といっても、タヌキのカレンダーに連休の文字はない。
そうだ、パンの配送に連休もへったくれもないからだ。
…というわけで、夜中に起きて弁当を作り、朝まで寝るというスタイルはそのままの連休らしからぬ連休である。
学校が休みでミチャポンが家にいるので何かと騒がしい。
かまってくれ攻撃に遭うのでおちおち落ち着いてもいられない。
とりあえず、しつこい風邪を直すために寝倒すだけ寝倒し、その他の時間は買い物に、ミチャポンのラッパのレッスンのつきあいに…、食事作りに…と費やしているうちに連休も終わりである。
なんか連休でない方が忙しくない気がする。
さて、寝ながら読み返した本の書評といこう。
この本だ。
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実はこの本は1月末に購入した本である。
何故にここまで書評を書かずに寝かせていたのか?
単純な話である。この本、とても骨がある。
そして読み替えずだに味わいぶかい。
これはちょっと気合いを入れて書評をかこう…と、何度も読み返しているうちに時間がたったのだ。
この本は、タイトルが超長い!
読んで字のごとく、成人のPDD者、アスペルガー症候群者に関する解説本である。
実は出版社名が医学書院であることからもわかるように、医師やコメディカルなどの医療関係者向けに書かれた本である。
そして、「社会に生きる彼らの精神行動特性」というサブタイトルにあるように、成人PDD当事者の行動特性を精神的な特性面から読み解こうとした書籍である。
こと、成人のPDD当事者が、どのような認知を経て成長し、特徴的な行動特性をもった「社会に生きる成人」に至るのか?という点にかなりの焦点が当てられている。
何より興味深かったのは、定型者が「FolkPsychorogy(庶民心理学)」を主としたベースに人格形成をするのに対し、PDD者では「FolkPhisics(庶民物理学)」をベースに人格形成がなされるといった話である。
この説から、同書では成人当事者の自己イメージの形成が定型者と異なる部分が大きいことにも言及している。
(タッチパネル様の自己認識という表現がなされている。)
また、後半では、個々の特性が周囲(すなわち定型者)にどう行った印象を持たれやすいのかにも踏み込んだ解説がなされている。この部分は当事者が読んでも、いかなる点で定型者の誤解を受けやすいのかといったことへの理解の助けにもなる部分だろう。
また、二次障害になりやすかったり、パニックを起こしやすかったりする精神特性についても触れれられている。
後半部分も前半の自己形成、自己イメージの完成と結びつけられて記述されているので、一貫して成人PDD者を統合した「発達的マイノリティ」として、理解しようとするには最良の解説書ではないだろうか。
ベースの自己形成の部分に何度も立ち戻って読むと、なるほど、そういう解釈も可能だな…、という面が多々ある。全体を何度も読み返しては、よくぞここまで一貫した立場で書いてくれた!と拍手を送りたい気分になった。
当事者の立場からすれば、反論したいってな部分も多少はあるにはある。
でも、まあ、些細な部分である。
だが、豊富な症例と一貫した考え方から、成人当事者を理解しようとする医療関係者、支援者にはぜひこの本を手にとって、そばにおいておいて欲しいと思う本である。
価格が3570円とちょっとお高いが、それだけの価値のある本だと断言してしまおう。
いやあ、興味深い本だった!

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やっと書評書いたぞ~
ってなわけで、
…
ぼちっと↑
おひとつ。
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