私も「ものを尋ねる」ことによって定型発達者の気分を損ねてしまったことが何度となくある。
その中でもトップに来るのが、何かとわからないことが多い定型発達者の「言動」に関して「なんでそうなのか」を問うことだろう。
嬉しそうにしている定型発達者に「何が嬉しかったのか」を尋ねるときダイレクトに「何がそんなにうれしいの?」と聞くと「てめぇ喧嘩売ってるのか!」という反応が返ってくることうけあいである。
同じことを聞くのに「ねぇ、うれしそうね、なにがあったの?」「お、なんかうれしそうだね、何があったんだい?」と聞くと角が立ちづらいようである。
つまるところ、定型発達者に相手のことについて何か尋ねる場合は、まずは「相手のことに興味がある」「できれば共感したい」といった意思表示のフレーズがあることが、肝心のことを「尋ねる」前に必要のようだ。
ちなみに、こういったちょっとした前置きってかったるいし、面倒くさいし、自然に出てこないというのが自閉者の実情だろう。
しかし、定型発達者はこういった「前置き」を利用して相手の共感度や友好度を測定しているようであるので、無難な前置きの利用しかたを習得しておく方が何かと便利である。
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