【書籍】もっと笑顔が見たいから/岩永竜一郎著

5月に入ったが別にうちには連休も関係ない。…ってなわけで来客が一件あっただけで、どこにも出かけないゴールデンウィークであった。
そういうわけで、書評書かずにほうっておいた本を読み返したりしていた。

というわけで書評いってみます。


4907725833もっと笑顔が見たいから―発達デコボコな子どものための感覚運動アプローチ
岩永 竜一郎
花風社 2012-03-21

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この本、サブタイトルが「発達凸凹な子どものための感覚統合アプローチ」という。
というわけで、感覚統合療法についての本である。

発達障害における感覚統合療法とは、簡単に説明すると体の感覚ができていない事による、さまざまな影響をトレーニング等によって改善、緩和し、ひいては発達障害特有のさまざまな不具合を改善、緩和しようというものである。

前半は「5感+2覚」についての説明と感覚に関する不具合の見方、考え方。後半は具体的な手法の話となっている。

とても読みやすく素直に頭に入る本だった。
考え方の基礎が書かれているので応用もききそうである。


感覚統合に関する本で保護者が気軽に読める本は今までなく、そういった意味でこの本が出版された意義は大きいだろう。

あまり聞き慣れない「2覚」の話、「固有受容覚」「前庭覚」の話は非常に興味深い。

また、後半、家庭でもできる感覚統合アプローチについてかなりのページが割かれており、気軽にトライできるのもうれしいところ。


…、と、ここまで堅く書いてきたが、実はこの本を読んでちとびっくりなのであった。

何故か?この本に書かれている簡単なアプローチのいくつかは、実際私自身が体験済みの事だったからだ。

くすぐり遊び、揺れ遊び…

感覚統合に関してはろくすっぽ知らなかったが、私が体験しているので、うちでは子どもに対しても当たり前にやっている事だったものが多くあった。

いやはや、何とも不思議な話である。


この本の範囲なら日常の延長でできることが多く、害はなさそうだ。

また、感覚異常というものがピンとこない定型の親御さんが感覚の異常について知る為だけでもこの本はずいぶん役に立つだろうと思う。






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【書籍】活かそう発達障害脳/長沼睦雄 著

私は脳みそフェチであることを自認している。

中学生の頃、自分の脳みそがかわいくなって以来、脳みそを活用する事に執着してきた。

実感としては、脳は無意識も含めて、活用可能であるし、適度な負荷をかけることによって何らかの発達をしていくと思っている。

だから発達障害であったとしても、私は脳みそをあきらめていない。

簡潔に表すと三十一文字でこんな感じ。↓


 二次障害 なければただの変な人 できることなら結構あるよ


こういう私にとって「待望」ともいえる本を見つけた。
(といっても去年の6月発売だったが…)

というわけで、本の紹介をするとしよう。

活かそう発達障害脳/長沼睦雄 著

4907725817活かそう!発達障害脳―「いいところを伸ばす」は治療です。
長沼 睦雄
花風社 2011-06

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この本はタイトルにもあるように、「発達障害者の脳みそ活用法」の本である。

最新の脳科学・神経科学と発達障害者の脳みそをリンクさせる情報が満載。

ちょっと字が細かいが、対談形式の本なので非常に読みやすい。
会話の流れが自然なためだろうか、難しい内容を扱っているにもかかわらず、ホイホイ読み進む事ができる。


目次をあげておこう。

第1章 「発達障がい」を脳から説明してみよう
第2章 脳汁の話―発達障がいと薬物治療
第3章 「いいところを活かす」のは治療です
第4章 脳の連携プレイを活かそう
第5章 脳みそのかたちを知る―発達援助につなげるためのアセスメント




各章、とても読み応えがあり、脳みそフェチとしては大満足…なのだが、これだけでは書評にならないのでもう少し詳しくいってみる。


特に印象に残ったのが、脳について考える範囲を無意識にまで拡張し、発達障害を「高次脳機能障害」の一種として考えるという切り口。

この切り口を用いる事によって、「特性をどう活かすか」という問題に解決の糸口をつけている。

この視点によって脳の機能向上やコントロールのの手段がさまざまに考え得るといったことが担保されるのだからこれは大きい。


というわけで、当然のことながら、この本のあちらこちらに、脳を適度な活動性にコントロールする身近な手段や、脳の機能を発達させる身近な手段が記述されている。


また、詳細な脳機能のアセスメントからの「支援」+「自己改善」の方向性についても解説しているので、単に脳機能の解説にとどまらず、実地で役立つことに直結している知恵がふんだんに盛り込まれているのも頼もしい。



さらに特筆すべきは脳と身体の関係についてかなり詳細に触れている事だ。


身体からの発達障害児者の機能改善については感覚統合療法などが有名だが、それを含めてさまざまな方法論があることだけでなしに、身体からのアプローチと脳機能との関係について、新たな知見をふんだんに紹介している。


また、著者は診療上、アセスメントを非常に重要視しているということで、その多岐にわたる分類(それも支援直結の!)も紹介されている。


その一つに、とても役に立ちそうな発達障害理解のための新しい概念がある。

「刺激敏感性(HSP)」と「刺激追求性(HSS)」

この2軸で分類することによって、今までより格段に細かいアセスメントが可能になるというものだ。また、この二軸の性質と自律神経系の関係についての説明もなされている。


ま、とにかく「これでもか」というくらい、脳科学に裏打ちされたいろんなアプローチが飛び出すので、


「発達障害は治らない→打つ手がない」という罠


落ち込まずに済むという点でも、非常に頼もしい本である。



当事者本人、発達障害児の親御さん、支援者のいずれにとってもとても役立つ本であることだけは間違いないと思う。





実はこの本、ちょっとだけ惜しいなあと思うのが表や図が少なめだということ。
視覚優位の発達障害者としては図や表にまとめてあったらもっと脳みそに入りやすいのに~!と思う。

ただ、これはこの本の編集者と私の脳みその脳みそのタイプの差(文字型の継時処理タイプ(編集者)←→イメージ型の同時処理タイプ(私))なのだと思うので、そこは仕方のないところなのかもしれない。(…ということもこの本からわかった!)


…などと思っていたら、長沼氏作成の図表中心のいい資料がWEB上にあるという事をツィッターしてて教えてもらったので紹介しておく↓
http://homepage3.nifty.com/aries/dd-new.pdf
この本を読むときに併用すれば、図表が好きなタイプの人がより理解しやすく、印象に残りやすくなるかもしれない。




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脳は変化する
んですよ~!

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【書籍】発達障害でつまずく人うまくいく人/備瀬哲弘著


ツイッターのほうで書評リクエストをいただいていたので書評といく。


4847060377発達障害でつまずく人、うまくいく人 (ワニブックスPLUS新書)
備瀬 哲弘
ワニブックス 2011-06-08

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発達障害とタイトルにあるが、大人の自閉症スペクトラムを中心に書かれた本。

ちょっとセンセーショナルなタイトルであるが、「こうすればうまくいく」的な本ではない。

自閉症スペクトラムについての解説
発達障害の診断はどう行われるか
周囲から浮く理由
治療での改善について
自分でできること
周囲の人へのアドバイス


などが豊富な例とともに語られていく。

診断までの流れはとてもわかりやすい。

また、三章から五章に展開される、なぜ発達障害当事者が奇異に思われるかについての解説はかなり秀逸で読み応えもあった。

なにせ具体的な例が多いのと筆者の文章力が優れているのだろう、とてもリアルでわかりやすいのだ。


ま、ただ、職場でギブアップした後の解決策となると、休職、配置転換等ちょっと寂しい。

はっきり言って大企業にでもつとめていない限り配置転換で何とかなるなどと言うことは夢のまた夢であるという現状をどうするか?という点については触れられておらず、物足りない気がしないでもないが。今の社会情勢や制度的な制限もあるのである程度仕方ない面もあろう。


治療や、当事者が自分でできることに関しても、SSTやグループワーク、そしてビジネスマナー、暗黙の了解の学習に努める等、それほど目新しいものがあるとは思えない。


ただ、治療でどういった改善が図れるか…という点について述べられた8章の部分で書かれている、職場における問題の生じ方の2パターンについて、はっきり記述されているのはちょっと目を引かれる。

その部分を引用する。



発達障害の特性のため職場で困っている人の中には、仕事自体のパフォーマンスが低くなっている人と、仕事自体は戦力になっているが人柄的に周りの人からうとましがられている人がいます。





ちと「人柄的に」という表現が気にはなるが、まあ、周囲から浮くなども後者に入るとすれば、この2パターンの割合(どちらか一方だけということはほぼあり得ないだろう)を基礎に職場での対策を考えていけばいいという意味で考え方のヒントになるだろうと思った。


基本的に職業的生活をどうするかを中心に書かれているので、職場での問題から自分が自閉症スペクトラム障害ではないかと思いそれについてまず知りたい人、そして自閉症スペクトラム障害とおぼしき人が職場にいて、何とかサポートしたいと思っている管理職に役に立つ本ではないだろうかと思う。





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まあその~
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【書籍】発達支援のむこうとこちら/田中康雄著

秋らしからぬ天気が続くが、日も短くなってくるとやはり読書の秋である。
というわけで、書評が増える事になる。

さて本日は…

453580429X発達支援のむこうとこちら (こころの科学叢書)
田中康雄
日本評論社 2011-09-12

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この本は田中康雄氏の発達障害者支援に関する論文集である。

だが、論文集というよりは、氏の思考過程をそのまま綴ったものという雰囲気が強い。

発達障害に対する支援の有りようについて、臨床の場でのエピソードはじめ、様々な観点から思考し、そして最終的に「発達障害は生活障害として支援していくべきだという結論に至るまでの過程は読み応えもある。

が、何より丁寧に論考していく田中氏のまじめさというか真摯さ、そして発達障害者を単に「医療の対象」ではなく「個々の人間」として見ようという姿勢に私は感動すら覚えた。


それはさておき、読みどころの二つほど。

・冒頭部分で触れられている、「支援とは何か」「異質とのつきあい」についての論考。

・「発達障害が生活障害であるという結論的視点」に至るまでの終盤の論考。



その他盛りだくさんに多くの視座から発達障害支援についての分析と論考が繰り広げられている。

若干難しい部分もあるが、特に専門の支援者には読んで欲しい本だと思う。



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読み応えばっちりでした
ま、それはともかく

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【書籍】アスペルガーのパートナーのいる女性が知っておくべき22の心得/ルディ・シモン

本日は書評いきまーす!



4902082101アスペルガーのパートナーのいる女性が知っておくべき22の心得
ルディ・シモン エマ・リオス
スペクトラム出版社 2010-11-26

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私もタヌキというアスペルガーとおぼしき配偶者がいる。
だから一応よんでおこうかと…思ったわけだ。



この本はアスペルガーのパートナーを持つ女性によって書かれたものだ。
さほど厚くなく、活字も大きめなのでさらっと読める。


さて。

アスペルガー症候群者を夫や恋人に持つ女性は鬱になりやすいという話はよく聞く。

それはカサンドラ愛情剥奪症候群という名前で、海外ではすでにある程度認知されている現象だが、そういった事態になるリスクを最小限にするために著者はこの本を書いたという。


アスペルガーのパートナーにありがちな行動、それを女性側がどうとらえていったらいいか?が、どうやって女性自身が自分を保っていけるようにできるかについての提案とともに書かれている。



さて、この本を読んでどう思ったか?
というより、私が読みながらどういう状態になったか?


実は…目をひんむいて読みふけり、腹を抱えて笑ってしまうこと数回以上…。だったのである。


何が笑えたか?


それは、アスペルガーの男性にありがちな行動としてあげられている事の大半が、


「私自身」のやっている事だったからだ。


そして、「タヌキ」もまた同様の行動をとっている。
しかし、今の私の家庭は至って平和である。


そのギャップがおかしくてたまらなかった。


我が家ではこの本のいう「特有の行動」が問題視されないため何の問題も起こらないという寸法だ。


ひとしきり読んだ時点でこう言いたくなった。


「アスペルガーのパートナーを持つことで苦労する」と主張する女性に対し、
「あなたがアスペルガー症候群なら問題の大半はなくなるんですよ」と。



そしてまたひとしきり読み返して、


「定型発達の女性にはこんな風な愛情欲求があるんだ」とびっくり。



ま、それはさておき、この本についてもうちょっとまじめに考えてみると


この本はとても重要な事を多数教えてくれる本である。


まず、本のタイトルの通り、

1、アスペルガーのパートナーを持つ女性にはアスペルガー男性とつきあう上での心得を教えてくれる。

これはこれで重要だ。


だが、この本はそれだけではない。


2、アスペルガー症候群の男性にはパートナーの定型発達女性がどんなことで悩むのか?についての情報を提供してくれる。



さらに、


3,アスペルガー症候群の女性にとっても、自分がどのように定型発達の女性と感じ方や愛情欲求のあり方がずれているのかについて教えてくれる。



1冊で3通りの読み方ができるおいしい本なんて、そうそうない。



というわけで、このところ読んだ本の中では五つ星級だと太鼓判を押してしまう訳である。


パートナーにアスペルガー者を持つ女性のみならずアスペルガー症候群当事者(男女問わず)にも多分に役立つ一冊だと思う。






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笑っちゃいけない
…いえ、わかってるんです、
でも~

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【書籍】アスペルガー症候群就労支援編/佐々木正美、梅永雄二監修)

先週末から風邪を引いて七転八倒。
関節炎も悪化の一途なのでしんどいが主婦は休めない。

いや、日中は寝てばっかりいるので休んではいるんだが風邪の勢いの方が勝っているようだ。
夕食は勢い手抜きに次ぐ手抜きである。

今回同時に息子が風邪と喘息でダウンしているので「丸投げ」技が使えないのが辛いところだ。


さて、今日は書評といく。


4062789604アスペルガー症候群 就労支援編 (こころライブラリー イラスト版)
佐々木 正美 梅永 雄二
講談社 2009-08-26

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この道では第一人者の佐々木氏、梅永氏の監修であるののだが、
先週はじめ、本屋で立ち読みをして、なんだか腑に落ちない…そして無性にむかむか来るので、
取り寄せて端から読んでみた。


カバーにに記載の「自分にぴったりの仕事が必ず見つかる!」
ははっきり言って誇大広告だ。そういった類の本ではない。


さて内容はというと

 就労継続までの流れ

 就労の成功例が

 就労時の問題点

 ジョブマッチングの重要性

 そのための自己理解の方法

 支援システムの紹介

 就労継続のための工夫




などの内容だが、主に支援を受けながらの就労、すなわち障害をオープンにしての就労について書いてあるので、障害をオープンにしないケースが多い現実とはちょっとかけ離れている感が否めない。


利用可能な支援システムについてはかなり詳しく解説されている。
どのような場合にどの窓口を利用したらいいのかという点など非常にはわかりやすい。


ジョブマッチングの重要性について、自己理解を深めるという点が非常に強調されている。
が、具体的なテスト等は掲載されておらず、「支援機関に行ってやってください」となっている。



さて、もっとも問題なのは就労継続のための工夫についてなのだが、この部分、


はっきり言って役に立たない。


所詮定型者目線でかかれているとしか思えない面が多々ある。


全般的にトライアンドエラーでやってみて、失敗したら周りに原因を聞け、相談しろというような記載が多く、具体的な方策がほとんどない。


例を一つあげると、


「人を怒らせない方法を覚える」なんてことが具体的な方策なしに堂々と書いてある。
そして、対策として「人を怒らせたら周りに原因を尋ねる」とある。


これには正直言って「なんだこりゃ」と思った。
人を怒らせないポイントを理由ごと分析・解説して初めて役に立つというものだろう。




メンターとなる人がいるのが理想ではあるが、そうそう理想的な環境があるとは限らないわけで、その中でどうやって工夫していけば良いのかについて、もうちょっと踏み込んだ分析に基づいた方策を打ち出して欲しかった。



あと、全体に流れる雰囲気として、アスペルガー症候群者の能力を低く見積もり過ぎなのではないだろうか?という点がある。
アパート探しも家族と一緒に…ってなくだりははっきり言って「いらんお世話」ではないかと思ってしまった。


全体に一貫してあるのは「とにかく人に聞け、相談しろ」というものであるが、「何を相談すべきか」ががなかなかわからないアスペルガー症候群者にとってはちょっと敷居が高い気がする部分もあった。



総括すると、利用可能な支援システムの概要を一覧できる本と割り切って読む分には良いだろうが、それ以上を期待すると落胆するか腹が立ってくる本だろうと思った。





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本は読みよう
使いよう?
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【書籍】表情分析入門

この間から1冊の本を読んでいる。

これだ↓

4414302595表情分析入門―表情に隠された意味をさぐる
P. エクマン W.V. フリーセン 工藤 力
誠信書房 1987-04-10

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書店でこれを見かけたとき、うーん、こんなの欧米人のじゃない?
と思ったのだが、ちょっと立ち読みしてみると、表情というものは以外に万国共通といえるという話がのっている。

だが…この本値段が高い…。2800円+税となると2940円。
本には目のない私もちょっとくらいは躊躇する値段である。

えいや~!!と思い購入して読んでみると…

うーむ、興味深い!

邦題は入門書のようだが原題は「Unmusking The Face」であり、訳すれば「表情は語る」とでも言うところだろうか。正直、300ページ近くもあるごつい本で、かなり専門書に近いといった感じなので、誰彼なくおすすめするわけにはいかないが非常に興味深い本だ。

内容はというと、表情研究の流れ、感情と表情の関係についての概論、そして「驚き」「怒り」「嫌悪」…など、6つの感情に伴う表情の分析と解読法の各論である。


あまりに細かい分析に頭くらくら…しながら読み進めたが、正直、相貌失認気味なのを自認する私にはとてもとても読み取り練習なんてできない!!と脳が悲鳴?を上げた。


ずいぶんといろんな筋肉が利用されていることに驚き、定型者は自然とこの複雑な「表情」というのを読み取ったり、作ったり…またそれを自動で制御しているんだなあと感心する。


元々、他人の表情は読めないなあと思ってはいたが、自分がこの「表情読み取り性能」がどどめに悪いことが、この本のおかげでよーくわかった。


読んで私が得た結論は、

「細かい読み取りは所詮私にはできない」ということと

「周りが不快じゃない表情・わかりやすい表情はある程度作れる」


というこの二点だ。


この本はまた最低限この程度は表情をトレーニングしておけば安全というラインもまた提示してくれているように思う。


「中立」~「幸福」の表情を基本にし、
「わかりやすい表情」作りを心がければいい。



アスペルガー症候群者向けのもうちょっと簡単なマニュアルがあればいいのに…とは思ったが、有意義な読書であった。




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書籍紹介で
何なんですが

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【書籍】自閉症・アスペルガー症候群「自分のこと」のおしえ方/吉田友子

コメントの返信に手が回らない状態だが、宿題は早めにこなそう…というわけで、本日も書評といく。

本日は下記の本である。


4054045294自閉症・アスペルガー症候群「自分のこと」のおしえ方 (ヒューマンケアブックス)
吉田 友子
学習研究社 2011-04-20

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この本の著者は横浜発達クリニックの吉田友子医師。
下記の本の著者である。

高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版高機能自閉症・アスペルガー症候群「その子らしさ」を生かす子育て 改訂版
吉田友子

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あなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイドあなたがあなたであるために―自分らしく生きるためのアスペルガー症候群ガイド
吉田 友子 ローナ ウィング

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さて、今回取り上げた書籍であるが、「診断説明、告知マニュアル」とあるように、幼少期に診断を受けたアスペルガー症候群の子どもに「いつ」「どのようにして」診断名を告知するか、そして、そのための方策を「マニュアル」という形で提供する物である。


基本的に親御さん向けだと思う。



アスペルガー症候群児が、成長段階でぶち当たる「障害をもつということ」との対峙をどうサポートしていったらいいか?

これは大きな問題である。

親の側の覚悟、子どもの理解力、サポート体制…

スムースに告知をすすめるためにはそれ相応の準備がいる。(というかあったほうがいい。)


だが、実際、どれほどの準備ができるか?

実際に著者自身が「僕って自閉症なの?」という子どもの問いかけに詰まったという経験からこの本が生まれたと言うことである。

子どもは揺れる、親もとまどう、支援者もとまどう…そういった告知というものををいかにスムースに乗り越えるかの準備をどうしたらいいか?

そのためのチェックリストとその解説、この本はそういった情報をふんだんに提供してくれる。
告知後のアフターフォロー部分まで丁寧に記述されているところも非常に評価できる。



まあ、実際はこれほどの手厚い準備はできないかもしれない。
成り行きで「知られてしまった」的な事態も発生することがあるかもしれない。

しかしながら、この本を手にとって目を通しておくことで、ある程度は子どもの疑問や不安に落ち着いて対処できるのではないかと思う。



但し、一貫して吉田医師の立場は「高機能自閉症・アスペルガー症候群は脳のタイプ」とする立場なので「アスペルガーは障害か?」とか「機能不全があるのか?」という問いにはこのマニュアルを使って答えられないかもしれない。


そう高い本ではないので、告知前のアスペルガー症候群児・高機能自閉症児の親御さんがいる家庭ではこっそり一読しておいた方がいい本としておすすめである。



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【書籍】一瞬の出会いでチャンスをつかんでいる人の 顔グセの法則/重田みゆき

なんかたまった宿題をこなしている気分ではあるが
今月の書評1発目である。

のっけからなんだが、
前記事からの続き記事でもあるので、できれば前記事からお読みいただきたい。
前の記事「表情…このあつかいにくいもの」はこちら


さて、問題の書籍であるが、
ヒゲ達磨さんからコメント欄でご紹介いただいたこの本だ。


一瞬の出会いでチャンスをつかんでいる人の 顔グセの法則
一瞬の出会いでチャンスをつかんでいる人の 顔グセの法則重田みゆき

ダイヤモンド社 2011-05-13
売り上げランキング : 1000


Amazonで詳しく見る
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何かちょっと惹かれるところがあって、ご紹介いただいて即、アマゾンで注文。
2日ほど前だったかな、届いてから一気に読んだ。


この本、「~の法則」なんて言うタイトルから、なにやらうさんくさい「成功論」の本っぽいにおいがしないでもない。

が、アスペルガー症候群者の表情トレーニングに、かなり役立ちそうな本なのである。


内容の概要というと

「好感を持たれる笑顔とは」
「顔グセの直し方・笑顔のトレーニング方法」
「好感を与える立ち居振る舞い」
「顔グセのセルフチェックリスト」
「顔グセを直した人のサクセスストーリー」
「笑顔がいかに重要であるか」
「顔グセを直すための心得」


(必ずしも書かれている順番ではないので念のため)


などである。

最初の4つについてははっきり言って役に立つ!

どこをどうすれば「感じのいい笑顔になるのか?」、とてもシンプルにポイントを書いていてくれるので、アスペルガー症候群者にもわかりやすい。

練習方法も具体的に図解してある。


ただ、この本、アスペルガー症候群者にとっては若干の危険がある。


「顔グセを直すための心得」が説かれている部分だ。


「悪い顔グセをしていて申し訳なかったと思い真摯に反省しよう」

ってなことが書いてある。


この部分を真顔にとるとウツまっしぐらになりかねないので注意が必要。
特に既にウツを煩っている人には気をつけて欲しい。


この部分だけは華麗にスルーする必要がある!!


そして、アスペルガー者はスルーすべきなのだ!


ちと考えて見よう。

アスペルガー症候群は他者の表情が読むのが苦手であるという障害でもある。
だから、他者の表情の模倣もしにくいし、他者の反応からフィードバックして表情がどうあったらいいのかを自然に学ぶことはほぼ不可能。


そう、そこが障害なのだ。


ということは反省する必要なんかさらさらないのである。


ここだけ注意して読めばこの本はイケる!


活用すれば表情で損をしないようにできる可能性はかなり高いと思う。



さて、この本、もう一つおいしいところがある。

「こういう顔はこういう風に解釈されがち」

という事例が多数載っているというところである。
巻末のセルフチェックリストの解説部分、それから本文のそこここに

「定型者はこういう表情をこう理解しやすい」


という具体的な例が多数記述されているのだ。


正直言って、私も驚いた。

「定型さんはこんなに表情からいろいろ判断するんかい?!」

である。

そして、これをちょっと反転させれば、他者の表情の読み方マニュアルにもなるというわけだ。

というわけで、この本は「人に表情を誤解されやすいな~」「他人の表情ってわからないな~」と思っているアスペルガー症候群当事者諸氏に是非読んでみて欲しい対策本である。



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【書籍】成人の高機能広汎性発達障害とアスペルガー症候群/広沢正孝著

連休…、風邪を治すのに思い切り費やした。
といっても、タヌキのカレンダーに連休の文字はない。
そうだ、パンの配送に連休もへったくれもないからだ。

…というわけで、夜中に起きて弁当を作り、朝まで寝るというスタイルはそのままの連休らしからぬ連休である。
学校が休みでミチャポンが家にいるので何かと騒がしい。
かまってくれ攻撃に遭うのでおちおち落ち着いてもいられない。

とりあえず、しつこい風邪を直すために寝倒すだけ寝倒し、その他の時間は買い物に、ミチャポンのラッパのレッスンのつきあいに…、食事作りに…と費やしているうちに連休も終わりである。

なんか連休でない方が忙しくない気がする。

さて、寝ながら読み返した本の書評といこう。
この本だ。

成人の高機能広汎性発達障害とアスペルガー症候群―社会に生きる彼らの精神行動特性成人の高機能広汎性発達障害とアスペルガー症候群―社会に生きる彼らの精神行動特性
広沢 正孝

医学書院 2010-11
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実はこの本は1月末に購入した本である。
何故にここまで書評を書かずに寝かせていたのか?

単純な話である。この本、とても骨がある。
そして読み替えずだに味わいぶかい。
これはちょっと気合いを入れて書評をかこう…と、何度も読み返しているうちに時間がたったのだ。


この本は、タイトルが超長い!
読んで字のごとく、成人のPDD者、アスペルガー症候群者に関する解説本である。


実は出版社名が医学書院であることからもわかるように、医師やコメディカルなどの医療関係者向けに書かれた本である。


そして、「社会に生きる彼らの精神行動特性」というサブタイトルにあるように、成人PDD当事者の行動特性を精神的な特性面から読み解こうとした書籍である。


こと、成人のPDD当事者が、どのような認知を経て成長し、特徴的な行動特性をもった「社会に生きる成人」に至るのか?という点にかなりの焦点が当てられている。


何より興味深かったのは、定型者が「FolkPsychorogy(庶民心理学)」を主としたベースに人格形成をするのに対し、PDD者では「FolkPhisics(庶民物理学)」をベースに人格形成がなされるといった話である。


この説から、同書では成人当事者の自己イメージの形成が定型者と異なる部分が大きいことにも言及している。
(タッチパネル様の自己認識という表現がなされている。)


また、後半では、個々の特性が周囲(すなわち定型者)にどう行った印象を持たれやすいのかにも踏み込んだ解説がなされている。この部分は当事者が読んでも、いかなる点で定型者の誤解を受けやすいのかといったことへの理解の助けにもなる部分だろう。


また、二次障害になりやすかったり、パニックを起こしやすかったりする精神特性についても触れれられている。


後半部分も前半の自己形成、自己イメージの完成と結びつけられて記述されているので、一貫して成人PDD者を統合した「発達的マイノリティ」として、理解しようとするには最良の解説書ではないだろうか。


ベースの自己形成の部分に何度も立ち戻って読むと、なるほど、そういう解釈も可能だな…、という面が多々ある。全体を何度も読み返しては、よくぞここまで一貫した立場で書いてくれた!と拍手を送りたい気分になった。


当事者の立場からすれば、反論したいってな部分も多少はあるにはある。
でも、まあ、些細な部分である。


だが、豊富な症例と一貫した考え方から、成人当事者を理解しようとする医療関係者、支援者にはぜひこの本を手にとって、そばにおいておいて欲しいと思う本である。


価格が3570円とちょっとお高いが、それだけの価値のある本だと断言してしまおう。

いやあ、興味深い本だった!




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やっと書評書いたぞ~
ってなわけで、

ぼちっと↑
おひとつ。




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