アスペルガー症候群者にとって不足している定型発達者情報

「アスペルガー症候群者はこう考える」
「アスペルガー症候群者にわかりやすい言い方は…」
等の情報はそうとう集積されつつある。

ところがである、「定型発達者はこうである」とか
「定型発達者にわかりやすい言い方は…」「こういう時の定型発達者の心理は…」
という情報は皆無に等しい。

となると、いきおいアスペルガー症候群者は「当たって砕けて」…すなわちコミュニケーション上の失敗をして、試行錯誤をしていく中で「無難なコミュニケーション方法」を獲得していくことになる。

しかし、あまりにも「失敗」が多くなるとアスペルガー症候群者がその「獲得」までの過程で自尊心を喪失することになったり、逆に自尊心を保つために定型発達者に対して無視したり、あるいは攻撃的な態度になってしまう可能性もないでもない。

アスペルガー症候群者が「無用な失敗」を経由せずに定型発達者とのコミュニケーション手段を獲得するために、定型発達者の心理研究が急務であると私は考えるのだ。

ただ、それにも大いなる問題がある。

それは、定型発達者のありようや定型発達者のコミュニケーション特性は定型発達者にはそれが当たり前であるだけに、なかなか意識されにくいということである。すなわち、定型発達者である支援者にはそういった知識の集積をすることが非常に難しいのである。

かくして、定型発達者の感覚・コミュニケーション特性等を集積するには、定型発達者の情報提供という支援を受けながらアスペルガー症候群者自身の自助活動でする以外にはないのではないのではないかと思うのである。

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コメント

はじめまして
少し前からblog読んでいます。
この記事に共感したので、トラックバックさせてもらいました。
定型発達者研究
ニキ・リンコさんのサイトで紹介されているので、すでにご存知かもしれませんが、以下のようなサイトがありますね。英文サイトです。あまり更新されていないようなのが残念ですが。

http://isnt.autistics.org/
縹さんへ
トラックバックありがとうございます。

もしかしたら11/25にお目にかかれるかもしれませんね。
afcpさんへ
さっそく見に行ってきました。

>What to do if you suspect your child has NT
>First, dont panic!

ってのは思いきり笑えました。
幸い我が子は2人とも対象外なのでほっとしましたが(^0^)

英文にはつよくないのでちょっとずつ読んでみます。
ありがとうございました。
この記事を読ませていただいて、自分のやっていることに対する迷いが、少し減りました。

というのは、非定型といわれる方たちの思考パターンを『わかりたい』という気持ちと、自分のパターンを『わかってもらいたい』という気持ちを、私は持っているのですが、時々、定型のパターンはこうですよ、と書くと、非定型の方から激しい攻撃を受けることがあるのです。

両方のパターンを理解したうえで、定型の私はたくさん歩み寄るつもりですし、でも、非定型の夫にもほんの少しは歩み寄って欲しい。
それには、こちらのパターンも、ある程度理解してもらう必要があると思うのです。

その『ほんの少し』に私と夫のズレがあるので、上手くいっていないのですが…。

とにかく、夫は狸穴猫さんと違って、自分のことも私のことも『分析して理解する』、ということができないので、相互理解の『とっかかり』がありません。

そういう時に、私にもわかるように解説してくださる狸穴猫さんのお話は、とても貴重です。

狸穴猫さんのような定型と非定型のバイリンガルのような存在に、いつか私もなれるように、もうちょっと努力したいと思います。
11/25
ほんとですね!
お話できればいいなと思ってます。

感謝
私も、この記事を読ませてもらって、何というか、憑いていたモノが取れたって言うんでしょうか・・・ついさっきも別の掲示板で、自分の考えをガーっと吐き出してました。ここ数日苦しくて(夫がASを自覚後も全く変らないことで)「この苦しさを全部誰かに聞いてもらわなきゃ気が済まない!」と荒れてました。

手のひら返すようにコロコロ変わって本当に恥ずかしいのですが、今の私は、わがままひめさんと同じ気持ちです。

思えば8/13、もう死にたいってくらいのところまで辛くなって、その直後に新聞でASを知って、わがままひめさんのブログを見つけ、自分と同じように苦しんでいる家族がいることを知り、そしてそのブログの中で狸穴猫さんに出会って、また苦しくなった今、この記事に出会った・・

「感謝」の一言です。出会えて本当に良かった。
TBさせてください
はじめまして。少し前から読ませていただいておりました。あまりに共感したので記事を書きました。TBさせてください。
HPの定型発達者研究も本当に興味深く読ませていただいております。自分も同じような研究記事が書けるように、頑張っていきたいと思った次第です。
わがままひめさんへ
いらっしゃいませ。

定型発達者の皆さんにガンガン書いてもらうことが実は非常にありがたいんです。

お互いの理解の道はなだらかではないでしょうがぼちぼちいきましょう。
激辛ママさんへ
縁は異なものですよね。

できれば定型発達者の方にも読んで頂けたらと思っていつも書いてます。

時間がかかる部分もあるかもしれません。焦るときもあるでしょう。

やっぱ「ぼちぼち」がんばりましょ。
とうふさんへ
いらっしゃいませ。
TB大歓迎です。

定型発達者研究は遅々とした歩みになるとおもいますが、がんばって続けていきたいと思います。

今後ともよろしくお願いします。
 こんにちはなおといいます。
 僕自身、アスペルガーなんですがこういう風に、と伝えてもいくつかのパターンがあるので周りの方は混乱されるのと、シンドロームなので周りに伝わりにくいというところがあり、その方々の因習や人生までを否定された様に感じるみたいですね
なおさんへ
いらっしゃいませ。

そうですね、定型の人は人格と意見が一体化しているような感じがありますね。

混乱というのはおもしろい考え方かもしれません、一般にアスペの方が「混乱」を起こしやすいといわれるけど、混乱を起こすポイントが違うだけかもしれません。

ではでは
先日、(定型向けの)「コミュニケーションの大切さについて」という話を聞く機会がありました。

(定型は)こんなふうにするとスムーズにコミュニケーションがとれる、というという意味で
参考になりそうな部分だけかいつまんで書いてみますね。(私も知らないことたくさんありました)

講義内容としてこんなのがあります
・協力し合ってこその社会生活・安心感を与える会話の効果
・好感を得るコミュニケーションの基本

メラビアンの数字(非言語コミュニケーション)というのがあり、
話し手の
目からの情報で55%
(表情・明るさ・姿勢・目の動き・対人空間)
耳からの情報で38%
(声のトーンなど)
話の内容7%

この割合で、コミュニケーションがとられるそうです。
だから背筋は伸ばす、たまにアイ・コンタクトをするetc..なことが大切だと。
コミュニケーションの10か条の一部として
・うてば響くように応ずる(うなずく?)
・感情的になったら一呼吸おく
・肯定的なメッセージを心がける
・豊かな表情でコミュニケーションをする
・確認を怠らない
・自分の持ち味を生かす(個性をマイナスに考えない)

こんなことが、定型のコミュニケーションの世界では大切とされている
らしいです。
定型自身にも難しいことだから、あえてこうなっているのでしょう。

私は専門家でも何でもありませんのでこれ以上のことはわかりませんが、参考になれば、とだけ思っています。ご存知のことばかりでしたらすみません。

万一、気を害される方がいらしたら、ごめんなさい。どんなところが
悪かったのかご指摘いただけるとうれしいです。


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