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★ご注意
モラハラ・DV関連及び危険な目にあったタイプののPTSDをお持ちの方はフラッシュバック注意です。
危険だと思ったら読まないで下さい。
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9 地獄絵図
夫(元)の病状は投薬により、安定しているかに見えた1年後の夏だったが、労働意欲は相変わらずなく、毎日を話しに費やす日々が続いた。
ヒイロは小学校4年生になっていた。
そして、夫(元)は自身がこだわっていたT大の再受験を言い出した。
逆らう事は夫が逆上し、「死んでやる」となるのが目に見えているのでできなかった。
試験に関係する書籍を買い込み、受験勉強にいそしむ夫。
今度は受験に関する話題で話しをし続ける…そんな状態だった。
明らかに何かが変だった。
私の生活感覚もせまい閉ざされた生活の中で段々崩壊していっていたのかもしれない。
そして、秋口になり、それは起こった。
コンビニで買ってきた弁当を食べていた最中だった、
夫(元)の脳は暴走をはじめた。
突然「あ!」というなり手にした弁当を落とし、
「大丈夫」とニコニコしながら手づかみでその弁当を床から直接口に放り込む夫(元)を呆然と見ながら「狂った」と感じた。
今まで潔癖症だった人間の考えられない豹変ぶりだった。
その後数ヶ月、夫(元)のその症状は酷さを増していく。
まるで統合失調症の急性期のよう…。
言っている事は支離滅裂。
怨霊は飛び出すわ、地図をマジックで黒塗りにするわ
「私は大侯爵である」と言ってみたり…
いわゆる「妄想着想」がひどかった。
それでいて、医者に行くときだけ、普通の鬱患者を振る舞う。
ただ、なにかこれはただの統合失調症とは違う…そんな気だけがしていた。
「首相に会って直談判してこい」
「文部科学省」に行って○○について次官と話しをつけてこい
無理難題をふっかけ、できないと言うと、
「死んでやる」と包丁を持ち出す。
ベランダから飛び降りようとする。
押し入れに籠もり、別人格のように話す事もあった。
今思うに自閉系の障害が根底にあり、二次障害としての統合失調症様症状や解離症状が出ていたのだと思うが、そのとき私にそんな知識は無かった。
無理難題に追い立てられるように部屋を追い出され、行く当てもなく国会議事堂駅まで行き、夜の国会議事堂近辺をヒイロとフラフラ歩いていて、お巡りさんに保護されかかったこともあった。
「父ちゃん、なおるの?」
「うん、たぶん…今病気だから…」
ヒイロの問いかけに、私は弱々しく答えた。
そしてある日、とうとう肉体的なDVに遭った。
何のきっかけかハッキリとは思い出せないのだが、夫(元)と話をしていて突然、
「お前なんか役に立たない、要らない」と、夫(元)は私を殴り、蹴った。
あまりの突然のことに私は抵抗もできなかった。
そして、とうとう馬乗りになり、私の首を絞めはじめた。
脇にいた小さなヒイロは夫(元)の恫喝にただふるえるだけだった。
苦しさのあまり、手近なもの(ミキサーのカップ)をつかんで、夫(元)を殴ろうとしたその瞬間、夫(元)は我に返ったように手を離し、「大丈夫?」「本気じゃなかったんだよ」と…。
その変わりようは、まるで別人だった。
私の悲鳴を聞いた近所の人がマンションを管理している不動産屋に連絡したらしい。
ほどなくして、不動産屋の人が玄関のベルをならした。
玄関には私が出た。
何度も「助けて下さい」と叫びそうになったが、まん中の部屋に夫(元)が、そして奥の部屋に小さなヒイロがいた。
ヒイロをすぐには脱出させられない…
私は助けを求めるのを断念した。
「何でもありません、大丈夫ですよ」
そう言うしかなかった。
この時ヒイロが私の側にいたなら、多分不動産屋さんに助けを求めていただろう。
もう、この時点でどこかに相談すべきだったのかもしれないが、夫の状態を見抜けない精神科医にどこか失望もしていた。
精神疾患に理解のない実家の母にも相談はできなかった。
ただ、「この人とはもう一緒には暮らせないかもしれない」
そんな予感を感じはじめていた。
<第10話へつづく>
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