戦力になれば配慮の幅も増やせるが、戦力にならなければ配慮の幅も限定されるという可能性すらあるだろう。


となると配慮を求める前に、稼ぐ能力を上げることを考えたほうが得策のような気がするのだ。
そしてそれは稼ぐ能力をどう上げるか?を考える上で、「配慮をうける」を除いて考えるということでもある。


「配慮をうける」を抜いた戦略をとったほうが効率いいかも、下手するとそのほうが実は配慮が獲得しやすくなるかも…。
なにやら面妖な話でもあるが、戦略としてはさほど悪くない気がする。



それにしても、発達障害者の雇用について、企業の人事担当者はどう考えているのだろうか?
ちょっと聞いてみたい気もする。









 


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コメント

No title
はじめまして。
障害者雇用で働いている発達障害者(アスペルガー)です。

発達障害に限った話しではないですが、戦力になるのかっていう「雇用」の大前提が抜けてる人いますよね。単に雇ってもらえればゴール、ではなく自分で飯が食えるかということにも響く部分。

私の場合は配慮しないことが最大の配慮とでも言いましょうか。(自惚れ?)
就職活動の段階ではそれをどう表すかがネックですが、
入社してしまえばこっちの物とばかりに必死こいて文句言われないように成果を出して、良い意味で放置してもらえる状態を掴んでいます。
宮本さんへ
宮本さん初めまして。

雇用ってなんだろう?働くってなんだろうという部分はとても重要だと思います。

直接であれ間接であれ生産性に寄与することはやりがいにも通じますものね。


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