アスペルガー者が受けやすい誤解…というか評価に、
「非難がましい」
「文句が多い」
「すぐ怒りだす」
「理屈っぽい」
などというものがある。
これも、前稿で書いた疑問形の分化がアスペルガー者では起こっていないことと関連する。
アスペルガー者の特徴として、
理由について詳しく知りたいというのがある。
つじつまが合わないことが気になるのだ。
これはアスペルガー者の特質であり、どうにもならない部分である。
納得いくまで突き詰める…これはアスペルガー者の良い面であるが、定型発達者が絡むと非常に注意を要する。
疑問形の分化が起こらないアスペルガー者の場合、日常的にダイレクトな疑問形を多用する傾向が見られる。
もちろん悪意はない。
アスペルガー者としては知りたいことをダイレクトに聞いているだけである。
しかしこれはダイレクトな疑問文が定型発達者には「怒りの表明」「非難」「注意」「指示」「制止」などの意味として捉えられることを考えれば、結構危険なことである。
定型発達者は、ダイレクトな疑問文を聞くと瞬発的に上記のような意味を「勝手に」感じ取ってしまうのだ。
そこで誤解が生じる。
というか、定型発達者の心中に
「非難されている気分」
「詰問されている気分」
「相手が怒っているのかという疑念」
「そんなに理屈追求してないよという思い」
などが生じたりする。
で、
ダイレクトな疑問文を相手にぶつけた場合。
定型発達者に「怒っている(のでは?)」という対応をされる
→会話のちぐはぐさにさらに疑問が膨らみ、
→「何で?」とさらに疑問をぶつけ、
→最後には逆に定型発達者に切れられる
という経緯をたどることも多いだろう。
また、相手が上司など目上の人の場合、即座に
「失礼な」
「何で君はそんなことを聞くのかね?」
というような強烈な「怒りの表明」を聞くハメになることを少なくないだろう。
実際に相手の怒りが「すぐ」わかる形で現れればいいが、わからない形で反映することも多い。
「ある日突然怒りの言葉をきく」
「突然の退職勧告」
「無視」
「社内(校内)いじめ」
などである。
アスペルガー者にとって、わけがわからないほど、心理的なダメージは大きい。
そこで、定型発達者の「疑問文の分化」に着目して、
できるだけ「ダイレクトな疑問文」を用いないように気をつけた方が、定型社会で生きていくためには便利
である。
指示がわからない場合
×「○○ってどうするんですか?」
○「すいません、○○についてわからないんですけど」
仕事で指示が来た場合の疑問
×「何で私が○○しなきゃいけないんですか」
○「すいません、私でできるでしょうか(いいんでしょうか)」
○「あの、ちょっといいですか、○○をどうして私に…」
(ま、基本的には仕事で何故自分がって疑問は禁忌だけど)
井戸端会議で
×「○○ってなに?」
○「ねぇねぇ、ちょっといいかな、○○ってなんのこと」
まあ、いろいろあるが、具体的なケースがなかなか思いつかないのでこの辺にしておこう。
相手(定型発達者)に無用な感情を抱かせない質問のしかたを憶えておくことだ。
定型発達者が角を立てずに「疑問」をぶつけている場面に聞き耳を立てていると、段々そのこつがわかってくるはずだ。
とりあえずは「ダイレクトな疑問文」は避けておく方が賢明だし、
同様に、
「畳みかけるように何度も連続で質問をする」というのは相手に無用な感情(怒っているのではという疑念…ひどいときは恐怖)を起こさせることになるということである。
さて、2回にわたって分析してみたが、具体例が乏しいのは否めない。
具体例があればもうちょっとわかりやすく解説できると思うのだが…
そこで、当事者の皆さんにご協力のお願いです。
「突然相手が怒りだした」
「質問しているうちに会話がちぐはぐになった」
などの例があれば、できればコメント欄にいただけないでしょうか?
記事にして、分析してみたいと思うのです。
よろしくお願いします
あ、もちろんその他のコメントも歓迎です!


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