定型発達者に自閉者がものを尋ねるということ

アスペルガー症候群者が失敗しがちなことの一つに「ものの尋ね方」がある。

私も「ものを尋ねる」ことによって定型発達者の気分を損ねてしまったことが何度となくある。

その中でもトップに来るのが、何かとわからないことが多い定型発達者の「言動」に関して「なんでそうなのか」を問うことだろう。

嬉しそうにしている定型発達者に「何が嬉しかったのか」を尋ねるときダイレクトに「何がそんなにうれしいの?」と聞くと「てめぇ喧嘩売ってるのか!」という反応が返ってくることうけあいである。

同じことを聞くのに「ねぇ、うれしそうね、なにがあったの?」「お、なんかうれしそうだね、何があったんだい?」と聞くと角が立ちづらいようである。

つまるところ、定型発達者に相手のことについて何か尋ねる場合は、まずは「相手のことに興味がある」「できれば共感したい」といった意思表示のフレーズがあることが、肝心のことを「尋ねる」前に必要のようだ。

ちなみに、こういったちょっとした前置きってかったるいし、面倒くさいし、自然に出てこないというのが自閉者の実情だろう。

しかし、定型発達者はこういった「前置き」を利用して相手の共感度や友好度を測定しているようであるので、無難な前置きの利用しかたを習得しておく方が何かと便利である。
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コメント

まさにそのとうりです。いちいち話しする前に頭の中で台本考えてシミュレーションしてそして話しかける、もしくはお尋ねする。。。定型発達からみれば発達障害ってうっとしいかもしれないが、定型発達者もかなりしんどい存在ですよ。
Rさんへ
お互いさまをお互い認めるのが難しいんですよね。同じに見えるから。目に見えない障害の難しいところですね。
No title
はじめまして。
昨日、このサイトを見つけて、まだ少ししか読んでいませんが、とても参考になります。
私は、発達障害の方たちの支援をしている者です。
同僚や当事者、その家族、友人にも、発達障害と定型の違いを説明することに苦戦しているので、参考になるものはないかと探していて、見つけました。

記事より。
もう答えにたどり着いていらっしゃるかもしれませんが、
>「何がそんなにうれしいの?」
これは、私の経験から「何がそんなにうれしいの?(バカじゃないの)」の、()内のメッセージが、表情や声色、語気から発せられているように感じることが、定型を怒らせるのだと思います。

定型側は、非言語でのメッセージより言語でのメッセージを優先して受け取る、というレイヤーが必要になります。
付き合っていると、ただ聞きたいだけ、というのも、理解できるのですけれど、定型間での非言語、感情優先コミュニケーションの中で暮らしていると、切り替えが難しいようです。

初めてなのに長くなり、申し訳ありませんでした。

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